軟X線レーザープローブによるアブレーションダイナミクスのイメージング

Imaging of ablation dynamics by soft X-ray laser

富田 卓朗*; 長谷川 登; 錦野 将元; 河内 哲哉; 末元 徹

Tomita, Takuro*; Hasegawa, Noboru; Nishikino, Masaharu; Kawachi, Tetsuya; Suemoto, Toru

フェムト秒レーザー加工の分野では近年、加工閾値近傍の強度でのフェムト秒レーザー照射によって引き起こされる現象に注目が集まっている。フェムト秒レーザー加工に特有の現象は、フェムトからピコ秒領域での不可逆的なナノメートルスケールでの構造変化であるため、その実態を捉えるにはナノメートルの空間分解能、ピコ秒の時間分解能を持ったシングルショットでの時間分解イメージング観察が必要である。これまで、可視光をプローブとして用いたアブレーションダイナミクスの観測例は存在するが、波長による空間分解能の制約のため、ナノメートルスケールでのイメージングは不可能であった。そこで、X線をプローブとしたポンププローブ計測によるナノメートルスケールダイナミクスの研究が注目を集めており、各国で活発に研究が行われている。われわれは、軟X線レーザーを用いて、ピコ秒の時間スケールでナノメートルスケールの表面形状をシングルショット計測可能なポンププローブ軟X線反射率イメージングシステムを開発し、プラチナ膜のアブレーションダイナミクスを観測することに成功したので、その内容を報告する。

A single-shot soft X-ray laser pulse was used as a probe to investigate the early stage of the laser ablation process on platinum caused by the femtosecond near-infrared pump pulse. From time-resolved interferometry, we observed the dilation of the ablation front on a scale of 10 nm in the picosecond region. In the reflective imaging, we found three distinct types of dynamical responses, depending on the radial position in the pump beam spot. These characteristic behaviors correspond to different laser fluence and were attributed to different ablation schemes: spallation, homogeneous nucleation, and fragmentation/vaporization, which have been predicted from molecular dynamics simulation.