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栗原 モモ*; 保高 徹生*; 青野 辰雄*; 芦川 信雄*; 海老名 裕之*; 飯島 健*; 石丸 圭*; 金井 羅門*; 苅部 甚一*; 近内 弥恵*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 322(2), p.477 - 485, 2019/11
被引用回数:4 パーセンタイル:36.45(Chemistry, Analytical)福島県の淡水に含まれる低レベル溶存態放射性セシウム濃度の測定に関する繰り返し精度と再現精度を評価した。21の実験施設が5つの異なる前濃縮法(プルシアンブルー含浸フィルターカートリッジ,リンモリブデン酸アンモニウム共沈,蒸発,固相抽出ディスク、およびイオン交換樹脂カラム)によって10L試料3検体を前濃縮し、放射性セシウム濃度を測定した。全Cs濃度測定結果のzスコアは2以内で、手法間の誤差は小さいことが示された。一方で、各実験施設内の相対標準偏差に比べて、施設間の相対標準偏差は大きかった。
長谷川 登; 錦野 将元; 富田 卓朗*; 大西 直文*; 伊藤 篤史*; 江山 剛史*; 柿本 直也*; 井筒 類*; 南 康夫*; 馬場 基芳*; et al.
X-Ray Lasers and Coherent X-Ray Sources; Development and Applications XI (Proceedings of SPIE, Vol.9589), p.95890A_1 - 95890A_8, 2015/09
被引用回数:1 パーセンタイル:54.14(Optics)フェムト秒レーザーポンプ・軟X線レーザープローブ計測法を開発し、フェムト秒レーザーアブレーション過程の観測を開始している。レーザーアブレーション過程は、初期過程における変化が高速(~ピコ秒)である反面、粒子が飛散する過程はマイクロ秒程度と長い時間をかけて行われる。我々は、この様な現象を同一の装置で観測するため、ポンプ光とプローブ光を異なる発振器で発生させることで両者の遅延時間を数ピコ秒の時間精度を保ちつつ、マイクロ秒以上の幅広い時間に対応させた。今回は本システムを用いることで、金属のフェムト秒レーザーアブレーション過程において、その初期(数ピコ秒)に金属表面から剥離した薄膜が、マイクロ秒程度まで膜としての形状を保持したまま膨張することを新たに見いだした。
長谷川 登; 富田 卓朗*; 錦野 将元; 江山 剛史*; 柿本 直也*; 南 康夫*; 馬場 基芳*; 大西 直文*; 伊藤 篤史*; 河内 哲哉; et al.
JAEA-Conf 2015-001, p.17 - 20, 2015/07
軟X線レーザーをプローブとした干渉計を構築することで、フェムト秒レーザーアブレーション過程におけるexpansion frontとablation frontの同時計測に成功した。これにより、フェムト秒レーザーアブレーションのダイナミクスの全体像を実験的に得ることに成功した。更に金とタングステンのexpansion frontの形状を比較することにより、アブレーション過程が局所的な照射強度と加工閾値に強く依存していることが示された。これは、照射レーザーのプロファイルの制御により、expansion frontの形状が制御可能であることを示しており、過渡的な光学素子の形成等への応用が期待される。
Inogamov, N. A.*; Zhakhovsky, V. V.*; 長谷川 登; 錦野 将元; 山極 満; 石野 雅彦; Agranat, M. B.*; Ashitkov, S. I.*; Faenov, A. Y.*; Khokhlov, V. A.*; et al.
Applied Physics B, 119(3), p.413 - 419, 2015/06
被引用回数:6 パーセンタイル:33.04(Optics)Spatial structures of ablative mass flow produced by femtosecond laser pulses are studied. In experiments with a gold film, the Ti:sap laser pulse having a focal size of 100 microns on a target was used, while a soft X-ray probe pulse was utilized for diagnostics. The experimental data are compared with simulated mass flows obtained by two-temperature hydrodynamics and molecular dynamics methods. Simulation shows evolution of a thin surface layer pressurized after electron-ion thermalization, which leads to melting, cavitation and formation of spallation liquid layer. The calculated asymptotic surface velocity of this layer as a function of fluence is in reasonably good agreement with experimental data.
錦野 将元; 長谷川 登; 富田 卓朗*; 江山 剛史*; 柿本 直也*; 大西 直文*; 伊藤 篤史*; 馬場 基芳*; 南 康夫*; 河内 哲哉; et al.
レーザー学会第471回研究会報告; 短波長量子ビーム発生と応用, p.9 - 12, 2014/12
フェムト秒レーザーアブレーションによるリップル形成、ナノスケールアブレーションやナノ粒子生成などに関する興味深い現象が数多く報告されているが、その基礎的なメカニズムは理解されていない。これまでの金や白金に加えて融点の高いタングステンを用いて実験を開始した。フェムト秒レーザー照射によるタングステンのアブレーション過程の解明のために、フェムト秒レーザー(波長795nm、パルス幅80fs)ポンプ・ピコ秒軟X線レーザー(波長13.9nm、パルス幅7ps)プローブを構築し、ピコからナノ秒スケールで起きる金属のフェムト秒レーザーアブレーション過程の観測を行った。レーザー照射の数ピコ秒後から数ナノ秒後の時間領域のサンプル表面でのアブレーション面の膨張過程について軟X線による反射及び干渉計測を行い、アブレーションフロントの表面状態について解析を行った。また、講演ではタングステンと他の金属のアブレーション過程の違いについて考察を行う。
馬場 基芳*; 錦野 将元; 長谷川 登; 富田 卓朗*; 南 康夫*; 武井 亮太*; 山極 満; 河内 哲哉; 末元 徹
Japanese Journal of Applied Physics, 53(8), p.080302_1 - 080302_4, 2014/08
被引用回数:8 パーセンタイル:33.32(Physics, Applied)軟X線光源として波長13.9nm、パルス幅8ピコ秒の軟X線レーザーを用 いたシングルショット斜入射反射型軟X線顕微鏡の開発を行っている。結像光学素子としてフレネルゾーンプ レートを用いることで高空間分解能を達成している。サブミクロンスケールの溝構造をつけたプラチナサンプルの表面を約360nmの空間分解能でシングルショット撮像に成功した。ケーラー照明を用いることで100ミクロンの幅広い空間視野を保ち、また、この軟X線顕微鏡は100ミクロン以上の深さの焦点深度を持つことを確認した。この高空間分解能の軟X線顕微手法により、単一パルスのフェムト秒レーザーによって引き起こされる レーザーアブレーションの過程や表面の微細構造を高空間,高時間分解能で観察することが可能となった。
富田 卓朗*; 錦野 将元; 長谷川 登; 南 康夫*; 武井 亮太*; 馬場 基芳*; 江山 剛史*; 高吉 翔大*; 海堀 岳史*; 守田 利昌; et al.
Journal of Laser Micro/Nanoengineering, 9(2), p.137 - 142, 2014/06
被引用回数:5 パーセンタイル:28.44(Nanoscience & Nanotechnology)リップル形成やナノアブレーションなどのフェムト秒レーザーアブレーションに関する基礎的なメカニズムは理解されていない。単一パルス照射によって引き起こされる基礎過程を理解するために、我々はプラズマ励起軟X線レーザー(波長13.9nm)による軟X線反射率計測を用いて、白金, 金, タングステンにおけるアブレーションフロントの表面状態についての計測を開始した。ガウス型の強度分布を持ったフェムト秒チタンサファイアレーザー光(波長795nm)をポンプ光とし、局所フルエンスに対するアブレーションダイナミクスの依存性を明らかにすることを試みている。ポンプ光とプローブ光のタイミングジッターをさけるために、X線ストリークカメラを用いたタイミング計測手法を開発しすべてのショットにおいてタイミング計測を行った。ポンプ・プローブ実験結果から金属の種類によって、その軟X線反射像の時間経過や中心のアブレーション痕の周りに発生するダークリングと呼ばれる軟X線低反射領域の形成が大きく違うことを確認した。これらの実験結果は、フェムト秒レーザーアブレーションにおける数値シミュレーションのベンチマークとなると考えられる。
出来 真斗*; 岡 知輝*; 高吉 翔大*; 直井 美貴*; 牧野 高紘; 大島 武; 富田 卓朗*
Materials Science Forum, 778-780, p.661 - 664, 2014/02
被引用回数:2 パーセンタイル:71.09(Crystallography)炭化ケイ素(SiC)基板へフェムト秒レーザー照射を行うと、SiCの比抵抗が5桁程度低下することが知られている。本研究ではフェムト秒レーザーを照射したSiCの電気伝導機構に関する知見を得るため、フェムト秒レーザー照射部における抵抗値の温度依存性を測定し、照射部の活性化エネルギーを求めた。試料は半絶縁性SiCであり、基板上に1mmの間隔を設けて蒸着した2つのアルミニウム電極の間へフェムト秒レーザーを照射した。照射条件は、照射エネルギー密度21J/cm、レーザー走査速度100m/secとした。フェムト秒レーザー照射後、測定温度122473Kにおいて電極間の抵抗値の温度依存性を測定した。その結果、伝導体の下端からそれぞれ8.3および86meVにおいてエネルギー準位が存在することがわかった。以上のことより、照射エネルギー密度21J/cmの室温における抵抗値の低下は、8.3meVの活性化エネルギーを持つ順位に起因していると考えられる。
出来 真斗*; 牧野 高紘; 児島 一聡*; 富田 卓朗*; 大島 武
Materials Science Forum, 778-780, p.440 - 443, 2014/02
被引用回数:3 パーセンタイル:80.97(Crystallography)炭化ケイ素(4H-SiC)半導体を用いて作製した金属-酸化膜-半導体(Metal Oxide Semiconductor: MOS)キャパシタにおける高エネルギー重イオンに対する信頼性について検討した。実験は、蓄積方向に直流電界を印加した4H-SiC MOSキャパシタへ重イオンを照射し、酸化膜の絶縁破壊電界(Ecr)を測定した。重イオンのLET(Linear Energy Transfer: LET)を変えた照射を行うことでEcrのLET依存性の実測に成功し、Ecrは照射重イオンのLETに反比例する結果が得られた。この実験結果と、既に報告されているシリコン(Si)MOSキャパシタにおけるEcrのLET依存性とを比較した結果、Siと比較してSiC MOSキャパシタの方がEcrが大きく絶縁破壊耐性が高いことが明かになった。
長谷川 登; 越智 義浩; 河内 哲哉; 錦野 将元; 石野 雅彦; 今園 孝志; 海堀 岳史; 守田 利昌; 佐々木 明; 寺川 康太*; et al.
X-Ray Lasers 2012; Springer Proceedings in Physics, Vol.147, p.117 - 120, 2014/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Electrical & Electronic)フェムト秒レーザーによるアブレーションダイナミクスは数値シミュレーションによる予測が多数されているが、観測が困難であるため実験的な解明が遅れている分野である。われわれはフェムト秒レーザーポンプ・軟X線レーザープローブを用いた時間分解軟X線反射イメージング光学系を構築し、白金におけるアブレーションダイナミクスの観測を行った。ガウス型の強度分布を持ったフェムト秒レーザー光照射によって、スポット内の局所フルエンスの違いに起因した軟X線反射率の時間発展の違いを観測することに世界で初めて成功した。
錦野 将元; 長谷川 登; 石野 雅彦; 山極 満; 河内 哲哉; 南 康夫*; 寺川 康太*; 武井 亮太*; 馬場 基芳*; 末元 徹; et al.
JAEA-Conf 2013-001, p.16 - 19, 2013/09
フェムト秒レーザーアブレーションに関する興味深い現象が数多く報告されているが、その基礎的なメカニズムは理解されていない。そこでプラズマ励起軟X線レーザーによる軟X線干渉計を用いたアブレーションフロントの膨張過程の観測、及び軟X反射率計測からアブレーションフロントの表面状態について研究を開始した。特に、ガウス型の強度分布を持ったポンプ光を用いることで、局所フルエンスに対するアブレーションダイナミクスの依存性を明らかにすることを試みている。反射率計測の結果からは、局所照射フルエンスに対して閾値特性を持ったアブレーションダイナミクスの変化が計測されている。しかし、これまでに干渉計測と反射率計測を併せたアブレーションダイナミクスの検討は十分に行えていなかった。本研究では系統的な計測時間やポンプレーザー照射強度における軟X線干渉計測と軟X線反射率計測の結果を比較し検討を行う。
錦野 将元; 長谷川 登; 富田 卓朗*; 南 康夫*; 武井 亮太*; 馬場 基芳*; 江山 剛史*; 高吉 翔大*; 河内 哲哉; 羽富 大紀*; et al.
Proceedings of SPIE, Vol.8849, p.88490E_1 - 88490E_6, 2013/09
被引用回数:2 パーセンタイル:72.25(Optics)近年、リップル形成やナノアブレーションなどのフェムト秒レーザーアブレーションに関する興味深い現象が 数多く報告されているが、その基礎的なメカニズムは理解されていない。このような現象は基本的にはマルチパルス照射によって引き起こされるものであるが、その基礎過程を理解するためには、まずは単一パルス照射によって引き起こされる過程を理解することが重要である。われわれはプラズマ励起軟X線レーザー(波長13.9nm)による軟X線干渉計を用いたアブレーションフロントの膨張過程の観測、及び軟X線反射率計測から複数の金属におけるアブレーションフロントの表面状態についての計測を開始している。ガウス型の強度分布を持ったフェムト秒チタンサファイアレーザー光(波長795nm)をポンプ光とし、局所フルエンスに対するアブレーションダイナミクスの依存性を明らかにすることを試みている。白金や金表面の干渉計測・反射率計測で得られたアブレーション初期過程の表面変化について講演を行う。
大島 武; 出来 真斗; 牧野 高紘; 岩本 直也; 小野田 忍; 平尾 敏雄*; 児島 一聡*; 富田 卓朗*; 松尾 繁樹*; 橋本 修一*
AIP Conference Proceedings 1525, p.654 - 658, 2013/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)炭化ケイ素(SiC)半導体デバイスのシングルイベント現象(SEGR)を把握するため、SiCエピタキシャル膜に金属-酸化膜-半導体キャパシタ(MOS)を作製し、イオン入射によりMOSキャパシタの酸化膜から検出される漏れ電流を調べた。n型六方晶(4H)SiCエピタキシャル基板上に1100C、60分間の水素燃焼酸化を行うことで6080nmのゲート酸化膜を形成し、Al金属蒸着によりMOSキャパシタを作製した。作製したMOSキャパシタのゲート電極に電圧を印加した状態で、18MeVの酸素(O)又はニッケル(Ni)イオンを照射し、照射中にゲート酸化膜から検出される漏れ電流を測定した。その結果、18MeV-Oイオン照射の場合、未照射試料でのゲート酸化膜絶縁破壊電界8.2MV/cmまで漏れ電流の急激な変化はないが、18MeV-Niイオンでは7.3MeV/cmの電界強度で漏れ電流の急激な上昇が観測されSEGRが発生することが明らかとなった。18MeV-Oの線エネルギー付与(LET)が7MeVcm/mgであるのに対し、Niは24MeVcm/mgであることから、Niの場合、Oに比べ高密度のエネルギーが付与されSEGRに至ったと結論できる。
富田 卓朗*; 山本 稔*; 長谷川 登; 寺川 康太*; 南 康夫*; 錦野 将元; 石野 雅彦; 海堀 岳史*; 越智 義浩; 河内 哲哉; et al.
Optics Express (Internet), 20(28), p.29329 - 29337, 2012/12
被引用回数:20 パーセンタイル:67.07(Optics)軟X反射率計測からフェムト秒レーザーアブレーションにおけるアブレーションフロントの表面状態について計測を行った。軟X線レーザーとフェムト秒レーザーを用いたポンプ・プローブ計測手法を開発し、系統的な遅延時間における軟X線反射率の計測を行った。ガウス型の強度分布を持ったフェムト秒レーザー光(800nm)をポンプ光として用いることで、強励起,中励起,弱励起と照射強度を変化させた場合の軟X線反射率の時間変化を計測した結果、強励起領域においては、反射率がフェムト秒レーザー照射後、すぐに低下し、中励起領域においては強励起部分よりは遅い時間で反射率が低下し、最終的に160ピコ秒程度で反射率が最低になる。弱励起領域においては反射率の低下は計測されなかった。これらの結果より、フェムト秒レーザー照射の局所フルエンスに対して明確な閾値特性をもったアブレーションダイナミクスの変化が起こることを明らかにした。
出来 真斗; 牧野 高紘; 富田 卓朗*; 橋本 修一*; 児島 一聡*; 大島 武
Proceedings of 10th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-10) (Internet), p.78 - 81, 2012/12
炭化ケイ素(SiC)金属-酸化膜-半導体(MOS)キャパシタへ電圧を印加した状態で重イオンを照射し、ゲート酸化膜の絶縁破壊電界(E)と入射イオンのエネルギー付与(Linear Energy Transfer: LET)との関係を調べた。n型六方晶(4H)SiC MOSキャパシタへ、9MeVのニッケル(Ni)、18MeVのNi、322MeVのクリプトン(Kr)及び454MeVのキセノン(Xe)を照射した。それぞれのイオンのLETは、14.6, 23.8, 42.2及び73.2MeVcm/mgである。その結果、LETの増加に伴うEの低下が確認され、Eの逆数とLETには直線関係があることが見いだされた。この直線関係はシリコン(Si)MOSデバイスにおいても報告されているが、SiCの場合は半導体内部で1個の電子正孔対を生成するエネルギーがSiと比較して大きいことから、Siに比べ傾きがなだらかとなることが判明した。
富田 卓朗*; 長谷川 登; 錦野 将元; 河内 哲哉; 末元 徹
レーザー研究, 40(8), p.592 - 597, 2012/08
フェムト秒レーザー加工の分野では近年、加工閾値近傍の強度でのフェムト秒レーザー照射によって引き起こされる現象に注目が集まっている。フェムト秒レーザー加工に特有の現象は、フェムトからピコ秒領域での不可逆的なナノメートルスケールでの構造変化であるため、その実態を捉えるにはナノメートルの空間分解能、ピコ秒の時間分解能を持ったシングルショットでの時間分解イメージング観察が必要である。これまで、可視光をプローブとして用いたアブレーションダイナミクスの観測例は存在するが、波長による空間分解能の制約のため、ナノメートルスケールでのイメージングは不可能であった。そこで、X線をプローブとしたポンププローブ計測によるナノメートルスケールダイナミクスの研究が注目を集めており、各国で活発に研究が行われている。われわれは、軟X線レーザーを用いて、ピコ秒の時間スケールでナノメートルスケールの表面形状をシングルショット計測可能なポンププローブ軟X線反射率イメージングシステムを開発し、プラチナ膜のアブレーションダイナミクスを観測することに成功したので、その内容を報告する。
長谷川 登; 山本 稔*; 寺川 康太*; 錦野 将元; 越智 義浩; 南 康夫*; 富田 卓朗*; 河内 哲哉; 末元 徹
AIP Conference Proceedings 1465, p.23 - 27, 2012/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)「フェムト秒レーザー照射によるレーザーアブレーション」の初期過程の解明を目指し、「アブレーションしきい値近傍の照射強度領域における表面形状の過渡的な変化」の観測を行っている。固体表面を観測するのに適した波長を持つプラズマ軟X線レーザーをプローブ光源とした干渉計を開発し、これにポンプ光源としてチタンサファイアレーザーを組合せることで、「フェムト秒レーザー照射による金属表面のレーザーアブレーション」のナノメートル級の変位をピコ秒スケールの分解能で観測した。さらにX線レーザーとチタンサファイアレーザーの同期手法を改善し、同期精度を3ピコ秒以下に低減することに成功したので、これを報告する。
越智 義浩; 寺川 康太*; 長谷川 登; 山本 稔*; 富田 卓朗*; 河内 哲哉; 南 康夫*; 錦野 将元; 今園 孝志; 石野 雅彦; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 51(1), p.016601_1 - 016601_3, 2012/01
被引用回数:10 パーセンタイル:39.57(Physics, Applied)波長13.9nm,パルス幅7psの軟X線レーザーを用いたダブルロイズ型干渉計を開発し、深さ5nmの溝をシングルショットで撮像し、再生することに成功した。この干渉計の平面内、及び深さ方向の分解能はそれぞれ1.5m, 1nmよりも高く、固体表面におけるナノメートル級の過渡変位の診断への応用が期待される。
長谷川 登; 越智 義浩; 河内 哲哉; 寺川 康太*; 富田 卓朗*; 山本 稔; 錦野 将元; 大場 俊幸; 海堀 岳史; 今園 孝志; et al.
X-Ray Lasers 2010; Springer Proceedings in Physics, Vol.136, p.353 - 358, 2011/12
レーザー照射によるプリアブレーション過程の解明は、非熱的加工及び微細加工等の応用に対して重要である。われわれが開発したプラズマ軟X線レーザーは物質表面の微細構造の観測に適した短い波長(13.9nm)とダイナミクスの観測に適した短いパルス幅(7ps)を有する。本研究では、ナノスケールのダイナミクスを観測するために、軟X線レーザーを用いた干渉計の開発を行うとともに、軟X線レーザーと他のレーザーとの空間及び時間同期に関する研究を行った。ダブルロイズ反射鏡を用いることにより、深さ方向1nmの分解能を持つ干渉計の開発に成功した。空間同期に関しては、軟X線に感度を有するシンチレーターを用いることにより、50micron以下の精度でのアライメントを実現した。また時間同期に関しては、薄膜ターゲットを利用したプラズマゲートによるX線レーザーと他のレーザーとの時間同期に関する基礎実験を行ったので、これを報告する。
河内 哲哉; 長谷川 登; 錦野 将元; 石野 雅彦; 今園 孝志; 大場 俊幸; 海堀 岳史; 岸本 牧; 越智 義浩; 田中 桃子; et al.
X-Ray Lasers 2010; Springer Proceedings in Physics, Vol.136, p.15 - 24, 2011/12
本講演では、原子力機構におけるレーザー駆動X線レーザーの光源開発及び利用研究に関する最新の成果を報告する。利用研究の対象は物質科学,レーザー加工,X線イメージング,生体細胞の放射線損傷等と多岐に渡っている。物質科学への応用に関しては、強誘電体の相転移直上での格子揺らぎの時間相関を初めて観測した。レーザー加工に関しては、短パルスレーザー照射時の試料表面電子融解現象をX線レーザー干渉計で観察した。軟X線回折イメージングに関しては、静止したサンプルの微細構造の観察結果とともに、将来的なポンププローブ観察への計画を紹介する。また、X線レーザーの集光性能を利用した細胞損傷効果の基礎実験では、DNAの2本鎖切断の観察結果とKeV領域のインコヒーレントX線照射の場合との比較を議論する。