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高速分子イオンのナノキャピラリー透過におけるウェイク効果

Wake effects on fast molecular transmission through a nanocapillary

土田 秀次*; 中嶋 薫*; 横江 潤也*; 杉山 元彦*; 太田 優史*; 間嶋 拓也*; 柴田 裕実*; 冨田 成夫*; 笹 公和*; 平田 浩一*; 鳴海 一雅; 齋藤 勇一; 千葉 敦也; 山田 圭介; 的場 史朗; 木村 健二*; 伊藤 秋男*

Tsuchida, Hidetsugu*; Nakajima, Kaoru*; Yokoe, Junya*; Sugiyama, Motohiko*; Ota, Yushi*; Majima, Takuya*; Shibata, Hiromi*; Tomita, Shigeo*; Sasa, Kimikazu*; Hirata, Koichi*; Narumi, Kazumasa; Saito, Yuichi; Chiba, Atsuya; Yamada, Keisuke; Matoba, Shiro; Kimura, Kenji*; Ito, Akio*

高速分子イオンを数十nmの孔径を持つナノキャピラリーを透過させて、出射する分子イオンの分子軸をキャピラリー内壁との相互作用により揃えるビーム配向制御に関する研究を行っている。分子軸配向の駆動力としては、キャピラリー内で解離した入射イオンのうち、先行するイオンの電荷でキャピラリー内壁表面に誘起された電子の動的遮蔽によって、その後方にできる電子粗密波に後続イオンが捕捉される効果(ウェイク効果)が有力と考えられる。そこで本研究ではウェイクによる解離イオンの捕捉効果を調べるため、1.0MeV HeH$$^{+}$$イオンをアルミナ製の平均孔径67nm、アスペクト比約750のキャピラリーに入射させ、出射する解離イオン(H$$^{+}$$およびHe$$^{1, 2+}$$)の運動エネルギーを高分解能磁場型分析器により測定した。この結果の一例として、ゼロ度方向に出射したH$$^{+}$$イオンのエネルギースペクトルでは、Heイオンの前方と後方に位置してクーロン爆発したH$$^{+}$$に相当するピークが204keVと196keV付近にそれぞれ観測された。各ピークの収量比からHeイオンの後方に捕捉されたH$$^{+}$$の成分は約75%であることが分かった。発表では、他の出射イオンの出射角依存性等についても言及する。

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