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グラファイト上のチオフェン吸着に関するヘテロ原子ドーピング効果

Hetero atom doping effect on thiophene adsorption on graphite

下山 巖   ; 馬場 祐治  ; 関口 哲弘  ; 平尾 法恵

Shimoyama, Iwao; Baba, Yuji; Sekiguchi, Tetsuhiro; Hirao, Norie

$$pi$$共役系炭素へのドーピングにより発現する機能性については未解明の領域が多い。そこで我々は脱硫に関するドーピング効果に注目した。活性炭の脱硫はこれまでも精力的に研究されているが、ヘテロ原子ドーピング効果は十分調べられていない。チオフェン類は難脱硫化合物の一つであり、本研究では$$pi$$共役系炭素のモデル物質であるグラファイトにP及びNドーピングを行い、チオフェンの吸着特性に対するドーピング効果を調べた。PCl$$_{3}$$もしくはN$$_{2}$$のフラグメントイオンを3keVに加速し、グラファイトへ照射を行った。照射後試料を800$$^{circ}$$Cでアニールし、室温冷却後1$$times$$10$$^{-2}$$Paのチオフェンガスに1時間曝露した。比較のため、Ar$$^{+}$$イオン照射についても比較を行った。XPSによる測定の結果、Ar$$^{+}$$照射、及びNドーピングした試料ではチオフェンの吸着特性がほとんど変化しなかったが、Pドーピングを行った試料ではNドーピングよりも約20倍吸着能が向上することを初めて見出した。この結果を分子軌道計算により解析し、Pドーピングの二つの効果について提案する。

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