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放射線照射食品に誘導されるラジカルのPulse-ESRによる計測

Measurement of radicals induced in irradiated foods using Pulse-ESR

岸田 敬吾*; 永田 夏樹*; 亀谷 宏美*; 菊地 正博; 中村 秀夫*; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*

Kishida, Keigo*; Nagata, Natsuki*; Kameya, Hiromi*; Kikuchi, Masahiro; Nakamura, Hideo*; Kobayashi, Yasuhiko; Ukai, Mitsuko*

照射食品の検知法では連続波(CW)-ESR法を用いて照射誘導ラジカルを計測して検知する。ESRスペクトルから得られる解析パラメータにラジカルの緩和時間があり、通常、CW-ESRで測定される明瞭なsinglet信号から間接的に算出する。そこで、本研究では、複雑な信号を示す照射食品の緩和時間をパルス波(Pulse)-ESR法により直接測定できるか検討して、CW-ESR法による算出値との比較を試みた。試料は、市販の小麦粉,大豆及び黒コショウを用いた。Pulse-ESR測定において、照射小麦粉及び照射大豆(皮)でecho信号の観測に成功し、この信号の減衰時間から直接測定された緩和時間は吸収線量に依存して変化することがわかった。CW-ESRによる緩和時間の算出値は、Pulse-ESRによる測定値よりやや小さくなる傾向にあった。これは照射大豆や小麦粉の複雑なESR信号に対して、singlet信号からの算出法を適用したためと考えられる。Pulse-ESRで測定された緩和時間が照射依存性を示すことから、緩和時間を用いた検知法の可能性が示唆された。

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