放射線抵抗性細菌におけるポリリン酸生合成関連遺伝子の解析

Molecular analysis of polyphosphate biosynthesis-related genes in

上田 涼史郎; 佐藤 勝也; 林 秀謙*; 鳴海 一成*; 大野 豊

Ueda, Ryoshiro; Sato, Katsuya; Hayashi, Hidenori*; Narumi, Issey*; Ono, Yutaka

生体高分子であるポリリン酸は、リン酸が直鎖状に結合したポリマーであり、微生物の細胞内では負電荷を持つ形で蓄積されている。そのため、正電荷を持つ有害な金属イオンを捕捉し、細胞毒性の少ない形で蓄積されると考えられている。一方、放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスは、効率的なDNA修復能に起因する高い放射線耐性を有しており、放射能汚染環境下における微生物バイオレメディエーションへの利用が期待されている。東日本大震災の影響による東京電力福島第一原子力発電所の事故によって環境中に放出された放射性セシウムを回収・除去することは緊急の課題である。そこで本研究では、ラジオデュランスにおけるポリリン酸生合成関連遺伝子(polyphosphate kinaseをコードする遺伝子及びexopolyphosphataseをコードする遺伝子)に着目し、これら遺伝子を破壊あるいは改変させることでポリリン酸蓄積への影響について解析した。

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