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CVD合成ダイヤモンドを用いた高エネルギー重イオン飛跡の検出

Detection of high energy heavy ion track using CVD diamond

春山 盛善; 小野田 忍; 寺地 徳之*; 磯谷 順一*; 加田 渉*; 大島 武; 花泉 修*

Haruyama, Moriyoshi; Onoda, Shinobu; Teraji, Tokuyuki*; Isoya, Junichi*; Kada, Wataru*; Oshima, Takeshi; Hanaizumi, Osamu*

ダイヤモンド中の窒素-原子空孔(Nitrogen Vacancy:NV)センターの持つ高輝度という特徴を活かして、数十nmという超高分解能観察が可能なイオン飛跡検出器を開発を進めている。これまで、高温高圧(High Pressure High Temperature: HPHT)法により合成されたダイヤモンドを用いて実験を行い、HPHTダイヤモンドがイオン飛跡検出器として利用できることを示してきた。しかし、HPHTダイヤモンド中の窒素不純物濃度が部位によって異なるため、高濃度の部位で飛跡が検出されるのに対し、低濃度の部位で飛跡が検出されないという問題があった。本研究では、窒素不純物が均一かつ濃度制御可能な化学気相成長(Chemical Vapor Deposition: CVD)法により合成されたダイヤモンドを使用し、飛跡検出器への応用の可能性を調べた。HPHTダイヤモンドと窒素不純物の状態が異なっていることから、これまでイオン飛跡が検出できていなかったCVDダイヤモンドへの490MeV Osイオンの照射実験の結果、イオン飛跡の検出に成功した。以上のように、本研究を通じてCVDダイヤモンドにおいてもイオン飛跡の検出が可能であることが明らかとなった。

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