X線マイクロビーム照射後の細胞分裂のライブセルイメージング

Live cell imaging of cell division process after X-ray microbeam exposure

神長 輝一; 篠田 航平; 福岡 壮太郎; 中上 裕貴; 横谷 明徳

Kaminaga, Kiichi; Shinoda, Kohei; Fukuoka, Sotaro; Nakaue, Hiroki; Yokoya, Akinari

Fucci化されたHeLa細胞を試料として用い、X線照射による細胞周期遅延をライブセル観察により調べた。KEK放射光施設(PF)のBL27Bから得られるX線マイクロビームを利用し、顕微鏡下で細胞に照射した。本顕微照射システムでは、長時間に渡る細胞の継時観察が困難である。このため照射後細胞をビームラインから外し、培養器を備えた別の顕微鏡システムにセットした。オンラインとオフラインの二つの顕微システムにおいて照射細胞の位置座標を共有するため、新たに位置調整用フィルムアタッチメントを製作した。数十個のHeLa-Fucci細胞からなるマイクロコロニー中心部に6060mのX線マイクロビームを照射し、72時間タイムラプス観察を行った。その結果、照射細胞に細胞周期遅延や細胞死、細胞融合などの影響が観察されたことに加え、非照射細胞にも細胞周期遅延が線量や細胞周期に依存して起こることを見出した。これは、新しいタイプのバイスタンダー効果であると考えられる。

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