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GNSS稠密観測から推定される九州南部せん断帯の地殻変動

Crustal deformation estimated from dense GNSS observation around the shear zone in southern Kyushu

渡部 豪 ; 雑賀 敦  ; 浅森 浩一

Watanabe, Tsuyoshi; Saiga, Atsushi; Asamori, Koichi

九州南部には、およそ東西方向に伸びるせん断ひずみ速度の大きな領域(九州南部のせん断帯)が存在することが近年のGNSSデータから指摘されている。しかし、この地殻変動に対応する明瞭な活断層の存在は確認されていない。このような現在の活動と過去の変動傾向との関連性を明らかにすることは、地質環境の長期安定性を検討する上で重要であると考えられる。そこで、本研究では、将来の地殻変動をモデル化する技術開発の一環として、比較的最近の時代に変動が開始したと考えられる九州南部のせん断帯の詳細な地殻変動を把握するため、せん断帯と直交する方向に10点のGNSS稠密観測点を設置し、2016年2-3月より観測を開始した。同観測によって得られたデータを用いて変位速度を推定した結果、周辺のGEONET観測点の変位速度と整合的であることが確認された。一方で、GEONETデータを用いたせん断帯での地殻変動の予備的解析の結果、せん断帯西部では、深さ9km以深で6.8mm/yrの相対運動が推定された。これは、先行研究によるブロック断層モデルから推定されたすべり速度の推定結果と調和的である。さらに、せん断帯のすべり方向は、せん断帯近傍で発生する地震のメカニズム解とも整合的であった。以上の結果は、せん断帯西部で示されている高いひずみ速度は、上部地殻深部における未成熟な断層の運動が関与している可能性を示唆する。

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