Pd同位体のeV中性子捕獲反応における即発線測定
Prompt -ray measurement from the neutron capture reaction of Pd isotopes in the eV energy range
吉川 大幹*; 安部 亮太*; 石崎 貢平*; 伊東 佑起*; 遠藤 駿典 ; 奥 隆之 ; 奥平 琢也*; 亀田 健斗*; 北口 雅暁*; 木村 敦 ; 酒井 健二 ; 嶋 達志*; 清水 裕彦*; 高田 秀佐*; 中井 飛翔*; 広田 克也*; 藤家 拓大*; 藤岡 宏之*; 吉岡 瑞樹*
Yoshikawa, Hiromoto*; Abe, Ryota*; Ishizaki, Kohei*; Ito, Yuki*; Endo, Shunsuke; Oku, Takayuki; Okudaira, Takuya*; Kameda, Kento*; Kitaguchi, Masaaki*; Kimura, Atsushi; Sakai, Kenji; Shima, Tatsushi*; Shimizu, Hirohiko*; Takada, Shusuke*; Nakai, Asuka*; Hirota, Katsuya*; Fujiie, Takuhiro*; Fujioka, Hiroyuki*; Yoshioka, Tamaki*
複合核共鳴反応では、弱い相互作用の効果により空間反転対称性(P)が破れており、その破れが最大10%程度まで増幅される場合がある。この増幅効果は、ランダム行列理論に立脚する統計模型を用いて説明される。この模型では、準位密度と遷移行列要素をそれぞれととした場合、の関係が期待されるが、従来のの測定精度はこの関係の検証には不十分である。本研究では、に対して依存性が顕著な領域に属するPd同位体に着目しの高精度化を目指している。は、Pの破れとそれに寄与する共鳴の部分幅の値から実験的に導出可能である。まずを導出するため、Pd同位体のp波共鳴からの即発線の測定を行った。Pdについては、すでに予備的な結果を得ており、前回の物理学会で報告した。同様に、Pdの3.91eVおよびPdの5.19eVのp波共鳴からの即発線も測定したが、共鳴断面積がPdの2.96eV p波共鳴に比べほど小さく、また断面積がこれらp波共鳴に比べ約倍大きいPdの32.98eVのs波共鳴の影響によりdead timeが検出器に生じるため、高計数率測定が出来ず十分な統計を得られなかった。そこで現在は、標的と同種の試料を上流側に設置し、s波共鳴近傍のエネルギーを持つ中性子を減衰させp波の統計を稼ぐ手法やS/N比を大幅に改善できる同時計数測定の準備を進めている。
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