スピン波の非線形不安定性による空洞共振モードとの混成制御

Non-linear control of magnon-polariton hybridisation

山本 慧   ; 紅林 秀和*

Yamamoto, Kei; Kurebayashi, Hidekazu*

マイクロ波空洞共振モードと強磁性共鳴の結合は、磁気ダイナミクスの量子性を調べるためのプラットフォームとして興味を集めている。磁気励起の量子制御にはスピン波の非線形性が本質的に重要であるが、それが空洞共振との結合に与える影響についてはほとんど調べられていない。本研究発表では、強磁性共鳴の振幅が3マグノン分裂過程に起因する不安定性を引き起こす程度に大きい領域で、空洞共振モードと強磁性共鳴モードの混成に生じる変化について理論・実験の両面から述べる。非線形不安定性によって励起されたスピン波対の位相が期待値を獲得し、その反作用によって強磁性共鳴モードの振幅は飽和する。強磁性共鳴の飽和は空洞共振モードとの混成を阻害し、結果として共鳴吸収線に現れる反交差によるギャップが強励起によって消失することを明らかにする。

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