中性子及び放射光X線回折を相補利用した中Mn鋼の変形解析

Deformation analysis of medium Mn steel by complementary use of neutron and synchrotron X-ray diffraction

諸岡 聡  ; 山下 享介*; 小山 元道*; Harjo, S.   ; 菖蒲 敬久  

Morooka, Satoshi; Yamashita, Takayuki*; Koyama, Motomichi*; Harjo, S.; Shobu, Takahisa

第3世代先進高張力鋼の目標に合致する優れた強度-延性バランスを発揮させるために開発された中Mn鋼は、冷間圧延加工した後に2相域焼鈍することで、フェライトと残留オーステナイトが混在した1m以下の超微細等軸粒組織を呈し、数%の特異な降伏点伸び(Lders帯の伝播を伴う塑性変形)を生じる。本研究は、中性子及び放射光X線回折法によるその場測定の利点を有効活用して、冷間圧延加工後に2相域焼鈍を施した5Mn-0.1C鋼の引張変形挙動の解明を進める。本手法を用いて、引張変形中のフェライト,残留オーステナイト,加工誘起マルテンサイトの格子ひずみ(応力)変化及び、相分率変化を捉えることで、5Mn-0.1C鋼の引張変形挙動である降伏現象、降伏点伸び、加工硬化を解釈することに成功した。

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