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アルファ線ラジオリシスによる腐食環境評価

Estimation of the corrosive environment induced by alpha-ray radiolysis

端 邦樹 ; 佐藤 智徳  ; 加藤 千明   ; 佐藤 修彰*

Hata, Kuniki; Sato, Tomonori; Kato, Chiaki; Sato, Nobuaki*

水に放射線が照射されると放射線分解(ラジオリシス)を起こし、酸素(O$$_{2}$$)や過酸化水素(H$$_{2}$$O$$_{2}$$)といった酸化剤が生成する。この酸化剤の生成挙動は放射線の種類や溶存酸素等の液相中の成分等の複数の因子の影響を受けて複雑に変化するため、ラジオリシスが腐食に与える影響を評価するためには、条件毎の丁寧な計算が必要となる。東京電力福島第一原子力発電所(以下、1F)のプラントの格納容器内に存在する燃料デブリには、Pu等のアルファ線源が含まれている。デブリ取出し時に切削を行うと、アルファ線源を含むデブリ微粒子の発生が想定される。このような状況でこの微粒子が構造物や配管等の材料表面に沈殿・付着すると、材料が局所的なアルファ線照射環境にさらされることになる。本研究では、1F建家や各種系統の構造材料の腐食への燃料デブリ由来のアルファ線の影響評価に資するため、燃料デブリ中のアルファ核種の種類や放射能量を推定したうえで、そこから放出されるアルファ線の線量率を推定し、アルファ線に起因するラジオリシス由来の酸化剤生成量を見積もった。また、酸化Pu粉末を用いた腐食電位測定により、実際のアルファ線による腐食への影響を実験的に確認した。その結果、アルファ線の飛程は約40$$mu$$mと短いものの、H$$_{2}$$O$$_{2}$$の拡散により、ラジオリシス影響は飛程を超えて数百$$mu$$m$$sim$$数mmの範囲に及ぶことが分かった。今回の評価は燃料デブリ近傍を対象とした微視的な評価結果であり、実際の1F各号機の建屋内環境の評価の際には、循環する冷却水による希釈効果や流速の影響等を考慮する必要がある。

no abstracts in English

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