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アルファ線による局所領域の腐食環境評価

Estimation of the corrosive environment induced by alpha-ray radiolysis in local regions

端 邦樹 ; 佐藤 智徳  ; 加藤 千明   ; 佐藤 修彰*

Hata, Kuniki; Sato, Tomonori; Kato, Chiaki; Sato, Nobuaki*

東京電力福島第一原子力発電所(以下、1F)のプラントの格納容器内に存在する燃料デブリにはPu等のアルファ線源が含まれている。デブリ取出し時に切削を行うと、アルファ線源を含むデブリ微粒子の発生が想定される。このような状況でこの微粒子が構造物や配管等の材料表面に沈殿・付着すると、材料が局所的なアルファ線照射環境にさらされるため、ラジオリシスにより生成する酸化剤の影響で局所的に腐食が促進される可能性がある。本研究では、1F建家や各種系統の構造材料の腐食への燃料デブリ由来のアルファ線の影響評価に資するため、燃料デブリ中のアルファ核種の種類や放射能量を推定したうえで、そこから放出されるアルファ線の線量率を推定し、アルファ線に起因するラジオリシス由来の酸化剤生成量を解析的に見積もった。また、酸化Pu粉末を用いた腐食電位測定により、実際のアルファ線による腐食への影響を実験的に確認した。解析では、アルファ線の飛程は約40$$mu$$mと短いものの、バルクのガンマ線の線量率より60倍程度高い空間線量率となること等を確認した。また、このようなアルファ核種近傍では鉄鋼材料の腐食速度が有意に上昇する可能性があることも示された。なお、今回の評価は燃料デブリ近傍を対象とした微視的な評価結果であり、実際の1F各号機の建屋内環境の評価の際には、循環する冷却水による希釈効果や流速の影響等を考慮する必要がある。

no abstracts in English

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