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Study of electronic structure of graphite-like carbon nitride

グラファイト状窒化炭素の電子構造についての研究

下山 巖   ; Wu, G.; 関口 哲弘  ; 馬場 祐治  

Shimoyama, Iwao; Wu, G.; Sekiguchi, Tetsuhiro; Baba, Yuji

窒化炭素(CN$$_{x}$$)化合物は近年新しい材料として注目を集め、六方晶, 立方晶など固体でのさまざまな構造が提案されている。しかしこれまで合成されたCN$$_{x}$$化合物の構造はまだ十分明らかにはなっていない。この新物質の構造を調べるためわれわれは炭素の最も基本的な構造の一つであるグラファイトに低エネルギーの窒素イオンを打ち込み、その構造を吸収端近傍X線微細構造(NEXAFS)法を用いて調べた。NEXAFSの大きな特徴は偏光依存性測定を行える点にある。偏向磁石から放射されたシンクロトロン放射光は直線偏光を持つため、吸収係数が電場ベクトルEと分子軌道方向との角度に依存する。よって偏光依存性測定を行うことにより系の配向に関する情報を得ることができる。われわれは3keVの低エネルギー窒素イオンを1.7$$times$$10$$^{15}$$ion/cm$$^{2}$$のフルエンスでグラファイトに打ち込み、軟X線のさまざまな入射角におけるN 1s NEXAFSをin situで測定した。その結果、3つの$$pi$$*共鳴構造と1つの$$sigma$$*共鳴構造を得た。$$pi$$*と$$sigma$$*共鳴構造の強度は軟X線の入射角に依存し、$$pi$$*共鳴構造は斜入射において大きく$$sigma$$*共鳴構造は直入射において大きくなるという結果を得た。この結果はグラファイトのC 1s NEXAFSの傾向と似ており、合成されたCN$$_{x}$$薄膜がグラファイト構造に似た層状構造をとることを示唆している。そこで我々は各々の共鳴構造の帰属を行うため各ピーク強度の入射角依存性を解析し、CN$$_{x}$$薄膜が少なくとも3種類の微細構造をもつこと、さらにそのうちの一つが窒素置換されたグラファイト構造をとることを明らかにした。

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分野:Spectroscopy

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