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小山 真一; 大塚 優子; 今野 廣一; 三頭 聡明; 両角 勝文; 梶谷 幹男
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(6), 406 Pages, 1998/00
被引用回数:13 パーセンタイル:70.9(Nuclear Science & Technology)動燃における先進的核燃料リサイクル技術開発において、AGSではマイナ-アクチニド核種を含有するMOX燃料の基礎物性及び照射挙動研究を行っており、その評価のためには燃料中に存在するNpの定量分析技術の確立が不可欠となる。分析は、初めに標準試料を用いた基礎試験により最適な条件を把握し、それを実燃料に適用した。分離法としてイオン交換法を選択し、またイオン交換回収率を把握するため、Npの同位体であるNp-239をトレ-サ-として使用する方法を確立した。製造時にNpを含まず、最大120GWd/tまで照射したC型特殊燃料ピンを分析対象に選択し、その中に極微量含まれるNp-237含有率を分析し、広範囲な燃焼度依存性を求めた。
逢坂 正彦; 小山 真一; 大塚 優子; 三頭 聰明; 滑川 卓志; 今野 廣一
PNC TN9410 98-020, 70 Pages, 1997/12
高速炉におけるNp消滅率の中性子エネルギースペクトル依存性及び中性子照射量依存性等の消滅特性の評価を目的として,照射済MOX燃料中のマイナーアクチニド核種分析技術を適用して,高速実験炉「常陽」にて照射されたNpドシメータの化学分析を行った。NpドシメータはNpO粉末(以下パウダーとする)の形状でバナジウム(以下Vとする)製のキャプセルに封入されているため,分析にあたってはVを除去する必要があった。本研究によって得られた成果は以下の通りである。(1)Npドシメータ化学分析のための試料調整法として,パウダーを100%回収するためにドシメータをキャプセルごと溶解し,溶解液中よりV等の不純物を除去するキャプセル溶解法を確立した。(2)キャプセル溶解法を用いて試料調整を行い,線計測,線計測及び同位体希釈質量分析によりNp,Pu同位体,Cs及びAmの定量分析を行い,Npの消滅率を算出した。消滅率は炉中心で核分裂消滅率の割合が高く,炉上下端で捕獲消滅率の割合が高くなることが分かった。(3)「常陽」運転監視コードMAGIの計算値を用いて断面積で重みづけした中性子照射量を定義し,分析値との比較評価を行った結果,両者は良い一致を見せ,Np消滅率の中性子エネルギースペクトル依存性を確認した。
小山 真一; 大塚 優子; 逢坂 正彦; 今野 廣一; 梶谷 幹男; 三頭 聡明
Proceedings of International Conference on Future Nuclear Systems (Global'97), Vol.2, 0 Pages, 1997/10
動燃では、照射済MOX燃料中のAmとCmの化学分離を行うため、(v)価のビスマスによるAm(III)のAm(VI)への酸化と、リン酸ビスマスによるCm(III)の共沈による迅速な分離法を研究した。そして、酸化及び共沈の最適条件を用いることによって、高速実験炉「常陽」で照射したMOX燃料に含まれるAm分離のための新しいフローを策定した。開発した手法は、Pu及びCmが混入しないAmを得ると同時に燃焼によるAmの同位体変化を分析するため役立つものである。
逢坂 正彦; 小山 真一; 大塚 優子; 三頭 聡明; 今野 廣一; 梶谷 幹男
PNC TN9410 96-297, 79 Pages, 1996/11
Np, Am, Cm等のMA核種を含有するMOX燃料の照射挙動とMA核種の燃焼特製評価の研究の一環として,燃料中に含まれるMA核種定量分析技術の開発を行っている。本研究では線計測を用いたNpの分析法を引き続き、Am及びCm分析法の確立のためにAmとCmの相互分離手法の検討を行った。Am及びCmには照射済燃料中に極微量しか含まれていない同位体が存在し、これらは放射線計測では検出限界以下の量であり、また同位体種類が多くかつ互いに線エネルギーが接近していることから放射線計測を用いたAm, Cmの核種分析が困難であるという問題点 を有する。このため燃料中の極微量なAm, Cmの同位体を,質量分析法を用いて 分析することでAm, Cmの全量の定量分析を行うことを目的に、標準試料を用いてビスマス酸ナトリウムによるAmの酸化及びリン酸ビスマスによるCmの共沈によるAm/Cm相互分離手法の開発を行った。また本手法の照射済燃料への適用性についての検討を行った。結果は以下の通り。Am/Cm相互分離条件把握試験を行い、Am, Cmそれぞれについて最適な分離条件を求めた。AmについてはCmを共沈させたリン酸ビスマス沈殿の洗浄に水を用いることによってCmを一切含まないAmを取得することができ、CmについてはAm残存比(Am/Cmの放射能の分離前に対する比)を1/10以下に低減出来た。照射済燃料へ適用した結果,標準試料を用いた試験と同等のAm, Cm残存比及び回収率が得られ,種々の照 射済MOX燃料に対しても本手法が適用出来る見通しを得た。Amフラクションに対して質量分析を行い,放射線分析では検出限界以下で定量が不可能であった微量のAmの同位体比を測定した。その値はAm:nAm:Am=98.55%:0.62%:0.83%である。また本分析結果より質量数240及び244の同位体存在比が0であることを測定し、AmフラクションへのCmの混入が無いことを確認した。
小山 真一; 逢坂 正彦; 大塚 優子; 今野 廣一; 梶谷 幹男; 三頭 聡明
PNC TN9410 96-301, 61 Pages, 1996/10
動燃における先進的核燃料リサイクル技術開発において,照射燃料試験室では,マイナーアクチニド(MA)核種を含有するMOX燃料の照射挙動とMA核種の燃焼挙動評価の研究を行っている。その一つとして,「常陽」で照射した,約0.9wt%のAmを含有したMOX燃料ピン(B8-HAMピン)のAm含有量を分析し,その燃焼度依存性を評価した。その結果,B8-HAMピンに含まれるAm含有量の燃焼度依存性は観察されず,最大燃焼度26.2GWd/tまでの範囲において,約1%程度のほぼ一定の値を示した。これは,ORIGEN2による計算値との比較等から,「常陽」での照射中の消滅と(各サイクル間の)冷却期間におけるPuからの生成が均衡していることによるものと考えられる。