検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 1737 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

Ion beam induced luminescence of lanthanide complexes in organic solvents irradiated by hydrogen and argon ion beams

中原 将海; 渡部 創; 石井 保行*; 山縣 諒平*; 百合 庸介*; 湯山 貴裕*; 石坂 知久*; 江夏 昌志*; 山田 尚人*; 羽倉 尚人*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 554, p.165449_1 - 165449_5, 2024/09

マイナーアクチニド回収プロセスにおける抽出溶媒の錯体構造を把握するために、有機溶媒中のランタニド元素の荷電粒子誘起発光分析を行った。本実験では、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構のイオン照射施設においてシングルエンド加速器から得られる水素イオンビーム及びサイクロトロンから得られるアルゴンイオンビームを利用した。本実験において、荷電粒子誘起発光スペクトルを測定し、得られたスペクトルと錯体構造との相関について考察した。

論文

Present and new operational quantities evaluated from photon spectrum measurements at workplaces in the research reactor and accelerator facility at the JAEA

谷村 嘉彦; 吉富 寛; 西野 翔; 辻 智也; 深見 智代; 篠塚 友輝; 大石 皓平; 石井 雅人; 高宮 圭; 大貫 孝哉; et al.

Radiation Measurements, 176, p.107196_1 - 107196_6, 2024/08

ICRUはReport95で場や個人被ばくのモニタリングに用いる実用量の定義を変更した。新しい実用量を導入した場合に、さまざまな原子力施設の作業現場における線量測定に影響する。このため、作業場のエネルギースペクトルや測定器の特性を把握しておく必要がある。本研究では、原子力機構にある研究炉(JRR-3)及び加速器施設(J-PARC)の作業場において、NaI(Tl)又はLaBr$$_3$$(Ce)シンチレーション検出器を用いて光子スペクトルを測定した。そして、現行及び新しい実用量を導出してこれらを比較した。

報告書

2023年度夏期休暇実習報告

石塚 悦男; 長住 達; 長谷川 俊成; 川井 大海*; 脇坂 真司*; 長瀬 颯太*; 中村 建斗*; 矢口 陽樹*; 石井 俊晃; 中野 優美*; et al.

JAEA-Technology 2024-008, 23 Pages, 2024/07

JAEA-Technology-2024-008.pdf:1.69MB

「HTTRに関する技術開発」をテーマとした2023年度夏期休暇実習において、3つの大学から5名が参加した。参加者は、HTTR炉心の解析、強制冷却機能喪失時の挙動解析、一次冷却系統のヨウ素沈着挙動解析、高温ガス炉用エネルギー貯蔵システムの概念検討について実習した。実習後のアンケートでは、就業体験として有益であったこと、一部の学生においては自身の研究に役立ったこと等の感想があり、本実習は概ね良好な評価を得た。

報告書

消防自動車を用いたHTTRのBDBA拡大防止対策

島崎 洋祐; 地代所 達也; 石井 俊晃; 猪井 宏幸; 飯垣 和彦

JAEA-Technology 2024-005, 23 Pages, 2024/06

JAEA-Technology-2024-005.pdf:5.53MB

HTTRでは、新規制基準への対応の一環として新たに多量の放射性物質等を放出するおそれのある事故(BDBA)の想定を行うとともに、BDBAの拡大防止対策を定めた。このうち、使用済燃料貯蔵プールに係る冷却水漏洩によって発生するBDBAの拡大防止対策においては、大洗研究所の消防自動車をBDBAの拡大防止対策機器として選定し、揚水性能等の要求性能を定めて検査で確認した。これにより、消防自動車は使用前事業者検査に合格し、HTTRの運転再開に貢献した。

論文

原位置トレーサー試験による堆積岩中の掘削損傷領域内の移流分散評価

武田 匡樹; 石井 英一

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 31(1), p.3 - 10, 2024/06

高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全評価では、処分坑道やアクセス坑道における掘削損傷領域内の核種移行特性の把握が重要な課題となる。岩盤中の核種移行特性を評価する上でトレーサー試験が有効であるものの、堆積岩中の掘削損傷領域を対象としたトレーサー試験の事例は著者らの知る限りではない。著者らは幌延深地層研究センターの地下施設において珪質泥岩中の掘削損傷領域の割れ目を対象とした孔間トレーサー試験を実施し、縦方向分散長の評価を行った。トレーサー試験データに基づき、一次元移流分散解析を行った結果、破過曲線を概ね再現でき、4.2mの試験スケールに対し縦方向分散長として0.12mが導出された。これは、試験スケールの100分の1$$sim$$10分の1に相当し、天然の割れ目や岩盤基質部で経験的に知られる試験スケールと縦方向分散長との関係と同様であった。今回の試験により、天然の割れ目や岩盤基質部と同様な移流分散効果を堆積岩中の掘削損傷領域内でも想定できると考えられた。また、従来の原位置トレーサー試験手法により堆積岩中の掘削損傷領域内の移流分散効果を評価できることが確認できた。

論文

Sustainable thermoelectric materials; Utilizing Fukushima weathered biotite via molten salt treatment

本田 充紀; 金田 結依; 村口 正和*; 早川 虹雪*; 小田 将人*; 飯野 千秋*; 石井 宏幸*; 後藤 琢也*

AIP Advances (Internet), 14(5), p.055034_1 - 055034_6, 2024/05

本研究は、希少かつ有毒な物質から得られる従来の熱電材料に代わるものとして、福島風化黒雲母(WB)を利用することを検討したものである。WBは粉砕、分級、溶融塩処理による熱処理を経て650$$^{circ}$$Cから850$$^{circ}$$Cの範囲で半導体に類似した導電性を示す結晶を生成した。WBと得られた結晶の電気伝導度とゼーベック係数を評価した結果、高温熱電応用への可能性が示された。その結果、WBは無次元特性値(ZT)0.015を達成し、650$$^{circ}$$Cを超える熱電材料としての可能性を示した。

論文

JAEA-AMS-TONOの現状(2022)

藤田 奈津子; 三宅 正恭; 松原 章浩*; 石井 正博*; 渡邊 隆広; 神野 智史; 西尾 智博*; 小川 由美; 木村 健二; 島田 顕臣; et al.

第35回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.17 - 19, 2024/03

日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所には加速器質量分析装置(AMS)が3台あり、2台のAMSで実試料の年代測定を行い、さらにAMSの小型化に向けた試験装置1台で技術開発を行っている。2台の実試料測定用AMSでは炭素-14、ベリリウム-10、アルミニウム-26、ヨウ素-129の4核種を測定している。小型化に向けた試験装置は、イオンチャネリングを利用したAMSの同質量分子の分別を実施するための装置であり、現在炭素-14測定を目指して実証試験中である。発表ではそれぞれの研究開発状況を報告する。

論文

Flexible waste management system for the future application of MA P&T technology to the current high-level liquid waste

深澤 哲生*; 鈴木 晶大*; 遠藤 洋一*; 稲垣 八穂広*; 有馬 立身*; 室屋 裕佐*; 遠藤 慶太*; 渡邉 大輔*; 松村 達郎; 石井 克典; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 61(3), p.307 - 317, 2024/03

将来実用化されるMA分離変換技術を現在のHLLWに適用するため、柔軟な廃棄物管理システム(FWM)の開発を進めている。このFWMシステムは、MA分離変換技術が実現するまでの間、高レベル廃棄物(HLW)を顆粒体として貯蔵するシステムである。模擬HLLWからのロータリーキルンによる顆粒体製造と、現在のHLW貯蔵施設でのHLW顆粒体の一時貯蔵(約50年)のための基礎実験と予備的熱分析により、その主要プロセスの実現可能性をそれぞれ基本的に確認した。顆粒体製造実験では、ロータリーキルンによって比較的大きな粒子を製造できることが明らかになった。熱分析の結果、小さい直径のキャニスターを用いて、HLWよりも高い貯蔵密度で安全に貯蔵できることが示された。また、潜在的な放射性毒性及び処分場面積についてFWMシステムの有効性を評価し、FWMはこれらの要因を低減することができ、現行の再処理工場で発生するHLWの処分において大きなメリットがあることが示された。日本では軽水炉の燃料が長期間保管され、再処理工場の運転開始が間近とされているため、FWMシステムは高レベル放射性廃棄物処分の環境負荷低減に有効なシステムと考えられる。

論文

Ion beam induced luminescence measurements of porous silica adsorbents containing europium complexes by argon ion beam irradiation

中原 将海; 渡部 創; 湯山 貴裕*; 石坂 知久*; 百合 庸介*; 石井 保行*; 山縣 諒平*; 山田 尚人*; 江夏 昌志*; 加田 渉*; et al.

QST-M-47; QST Takasaki Annual Report 2022, P. 64, 2024/03

高レベル放射性廃棄物からマイナーアクチニドを回収のために抽出クロマトグラフィ法の研究が実施されている。効率的な吸着材からのマイナーアクチニドの溶離のために、荷電粒子誘起発光による錯体構造の解析を試みている。本研究では、Eu錯体構造の解析のために吸着材中のEu錯体にAr$$^{8+}$$イオンビームを照射し、荷電粒子誘起発光スペクトルを測定した。

論文

Evaluation of temporal changes in fracture transmissivity in an excavation damaged zone after backfilling a gallery excavated in mudstone

青柳 和平; 石井 英一

Environmental Earth Sciences, 83(3), p.98_1 - 98_15, 2024/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、坑道掘削損傷領域の透水性の経時変化の予測が、掘削損傷領域内部の割れ目を介した放射性核種の移行特性の評価の信頼性向上において重要となる。特に人工バリア定置後の緩衝材の膨潤圧発生に伴う割れ目の透水性の変化を検討することを目的として、幌延深地層研究センターにおいて実施している実規模の人工バリア性能確認試験領域付近で4年間透水試験を実施した。試験の結果、透水性は時間とともに低下し、膨潤から4年経過した時点で、試験開始時よりも透水性が41%に低下することが確認された。さらに、Barton-Bandisのモデルを適用することにより、膨潤圧の変化に伴う透水性の低下挙動を定量的に再現することができた。割れ目の閉塞の妥当性については、人工バリア性能確認試験実施領域で実施した弾性波トモグラフィ調査において、特に底盤部分の弾性波速度の増大が見られたことから確認することができた。これらの結果から、人工バリアの膨潤に伴う掘削損傷割れ目の閉塞について、実証することができた。また、地層処分事業において、廃棄体定置後の緩衝材の膨潤による掘削損傷割れ目の透水性の事前予測に際してBarton-Bandisモデルの適用可能性が示された。

論文

Feasibility of using BeO rods as secondary neutron sources in the long-life fuel cycle high-temperature gas-cooled reactor

Ho, H. Q.; 石井 俊晃; 長住 達; 小野 正人; 島崎 洋祐; 石塚 悦男; 澤畑 洋明; 後藤 実; Simanullang, I. L.*; 藤本 望*; et al.

Nuclear Engineering and Design, 417, p.112795_1 - 112795_6, 2024/02

External sources of neutron provide stable and sufficient neutron for initial startup of a nuclear reactor. They also provide signals for neutron detectors to monitor the safety of reactor during shutdown. In the high temperature engineering test reactor, $$^{252}$$Cf is used as the external neutron source. However, the $$^{252}$$Cf sources must be renewed every approximately 7 years because of its relatively short halflife of 2.6 years. The renewal of $$^{252}$$Cf sources requires a high cost and a very complicated procedure. This study investigated the feasibility of using BeO rods as the secondary neutron sources to avoid renewing the $$^{252}$$Cf neutron sources periodically. The BeO rods could exist in the reactor for a long time so that if the reactor operates long enough, the neutron flux at the wide-range monitoring detectors remains significant even if the reactor is shutdown for as long as 5 years. The results of this study indicated that using BeO rods as the secondary neutron sources would be an attractive option for the future HTGR design with a longlife fuel cycle.

論文

Magnetic boson peak in classical spin glasses

古府 麻衣子; 河村 聖子; 村井 直樹; 石井 梨恵子*; 平井 大悟郎*; 有馬 寛*; 舟越 賢一*

Physical Review Research (Internet), 6(1), p.013006_1 - 013006_9, 2024/01

We revisited spin dynamics in archetypical classical spin glass systems, such as Cu$$_{1-x}$$Mn$$_{x}$$ ($$x = 0.017$$, 0.034, and 0.067) dilute alloys and iron aluminosilicate glass using a modern neutron scattering spectrometer with high neutron flux. The former is crystalline, and the latter is amorphous, where their spin glass state is well separated from magnetically ordered phases. Bose-scaled localized magnetic excitations were observed in both compounds below the spin-freezing temperature ($$T_{rm f}$$). The spectrum exhibits a maximum at low energy and a broad tail on the high-energy side. The excitation energy tends to be higher for the material with a higher $$T_{rm f}$$. Above the $$T_{rm f}$$, the spectrum considerably changes with temperature, thereby indicating the emergence of the magnetic relaxation process. The magnetic excitation in the spin glass state has much in common with the boson peak in structural glasses. We consider that the Bose-scaled broad excitation peak is an elementary excitation inherent in disordered systems.

論文

Constant-head step-injection tests using a conventional straddle-sliding-packer system for investigating the shear capabilities of minor faults

石井 英一

Rock Mechanics and Rock Engineering, 18 Pages, 2024/00

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、処分場の母岩中に存在し得る小規模な断層のせん断コンプライアンスを調べることは、それらの断層が廃棄体の熱的影響によって弾性的にずれて廃棄体に損傷を与える可能性があることから重要である。本研究は、小規模な断層のせん断コンプライアンスを調べるための手法として、スライド式ダブルパッカーを用いた定圧段階注水試験の適用性を検討するために、本方法を珪質泥岩中の二つの隣接する小規模な断層に適用した(厚さ数センチの断層角礫を伴う断層Aと厚さ数ミリ以下の断層角礫を伴う断層B)。試験の結果、断層Aはせん断コンプライアンスが高いのに対し、断層Bは未固結な断層岩を伴うにもかかわらず低いせん断コンプライアンスを有することが分かった。断層Aは区間圧が4.1から4.3MPaまで上昇すると15-66mmの弾性的なせん断変位が発生し、せん断コンプライアンスは10$$^{1}$$ mm/MPa以上であった。一方で、断層Bは粘着力を有しており、区間圧を4.0から6.0MPaまで増加させてもせん断変位が検出されず、せん断コンプライアンスは10$$^{-1}$$ mm/MPa以下であった。本研究で推定されたせん断コンプライアンスは既報の室内実験の結果と整合し、今回適用した手法が小規模な断層のせん断コンプライアンスを調べるのに利用できることが確認できた。

論文

第5章 CO$$_{2}$$分離回収技術; 3 シリカ系膜による二酸化炭素分離と膜反応器による二酸化炭素資源化の可能性

野村 幹弘*; 石井 克典; 佐藤 友哉*

メタネーションとグリーン水素の最新動向, p.148 - 157, 2023/10

本章では、二酸化炭素分離・回収・資源化の方法として、シリカ系のセラミック膜に着目し、シリカ系膜に関して開発の歴史を振り返り、最新の二酸化炭素分離状況を示す。また、シリカ系膜による分離と、セラミック材料の膜反応器による二酸化炭素メタン化の反応についてまとめる。

論文

高温ガス炉と水素製造施設の接続技術開発; HTTR-熱利用試験計画

石井 克典; 守田 圭介; 野口 弘喜; 青木 健; 水田 直紀; 長谷川 武史; 永塚 健太郎; 野本 恭信; 清水 厚志; 飯垣 和彦; et al.

第27回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(インターネット), 4 Pages, 2023/09

JAEA initiated the HTTR heat application test project coupling a hydrogen production facility to the HTTR (high temperature engineering test reactor). The project aims to establish "coupling technologies" between HTGR and hydrogen production achieving large-scale, stable and economically competitive carbon-free hydrogen production using the HTGR heat. Important considerations towards establishment of coupling technologies are development of system technologies for HTGR hydrogen production systems and components required for coupling between two facilities. This paper explains a system concept of the HTTR heat application system which can maintain safe and stable operation of the HTTR against temperature transients induced by abnormal events in a hydrogen production plant with the results of operational scheme as well as heat and mass balance of the system. Development plans for hot gas duct, high temperature isolation valves and helium gas circulators are also presented.

論文

Ion beam induced luminescence analysis of europium complexes in styrene-divinylbenzene copolymer-coated spherical silica by proton and argon ion beams irradiation

中原 将海; 渡部 創; 竹内 正行; 湯山 貴裕*; 石坂 知久*; 石井 保行*; 山縣 諒平*; 山田 尚人*; 江夏 昌志*; 加田 渉*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 542, p.144 - 150, 2023/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:63.33(Instruments & Instrumentation)

マイナーアクチニド回収のための抽出クロマトグラフィ技術において、荷電粒子誘起発光分析により様々な抽出剤を用いて調製した吸着材中のユウロピウム錯体構造の評価を行った。測定は、量子科学技術研究開発機構のイオン照射施設においてシングルエンド加速器から得られる陽子ビーム及びサイクロトロン加速器から得られるアルゴンイオンビームを利用して行った。本研究において、抽出剤の種類によって荷電粒子誘起発光スペクトルが変化することが確認され、これらの変化と錯体構造のとの相関について評価を行った。

論文

Paleohydrogeology of the Horonobe area, Northern Hokkaido, Japan; Groundwater flow conditions during glacial and postglacial periods estimated from chemical and isotopic data for fracture and pore water

望月 陽人; 石井 英一

Applied Geochemistry, 155, p.105737_1 - 105737_15, 2023/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Geochemistry & Geophysics)

氷期と間氷期の地下水流動の違いを理解することは、将来的な気候変動が地下水流動に与える影響を予測するうえで重要である。本研究では、幌延地域の亀裂性泥岩における最終氷期と後氷期の地下水流動の違いを、亀裂水と間隙水の安定同位体比($$delta$$D、$$delta$$$$^{18}$$O)、Cl$$^{-}$$濃度と放射性炭素($$^{14}$$C)年代測定を組み合わせることにより評価した。亀裂水と間隙水の安定同位体比から、涵養域に最も近いボーリング孔の28$$sim$$250mの地下水は現在と類似した気候で涵養した天水から構成されており、亀裂水の同位体組成が周辺のマトリクス中の間隙水と比べてより天水に近い値を示した。この天水は後氷期に涵養したものであることが、$$^{14}$$C年代から示唆された。同ボーリング孔のより深い深度や、その他の孔の調査深度では、地下水が氷期の天水と化石海水からなることが同位体組成から示され、亀裂水はマトリクス中の間隙水と同様の組成を示した。$$^{14}$$C年代測定から、天水の浸透は最終氷期またはそれ以前に生じたと推測された。以上の結果は、後氷期に涵養した天水が浅部を流動しており、一方、最終氷期に涵養した天水は深部にとどまっていることを示唆する。このことは、調査地域の谷が最終氷期には現在よりも最大で約50 m深かったという地表物理探査および地質調査の結果と整合的であり、谷が深かったために最終氷期には下向きの動水勾配が増加したと考えられる。地下水の安定同位体比と化学組成、および$$^{14}$$C年代測定を組み合わせる方法は、亀裂性岩盤における最終氷期と後氷期の地下水流動の違いを評価するうえで有用である。

論文

Geochemical modeling of cation exchange reactions in Horonobe mudstone from Northern Hokkaido, Japan

阿部 健康; 飯田 芳久; 笹本 広; 石井 英一

Proceedings of Water-Rock Interaction (WRI-17)/ Applied Isotope Geochemistry (AIG-14), 6 Pages, 2023/08

埋設処分における地下水質の時空間的変遷評価では、地下水の混合や水-岩石相互作用を考慮したモデルが必要となる。堆積岩環境の地下水質を対象とした場合、評価上重要な水-岩石相互作用は陽イオン交換反応と考えられる。本研究では、パイロットボーリングが実施される概要調査段階における陽イオン交換反応の評価を想定し、陽イオン交換選択係数をactive fraction modelに従った地球化学計算に基づき推定する手法を検討する。さらに本手法の実環境での適用性を確認するために、幌延泥岩(稚内層及び声問層)を対象に交換性陽イオン組成の測定値と本手法による推定値との比較検討を行った。稚内層及び声問層の交換性陽イオン組成を測定し、得られた組成の変動範囲についてactive fraction modelを使って評価を行った。本評価に必要なパラメータの設定値は、先行研究で報告されているスメクタイトの2成分系陽イオン交換等温線及びCECのpH依存性に基づいて推定し、帯水層土壌に比べNaに親和的な選択係数を得た。推定したパラメータ設定を用いて、幌延で得られている化石海水・古天水の組成と平衡な交換性陽イオン組成を計算した結果、稚内層の交換性陽イオン組成の測定結果(交換性Naに富む組成)と整合した。また化石海水に比べてpHが高くNaイオンに乏しい現海水と平衡な交換性陽イオン組成を計算した結果、溶液の組成関係に反して化石海水よりも交換性Naに富む組成が得られた。このように溶液組成と反比例する交換性陽イオン組成の変化を解釈する上では、pHと全陽イオン濃度の変化が重要であることをベンチマーク計算により確認した。

報告書

2022年度夏期休暇実習報告

石塚 悦男; Ho, H. Q.; 北川 堪大*; 福田 理仁*; 伊藤 諒*; 根本 将矢*; 楠木 捷斗*; 野村 拓朗*; 長瀬 颯太*; 橋本 温希*; et al.

JAEA-Technology 2023-013, 19 Pages, 2023/06

JAEA-Technology-2023-013.pdf:1.75MB

「HTTRに関する技術開発」をテーマとした2022年度夏期休暇実習において、5つの大学から8名が参加した。参加者は、原子力電池の検討、HTTR炉心の燃焼解析、$$^{252}$$Cf製造の検討、冷却機能喪失時の挙動解析、炉容器近傍の熱流動解析について実習した。実習後のアンケートでは、就業体験として有益であったこと、一部の学生においては自身の研究に役立ったこと、他の大学生との議論が良い経験となった等の感想があり、本実習は概ね良好な評価を得た。

論文

Effects of flow dimension in faulted or fractured rock on natural reductions of inflow during excavation; A Case study of the Horonobe Underground Research Laboratory site, Japan

石井 英一

Hydrogeology Journal, 31(4), p.893 - 911, 2023/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Geosciences, Multidisciplinary)

断層や割れ目が発達する岩盤において坑道掘削を行う際にはプレグラウトを行っていても顕著な湧水に遭遇することがある。そのような場合、湧水抑制のためにポストグラウトが必要となる場合があるが、場の条件によっては湧水量の自然低下に頼る方法も効率的な坑道掘削に有効である。水圧の拡散方程式に基づくと、岩盤中の流れの次元が3であると、湧水箇所からの湧水量は発生後もほとんど低下しないが、次元が1であると、発生後の10日間で発生一日目の湧水量の1/3以下まで、100日以上で1/10以下まで低下し得る。したがって、流れの次元が低い場合は自然低下の利用も有効な湧水対策となり得る。しかしながら、流れの次元と湧水量の変化との関係は実際の坑道掘削現場において十分に検証されていない。筆者は幌延の地下研究施設建設時において、断層や割れ目が発達する堆積岩を掘削中に遭遇した顕著な湧水箇所(6つ)の湧水量変化を解析し、それらの箇所の流れの次元が坑道掘削前に行ったボーリング調査における透水試験の結果と整合することを明らかにした。地下施設の湧水はプレグラウトや脱ガスなどによる坑道沿いのスキン効果や遠方の境界条件の影響を受けるが、湧水発生後の数日から数週間における相対的な湧水量の変化は流れの次元に強く従うことが今回の結果から分かった。事前のボーリング調査、あるいは湧水発生直後(数日程度)の湧水量変化に基づいて場の流れの次元を特定し、それに基づいて湧水量の自然低下量を見積もることは効率的な掘削を行う上で有益である。

1737 件中 1件目~20件目を表示