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黒澤 進; 田中 知*; James, S. C.*; 油井 三和
Journal of Nuclear Science and Technology, 43(5), p.605 - 609, 2006/05
被引用回数:8 パーセンタイル:49.58(Nuclear Science & Technology)ベントナイト緩衝材の間隙構造を評価するため、均質化法モデルを用いて、間隙の大きさと有効粘土密度の関係について検討した。その検討では、コロイドの大きさとして最小の1nmと間隙の大きさが同等となるような有効粘土密度を試算した。その結果、ベントナイト系緩衝材中の有効粘土密度が1.5Mg/m以上の場合、間隙の大きさは1nm以下と見積もられ、この場合にはコロイドは緩衝材中を移行し得ないと考えられる。
黒澤 進
JNC TN8400 2005-007, 36 Pages, 2005/03
本報告では、放射性廃棄物の地層処分の環境を人工バリア、天然バリアおよびその境界部に区分して、そこに生成あるいは元々存在するコロイド等の核種移行に及ぼす影響に関して、2次取りまとめ以降の検討結果を示した。なお、本報告は、著者が東京大学大学院工学系研究科システム量子工学専攻 田中知教授の師事のもと、核燃料サイクル機構において得られた成果(投稿論文)を主に学位論文としてまとめた際の主な論題をまとめたものである。
黒澤 進; 油井 三和; 吉川 英樹
International Symposium NUCEF2005, 0 Pages, 2005/02
地下水中に溶解した核種がコロイド化した場合、地下水中での核種の移行はイオンの場合とは異なり、コロイドの移行にともなって促進された可能性が報告される。例えば、サイクル機構-(スイス)NAGRAの共同研究として実施したグリムゼル原位置試験場におけるコロイドおよび核種移行実験(CRR実験)では、コロイドの影響により核種移行が促進された可能性が示唆された。本報告では、この際の核種移行挙動に関して、コロイドの影響を考慮した核種移行計算コードCOLFRACにより解析した結果を報告する。また、COLFRAC計算コードを利用して、地下水中に存在する微生物をコロイド相当と見なして核種移行の及ぼす影響について解析したので、その結果についても報告する。
黒澤 進; 油井 三和; 吉川 英樹
International Symposium NUCEF2005, 0 Pages, 2005/02
放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体から溶出する核種のうち、とくにアクチニドイオンは加水分解反応等により真性コロイドを生成したり、環境中に存在するコロイドに収着して擬似コロイドを形成したりすることが知られている。近年の研究では、地下水中に溶解した核種がコロイド化した場合、地下水中での核種の移行はイオンの場合とは異なり、コロイドの移行にともなって促進された可能性が報告される。例えば、サイクル機構-(スイス)NAGRAの共同研究として実施したグリムゼル原位置試験場におけるコロイドおよび核種移行実験(CRR実験)では、コロイドの影響により核種移行が促進された可能性が示唆された。本報告では、この際の核種移行挙動に関して、コロイドの影響を考慮した核種移行計算コードCOLFRACにより解析した結果を報告する。また、COLFRAC計算コードを利用して、地下水中に存在する微生物をコロイド相当と見なして核種移行の及ぼす影響について解析したので、その結果についても報告する。
油井 三和; 黒澤 進; 飯島 和毅
原子力バックエンド研究, 11(1), p.45 - 51, 2005/00
放射性廃棄物の地層処分の環境を人工バリア、天然バリアおよびその境界部に区分して、そこに生成あるいは元々存在するコロイド等の核種移行に及ぼす影響に関して、核燃料サイクル開発機構でこれまで得られた知見を示す。また、地層処分研究開発に関する第2次取りまとめ以降、コロイド等の影響評価モデルの開発・高度化を目的として実施した室内および原位置試験の結果とそれら試験結果に関するモデル解析の結果等を報告するとともに、今後の課題を示す。
黒澤 進; 茨木 希*; Scott, J.*; 油井 三和; Russell, A.*
JNC TN8400 2004-016, 35 Pages, 2004/09
核種移行に及ぼすコロイドの影響評価を目的として、1998年よりJNC-NAGRAの共同研究の一環として、グルムゼル岩盤試験場の透水性亀裂を対象にコロイドおよび核種の移行実験が行われた。本研究では、コロイドの影響を考慮した核種移行計算コードCOLFRACにより、この際の核種移行挙動を解析した。
黒澤 進; 茨木 希*; 油井 三和; 上田 真三*; 吉川 英樹
日本原子力学会和文論文誌, 3(3), p.249 - 256, 2004/09
コロイドの影響は地下水中の放射性核種の移行を促進する主な要因のうちの1つである。本研究では、コロイド共存下での核種の亀裂中移行実験を行い、核種の移行挙動に及ぼす核種-亀裂表面、核種-コロイドの収着の反応速度の影響について検討した。実験では、収着性核種としてCsを1.010g/l (7.510mol/l)の濃度で、コロイドとして粘土コロイドを3.510g/lの濃度で使用した。また、人工的に単一亀裂(寸法50500.5mm)を加工した花崗岩をカラムに充填して用いた。移行実験の結果については、核種-亀裂表面、核種-コロイドの収着反応を平衡論および速度論で扱うことができる核種移行計算コードCOLFRACを用いて解析した。その結果、核種-コロイドの収着反応を平衡論/速度論で扱うかにより解析結果は大きく異なることが示され、収着の反応速度に注視した収着データ(分配係数)の取得が重要であることが示唆された。また、本実験結果に基づけば、亀裂中でコロイドがろ過されることに伴いコロイドに収着した核種は亀裂内に留まることから、核種の放射能減衰が期待されると考えられる。
黒澤 進; 佐々木 良一; 上田 真三*; 吉川 英樹
JNC TN8400 2004-012, 68 Pages, 2004/07
本研究は、核種移行計算コードCOLFRACを利用した微生物の影響評価に関し、微生物の挙動をコロイド相当として扱うため、地下環境中での微生物と核種の相互作用やバイオフィルム形成に関する情報を収集、整理した。得られた情報に関しては、COLFRACで計算可能とするためのデータ変換を実施した。COLFRACによる計算の結果、核種が微生物に取り込まれるような場合には、核種移行が大幅に促進される可能性があることがわかった。また、その際の核種移行率は、微生物濃度に支配されることが示された。
黒澤 進; 油井 三和; 吉川 英樹; 茨木 希*; 上田 真三*
2004 MRS Spring Meeting, p.510 - 511, 2004/00
本研究では、コロイドおよび岩石亀裂表面への放射性核種の収着の影響を評価するため、セシウムと粘土コロイドの混合溶液を人工的に作製した単一亀裂を有する花崗岩カラムに対して注入する実験を実施した。その実験結果に関しては、不連続な亀裂性媒体中のコロイドに促進された溶質の移行をシミュレートすることが可能な数値解析コードCOLFRACを使用して解析した。一連の実験および数値解析では、亀裂中をセシウムは可動性のコロイドに収着することによってその移行が促進されることが示された。また、解析結果は、コロイドからのセシウムの脱着が遅いプロセスである場合、セシウムの移行は著しく促進されることを示し、速度論プロセスについて記述するパラメーターを評価する重要性を例証した。さらに、放射性核種を収着した可動性のコロイド粒子が亀裂表面でろ過される場合、放射性核種の移行は遅延される可能性がある。
黒澤 進; 茨木 希*; 油井 三和; 上田 真三*; 吉川 英樹
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.824, 473 Pages, 2004/00
本研究は、核種移行における核種のコロイドおよび岩石亀裂表面へ収着の影響を調査するため行われた。実験では、人為的に加工した単一亀裂を充填する花崗岩カラムに対して、セシウムと粘土コロイドの混合溶液を注入した。解析も、コロイドに促進された溶質の移行をモデル化することができる計算コード(COLFRAC)を使用して実施した。実験および数値解析では、セシウムの移行はコロイドに収着することにより促進されることが示された。またその解析では、コロイドからセシウムの脱着が遅い場合、セシウムの移行が著しく増強されることを実証し、速度論プロセスについて記述するパラメーターを評価する重要性が示唆された。されに、核種を吸着する亀裂表面でろ過される場合、核種移行は遅延されることが示された。
黒澤 進; 上田 真三*; 油井 三和; 加藤 博康*; 林 賢一*; 久野 義夫*; 吉川 英樹
日本原子力学会和文論文誌, 2(4), p.460 - 468, 2003/12
本研究では、収着試験や移行試験を行い、核種-コロイド-岩盤間の分配収着平衡を基調とした核種移行評価モデルの適用性について検討を行った。その結果、核種のコロイドへの収着が可逆的であり、岩盤および液相に再分配することが認められる場合には、核種-コロイド-岩盤間の分配係数を設定した核種移行評価モデルの利用が可能と考えられる。しかしながら、分配収着が平衡に達するよりも速く核種およびコロイドが移行する場合、速度論的プロセスに注目した核種の収着、脱離性を考慮する必要があることの知見を得た。
黒澤 進; 久野 義夫*; 諸岡 幸一; 上田 真三*
JNC TN8430 2003-006, 39 Pages, 2003/03
カラム試験によって、圧縮成型したケイ砂混合ベントナイト中でのコロイドの移行挙動について評価を行った。試験では分散性を容易に調整できることから、可動性のコロイドを模擬するため金コロイドを供した。ケイ砂混合ベントナイトは、ベントナイト(Na型およびCa型に処理したもの)にケイ砂を30wt%混同したものを準備し、これを乾燥密度1.6g/cmで圧縮成型した。3.5wt%NaCl溶液を用いた試験では、通水圧力8kgf/cmの時はNa型ベントナイト中をコロイドが移行することが確認されたが、通水圧を膨潤圧以下に低下させるとコロイドの移行停止が確認された。試験後の試料の分析によりベントナイト中の選択的な移行経路が確認された。Ca型に処理したベントナイトについてはコロイドの移行は確認されず、コロイドがフィルトレーションされていることが示された。
黒澤 進; 吉川 英樹; 油井 三和
JNC TN8410 2002-010, 40 Pages, 2002/11
放射性廃棄物地層処分の安全性評価のためには、地層処分環境下での核種移行に及ぼすコロイドの影響を評価することが必要である。本稿では、放射性廃棄物処分の安全評価におけるコロイドの生成、核種移行に及ぼすコロイドの影響、移行モデルに関して近年の研究を調査した結果をまとめた。(1)核種による真性コロイドは放射性廃棄物の溶出液中で生成する可能性があるが、ベントナイト系緩衝材で移行を抑制することができる。(2)核種移行に及ぼすフミン物質(有機物)、微生物の影響評価も必要であり、安全評価の観点からはコロイドと同様に有機物、微生物と核種の相互作用に関する研究が課題である。(3)ベントナイトおよびセメントからのコロイドの生成についても検討されているが、核種移行に及ぼすこれらコロイドの影響をより評価するためには、それら材料の変質も考慮したコロイド生成に関するデータが不十分である。(4)コロイドが共存する場合の核種移行を評価するためには、核種-コロイド-岩盤の3相間の相互作用(収着の可逆/不可逆性)に関するモデル化や水理場に関するモデル化が重要である。また、地下水コロイドの特性評価に関する研究が必要である。
黒澤 進; 柴田 雅博; 上田 真三*; 市毛 悟*; 林 賢一*; 油井 三和
日本原子力学会和文論文誌, 1(2), p.244 - 248, 2002/00
放射性廃棄物の地層処分において、ベントナイト系緩衝材がコロイドに対してろ過効果を有するか否かは、核種移行評価における溶解度制限等の設定を行うにあたり重要な課題である。ただし、ベントナイト系緩衝材は、長期にわたってはセメント系材料から浸出するアルカリ性成分により変質することが想定される。したがって、それに伴ってベントナイト系緩衝材の間隙構造が変化すると、コロイドは緩衝材中を移行する可能性がある。本研究では、高pH条件のもとで加速的に変質させたベントナイト系緩衝材試料を用いて、コロイドに対するろ過性能に関する評価を行った。その結果、セメント系材料浸出液によるベントナイト系緩衝材の変質が、飽和Ca(OH)溶液(約pH12.5,200C)により変質させた場合と同程度(Ca化)で止まるものなら、コロイドに対するろ過効果は担保できることが確認された。
吉川 英樹; 黒澤 進
動燃技報, (99), p.65 - 72, 1996/09
圧縮ベントナイト中での物質移行挙動を解明するには、浸潤した際の間隙構造との関係を解釈することが重要である。間隙を通過する物質は、空隙水に溶解した放射性核種、核種が重合して生成した真性コロイド、またベントナイトおよび地下水コロイドに核種が収着した疑似コロイド、あるいは表面に核種を収着した微生物まで、種々の大きさの物質が対象となりえる。しかしながら、これらコロイドや微生物の透過と、間隙構造の関係を直接実験的に評価した例はなく、処分研究のシナリオ設定のうえで評価が必要とされている。そこで本研究では、コロイドについては粒径既知の金コロイド、微生物については嫌気、好気の両条件で増殖可能な大腸菌を用いて、透水試験法により直接実験を行い、両者の透過性について検討を行ったので報告する。