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長縄 弘親; 鈴木 英哉; 館盛 勝一; 那須 昭宣*; 関根 達也*
Physical Chemistry Chemical Physics, 3(12), p.2509 - 2517, 2001/06
被引用回数:34 パーセンタイル:70.77(Chemistry, Physical)以前の研究から、疎水性陰イオンであるピクリン酸イオンが金属イオンの抽出を大きく増大させることがわかったが、今回は、ランタノイドの分離についても検討し、疎水性陰イオンの効果が、抽出能ばかりではなく、分離能をも改善させることがわかった。本研究では二座配位抽出剤であるCMPOにピクリン酸を添加したときの協同効果を検討し、非常に大きな効果が生じるメカニズムを解明した。ピクリン酸イオンが対イオンとして働くことにより、ランタノイドとCMPOの錯陽イオンが脱水和されることが抽出錯体の脂溶性を高め、抽出能が向上する。また、脱水和によって有機配位子であるCMPOが金属イオンに対してより効果的に働き得ることが、分離能が向上した原因と考えられる。
長縄 弘親; 鈴木 英哉; 館盛 勝一; 那須 昭宣*; 関根 達也*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 73(3), p.623 - 630, 2000/03
被引用回数:6 パーセンタイル:35.36(Chemistry, Multidisciplinary)アクチノイド、ランタノイドの抽出分離に有用な新しい抽出剤として注目されているジアミドについて、その抽出能の向上に、イオン対抽出に基づく協同効果が有効かどうかを検討した。第2の抽出剤として、疎水性でかさ高の陰イオンであるピクリン酸イオンを用いた。本研究ではユウロピウム(III)の抽出に与える協同効果を検討し、そのメカニズムを解明した。その結果、Eu(III)にジアミド分子が2つ配位し、さらに対イオンとして、3つのピクリン酸イオンを伴ったイオン対錯体の生成が、この協同効果の大きさを決定づけていることがわかった。この錯体の抽出定数は対イオンが硝酸イオンに替わった錯体の抽出定数の610倍という大きさで、このことが、この系で見られる極端に大きな協同効果の原因であることがわかった。ピクリン酸イオンは、疎水性が大きいことから、抽出の向上に極めて有効に作用することがわかった。