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江頭 尚弥*; 松田 朋己*; 奥地 拓生*; 瀬戸 雄介*; 伊藤 佑介*; 菖蒲 敬久; 中新 信彦*; 佐野 智一*; 他4名*
Journal of Applied Physics, 137(10), p.105903_1 - 105903_8, 2025/03
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)Femtosecond laser-driven shock waves exhibit characteristic features that form distinctive microstructures not formed by plate impacts or nanosecond laser-driven shock waves. A key to understanding this phenomenon is understanding the lattice behavior inside the shock front, which is the boundary between the ambient and shock compression states. However, direct measurements of the lattice spacing inside a femtosecond laser-driven shock front have not yet been performed. Here, we report measurements of lattice spacing using X-ray free electron laser diffraction with a pulse width of
10 fs during the shock rise in single-crystal copper irradiated directly in air with a femtosecond laser pulse on the order of 10
W/cm
at a pulse width of 101 fs. The lattice spacing of the femtosecond laser-irradiated single-crystal Cu (002) plane starts to compress 6.3 ps after femtosecond-laser irradiation. It takes 15.7 ps for the plane to reach peak compression, at which point the compressive elastic-strain is 24.3%. Therefore, the shock front was found to form at an elastic compressive strain rate of 1.55
10
/s in this shock-driving situation. It is suggested that the initiation of plasticity under such ultrafast deformation at the most elastic compression is based on both dislocation multiplication and dislocation generation mechanisms.
奥地 拓生*; 富岡 尚敬*; Purevjav, N.*; 柴田 薫
Journal of Applied Crystallography, 51, p.1564 - 1570, 2018/12
被引用回数:2 パーセンタイル:19.25(Chemistry, Multidisciplinary)中性子準弾性散乱(QENS)は、鉱物結晶格子内で起こる原子スケール水素拡散プロセスを分析するための新規かつ有効な方法であることが実証されている。この方法は、凝縮体中の拡散性が高い水素原子または水分子の拡散頻度および距離を分析するために敏感であると以前から考えられていた。本論文では、水酸基として結晶格子に結合している非常に遅い運動の水素原子の拡散運動を分析する応用研究の結果が示されている。ブルーサイト鉱物( brucite)、Mg(OH)では、水素原子の単一の二次元層面内でのジャンプとそれに最も近い次の層へのジャンプの2種類の水素拡散プロセスが観察された。ブルーサイトの結晶構造内で観察されるこれらの拡散プロセスは、層状構造を有する様々な種類の酸化物およびミネラル内で起こる水素拡散現象にQENS測定が適用可能であることを示している。
飯塚 理子*; 八木 健彦*; 後藤 弘匡*; 奥地 拓生*; 服部 高典; 佐野 亜沙美
波紋, 27(3), p.104 - 108, 2017/08
水素は太陽系で最も豊富にある元素で、地球核に含まれる軽元素の最も有力な候補である。しかしながら水素は、X線では見えないこと、常圧下では鉄から簡単に抜け出てしまうことから、その溶解量やプロセスは未知である。本研究では、J-PARCのPLANETを用い、鉄-含水鉱物系の高温高圧下中性子その場観察実験を行った。その結果、約4GPaで含水鉱物の分解によって生じた水が鉄と反応し鉄酸化物と鉄水素化物を生成することを確認した。この時生じた鉄水素化物は、さらに温度を挙げても安定であった。この反応は1000Kで起きたが、その他の物質に関して融解は起きなかった。このことは、地球形成期初期に水素が、他の軽元素に先んじて鉄に溶けることを示唆している。
飯塚 理子*; 八木 健彦*; 後藤 弘匡*; 奥地 拓生*; 服部 高典; 佐野 亜沙美
Nature Communications (Internet), 8, p.14096_1 - 14096_7, 2017/01
被引用回数:50 パーセンタイル:87.67(Multidisciplinary Sciences)地球の核の密度は純鉄の密度よりも低く、核の中の軽い元素は長年の問題である。水素は太陽系内で最も豊富な元素であり、したがって重要な候補の1つである。しかし、これまで水素の鉄への溶解過程は不明であった。ここでは、高圧高温その場中性子回折実験を行い、含水鉱物の混合物が加熱されると、含水鉱物が脱水された直後に鉄が水素化されることを明らかにしている。これは、地球の進化の初期に、蓄積された原始物質が熱くなったときに、他の物質が溶けこむ前に水素の鉄への溶解が起こったことを意味する。これは、水素が地球進化の過程で鉄に溶解した最初の軽元素であり、その後のプロセスにおいて他の軽元素の挙動に影響を及ぼす可能性があることを示唆している。
富岡 尚敬*; 奥地 拓生*; Purevjav, N.*; 阿部 淳*; Harjo, S.
Physics and Chemistry of Minerals, 43(4), p.267 - 275, 2016/04
被引用回数:9 パーセンタイル:29.16(Materials Science, Multidisciplinary)Hydrogen site positions and occupancy in the crystal structure of dense hydrous magnesium silicate (DHMS) phase E were determined for the first time by pulsed neutron powder diffraction. A fully deuterated pure phase E powder sample, which had space group m and lattice parameters of
= 2.97065(8)
and
= 13.9033(4)
, was synthesized at 15 GPa and 1100
C. Through quantitative evaluation of refined structure parameters obtained with sufficient spatial resolution and very high signal-to-background ratio, we conclude that the O-D dipoles in the refined phase E structure are tilted by 24
from the direction normal to the layers of edge-shared MgO
octahedra (octahedral layers). The tilted dipole structure of phase E is in remarkable contrast to that of brucite, Mg(OH)
, which has dipoles exactly normal to the octahedral layer.
奥地 拓生*; 佐々木 重雄*; 長壁 豊隆; 大野 祥希*; 小竹 翔子*; 鍵 裕之*
Journal of Physics; Conference Series, 215, p.012188_1 - 012188_9, 2010/03
被引用回数:5 パーセンタイル:84.53(Instruments & Instrumentation)中性子散乱やNMRなどの微弱な信号を検出する実験手法において利用可能な圧力領域を拡大するために、小型高圧力セルの試料容積を拡大する必要がある。われわれは、対向アンビル式小型高圧力セルのアンビル材として、大型多結晶ナノダイヤ(NPD)を準備した。NPDは、単結晶ダイヤに比べて硬度が高く、大型で、強いため、高い荷重をかけることができる。われわれは、サポート式NPDアンビルと非サポート式NPDアンビルの2種類のアンビルを製作し、2種類のコンパクトな高圧力セルを用いて加圧テストを行った。その結果、0.1mm以上の試料体積に対して14GPaの圧力発生を確認した。この結果は、NPDが大型アンビルとして非常に有望であることを示したものである。
長壁 豊隆; 山内 宏樹; 奥地 拓生*
高圧力の科学と技術, 20(1), p.72 - 75, 2010/02
10GPa級の単結晶中性子磁気回折実験のためのハイブリッドアンビル技術の開発について報告する。ハイブリッドアンビルは2種類の対向アンビルの組合せから成っている。片方はサファイアアンビル、あるいはサポート式SiCアンビルで、もう片方は、キュレットの中心に窪みを設けた炭化タングステンアンビルである。これまでのハイブリッドアンビルの加圧試験において、3.8トンの荷重で10GPaの圧力発生に成功している。
内海 渉; 鍵 裕之*; 小松 一生*; 有馬 寛*; 永井 隆哉*; 奥地 拓生*; 神山 崇*; 上床 美也*; 松林 和幸*; 八木 健彦*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 600(1), p.50 - 52, 2009/02
被引用回数:13 パーセンタイル:63.40(Instruments & Instrumentation)高圧をかけると多くの物質がその性質を大きく変える。高圧下の回折実験はそれらの現象を理解するうえで最も基本的な構造に関する情報を与える。J-PARCにおいて高圧下でのその場中性子回折実験が可能になれば、水素を含んだ結晶や軽元素液体などの高圧下での構造に関する優れた研究成果が得られると期待されている。現在検討中の中性子光学系や高圧発生装置について紹介する。
小松 一生*; 有馬 寛*; 鍵 裕之*; 奥地 拓生*; 佐々木 重雄*; 山内 宏樹; 深澤 裕; 井川 直樹; 内海 渉; 神山 崇*
高圧力の科学と技術, 18(2), p.170 - 172, 2008/05
現在東海村に建設中の大強度パルス中性子施設(J-PARC)や、集光デバイスの積極利用による中性子強度の増大は、「高圧」と「中性子」という2つのキーワードをつなぐ架け橋と期待される。高圧中性子科学分野で先行する英国ISISやフランスILLでは、パリエジンバラ(PE)セルを用いた10GPa程度までの圧力下での中性子粉末回折実験はルーチンワークとなっている。国内でも単結晶試料を用いた高圧下中性子回折実験は実績があり、PEセルを用いた中性子回折実験もわずかに例があるが、中性子強度の弱さから本格的な広がりを見せていない。日本独自の中性子回折用高圧セルの開発と平行して、PEセルの本格利用を検討することは有意義であるとの視点から、われわれはPEセルを原子力機構の研究用原子炉中性子施設JRR-3内にある高分解能粉末中性子回折装置HRPDに導入し、高圧下中性子粉末回折実験を行った。本短報では、その結果を簡単に報告する。
内海 渉; 鍵 裕之*; 服部 高典; 有馬 寛; 小松 一生*; 阿部 淳; 永井 隆哉*; 奥地 拓生*; Harjo, S.; 相澤 一也; et al.
no journal, ,
J-PARCは、大強度陽子加速器施設であり、世界最強クラスのパルス中性子を発生できる。J-PARCの運用開始により、高圧下の物質科学や地球内部構造探求が大きく進展することが期待されている。最初の高圧実験が、工業材料回折装置(BL19)で行われた。また、2011年の運用開始をめざして高圧専用ビームラインの建設も始まった。
阿部 淳; 有馬 寛; 服部 高典; 小松 一生*; 佐野 亜沙美; 荒川 雅*; 奥地 拓生*; 鍵 裕之; 深澤 裕; 内海 渉
no journal, ,
J-PARCの生命物質科学研究施設(MLF)に建設された工学材料回折装置「匠」は、材料中の応力ひずみ測定を主目的として制作された中性子粉末回折計であるが、その光学系,試料ステージが高圧装置を用いた中性子回折測定に適した構造になっている。われわれは、「匠」においてパリエジンバラプレスとパームキュービックアンビルセルによる高圧下での中性子粉末回折実験手法の確立を目指した開発を行ってきた。これまでの実験で、高圧装置中の微小試料からの回折パターンが測定可能であることが確認され、低温高圧下での氷の回折パターンを得ることにも成功している。アンビルや圧力媒体の最適化、ミラーによる集光やバックグランドノイズの低減など多くの技術開発を進めている。
阿部 淳; 服部 高典; 小松 一生*; 有馬 寛; 荒川 雅*; 奥地 拓生*; 鍵 裕之; 八木 健彦*; 上床 美也*; 松林 和幸*; et al.
no journal, ,
2009年の1月2月にJ-PARC/MLFの工学材料回折装置「匠」に2種類の高圧装置、パリ-エジンバラプレスとパームキュービックアンビルセルを持ち込んで、高圧中性子回折実験を行った。試料には鉛を用い、鉛の中性子回折線を観察することで、「匠」において高圧実験が可能であるか検討した。どちらの高圧装置を用いても鉛のピークが観測され、パームキュービックアンビルセルを用いた高圧の測定では、圧力増加に伴い鉛のピークがd値の低くなる方へシフトした。このことから、J-PARCの「匠」において高圧中性子回折実験が可能になったと言える。
阿部 淳; 服部 高典; 有馬 寛; 佐野 亜沙美; 深澤 裕; 内海 渉; 小松 一生*; 荒川 雅*; 飯塚 理子*; 鍵 裕之*; et al.
no journal, ,
高圧下での中性子回折実験手法の確立を目指して、J-PARCのBL19「匠」に種々の高圧発生装置を持ち込んでの実験を行っている。これまで高圧装置部品の検討や入射系・受光系の遮蔽を行うことによりバックグラウンドの少ない高圧試料からの回折パターンを取得することに成功している。また高圧装置による中性子の吸収のために中性子の波長,回折角に依存した回折強度の減少が生じる。この高圧装置による吸収を補正する方法を検討し、結晶構造解析を行った。
服部 高典; 有馬 寛; 佐野 亜沙美; 阿部 淳; 本田 充紀; 深澤 裕; 内海 渉; 奥地 拓生*; 大野 祥希*; 佐々木 重雄*; et al.
no journal, ,
試料が微小な高圧実験において、中性子のソースフラックスが小さいことから、10GPaを超える圧力下での中性子実験は一部の者に限られてきた。世界における近年のパルス中性子施設の建設により、高強度の中性子フラックスが得られるようになり、状況が変わりつつある。われわれも日本にできた新しいパルス中性子施設JSNSに触発され、高圧中性子実験を始めている。おもにこれらは2つの方策からなり、(1)既存の中性子ビームライン(NOVA, 匠)における高圧実験、(2)高圧専用の中性子ビームライン建設を行っている。本発表では、それらのアクティビティーを紹介する。
阿部 淳; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 有馬 寛; 深澤 裕; Harjo, S.; 伊藤 崇芳; 相澤 一也; 内海 渉; 小松 一生*; et al.
no journal, ,
J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)に建設された工学材料回折装置「匠」は、物体内のひずみ応力測定を目的とした装置であるが、90度検出器バンクを主体とする光学系や大型機器を搭載可能な試料ステージが高圧実験を行うにも都合の良いものになっており、われわれは、匠を用いて高圧下での中性子粉末回折実験を推進するための種々の試験開発を行っている。高圧発生装置としては、海外の中性子実験施設において汎用的に使用されている1軸圧縮型のパリ-エジンバラプレスと日本で開発された6方向から試料を加圧できるパームキュービックアンビルセルを用い、中性子実験用に新規開発中のダイヤモンドアンビルセルの使用も検討している。アンビル材や圧媒体の中性子実験への最適化などを含めた多くの装置開発を行うとともに、バックグラウンドを低減させるための遮蔽対策などを行うことにより、J-PARCにおいて、高圧下での粉末中性子回折実験が可能になった。本発表では匠でのこれまでの高圧実験結果と今後の計画について報告する。
佐野 亜沙美; 小松 一生*; 奥地 拓生*; 服部 高典
no journal, ,
PLANETでは1軸あたり500tonの6軸大型プレスに加え、対向型のパリ-エジンバラプレスや低温下でも使用できるパームキュービックプレス等の小型プレスを用いた高圧実験が実施される。高圧力の発生効率は圧力封止のためのガスケット、試料をとり囲む圧力媒体の形状や材質等に大きく影響される。これらの装置について放射光を用いてセル開発を行っているので、その結果を報告する。(1)パリ-エジンバラプレスについてTiZrのガスケットを用いて、圧力発生試験を行った。先端6mmの超硬合金製シングルトロイドアンビルを用いて、60tonまで加圧を行い、6.6GPaの圧力発生を確認した。また先端4mmの焼結ダイアモンド製のダブルトロイドアンビルでは、130tonの荷重で14.4GPaに到達した。(2)焼結ダイアモンドを用いた6-8マルチアンビルプレス: 6-8加圧方式の2段目アンビルとして有望なSiCバインダーの焼結ダイアモンド素材について、圧力発生のテストを実施した。先端切り欠きサイズ1.5mmのアンビルを用い300tonで30GPaの圧力発生を確認し、アンビルとしての強度が充分であることが示された。
佐野 亜沙美; 小松 一生*; 奥地 拓生*; 服部 高典
no journal, ,
J-PARCに建設中の高圧専用ビームラインPLANETでは1軸あたり500tonの6軸大型プレスに加え、対向型のパリ-エジンバラプレスや低温下でも使用できるパームキュービックプレス等の小型プレスを用いた高圧実験が実施される。高圧力の発生効率は圧力封止のためのガスケット、試料をとり囲む圧力媒体の形状や材質等に大きく影響されるため、開発が必要である。これらの装置について放射光を用いてセル開発を行った結果を報告する。パリ-エジンバラプレスは海外の中性子施設では広く用いられているが国内ではまだ実績は少ない。新たに生産されたTiZrのガスケットを用いて、圧力発生試験を行った結果、先端4mmの焼結ダイアモンド製のダブルトロイドアンビルでは、130tonの荷重で14.4GPaに到達した。また6-8加圧方式に向けて2段目アンビルとして有望なSiCバインダーの焼結ダイアモンド素材について、圧力発生のテストを実施し先端切り欠きサイズ1.5mmのアンビルを用い300tonで30GPaの圧力発生を確認し、アンビルとしての強度が十分であることが示された。
阿部 淳; 小松 一生*; 有馬 寛*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 荒川 雅*; 鍵 裕之; 奥地 拓生*; 内海 渉
no journal, ,
高圧装置を用いた中性子回折実験では、入射及び散乱中性子が高圧装置により吸収され、散乱角・波長に依存した回折強度の減少が生じる。そのため、高圧装置を用いて得られた中性子回折パターンから構造情報を取り出すためには、高圧装置による中性子の吸収を補正する必要がある。吸収補正係数は、中性子が各高圧装置部品を透過する光路長と各高圧部品の中性子透過率から求まる。本研究では、その吸収補正法を確立するため、キュービック型の高圧発生装置に対してレイトレーシングによる光路長計算と高圧装置の吸収補正係数を算出するプログラムを開発した。小型のキュービックアンビル型高圧発生装置を用いてアルミナ粉末の中性子回折パターンを測定した。得られた中性子回折パターンの吸収補正を行い、結晶構造解析を行った。その結果、標準試料管を用いて得られた原子座標,温度因子とほぼ一致する結果となり、吸収補正が有効であることがわかった。
服部 高典; 阿部 淳; 有馬 寛; 荒川 雅; 小松 一生*; 奥地 拓生*; 鍵 裕之; 内海 渉; Harjo, S.; 伊藤 崇芳
no journal, ,
これまで高圧中性子実験は、そのソースフラックスの不足のために限られたものであった。しかしながら現在、大強度陽子加速器施設J-PARCが建設され、高圧中性子実験が可能になってきた。高圧中性子実験は、これまでわれわれの手に入れることのできなかった情報(軽元素の位置や原子のダイナミックス)を提供するために、垂涎の的となっている。本稿では、J-PARC工学材料測定装置「匠」を用いての、初めての高圧TOF実験結果を紹介し、高圧中性子回折の今後の展開を述べる。
有馬 寛; 小松 一生*; 鍵 裕之*; 奥地 拓生*; 佐々木 重雄*; 山内 宏樹; 深澤 裕; 井川 直樹; 内海 渉; 神山 崇*
no journal, ,
ISISやILLで実績のあるParis-Edinburgh(PE)セルを用いた高圧中性子回折実験は、国内ではわずかに例はあるが、中性子強度の弱さから本格的な利用はされてこなかった。日本独自の中性子回折用高圧セルの開発と平行して、PEセルの利用を検討することは有意義であるとの視点から、本研究ではPEセルをJRR3設置の高分解能粉末回折装置HRPDに導入し、高圧下中性子粉末回折実験を行った。実験では、Pb(NilacoCo., 99.9999%小片)を試料として用いた。PEセルは中性子が加圧軸に対し垂直方向から入射するように配置した。このときアンビルからの散乱を防ぐため、中性子に対する吸収の大きいcBNアンビルを新たに製作した。またPEセルにおいて一般的に使用されているWCアンビルを用いた回折実験も比較のために行った。cBNアンビルを使用した場合、Pbの最強線である111回折線の強度は、常圧下で250count/hour、30トン荷重時で80count/hourであった。試料の格子定数変化から、30トン荷重時の試料室の圧力は2.9(1)GPaと求められた。