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下野 和彦*; 鹿園 直哉; 井上 雅好*; 田中 淳; 渡辺 宏
Radiation and Environmental Biophysics, 40(3), p.221 - 225, 2001/09
被引用回数:8 パーセンタイル:28.35(Biology)タバコ根端細胞に対するカーボンイオン分割照射効果について調べた。2MeV電子線に対する220MeVカーボンイオンの単一照射の生物学的効果比(RBE)は、分裂指数が15,染色体異常頻度が10であった。カーボンイオン0.5Gyを二回,1時間,2時間,6時間間隔で照射しても1Gyの単一照射と染色体異常頻度に差がみられなかった。しかしながら、電子線においては、5Gyを2時間間隔で照射した場合、10Gy単一照射に比べて染色体異常頻度が低下することが見いだされた。このことは、一回目の照射によって「正確な」修復が誘導・活性化されたことを示唆している。染色体異常のスペクトルが単一照射と分割照射で変わらなかったことから、この電子線における染色体異常頻度の低下はある特定の型の異常が原因ではないと考えられる。カーボンイオンの分割照射によって染色体異常頻度が下がらないことは一回目の照射によって「正確な」修復が誘導・活性化されない、もしくはカーボンイオンによる損傷が効率的に修復されないことが原因と考えられる。
長谷 純宏; 下野 和彦*; 井上 雅好*; 田中 淳; 渡辺 宏
Radiation and Environmental Biophysics, 38(2), p.111 - 115, 1999/07
被引用回数:35 パーセンタイル:73.27(Biology)タバコにおけるイオンビームの生物効果、得に染色体異常の誘起について調査した。1~111keV/mのLET効果を持つC,He及びHビームを乾燥種子に照射した。発芽後の根端分裂細胞では、染色体橋、染色体断片及び遅延染色体などの異常が認められ、それらの頻度は線量に対応して直線的に増加した。半致死線量及び10%の染色体異常誘起に必要な線量から算出したRBE値はCで14.3-17.5、Heで7.0-8.3、Hで7.8であった。また、イオンビームでは染色体断片が、線では染色体橋が相対的に高い割合で観察された。このことから、イオンビームによる損傷の修復過程は線によるものとは異なると考えられた。