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口頭

土岐花崗岩体内のジルコンU-Pb年代の空間分布; 貫入・定置過程とその後の冷却過程の関連

湯口 貴史; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 平田 岳史*; 末岡 茂; 服部 健太郎*; 坂田 周平*; 石橋 正祐紀; 國丸 貴紀; 西山 忠男*

no journal, , 

花崗岩(結晶質岩)における物質移動に関する調査研究において、物質移動経路となりうる割れ目の分布特性を把握することが重要となる。マグマの貫入・定置過程及び花崗岩体の冷却固化過程の解明は、割れ目の分布特性を論じるうえで、重要な視点の1つとなる。本報告では中部日本に位置する土岐花崗岩体のジルコンU-Pb年代の岩体内での空間分布を示すとともに、その結果に基づいて土岐花崗岩体の貫入・定置過程及び冷却固化過程について考察を行う。ジルコンU-Pbのコンコーダント年代は以下のように区分できる。[Type 1] 78.4$$pm$$2.2から68.9$$pm$$2.2Ma(以下、2$$sigma$$, N=79)、[Type 2] 95.4$$pm$$1.9から87.2$$pm$$2.7Ma(N=4)、[Type 3] 169.1$$pm$$4.3と2217.7$$pm$$27.5Ma(N=2)。Type 1は土岐花崗岩体の定置年代を示す。各試料におけるType 1のU-Pb年代の加重平均は73.1$$pm$$1.0から70.5$$pm$$1.1Maであり、岩体中で有意な相違や空間的な偏りは認めらない。誤差範囲を加味した加重平均の分布を考えると、土岐花崗岩体を形成したマグマ全体が同時期に定置したことを示す。Type 2とType 3は濃飛流紋岩と美濃帯堆積岩を起源とするinherited zirconであると考えられ、貫入の際の濃飛流紋岩と美濃帯堆積岩の混成を強く示唆する。

口頭

泥岩における断層の透水性の推定と将来予測

石井 英一

no journal, , 

泥岩における断層の透水性の広域的な推定方法と将来予測方法を構築するために、幌延深地層研究センター周辺に分布する新第三紀泥岩を対象に地質学的・水理学的・岩石力学的な調査を行った。その結果、比較的定量化が容易な地山強度比を用いて、断層の透水性の広域的な推定や将来予測がある程度可能であることがわかってきた。本発表ではその現状について報告する。

口頭

土砂の運搬・堆積と水流に伴う放射性セシウムの移動を踏まえた除染のコツ

新里 忠史; 青木 勲; 浅妻 新一郎

no journal, , 

放射線による人への健康影響を減らすためには、環境中における放射性物質の濃度を低下させるとともに、その汚染経路を取り除くか縮小させる必要がある。環境中での放射性物質の濃度は、雨水による土砂の運搬や下流部での堆積等に伴い時間と場所により変化することから、放射性物質の分布と環境中での移動を調べることが大変重要となる。原子力機構では、東京電力会社福島第一原子力発電所の事故の発生以来、平成23年6月に福島市内に活動拠点を設置し、除染推進のための専門家による自治体支援活動、除染モデル実証事業の実施、放射線に関するコミュニケーション活動及び環境回復に関するさまざまな調査研究に取り組んでいる。環境回復に関する調査研究としては、現在の汚染状況を把握するための測定技術の開発とともに、数年から数十年以上の期間を対象として現在から将来に渡る放射性セシウムの時間的・空間的な分布を予測し、その結果に基づく被ばく線量の予測評価と放射性セシウムの効果的な移動抑制対策を提案する包括的な調査研究を進めている。本発表では、環境中における放射性セシウムの移動に関してこれまでに得られた知見を紹介するとともに、除染に関する自治体支援活動で得た知見を踏まえて、除染作業や放射線測定等の実作業におけるノウハウ等を解説する。

口頭

東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い放出された放射性セシウムの山地森林における移動挙動

新里 忠史; 阿部 寛信; 渡辺 貴善; 安江 健一; 佐藤 治夫

no journal, , 

福島県内に残存する事故由来の放射性物質のうち、現在、空間線量率を支配しているのは放射性セシウムであり、Cs-137の半減期は約30年と長いことから、今後長期に渡り放射線による健康影響に注視する必要がある。一方で放射線による人への健康影響を減らすには、環境中における放射性セシウムの濃度を低下させるとともに、その汚染経路を取り除くか縮小させる必要がある。それには、放射性セシウムの移動挙動を明らかにし、現在の状態とともに将来の分布を予測することが必要である。原子力機構福島環境安全センターでは、数年から数十年以上の期間を対象として、実際に生じている移動プロセスに基づいたモデル化と数値解析により、現在から将来に渡る放射性セシウムの時空間分布を予測し、それら予測結果を踏まえた被ばく線量の予測評価にかかわる調査研究プロジェクトを実施している。同プロジェクトでは、現在の未除染域である山地森林が現時点における放射性セシウムの主な供給源と考えられることから、山地森林から河川やダム湖等を通じて河口域へと至る環境動態とともに、それら自然システムから人の生活圏へと至る環境動態に着目した調査を進めている。本報では同プロジェクトでの山地森林を対象とした放射性セシウムの移動挙動にかかわる調査研究の概要と現状を報告する。

口頭

東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い放出された放射性セシウムの山地森林-河川-ダム湖における移動挙動

新里 忠史; 大山 卓也; 舟木 泰智

no journal, , 

福島県内に残存する事故由来の放射性物質のうち、現在、空間線量率を支配しているのは放射性セシウムであり、Cs-137の半減期は約30年と長いことから、今後長期に渡り放射線による健康影響に注視する必要がある。一方で放射線による人への健康影響を減らすには、環境中における放射性セシウムの濃度を低下させるとともに、その汚染経路を取り除くか縮小させる必要がある。それには、放射性セシウムの移動挙動を明らかにし、現在の状態とともに将来の分布を予測することが必要である。原子力機構福島環境安全センターでは、数年から数十年以上の期間を対象として、実際に生じている移動プロセスに基づいたモデル化と数値解析により、現在から将来に渡る放射性セシウムの時空間分布を予測し、それら予測結果を踏まえた被ばく線量の予測評価にかかわる「福島長期環境動態研究(F-TRACE)プロジェクト」を実施している。同プロジェクトでは、現在の未除染域である山地森林が現時点における放射性セシウムの主な供給源と考えられることから、山地森林から河川やダム湖等を通じて河口域へと至る環境動態とともに、それら自然システムから人の生活圏へと至る環境動態に着目した調査を進めている。本報では同プロジェクトでの山地森林-河川-ダム湖を対象とした放射性セシウムの移動挙動にかかわる調査研究の概要と現状を報告する。

口頭

断層破砕物質における剪断センス決定のための力学試験

亀高 正男*; 中山 一彦; 青木 和弘; 瀬下 和芳; 島田 耕史; 田中 義浩; 岡崎 和彦*; 船戸 明雄*; 林 俊夫*

no journal, , 

活断層は未固結の断層ガウジを伴う平滑な断層面を形成している(狩野・村田, 1998)。断層ガウジには、剪断センスを判定する有力な指標となる面構造を欠く等、露頭の断層ガウジから肉眼で剪断センスを判定することが難しい一因となっている。このため、断層ガウジにおける剪断センス決定法の補完となる手法の開発が必要と考える。本論では、断層ガウジの剪断センス決定法の補完となる手法開発を行うため、断層破砕物質の剪断強度を測定する力学試験を実施した。力学試験では、断層ガウジの性状に類似した人工材料(カオリン粘土)を用いた。試験手法は、剪断センスと同じ方向(以下、「順方向」と呼ぶ)へ剪断した時の剪断強度とその逆方向(以下、「逆方向」と呼ぶ)へ剪断した時の剪断強度を比較し、その差異と剪断センスの関係を考察するため、繰返し一面剪断試験を実施した。試験結果は、順方向と逆方向の剪断強度を比較すると全体的に逆方向の方が大きい傾向が明瞭に認められ、繰返し剪断回数とともに両者の強度差が大きくなる傾向が認められた。この結果は破砕部の力学的異方性を示し、本手法が断層ガウジの剪断センス決定法の補完になる可能性を示唆するものである。

口頭

低温領域の熱年代学に基づく養老-鈴鹿-布引山地の隆起・削剥史と近畿三角帯東縁のテクトニクス

末岡 茂; 山田 国見*; 柴田 健二; 堤 浩之*; 田上 高広*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*

no journal, , 

地殻変動の長期予測を行ううえで、山地の隆起開始時期や高度の変遷といった発達過程の把握が重要となる。本研究では、アパタイトフィッション・トラック年代(AFT年代)及びアパタイト(U-Th)/He年代(AHe年代)をもとに、養老-鈴鹿-布引山地の隆起・削剥史の解明を試みた。養老-鈴鹿-布引山地は近畿三角帯の東縁に沿って分布しているが、東西の沈降場(東海湖,古琵琶湖)は鮮新世以降に北上していることが知られている。一方、本研究の結果によると、年代の若返りは南の布引山地より鈴鹿山脈の中部から南部で最も顕著であり、単調に隆起場が北進したとは考えにくい。近畿三角帯における沈降場の形成・北進と山地の隆起は、それぞれ異なるメカニズムに起因していると考えられる。

口頭

堆積岩における原位置水理・トレーサー試験結果に基づく割れ目面内の不均質性の検討

横田 秀晴; 田中 真悟; 本島 貴之*

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全評価の観点では、岩盤中の物質の移動特性を把握するため、原位置試験により水理や物質の移動に寄与する各種パラメータを適切に取得し、その特性を評価する必要がある。本研究では、幌延URLで実施した水理試験及びトレーサー試験結果のうち、各試験区間の透水性・圧力応答・流れの次元・トレーサー回収率の比較検討を行い、堆積岩中の割れ目面内で地下水の流れの不均質性が存在することを明らかにした。今後、本研究結果を原位置で確認するとともに、トレーサー試験結果を適切に解析・解釈するため、割れ目面内の流れの不均質性をモデル化するにあたって、割れ目面内で流れの次元を考慮したチャネル構造モデルなどの適用性を検討していく。

口頭

山陰帯東部,江若花崗岩体とドレライト岩脈のK-Ar年代

梅田 浩司; 安江 健一; 丹羽 正和; 石丸 恒存; 島田 耕史

no journal, , 

高速増殖原型炉もんじゅ敷地周辺で掘削したボーリングから採取した花崗岩及びドレライト試料のK-Ar年代測定を行った。その結果、花崗岩は後期白亜紀$$sim$$古第三紀に貫入・定置したこと、ドレライトは冷却した花崗岩中に中期中新世に貫入したことが明らかになった。このことは、もんじゅ敷地内の破砕帯を充填する粘土の鉱物組合せやイライトのK-Ar年代を考慮すると、粘土細脈が花崗岩形成末期の熱水活動によって生成したといった従来のモデルを支持する。

口頭

敦賀半島北部に分布する河成段丘の編年

安江 健一; 島田 耕史; 佐々木 亮道; 田中 遊雲; 丹羽 正和; 石丸 恒存; 梅田 浩司; 立石 良*; 小坂 英輝*

no journal, , 

高速増殖原型炉もんじゅが位置している敦賀半島北部の河成段丘について、空中写真判読,測量,地表踏査,トレンチ調査,ボーリング調査,火山灰分析などの地形・地質学的データから分布や編年を明らかにした。敦賀半島北部の河川沿いには、低位段丘面が比較的広く分布し、その周辺に中位段丘面が僅かに分布する。これらの面は、それぞれさらに2面に分けられる。また、支流から低位段丘面上に向かって小規模な扇状地面が分布する。中位段丘面の一部は、MIS5b頃に離水したと考えられる。低位段丘面は、MIS2頃の堆積物であり、堆積開始はAT降灰(約3万年前)より古いと考えられる。もんじゅ建設前に実施されたトレンチ調査では、少なくともこの約3万年前以降の堆積物には、花崗岩中の破砕帯から連続する不連続面や乱れなどは観察されていない。

口頭

原子力機構東濃地科学センターJAEA-AMS-TONOによる放射性炭素年代測定とその断層調査への適用

國分 陽子; 安江 健一; 丹羽 正和; 松原 章浩; 梅田 浩司; 石丸 恒存; 島田 耕史

no journal, , 

断層運動や火成活動の過去の活動性を評価する際、年代軸を正確に設定することが必要であり、過去数万年の年代推定には、加速器質量分析法による放射性炭素($$^{14}$$C)年代測定法がよく用いられる。東濃地科学センターJAEA-AMS-TONOでは、加速器質量分析装置を用いて$$^{14}$$C等の測定を行っており、これまで高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発の一環として機構で進める深地層の科学的研究に用いてきた。今回は、高速増殖原型炉もんじゅでの敷地内破砕帯等の追加地質調査に関連して、敷地周辺の段丘面の形成時期や堆積物の堆積時期、また断層の活動時期を検討するため、堆積物中の炭や木片及び基盤岩中の炭酸塩鉱物等の$$^{14}$$C測定を行ったので、その結果を報告する。

口頭

花崗岩中に発達する断層ガウジと粘土脈

丹羽 正和; 島田 耕史; 安江 健一; 石丸 恒存; 梅田 浩司

no journal, , 

断層の活動性評価にあたっては、基盤岩中に発達する破砕帯の記載・分析に基づき、活動性を評価する手法を構築していく取り組みも重要である。基盤岩には、既存の節理などの割れ目に沿って粘土鉱物を主体とする変質鉱物が充填し、いわゆる粘土脈がしばしば形成される。これらの粘土脈も変位や変形を伴うことがあるので、一見して細粒緻密な断層岩と識別が難しい場合もある。本研究では、もんじゅ敷地内破砕帯等の追加地質調査に関連して、活断層とされている白木-丹生断層の破砕帯と、周辺の花崗岩中に発達する粘土脈について行った記載・分析の内容を報告する。白木-丹生断層の破砕帯では、断層ガウジに積層構造が発達するなど、剪断変形が繰り返し起きていた証拠が多数認められる。一方、粘土脈は、幅の広いカタクレーサイトや断層角礫が伴われないこと、断層ガウジに明瞭な積層構造が見られないこと、面構造の発達や細粒化の進行の程度が同じ脈の中でも側方に不均質で直線性に欠けるなど、白木-丹生断層の断層ガウジとは異なる点が多く認められる。

口頭

高速増殖原型炉もんじゅ敷地内破砕帯等の追加地質調査の概要について

石丸 恒存; 島田 耕史; 丹羽 正和; 安江 健一; 立石 良*; 池田 真輝典; 梅田 浩司

no journal, , 

原子力機構は、平成24年8月29日、旧原子力安全・保安院より、耐震バックチェックの一環として、もんじゅ敷地内破砕帯にかかわる追加調査計画を策定し提出するよう指示を受け、追加調査実施計画書を策定して平成24年9月5日に旧保安院に提出し、平成25年4月30日に追加地質調査の報告書を取りまとめて、原子力規制委員会に提出した。旧保安院からの指示事項は、(1)もんじゅ敷地内の複数の破砕帯の性状を直接確認できる場所において破砕帯内物質の年代特定や上載層の変位・変形の有無等の調査を行うこと、(2)もんじゅ敷地内の複数の破砕帯と敷地近傍で確認されている変動地形(L-2リニアメント)及び活断層(白木-丹生断層)との地質構造上の関連性を明らかにするための調査を行うこと、の大きく2点である。敷地内破砕帯については、剥ぎ取り調査等により、原子炉建物基礎岩盤部で最長のa破砕帯北方延長方向において2条の破砕帯を直接確認した。これまでの調査結果からは、敷地内破砕帯が活動的であることを示す証拠は乏しく、これら破砕帯は隆起以前の深部の熱水環境下で形成された小規模な古い地質構造である可能性が高い。

口頭

放射性物質の移動挙動評価にかかわる森林における長期モニタリング

阿部 寛信; 新里 忠史; 渡辺 貴善; 竹内 竜史; 安江 健一

no journal, , 

日本原子力研究開発機構(原子力機構)では、現在の主な未除染地域である森林等から河川・ダムを経て河口域へと到る放射性セシウムの沈着状況及びその時間的変遷を調査し、移行挙動を明らかにするとともに、移行挙動を考慮した汚染抑制対策を提案することを目的とした福島長期環境動態研究(F-TRACE Project)を実施している。同研究では、現在、福島県内の山地森林や河川,湖沼,河口等、各沈着場所に堆積している土壌や水中における放射性セシウムの環境動態を把握するための調査を実施している。本報では、福島県内の森林において実施している表層を流れる表面流とそれに伴って移動する浮遊土砂等の長期モニタリングの概要について報告する。

口頭

複数の熱年代学的手法に基づく江若花崗岩体の冷却史とその地質学的意義

末岡 茂; 安江 健一; 丹羽 正和; 花室 孝広; 島田 耕史; 石丸 恒存; 梅田 浩司; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 郷津 知太郎*

no journal, , 

琵琶湖周辺には7つの主要な花崗岩体が分布している。各岩体の岩相や化学成分,放射年代などをもとにすると、琵琶湖南方の4岩体は約70Maに形成された巨大コールドロンの外縁をなしており、琵琶湖の東西に分布する月見山岩体と比叡岩体は約100Maの火山フロントの活動と関連していると考えられている。一方、琵琶湖の北方に分布する江若岩体は、放射年代が1点しか得られていないこともあり、他の6岩体と異なり地質学的な背景には不明な点が多い。本講演では、江若岩体のジルコンフィッション・トラック年代,黒雲母K-Ar年代,ジルコンU-Pb年代を新たに報告する。また、これらの年代をもとに本岩体の形成年代と冷却史を推定し、これらの地質学的意義について議論する予定である。

口頭

瑞浪超深地層研究所における割れ目の形成過程からみた地質環境の長期変化

笹尾 英嗣; 石橋 正祐紀

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、数万$$sim$$数十万年後の地質環境や物質の移動経路等の変化を考慮する必要があるため、花崗岩などの結晶質岩においては地下水や物質の移動経路となる割れ目がどのように形成され、また充填されていくかについての理解が重要である。そこで、瑞浪超深地層研究所の研究坑道で観察された割れ目の特徴と瑞浪地域の地史に基づいて、割れ目の形成過程を検討した。研究所で観察された割れ目は、花崗岩上部では水平に近い低角度のものが卓越し、下部では高角度のものが卓越する。瑞浪地域の地史に基づくと、これらの割れ目は花崗岩貫入時から花崗岩を覆う堆積岩の堆積前の間に形成されたと考えられた。高角度の割れ目は花崗岩冷却時や断層活動に伴って形成されたと考えられ、将来に渡って新しく形成される可能性は低い。一方、花崗岩上部の低角度割れ目は、花崗岩及びその被覆層の削剥に伴う除荷によって形成されると推定される。低角度の割れ目は将来に渡って新たに形成される可能性があるものの、研究所周辺の隆起速度から、その時期は被覆層の層厚が薄くなる数十万年後以降であると推定された。

口頭

瑞浪超深地層研究所周辺に分布する断層の発達過程; 断層岩の組織及び鉱物成分からの検討

窪島 光志

no journal, , 

地下水流動の長期的な変化を検討するためには、地下水流動を規制する断層について過去の形成発達過程を理解し、それに基づいて将来変化を推定する必要がある。本研究では、瑞浪超深地層研究所周辺に分布する月吉断層と主立坑断層を対象とし、断層岩の特徴と鉱物組成に基づいて、断層の発達過程を検討した。断層岩の特徴に基づくと、月吉断層は顕著な破砕流動や破砕岩片の細粒化を伴い、基質の割合の増加が認められる。一方、主立坑断層では月吉断層に比べて顕著な破砕流動や破砕岩片の細粒化及び基質の割合の増加は生じていない。また、主立坑断層は月吉断層よりも幅の広い断層ガウジ及び断層角礫を形成している。これらのことは、カタクレーサイトの形成深度において月吉断層が主立坑断層より高い活動度であったことと、断層ガウジの形成深度において主立坑断層が月吉断層より高い活動度であったことを示唆する。断層岩の鉱物組成に基づくと、主立坑断層の断層ガウジ及び断層角礫では、スメクタイトよりも雲母粘土鉱物が卓越する。一方、月吉断層の断層ガウジではスメクタイトは認められるが、雲母粘土鉱物は含まれない。このことから、主立坑断層の断層ガウジは断層ガウジの形成深度の中でも主に比較的深い深度(高温環境)で形成され、月吉断層の断層ガウジは断層ガウジの形成深度の中でも主に比較的浅い深度(低温環境)で形成されたと考えられる。

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