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小澤 正基; 小山 真一; 鈴木 達也*; 藤田 玲子*; 三村 均*; 藤井 靖彦*
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.451 - 457, 2007/09
核燃料サイクル由来の環境負荷の極少化を図るため、先進オリエントサイクルと称する、新しい研究開発戦略を構築した。先進的分離技術の核心は3級ピリジン樹脂によるイオン交換クロマト法(IXC)と触媒的電解採取法(CEE)で、前者は使用済燃料から直接、3ステップの分離により高純度のAm, Cm及びPu/U/Npの3フラクションの分離を可能とし、MAリサイクルの効率化に大きく寄与することが明らかとなった。一方、Pdアダトムを利用する後者技術については、特に塩酸媒体で希少元素FP(Ru, Rh, Pd, Tc, Re)の分離効率が著しく増大することが明らかとなり、回収元素の水素製造触媒利用などの実現に向け大きな技術的進展があった。他、機能性イオン交換剤によるCs及びSrの分離が研究開発中で、さらにレーザー化学法などによるLLFP(Cs, Se, Sn)の同位体分離法の基礎研究に着手した。
岡村 信生; 竹内 正行; 荻野 英樹; 加瀬 健; 小泉 務
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.1070 - 1075, 2007/09
JAEAでは、20年に渡り遠心抽出器の開発を実施してきた。RETFに導入する第1世代遠心抽出器の開発は、10年前に終了している。現在は、実プラントへ適用するために、より高信頼性を有する遠心抽出器の開発を実施している。この第2世代遠心抽出器開発では、長寿命化,機械的信頼性が重要となる。本発表は、機械的信頼性の向上を目的とした転がり軸受けと磁気軸受けという2種類の駆動系の耐久試験結果について報告するものである。
加藤 正人; 中道 晋哉; 高野 龍雄
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.916 - 920, 2007/09
マイナーアクチニドを含有した酸化物燃料が先進高速炉の燃料として開発が進められている。燃料開発の一環として、さまざまな物性データの研究が行われてきた。燃料は、高燃焼を達成するために低O/Mの仕様である。MA含有MOX燃料は常陽において照射試験が進められている。本研究では、均質な低O/M燃料を調製するために、焼結挙動とO/M調整のための熱処理の挙動を調べ、熱処理条件を決定することを目的とする。焼結工程では、酸素ポテンシャルの高い雰囲気で熱処理をすることによって、均質な高密度ペレットを調整することができた。また、O/M調整の熱処理では、急激なO/M変化をさせるとペレット内にポアの成長とクラックが発生するため、徐々にO/Mを下げる必要がある。これらの試験結果から得られた条件をもとにMA含有MOXの製造条件を決定し、実際の照射試験燃料製造によって実証した。
小澤 隆之
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.404 - 408, 2007/09
将来の高速炉燃料として考えられている中空燃料の設計を合理的に行うため、確率論的中空燃料設計コード"BORNFREE-CEPTAR"を開発した。確率論的燃料設計手法では、照射挙動に則したかたちで、燃料中心温度,被覆管温度,被覆管応力等の設計評価指標をモンテカルロ法で評価し、設計裕度についても定量的に評価することが可能である。本コードを用いた確率論的評価の結果、将来の高速炉燃料の高性能化について実現の可能性が定量的に示された。
北村 哲浩; 岡田 尚; 嘉代 甲子男; 吉野 正則*; 平野 宏志*
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.531 - 536, 2007/09
原子力機構サイクル工学研究所プルトニウム燃料技術開発センター第三開発室に設置されている解体設備での廃棄物の取扱作業について説明する。解体設備では同じ容積のグローブボックスのみを取り扱うが、将来どのような廃棄物処理法になっても対応できるよう、廃棄物を材質ごとに分別している。今後の廃止措置,廃棄物処理・処分に反映するために取得したデータを分析する。また、これまでに実施した改善及び今後導入が必要と考えられる改善案をまとめる。
森田 泰治; Kim, S.-Y.; 池田 泰久*; 野上 雅伸*; 西村 建二*
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.1508 - 1512, 2007/09
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。これまでの試験で、U(VI)を硝酸溶液から沈殿させるN-シクロヘキシルピロリドン(NCP)を用い、選択的U沈殿工程及びU-Pu共沈工程の2工程からなるプロセスを開発した。さらに、現在はプロセスをより選択的に、より経済的にするため、他のピロリドン誘導体によるU及びPuの沈殿挙動について研究している。本研究では、NCPより低疎水性で選択的U沈殿工程の適用が期待されるN-ブチルピロリドン(NBP)及びN-プロピルピロリドン(NProP)を用いてPuの沈殿挙動を調べた。Pu(IV)あるいはPu(VI)の単独溶液及びU(VI)-Pu(IV)混合溶液による試験の結果、NBP及びNProPは、NCPと比べて、Puを沈殿させにくく、U(VI)をより選択的に沈殿させることがわかった。この結果より、NBPあるいはNProPの利用は、選択的U沈殿工程をより選択的に、より効率的にすることが期待できる。
池田 泰久*; 鷹尾 康一朗*; 原田 雅幸*; 森田 泰治; 野上 雅伸*; 西村 建二*
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.1503 - 1507, 2007/09
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。これまでの試験で、U(VI)を硝酸溶液から沈殿させるN-シクロヘキシルピロリドン(NCP)を用い、選択的U沈殿工程及びU-Pu共沈工程の2工程からなるプロセスを開発した。さらに、現在はプロセスをより選択的に、より経済的にするため、他のピロリドン誘導体によるU及びPuの沈殿挙動について研究している。本研究では、NCPより疎水性が低い沈殿剤の選択的U沈殿工程への適用性を検討するため、N-ブチルピロリドン(NBP)及びN-プロピルピロリドン(NProP)によるU(VI)の沈殿試験を行い、核分裂生成物に対する除染係数を測定した。その結果、U(VI)の沈殿挙動には大きな差はなく、核分裂生成物に対する除染係数はNCPより大きな値が得られることがわかった。
小島 久雄; 土尻 滋; 田中 和彦; 武田 誠一郎; 野村 茂雄
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.273 - 282, 2007/09
核燃料サイクル開発機構東海事業所から業務を引き継いで設立された核燃料サイクル工学研究所は、1959年にウラン精錬技術からの研究をもって事業を開始し、ウラン濃縮技術,軽水炉再処理,MOX燃料製造にかかわる技術開発を達成したほか、高レベル放射性廃棄物処分,高速増殖炉燃料再処理技術の研究開発を実施しており、その間適切な環境放出放射能の管理,核物質の管理を実施してきた。今後も、FBRからLWRへの過渡期の再処理技術開発,MOX燃料製造技術改良,先進的FBR燃料再処理技術開発,高レベル放射性廃棄物処分技術開発の各分野にかかわる研究開発により、核燃料サイクルの実現に貢献していく。
相原 純; 植田 祥平; 茂住 泰寛; 佐藤 博之; 本橋 嘉信*; 沢 和弘
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.416 - 422, 2007/09
高温ガス炉においては被覆粒子が燃料として使用される。高温ガス炉技術の進歩のために、現在第3層として使われているSiC被覆層は、より高温安定性と核分裂生成物のパラジウムに対する耐性に優れたZrC被覆層に置き換えられる可能性がある。ZrC層は高温では塑性変形をする可能性がある。そこで日本原子力研究開発機構では、ZrC被覆粒子の照射下破損率を予測するために既存の内圧破損率計算コードを改良して第3層の塑性変形を取り扱えるようにした。各被覆層の応力を計算するために有限要素法が適用された。このコードでGTHTR300Cの通常運転時の被覆粒子破損率を計算したところ、わずか3.510であった。
佐賀山 豊
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.251 - 258, 2007/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)は、電気事業者と協力して、高速増殖炉サイクル実用化研究開発プロジェクト(FaCTプロジェクト)を開始した。FaCTプロジェクトは、過去7年間実施してきた実用化戦略調査研究(FS)の結果に基づいたものである。FSでは、ナトリウム冷却高速炉(酸化物燃料),先進湿式法再処理,簡素化ペレット法燃料製造の組合せを、主として開発を進めていくべき主概念として選定した。2015年のマイルストーンに向けて、主概念の概念設計研究及び革新技術の研究開発を実施する。FSの開始段階で設定した開発目標について、FSの成果及び社会環境や世界情勢の変化を踏まえてFaCTプロジェクトのための開発目標として見直しを行った。また、国際標準に値する高速増殖炉サイクル技術とその効率的な開発を目指して国際協力を推進していく。
杉野 和輝
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.653 - 661, 2007/09
MA核データの検証及び高速炉を用いたMA核変換特性の予測精度向上のために「常陽」におけるMAサンプル照射試験データを活用した。照射試験データの解析の結果、計算値は実験値と良い一致を示し、JENDL-3.3のMA断面積は高速炉の解析においてほぼ満足の行く結果を生み出すことがわかった。また、本解析結果を用いた炉定数調整法の適用により高速炉におけるMA核変換特性の不確かさを半分以下にできる可能性のあることがわかった。
田中 伸幸; 吉田 光徳; 奥田 泰之; 佐藤 博之; 久保 真治; 小貫 薫
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.833 - 836, 2007/09
熱化学水素製造法ISプロセスの効率化に関する電解電気透析法(EED)を用いたHIx溶液(HI-HO-I混合液)濃縮研究の一環として、EEDの最適操作条件検討及びセル構造の最適設計に役立てるため、EEDセル電圧の内訳にかかわる予備的検討を行った。セル電圧検討の基礎データである溶液の電気抵抗,黒鉛電極におけるヨウ素-ヨウ化物イオンの酸化還元反応の過電圧、及び膜にかかわる電圧降下について、プロセス条件に近い組成を有するHIx溶液を用いた場合の値を測定した。また、セル電圧の推算方法を検討し、取得した基礎データをもとに試算した結果、実測値と良好な一致が認められ、用いた方法の妥当性を確認した。
菅原 隆徳; 西原 健司; 辻本 和文; 岩永 宏平; 倉田 有司; 佐々 敏信; 大井川 宏之
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.998 - 1007, 2007/09
JAEAでは加速器駆動核変換システム(ADS)の成立性を高めるための設計検討を実施している。炉心出力平坦化については、炉心内の被覆管最高温度が約600Cという現状を改善するため、燃料中のZrN希釈材の体積割合を各サイクル初期において調節する方法を検討した。検討の結果、炉心を4領域に分け、ZrN体積割合を調節することで、被覆管最高温度が約490Cにまで低減できるという結果を得た。ADSの安全解析については、設計基準外事象としてビーム過出力事象(UBOP),流量喪失事象(ULOF)を対象に、高速炉用炉心崩壊過程解析コードSIMMER-IIIにより解析を行った。解析の結果、JAEAで検討しているADSでは、これらの事象においても炉心崩壊に至らないことが示された。ビーム窓設計については、座屈圧力に対する設計裕度を増加させる方法の検討を行った。検討では半球モデルを使用し、有限要素法による解析結果を用いた。その結果、陽子ビームによる発熱の低減が、座屈圧力に対する設計裕度の増加に効果的であることがわかった。
佐藤 博之; 久保 真治; 坂場 成昭; 大橋 弘史; 佐野 直樹; 西原 哲夫; 國富 一彦
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.812 - 819, 2007/09
原子力機構では、HTTR-ISシステムのプラント動特性解析コードの開発を行っている。本コードの特長は、ISプロセスのヘリウムガス熱交換型化学反応器における相変化や化学反応を評価可能とするAPHXモジュールである。本モジュールの開発によって従来評価を行うことが困難であった、ISプロセス除熱増大事象の評価が可能となった。また、本コードを用いてISプロセスの除熱増大事象の代表事象候補となる2ケースについて解析を行った結果、提案する熱負荷変動吸収手法を用いることにより、ISプロセス除熱量増大事象が原子炉の運転に影響を与えないことを明らかにした。
大井川 宏之; 西原 健司; 横尾 健*
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.434 - 442, 2007/09
日本では高レベル放射性廃棄物(HLW)処分の負担軽減を目指した分離変換技術の研究開発が行われている。将来の核燃料サイクルの廃棄物管理における分離変換技術の導入効果を明確に示すことを目的に、UO-LWR, MOX-LWR, MOX-FBRで生じる使用済燃料について、HLWの処分に要する処分場面積を定量的に議論した。解析では、分離プロセスとして、(1)従来型PUREX法,(2)マイナーアクチニド(MA)の核変換,(3)核分裂生成物(FP)の群分離,(4)MAの核変換とFPの群分離の4種類を仮定した。検討の結果、LWRでもFBRでもMOX燃料を用いる場合、処分場面積をUO燃料と同程度の広さとするにはMA核変換が必要であることがわかった。また、燃料種類,炉の種類,再処理前冷却期間によらず処分場面積をさらに低減するには、MA核変換とFP群分離を組合せる必要があることを示した。
佐藤 匠; 岩井 孝; 荒井 康夫
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.1090 - 1098, 2007/09
本研究は、窒化物燃料の乾式再処理技術開発に資するため、代表的な核分裂生成物であるMo, Pd, Ndを添加した模擬照射済みUNペレットの溶融LiCl-KCl共晶塩中における電解挙動を調べた。サイクリックボルタンメトリー(CV)及び分極曲線の測定結果より、いずれの試料もUN単体と同じく参照電極に対して-0.75Vよりも貴の電位でUNが陽極溶解した。これらの結果をもとに陽極電位を参照電極に対して-0.65-0.60Vとして模擬照射済みUNペレットの定電位電解を行った結果、いずれの試料もUは大部分が溶解し液体Cd陰極中に回収されたが、Mo, Pdは溶解せずに陽極に残留し、Ndは溶解後溶融塩中に残留した。
岩村 公道; 大久保 努; 内川 貞夫
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.1718 - 1724, 2007/09
TRUリサイクルが可能な新型軽水炉概念FLWRの検討を進めている。これまでの設計研究により、その概念は十分に達成可能であると見込まれる結果が得られており、関連する重要な技術課題に関するR&Dの結果も含めてそのように判断できる状況である。将来において強固な原子力エネルギー供給システムを確立するためには、軽水炉技術と高速炉技術、すなわちFLWRとNa-FBRを適切に組合せて使用して行くことが望ましくまた現実的であると考えられる。本論文ではこのような適切な両方の炉の併用を提案している。
村上 龍敏; 鈴木 紀一; 青野 茂典
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.891 - 896, 2007/09
低密度ペレット燃料の製造では、燃料製造の過程でポアフォーマと呼ばれる有機物を原料粉末に添加し、ペレット内に気孔(ポア)を設けることで低密度化を実現しているが、ポアフォーマは、原料粉末に比べ密度が非常に低いため燃料製造の過程で偏在し、焼結ペレット密度のばらつきを生じる原因となるので、ポアフォーマ添加率は可能な限り低くして低密度化することが望ましい。一方、ペレット製造では、工程内で発生した不合格ペレットなどを粉砕し、粉末として再利用する(「乾式回収粉末」という。)が、粒の粗い乾式回収粉末を原料に用いると乾式回収粉末がポアフォーマの役割を担い、結果、ペレットの焼結密度が低下することがこれまでの実績からわかっている。このため、本試験では、乾式回収粉末の製造条件(ペレットの粉砕条件)を変動させて数種類の乾式回収粉末を製造し、このうち低密度ペレットの製造に最も適すると考えられる乾式回収粉末を用いてペレット製造試験を行い、低密度ペレット製造への適用性を評価した。
天本 一平; 小藤 博英; 明珍 宗孝; 寺井 隆幸*
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.748 - 757, 2007/09
金属電解法による乾式再処理プロセス(以下、金属電解法)から発生する使用済電解質(以下、廃塩)の再生利用を図るべく、リン酸塩転換法の適用性について理論考察を行い、今後の研究開発の基礎となる予備的なプロセス概念を構築した。すなわち、金属電解法の運転で生じる廃塩(LiCl-KCl)は、各種高レベル放射性FP塩化物を含有しているため、HLW発生量抑制の観点から、FPを分離する必要がある。この取組みの一環として、リン酸塩転換法の適用性に関する検討を行うべく、これまでの研究成果を活用してリン酸塩転換法の評価をするための概念ブロックフローを構築した。次に、本研究の解析に必要とされる熱力学的諸量について、理論計算による取得を行い、データベースを充実させた。これをもとに、理論解析を中心とした予備的な検討を、ブロックフローの各工程について行い、得られた成果から、予備的なプロセス概念を構築し、各工程の操作条件を明確化し、今後の開発の足がかりとした。
皆藤 威二; 大塚 智史; 井上 賢紀
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.37 - 42, 2007/09
高速炉燃料の高燃焼度化は、それらを構成する材料の照射性能に依存する。このため、日本原子力研究開発機構では、高燃焼度燃料のための最も有望な候補材料として、酸化物分散強化型(ODS)フェライト鋼被覆管と析出強化型(PH)フェライト鋼ラッパ管を開発している。小規模での製造技術が既に確立され、数百本のODS鋼被覆管と何十本のPH鋼ラッパ管の製造に成功した。将来の商業炉にこれらの材料を供給するためには量産技術開発が不可欠である。製造したこれら材料の機械的特性について、炉外試験及び「常陽」やFFTFでの材料照射試験によって調査した。これらの結果に基づき、それぞれの材料について暫定的な強度基準を策定した。これらの材料強度基準を高度化し、照射性能を実証するために「常陽」やBOR-60を利用した一連の照射試験を実施する計画である。また、2025年以降に運転開始が計画されている実証炉の設計研究に反映する。