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荒木 康史; 家田 淳一
まぐね, 20(1), p.12 - 17, 2025/02
スピントロニクスにおいて、スピンの電気的操作に際して発生する電力損失は大きな課題である。このジュール発熱を回避する過程として、我々は電子状態のトポロジカル構造を組み込んだ電場誘起スピントルクの理論を構築した。このトポロジカルな寄与は散逸の影響を受けず、従来のスピン移行トルクに比べて単位電流あたりのトルク効率を著しく向上させる。本原理によるスピントルクの発現は、トポロジカルな電子系の典型例である「ワイル電子」を持つ、強磁性酸化物SrRuOにおける磁化反転実験によって検証された。
高梨 弘毅; 関 剛斎*
まぐね, 19(3), p.100 - 106, 2024/06
薄膜の垂直磁気異方性は、磁気記録のみならずスピントロニクスにおいても重要な役割を果たしている。本解説記事では、垂直磁気異方性に関して、磁気多層膜、規則合金膜、希土類遷移金属アモルファス合金多層膜、不均一膜やグラニュラー膜など、垂直磁化を持つ具体例を示しながら、基礎からこれまでの研究、そして最近の研究動向を概説する。それぞれの具体例について、構造対称性の破れによる界面磁気異方性、ひずみによる磁気弾性異方性、バルクの結晶磁気異方性、原子の方向性規則配列などの垂直磁気異方性の物理的起源を議論する。
山根 結太*; 家田 淳一
まぐね, 13(5), p.235 - 241, 2018/10
We overview the recent theoretical development on spin-transfer torque in antiferromagnetic nanostructures and related subjects. As antiferromagnetic materials are generating more attention lately due to their potential to play pivotal roles in spintronics applications, demands are rising for reliable methods to control and detect antiferromagnetic textures and their dynamics. While antiferromagnets are largely insensitive to external magnetic fields in general, electrical means are proving to be capable of offering promising ways to access the antiferromagnetic dynamics. We discuss in this article the possibility of manipulation and observation of dynamical antiferromagnetic textures by electrical current and voltage.
大沼 悠一; 松尾 衛*; 前川 禎通; 齊藤 英治
まぐね, 12(5), p.217 - 224, 2017/10
熱とスピンの相互変換現象であるスピンゼーベック効果及びスピンペルチェ効果について微視的理論に基づき議論を行う。まずはじめに、熱流からスピン流を生成するスピンゼーベック効果について議論する。スピンゼーベック効果の最近の進展を紹介し、フェリ磁性体でのスピンゼーベック効果の符号反転について説明する。次に、スピン流による熱流生成法であるスピンペルチェ効果について議論する。最後に、スピンゼーベック効果とスピンペルチェ効果がオンサーガの相反関係によってまとめられることを示し、スピンと熱の輸送に関するケルビンの関係式を導出する。
櫻井 浩*; 伊藤 真義*; 安居院 あかね
まぐね, 6(5), p.270 - 276, 2011/10
磁気コンプトン散乱による磁性材料の研究は、1986年にM. J. Cooperが放射光を用いてFeのスピン状態を測定してから放射光施設の発展とともに進展してきた。これまで、3d遷移金属・合金、3d遷移金属-4f希土類化合物、アクチナイド化合物など、その対象範囲は多岐に広がっている。今後、コンプトン散乱を用いた測定は原子レベルでの磁気物性解析手法として、新しい磁石材料開発やスピントロニクスデバイスの開発に有用であると考えている。本論文では、垂直磁化膜に着目した最近の成果について、(1)磁気多層膜の波動関数の異方性の測定結果と垂直磁気異方性について、(2)さらに、3d遷移金属-4fアモルファス合金垂直磁化膜のスピン選択磁気ヒステリシスについて紹介する。
安立 裕人; 前川 禎通
まぐね, 5(6), p.256 - 263, 2010/06
Recent progress in the field of thermoelectrics and thermo-spintronics is reviewed by focusing on the role of spins. Two topics are discussed, i.e., the manipulation of the spin degrees of freedom to enhance the thermoelectric effect, and the observation of the spin Seebeck effect. In the first part of the review, we introduce cobalt oxide as a superior thermoelectric material, and clarify why it has a large Seebeck effect. In the latter half, we discuss the recently observed spin Seebeck effect, and argue that a scenario based on thermal spin current mediated by spin-wave excitations can account for the observed phenomenon.
平野 辰巳*; 武田 全康
まぐね, 4(1), p.38 - 42, 2009/01
多層膜構造を持つ高性能な磁気デバイスを作るうえで、界面の磁気構造がデバイスの最終性能に与える影響が大きいので、その構造情報を得ることは重要である。この解説記事では、そのような界面の磁気構造情報を解析するための偏極中性子反射率法について解説するとともに、中性子反射率法を用いた磁気デバイスの開発研究の将来像に触れる。
荒 克之*; 海老根 典也
電気学会マグネティックス研究会資料 (MAG-01-55), p.1 - 6, 2001/03
原子炉圧力容器の経年劣化とその磁気的な手法による非破壊計測評価について述べ、それを実現していくうえで重要な課題の一つである「磁気問いかけ」で材料のヒシテリシス磁化特性を同定するという困難な問題を「磁気測定」と「磁界解析」との関係で議論し、それにかかわる研究開発課題についてレビューした。原子炉圧力容器は強磁性を示す低合金鋼で作られており、長期間の供用中に中性子の照射を受け機械的特性が劣化するとともに、その磁気的特性も変化する。そこで圧力容器鋼の磁気的特性の変化を非破壊的に測定し、その結果から圧力容器の材質劣化を評価しようとするのが磁気問いかけ法であり、そこでは磁界解析の支援が必要となる。
荒 克之*; 海老根 典也
電気学会マグネティックス研究会資料 (MAG-00-182), p.23 - 31, 2000/09
原子炉構造体の経年変化の非破壊計測評価の研究の現状を原研及び日本AEW学会の活動を中心にレビューした。原研では、原子炉圧力容器鋼の磁気的性質と機械的性質に良い相関があることに基づき、磁気問いかけ法が提案され、関連して圧力容器肉盛溶接部厚さ測定法、増分透磁率測定法が研究されている。また、日本AEM学会では、ラウンドロビン試験により、人工的に劣化させた鋼材のヒステリシス磁化特性、バルクハウゼン雑音測定などを行い、有効性を確認している。
海老根 典也; 鈴木 雅秀; 荒 克之*
電気学会マグネティックス研究会資料 (MAG-00-195), p.45 - 48, 2000/09
原子炉圧力容器鋼の機械的特性の劣化を非破壊的に評価できる手法として、増分透磁率の変化曲線を用いる磁気的測定法の有効性を示すため実施した試験結果について報告する。直流のバイアス磁界を加えながら微小磁界を重畳させたトロイダル型試料鋼材の誘導電圧は増分透磁率とみなせ、これは、保磁力近傍で明瞭なピークを示し、ピーク間隔は、保磁力と非常によい相関がある。また保磁力と最大磁率はともに機械的特性ともよい相関がある。この結果に基づき、実用上有用な鋼板について非破壊計測を平面コイルと磁気ヨークを用いて実施した。その結果、本測定法は、試料鋼板の磁気特性及び機械的特性を反映することがわかり、有用な測定手法となると考えられる。
海老根 典也; 荒 克之
電気学会マグネティックス研究会資料MAG-98-198, p.29 - 33, 1998/11
強磁性構造用鋼材の材質変化を磁気的に測定するために、平面コイルを用いた実験を行った。供試鋼材は、原子炉圧力容器用鋼(A533B)とマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS410)である。1次・2次の構成とした平面コイルを、磁気ヨークの磁極直下に配置した。鋼材に磁気ヨークで直流バイアス磁界をかけながら、平面コイルの1次側で三角波の小さな磁界変動を与えた。その結果、平面コイルの2次側の出力電圧は鋼材の違いによる磁気特性変化を反映し、機械的特性と良い相関があることがわかった。この手法は、鋼材の材質変化の測定手法として応用できる可能性がある。
海老根 典也; 荒 克之
電気学会マグネティックス研究会資料, p.37 - 41, 1997/07
圧力容器肉盛り溶接部厚さの非破壊計測について、磁気的手法で測定する実験を行い、検討した。圧力容器の板厚を模擬した鋼材に磁気ヨークを取り付けて、磁化する過程での鋼材表面の磁界分を測定し、磁気ヨークの磁極近傍の磁界分布の中央値と半値幅が肉盛り溶接部厚さによってどう変化するかを調べた。その結果、十分磁化した状態では、起磁力で正規化した磁界の中央値は厚さに対して単調減少し、半値幅は単調増加する関係が得られた。圧力容器の鋼材を変えた場合にもこの関係が得られた。これより、肉盛り溶接部の厚さが、磁界分布の中央値及び半値幅から決定できることが分かった。
海老根 典也; 竹内 信次郎*; 荒 克之; 中島 伸也
電気学会マグネティックス研究会資料; MAG-94-76, 0, p.9 - 20, 1994/00
SG細管の探傷に用いられている渦流探傷法の課題のひとつに検出精度の欠陥方向依存性があり、この対策として乱れ磁束検出型渦流探傷法が提案されている。そこに用いられている正方形平面コイルは特定領域では小さい欠陥の検出感度が悪いという技術的課題があった。そこで、本報では、磁場分布測定から正方形平面コイルの特定領域での感度低下原因を探るとともに、その解決策として新たに菱形平面コイルを提案し、その磁場分布測定から磁束検出コイルの最適設計条件を探った。その結果、磁束検出コイルは、菱形平面コイルの上部と下部の励磁磁場の強い付近、および菱形平面コイルの中間部に配置すればよいことがわかった。