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Zhao, L.; 三友 宏志*; Zhai, M.*; 吉井 文男; 長澤 尚胤; 久米 民和
Carbohydrate Polymers, 53(4), p.439 - 446, 2003/09
被引用回数:204 パーセンタイル:99.05(Chemistry, Applied)ポリビニルアルコール(PVA)とカルボキシメチルキトサン(CM-キトサン)のブレンドハイドロゲルを電子線照射により合成し、相溶性やゲルの特性を調べた。CM-キトサンは、PVAゲルのゲル強度を著しく向上させた。その最適濃度は、PVA10/CM-キトサン5/水85の組成である。強度向上の機構は、赤外吸収スペクトルと熱測定の結果から、CM-キトサンがPVA分子鎖にグラフト橋かけ及びからみあい起こすためと考えられる。相溶性については、CM-キトサンが金属イオンと錯体をつくることから、ブレンド中のCM-キトサンが結合した銅の分散性を観察した結果、均一に相溶していることがわかった。ブレンドハイドロゲルには抗菌効果もあることが認められた。
有阪 真*; 木村 貴海; 菅沼 英夫*; 吉田 善行
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(2), p.385 - 389, 2003/02
被引用回数:5 パーセンタイル:36.71(Chemistry, Analytical)塩化リチウム-水/アルコール混合媒体を用いる陰イオン交換(AG 1X8樹脂)系におけるEu(III)のクロロ錯形成を時間分解レーザー誘起発光分光法により評価した。Eu(III)のクロロ錯形成は、塩化リチウムまたはアルコール濃度の増加に伴い溶液相と樹脂相の両相で促進された。アルコール濃度の増加による錯形成促進効果はメタノールよりエタノールの方が顕著だった。溶液相では観察されなかった陰イオン錯体が樹脂相では見いだされ、樹脂相の化学環境はEu(III)のクロロ錯形成にとって特異な反応場を提供することがわかった。Eu(III)の陰イオン交換樹脂への吸着挙動は主に樹脂相の化学環境に支配され、Eu(III)は、吸着過程を通じて錯陰イオンを形成することを見いだした。
Zhai, M.*; 吉井 文男; 久米 民和; Hashim, K.*
Carbohydrate Polymers, 50(3), p.295 - 303, 2002/11
被引用回数:180 パーセンタイル:98.74(Chemistry, Applied)デンプンがポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲル強度を改善するために添加された。デンプンはPVAを水に溶解した後80-90Cのノリ状態で均一に混合し、照射を行った。デンプンの添加とともにハイドロゲル強度が増大し、8-10%が最も効果的であった。ゲル強度はデンプンを構成しているアミロースとアミノペクチンのうち、アミロースが支配的であることがわかった。このデンプンの効果は放射線分解したデンプンがPVA分子鎖にグラフトし、絡み合いを起こすためと考えられる。
田口 光正; 森山 正洋*; 南波 秀樹; 平塚 浩士*
Radiation Physics and Chemistry, 64(2), p.115 - 122, 2002/05
被引用回数:4 パーセンタイル:29.00(Chemistry, Physical)数百MeVの重イオン照射によりポリビニルアルコールフィルム中に生成するアクリジンC-ラジカルの生成G値は各イオン種について線エネルギー付与(LET)の増加に伴い減少した。また、ラジカル収量は照射イオンのフルエンスに依存した。この結果を、ケミカルトラックモデルを用いて解析したところ、その半径は、照射イオン種が同じ場合には入射イオン速度の増加に伴い減少すること、さらに同じ速度ならばイオンの原子番号の増加に伴い増加することがわかった。
幕内 恵三; Haque, M. H.*; 池田 健一*; 吉井 文男; 久米 民和
日本ラテックスアレルギー研究会会誌, 4(1), p.7 - 10, 2001/01
天然ゴムラテックスの放射線加硫では、タンパク質も放射線で変性し、抽出可能な水溶性タンパク質が増加する。このタンパク質の除去法として、希釈した放射線加硫ラテックスに水溶性ポリマーを添加し、遠心分離器で濃縮することが有効である。また、水溶性ポリマーの分子量も脱タンパク質に影響し、低分子量を効果が大きいことを前回報告した。今回は、低分子量水溶性ポリマーとして重合度が500のポリビニルアルコール(PVA)を使用し、加水分解度の影響を検討した。PVAの添加した放射線加硫ラテックスから流涎でフィルムを作製し、乾燥後フィルムを10分間水洗し、引張強さと伸びを測定するとともに残存タンパク質をBCA法で定量した。脱タンパク質効果は加水分解度の増加とともに増大した。また、引張強さと伸びは加水分解度の低下とともに減少した。この結果から、完全加水分解のPVAが本法に適していることがわかった。
廣木 章博*; 前川 康成; 吉田 勝; 窪田 健二*; 片貝 良一*
Polymer, 42(5), p.1863 - 1867, 2000/12
被引用回数:41 パーセンタイル:79.48(Polymer Science)温度応答性アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)ゲルの体積相転移挙動を水とアルコールの混合溶媒系中で調べたところ、系中のアルコール成分の増加とともにゲルは、膨潤-収縮-再膨潤-再収縮と体積総変化を示すことがわかった。一方、温度応答性N-イソプロピルアクリルアミドゲルの場合、再収縮挙動は存在しないことが知られている。そこで、A-ProOMeゲルで観察された再収縮挙動の原因を明らかにするため、赤外分光法で解析を試みた。その結果、再収縮挙動は系中のアルコール成分の増加によって、水素結合性カルボニル基の割合が変化するため起こるとわかった。
Haque, M. H.*; 幕内 恵三; 三友 宏志*; 池田 健一*; 吉井 文男; 久米 民和
IAEA-SM-365/17, p.34 - 35, 2000/00
二官能性モノマーの1,9-ノナンジオールジアクリレート(ND-A)を加硫促進剤として使い、線と電子線による天然ゴムラテックスの放射線加硫を行った。ND-Aを5phr添加し、20kGy照射で30MPaの強度をもつ加硫ゴムフィルムが得られた。これをもとに低エネルギー加速器を使い、20のラテックスを210rpmの速度で攪拌しながら照射したところ30分で26MPaの強度のゴムフィルムが得られた。これはゴム製品製造に十分な強度である。ゴムフィルム中のたんぱく質の除去には、ポリビニルアルコール(PVA)のような水溶性ポリマーの添加が効果的であった。たんぱく質除去にはPVAのケン化度には影響されなかった。
渡辺 龍三*
PNC TJ9601 98-005, 85 Pages, 1998/03
高速増殖炉の超寿命燃料被覆管の実現に向けて、機能発現のための手法として傾斜機能化を、作製プロセスとしては特に形状付与、組成制御および組織制御の自由度を求めて、スラリーディップ法に注目した。まず、燃料被覆管の内表面の核生成物に対する耐食性、中性子に対する耐照射損傷性、材料自体の高温強度、あるいは外表面の液体ナトリウム冷却材に対する耐食性等を踏まえ材料選択があり、これに対しては、ステンレス鋼管の内筒側および外筒側にそれぞれチタンおよびモリブデンをコーティングすることを考えた。このような被覆複合化に必然的に付随する熱応力の発生による材料破壊および異相界面での接合不良を回避するために、内外表面層の傾斜機能化を試みることにした。また、円筒形状物の内外表面への傾斜層の構築を考慮して形状付与および組成分布付与の自由度の大きいスラリーディップ法を採用した。本研究では、スラリーを構成する溶媒、分散剤、結合材および原料粉末との関連において、スラリーの分散、沈降、粘度、流動特性、降伏値について詳細に検討した。特に膜厚の微細制御の可能性を求めて、低粘度スラリーと高粘度スラリーの両者について検討した。低粘度スラリーの場合は粒子の沈降抑制のための条件探索が課題であり、一方、高粘度スラリーの場合には精確な降伏値を求めるために流動特性を明らかにすることが重要である。低粘度スラリーについてはその安定成の目安として分散粉体の沈降速度、およびスラリー中における原料粉体の分散性の目安として体積高さを指標として、傾斜層形成条件を決定した。すなわち、低粘度スラリーにおいては、ディップコーティングを再現性良くまた行程作業上安定に行うためには、沈降速度がなるべく小さいこと、また、沈降堆積高さが小さいほど良いとされる分散性の確保が重要である。一方、高粘度スラリーの場合には、低粘度スラリーにおいてみられる沈降現象は抑制される。また、高粘度スラリーを用いる場合には、スラリーの流動特性より粘度および降伏値が求まり、ディップコーティングの膜厚の制御性も良好である。ディップコート材の乾燥、脱脂、焼結に関わる諸プロセス条件は現行の粉体加工技術に求めればよいわけであるが、収縮の不均一に起因する傾斜組成制御材特有の問題を解決する必要がある。本研究ではプロセス条件を最適化することにより健全な傾斜機能材料を得た。しかし、一般的に傾斜
吉井 文男; 幕内 恵三; 円城寺 太郎*; 板倉 武*; 三友 宏志*
Proc. of RadTech Asia'97, p.825 - 827, 1997/00
ポリ(3-ヒドロキシブチレート)共重合体(バイオポール)、ポリブチレンサクシネート(ビオノーレ)及びポリビニルアルコール・澱粉ブレンド(マタビー)の生分解性を加速するため、照射効果を調べた。生分解性は、酵素水溶液及び土壌埋設中の微生物の分解による力学的性質の低下及び重量減少から評価した。未照射粉末バイオポールは、酵素(リパーゼ)により、12時間の処理で30%の分解に対し、50kGy照射したものは、同じ処理で80%分解した。土壌埋設試験では、試料の重量減少より力学的性質の低下の方が顕著に現れる。50kGy照射では、2か月埋設で、重量減少はわずかであるが、伸びや強度はなくなり、脆いものになる。このように、照射による分解が、その後の生分解を促進することが確認できた。
臼田 重和
平成7年度新湿式再処理システム技術開発等成果報告書, 0, p.60 - 72, 1996/03
燃焼率を正確に測定するためには、使用済燃料中のウラン、プルトニウム、超プルトニウム及び希土類元素等を対象に破壊分析を行う必要がある。そのために開発した2系列のイオン交換分離法(鉱酸系イオン交換法及び鉱酸-アルコール混合系イオン交換法)を中心に述べる。
D.Darwis*; 吉井 文男; 幕内 恵三; M.T.Razzak*
Journal of Applied Polymer Science, 55, p.1619 - 1625, 1995/00
被引用回数:14 パーセンタイル:57.70(Polymer Science)これまでのポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲルは、耐熱性に乏しいために、煮沸滅菌や高圧滅菌(オートクレーブ、121C)できない。本報告では、ホルマリンによるホルマール化前か後、いずれかに照射を行うと、オートクレーブ滅菌後も10MPaの強度を保持した耐熱性ハイドロゲルを得た。ホルマール化条件としては、20~30%の含水率のもので60Cで24時間行うのが好ましい。線量としては、100kGyに強度の最大値が現れる。ゲル分率は24時間ホルマール化した試料でも100%になるが、これでは耐熱性に乏しく、照射をして耐熱性が得られる。したがって、ホルマール化により分子を寄せて分子間距離を近づけておき照射すると、-C-C-の橋かけが効率的に起き耐熱性が改善できると考えられる。
C.Wang*; 吉井 文男; 百武 健一郎; 幕内 恵三
日本ゴム協会誌, 68(11), p.788 - 793, 1995/00
アクリル酸n-ブチル(n-BA)が天然ゴムラテックスの放射線加硫促進剤として極めて優れていることを見出した。しかし、照射後未反応のn-BAがラテックス中に残るという問題が生じてきたため、ラテックス中のn-BAの定量法の確立と残留n-BAを減らす研究を行い、得られた知見について報告する。照射ラテックス中にヘキサンを添加すると、残留n-BAがヘキサン側に移行してくるのでヘキサン部をガスクロマトグラフィーにより分析することにより残留n-BAが定量できた。残留n-BAを減らすために、照射後水酸化カリの添加とラテックスの温度を上げてn-BAをブチルアルコールに変換したが、水酸化カリの添加よりも温度を上げる方が効果的であった。
吉井 文男; 幕内 恵三; D.Darwis*; T.Iriawan*; M.T.Razzak*; J.M.Rosiak*
Radiation Physics and Chemistry, 46(2), p.169 - 174, 1995/00
被引用回数:47 パーセンタイル:96.24(Chemistry, Physical)ポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲルを医用材料に使用するために、高温滅菌に耐えるものが求められている。PVAシートをホルマリンによるアセチル化と電子線照射により、煮沸及びオートクレーブ滅菌90分後でも10MPaの強度をもったハイドロゲルが得られることを見出した。このハイドロゲルに粘着性を付与するためにアクリル酸をグラフト重合した後に、モルモットの火傷部に貼りつけ、創傷被覆剤としての有効性を調べた。滅菌ガーゼと比較して火傷の治りが早く、患部との密着性がよく、しかも交換時に新しくできた皮膚に損傷を与えることなく剥すことができ、創傷被覆剤として有効であった。
清水 雄一
Radioisotopes, 43(3), p.147 - 156, 1994/03
本稿では、窒素飽和したアルコールに過酸化水素の存在下でエキシマレーザーからの高強度のKrFレーザー光を照射することによって、ジオールを高選択率・高量子収率で直接合成する研究、また炭酸ガスをメタンの存在下でArFレーザー光照射することによって、炭酸ガスを効率良く還元して一酸化炭素やエタンを生成する研究など、我々の研究成果を中心に述べる。さらに、これまでに報告されたレーザー有機化学反応の研究について数例紹介すると共に、この種の研究の今後の課題について簡単に触れる。
吉井 文男; 幕内 恵三
高分子加工, 43(5), p.209 - 213, 1994/00
ポリビニルアルコールハイドロゲルの耐熱性を改善する目的で、電子線照射の方法を工夫した結果、アセタール化と電子線照射を併用することで、オートクレーブ滅菌が可能な程度の耐熱性を達成した。アセタール化は、20~30%の水を含むポリビニルアルコールシートを60Cのアセタール化溶液に24時間浸漬して行った。次いで電子線を100kGy照射してハイドロゲルとした。このハイドロゲルは、引張強さが22MPaで、伸びは250%、含水率は100%であった。オートクレーブ滅菌後においても、10MPaの強さと、300%の伸びを示した。含水率は170%であった。
吉井 文男; 幕内 恵三
Macromolecular Reports, A30(SUPPL.1-2), p.127 - 135, 1993/00
従来尿素と包接化合物をつくる物質は尿素がつくるカナルの径が5であるためにごく限られたものしか包接化合物をつくらなかった。しかし、我々の研究において、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)が介在するとこれまで尿素と包接化合物をつくらない物質がHDDAによりカナル内に引入れられる。これを誘引剤、忌避剤、防殺虫剤を包接して尿素カナルから徐々に放出するか、また完全に封じこめるために、モデル化合物としてリーフアルコール(葉っぱの匂い)、(LEA)を使いHDDAとの包接化合物の熱安定性やカナル内からの放出性を調べた。熱安定性はLEAのOH基とカナルとの水素結合による相互作用によりHDDA単独よりも安定になる。LEA尿素混合物は15日で全部が揮発し、未照射カナルからは75日で揮散した。照射カナルは初期に揮発するが、その後は40%が重合したHDDAオリゴマーの間に包接される。その線量は30kGyである。
幕内 恵三; 石沢 正諭*; 松井 陽介*; 吉井 文男
日本ゴム協会誌, 66(2), p.111 - 116, 1993/00
放射線加硫した天然ゴムラテックスからのフィルムは、アンモニア水で水洗すると、耐熱老化性が低下する。これは、天然ゴム中に存在した天然の老化防止剤が溶出するためであった。この天然の老化防止剤は、フィルムをアルコールに漬けると、ゴムフィルム中に固定化され、溶出されにくくなって、フィルムの耐熱老化性の低下が抑制された。しかし、アルコール処理で、フィルムは黄変し、硬度が増加した。天然の老化防止剤は、水溶性でアルコールにより変性されることから、含硫黄のタンパク質であるヘベインと推定された。
吉井 文男; 幕内 恵三; Zainuddin*; A.Sudradjat*; D.Darwis*; M.T.Razzak*
医科器械学, 62(6), p.285 - 289, 1992/06
ポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲルを医用材料として使用する目的で、PVA水溶液を乾燥して得たフィルムの放射線橋かけへの加熱処理の影響と照射後得たハイドロゲルの熱安定性について調べた。PVAフィルムは照射前に加熱処理すると、処理のないものよりも放射線橋かけに大線量を要するが、照射によるハイドロゲルの強度低下が抑制できる。加熱処理したPVAフィルムを200kGy照射して得たハイドロゲルは、煮沸滅菌を15分間行っても溶解や分解は観察されず、煮沸前の形状を保持している。煮沸後もこのゲルは透明で弾力性のあるものであった。したがって、耐熱性PVAハイドロゲルを得るには照射前の加熱処理が重要であることが分った。
清水 雄一; 杉本 俊一; 河西 俊一; 鈴木 伸武
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 64, p.3607 - 3612, 1991/12
被引用回数:8 パーセンタイル:52.01(Chemistry, Multidisciplinary)レーザー光を利用して過酸化水素の存在下でメタノール、エタノールおよびメタノール-エタノール混合溶液の物質変換の研究を行った。窒素飽和したメタノールを室温でKrFレーザー光照射すると、エチレングリコールが高量子収率(=0.94)で高選択的に生成することを見出した。過酸化水素の添加速度が3.2ml/hの場合、エチレングリコール生成の選択率は94%であった。エタノールからはブタンジオールとアセトアルデヒドが直接、選択的に生成することを見出した。過酸化水素の添加速度が3.4ml/hの場合、ブタンジオールとアセトアルデヒド生成の量子収率はそれぞれの0.42および0.29であり、この時の合計の選択率は97%であった。また、メタノール-エタノール混合溶液からプロパンジオールが直接生成することを見出した。1,2-プロパンジオールの生成量はメタノール濃度が64mol%付近で最大になった。これらのジオールの生成機構を考察した。
出雲 三四六; 本木 良蔵; 小野間 克行; 本石 章司; 井口 明; 川上 泰; 鈴木 恭平; 中村 治人; 佐藤 淳和*
JAERI-M 84-024, 27 Pages, 1984/02
U(n,f)法によるMoの製造によって発生した有機廃液(15v/oD2EHPA-四塩化炭素)を処理するための技術開発を行った。有機廃液中に含まれる放射体のウラン、プルトニウム、放射体のZr-Nbを炭酸ナトリウムで抽出する。この際、二相の分離を促進するため少量のエチル・アルコールを添加すると放射能、Zr-Nbとも210の高い除染係数が得られることを見い出した。抽出した炭酸ナトリウム中の放射体とZr-Nbを沈澱として処理するため、炭酸塩を硝酸塩に変換ののちNaOH、NHOH、Mg(OH)、およびCa(OH)を加えて沈澱生成、濾過した場合と、炭酸塩にCa(OH)を直接加えて沈澱生成、濾過した場合を比較した。その結果、後者の方法による沈澱の濾過性が良好で、かつ除染係数も放射能で510~110、Zr-Nbと高い値が得られた。処理後の有機廃液はD2EHPAと四塩化炭素に蒸留分離し、D2EHPAは焼却または固化処分のため一時保管した。