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論文

Securing reversibility of U$$^{V}$$O$$_{2}$$$$^{+}$$/U$$^{VI}$$O$$_{2}$$$$^{2+}$$redox equilibrium in [emim]Tf$$_{2}$$N-based liquid electrolytes towards uranium redox-flow battery

鷹尾 康一朗*; 大内 和希; 小松 篤史; 北辻 章浩; 渡邉 雅之

European Journal of Inorganic Chemistry, 27(14), p.e202300787_1 - e202300787_7, 2024/05

U$$^{rm V}$$O$$_{2}$$$$^{+}$$/U$$^{rm VI}$$O$$_{2}$$$$^{2+}$$の1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルアミド([emim]Tf$$_{2}$$N)イオン液体中での電気化学的挙動を研究し、劣化ウランをレドックスフロー電池の電極活物質として利用するために、U$$^{rm V}$$O$$_{2}$$$$^{+}$$/U$$^{rm VI}$$O$$_{2}$$$$^{2+}$$の酸化還元可逆性を達成するために何が必要かを明らかにした。結果として、Cl$$^{-}$$存在下の[emim]Tf$$_{2}$$N中において、グラッシーカーボンを作用電極として用いU$$^{rm V}$$O$$_{2}$$$$^{+}$$/U$$^{rm VI}$$O$$_{2}$$$$^{2+}$$の酸化還元反応の可逆性を得ることに成功した。また、溶質の拡散性を向上させるために、補助分子溶媒であるN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)で希釈した。Cl$$^{-}$$を含む50:50v/vの[emim]Tf$$_{2}$$N-DMF液体電解質中で[U$$^{rm VI}$$O$$_{2}$$Cl$$^{4}$$]$$^{2-}$$ + e$$^{-}$$ = [U$$^{rm V}$$O$$_{2}$$Cl$$^{4}$$]$$^{3-}$$の可逆的酸化還元反応を示すことに成功した。

論文

Factors influencing the fluctuation amplitude of the H$$^-$$ ion beam extracted from an RF wave excited ion source plasma

和田 元*; 柴田 崇統*; 神藤 勝啓

Journal of Physics; Conference Series, 2743, p.012031_1 - 012031_5, 2024/05

内部アンテナ型の高周波駆動負水素イオン源が、J-PARC加速器施設にビームを供給している。負水素イオンビーム電流は高い安定性を示しているが、テストスタンドでイオン源から引き出されたビーム電流をファラデーカップで測定すると、DC電流の大きさに対して、5%程度の変動がみられる。この変動には2つの周波数成分、駆動している高周波成分である2MHzとその2倍高調波の4MHzの成分が見られる。これらの成分の振幅レベルは、スリットを通過する特定の角度に向けられたビームの一部が検出されるにつれて大きく見える。全ビーム強度に小さな振幅の振動が観察される理由として考えられるのは、H$$^-$$イオン生成の位置とファラデーカップに到達するその後の軌道に応じた局所ビームの平均位相シフトである。位相シフトがビーム全体の発信振幅を減少させる主な理由であるかどうかを確認するために、2MHz成分と4MHz成分の間の位相シフトを、位置を決める0.1mm幅のビーム入口スリットとファラデーカップに結合された0.1mm幅のスリットを通過するビームについて測定した。その結果、位相シフトが位置に応じて大きく変化することが示されたが、測定された位相シフトの空間分布を説明できる単純なモデルではなかった。RFアンテナ電流に対するビーム電流位相シフトの測定、バルマー$$alpha$$光の時間発展など、H$$^-$$ビーム輸送に関連するビームダイナミクスを明らかにする更なる試みを行う予定である。

論文

Simple 3D PIC analysis for beam phase space oscillation in RF driven negative hydrogen ion source

柴田 崇統*; 神藤 勝啓; 中野 治久*; 星野 一生*; 宮本 賢治*; 大越 清紀; 南茂 今朝雄*; 池上 清*; 川井 勲*; 小栗 英知; et al.

Journal of Physics; Conference Series, 2743, p.012007_1 - 012007_5, 2024/05

高周波イオン源より引き出された負水素イオンビームの位相空間での振動について、電子、陽子および負水素イオンのイオン源引出領域での輸送過程を考慮した単純な3次元のParticle-In-Cell(PIC)法で調べた。J-PARC高周波負水素イオン源の配位で単孔の引き出し孔近傍を計算領域とした。プラズマ密度振動と引き出された負水素イオンビームの特性を理解するために、イオン源内のドライバー領域プラズマからの電子及び陽子の流れをプラズマ生成のために駆動している高周波の基本波(2MHz)と2倍高調波(4MHz)で変化させて、シミュレーションを実施した。数値解析の結果、プラズマパラメータの振動と様々な高周波位相で引き出された負水素イオンの軌道との間で主な物理過程が見いだされた。本発表では、振動の機構を抑える対処法についても議論する。

論文

Development of a new J-PARC-made internal antenna for the J-PARC RF-driven H$$^-$$ ion source

神藤 勝啓; 柴田 崇統*; 大越 清紀; 南茂 今朝雄*; 川井 勲*; 池上 清*

Journal of Physics; Conference Series, 2743, p.012023_1 - 012023_5, 2024/05

J-PARCの高周波駆動セシウム添加型負水素イオン源用の新しいJ-PARC製アンテナの試験を行ってきている。最初のJ-PARC製アンテナの開発後、コーティングからの不純物ガス放出が懸念されたため、アンテナのエナメルコーティングの組成を変更した。新しいアンテナによる高密度プラズマ生成の試験中に、質量分析と分光スペクトル測定を行い、新アンテナからのガス放出特性を監視した。その結果、新アンテナからは顕著となる不純物の放出がないことを確認した。新アンテナを用いたH$$^-$$ビーム引き出しを行い、H$$^-$$ビーム特性を測定した。新アンテナを使用してJ-PARCの高周波駆動セシウム添加型負水素イオン源より引き出したH$$^-$$ビームのエミッタンスはSNS製アンテナを使用した場合と同様であることが分かった。新アンテナの耐久試験を促進するために、2MHz高周波入力電力を約60kWで5%のデューティーファクター(50Hzの繰り返しでパルス幅1ms)を新アンテナに印加し、高密度プラズマを生成した。この運転パラメータはJ-PARC加速器で運転するパラメータである2MHz高周波入力電力約30kW、25Hzの繰り返しでパルス幅0.8msに比べてはるかに高い値である。本発表では、新しいJ-PARC製アンテナの特性の結果を示すとともに、J-PARC加速器運用で使用するための新しいアンテナの実現の可能性について議論する。

論文

Effect due to Cs injection upon current oscillation of the beam extracted from the J-PARC negative hydrogen ion source

和田 元*; 柴田 崇統*; 神藤 勝啓

Journal of Instrumentation (Internet), 19(2), p.C02019_1 - C02019_7, 2024/02

J-PARCでは、2MHzの高周波(RF)電力で励起されたプラズマによるH$$^-$$イオン源が、ビーム源として加速器に供給されている。これまで、RFQ出口でビームが2MHzで揺動していることを見つけて以来、プラズマ励起RF周波数でのH$$^-$$ビーム揺動について研究してきた。高周波成分は、プラズマの周辺領域に存在し、位相空間でのビームの変化を明らかにするために開発した高時間分解能エミッタンス測定の結果、2MHzで振動する発散ハロー成分の存在を明らかにした。ビーム中心での変動振幅には20%未満で4MHzで振動する成分も観測された。この4MHz成分は、RF誘導電場の強度が各サイクルで2回最大になるため、RFアンテナによる高エネルギー電子の生成に関連していると考えられる。一方、RF磁場の方向と電子の流れの方向は2MHzの周波数で変化する。よって、イオン源でのH$$^-$$イオン生成メカニズムは、引き出されたH$$^-$$ビームを正確に特性化することで推定できる。H$$^-$$ビームの揺らぎをファラデーカップで測定し、周波数成分を調べた。Csを導入する前に測定されたビーム電流は、軸磁場補正(AMFC)コイルをオフにすると、4MHzの周波数で変動した。AMFCを誘導するためのコイルを励起すると電圧が増加するにつれて、主変動周波数は2MHzに移った。イオン源にCsを導入するとH$$^-$$ビーム電流が増加し、AMFCのオン/オフ両方の場合で、4MHz成分がほぼ消失した。本発表では、Cs導入による4MHz成分の減少に関与する考えうる機構について議論する。

論文

Ion tracks and nanohillocks created in natural zirconia irradiated with swift heavy ions

石川 法人; 福田 将眞; 中嶋 徹; 小河 浩晃; 藤村 由希; 田口 富嗣*

Materials, 17(3), p.547_1 - 547_21, 2024/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Chemistry, Physical)

340-MeV Auイオンビームを照射した天然ジルコニアにおいて形成されたイオントラックとナノヒロックを透過型電子顕微鏡で微細観察した。ナノヒロックの寸法が10nm程度であり、局所溶融した領域の寸法と同程度であることが分かった。したがって、一旦溶融した結果としてイオントラックとナノヒロックが形成されたことが分かる。次に、イオントラックを観察すると長方形の断面形状をしており、かつ結晶構造が大きく溶融前と変化していないことが分かった。したがって、他のセラミックスと異なり、ジルコニアにおいては、局所溶融後に、結晶構造を反映した異方的な再結晶化が起きていることが強く示唆される。一方で、イオントラックの中心部には、飛跡に沿った低密度のコア領域が形成されており、イオンビームが入射した表面への物質移動により物質欠損が形成されていることも判明した。物質欠損を伴う条件では再結晶化が不十分となり、飛跡のごく近くでは低密度コア領域が形成されていると説明できる。

論文

Latent ion tracks were finally observed in diamond

雨倉 宏*; Chettah, A.*; 鳴海 一雅*; 千葉 敦也*; 平野 貴美*; 山田 圭介*; 山本 春也*; Leino, A. A.*; Djurabekova, F.*; Nordlund, K.*; et al.

Nature Communications (Internet), 15, p.1786_1 - 1786_10, 2024/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00

高い電子的阻止能領域の照射条件で高エネルギー重イオンを固体に照射すると、イオンの飛跡に沿って潜在イオントラックと呼ばれる柱状の損傷領域が形成される。イオントラックは、多くの物質中で形成されていることが知られているが、ダイヤモンドにおいて観察された例は皆無であった。高エネルギー(GeV)のウランイオンにおいてさえ、観察された例はない。本研究では、2-9MeV C$$_{60}$$フラーレンイオンを照射したダイヤモンドにおいて、初めてイオントラックが観察された。高分解能電子顕微鏡による観察により、イオントラックの内部がアモルファス化していることが示唆され、さらに、電子エネルギー損失分光法による分析によって、グラファイト由来の$$pi$$-結合の信号が検知された。分子動力学法に基づく計算シミュレーションで、上記の実験結果を再現することに成功した。

論文

Discoloration of RF antenna coil surface after long-term operation of J-PARC ion source

柴田 崇統*; 神藤 勝啓; 南茂 今朝雄*; 大越 清紀; 池上 清*; 小栗 英知; 石田 正紀*; 和田 元*

Journal of Instrumentation (Internet), 19, p.C01009_1 - C01009_8, 2024/01

2020年11月から2021年4月までの間に3651時間(5か月間)のイオン源の連続運転を達成した。高周波イオン源の運転寿命は主にエナメル塗装した高周波アンテナの破損によって制限されるので、連続運転の更なる延伸を目指すためには、アンテナ表面の詳細な評価を行いその可否が必要となる。今回、5か月間運転した後の高周波アンテナの表面の変色をデジタル顕微鏡とエネルギー分散型X線分析装置搭載走査型電子顕微鏡(SEM/EDS)で調べた。EDS分析によって得られた材料マッピングと線スペクトルから、セシウムによってイオン源真空容器の壁表面がスパッタされたと思われる原子が付着していたことが示された。また、エナメル塗装の表面に付着したセシウム原子が、アンテナ変色の主要因であると考えられる。運転前後のアンテナの厚みの測定結果は、変色が表面に付着した材料によるという考えを支持するものであり、よってエナメル塗装によるアンテナのプラズマからの絶縁が維持されていると考えられる。運転後に行ったエミッタンス測定では、アンテナ表面への付着がイオン源内の高周波プラズマやイオン源より引き出されたビーム生成に影響を与えていないことが示された。

論文

Weakened oxygen adsorbing the Pt-O bond of the Pt catalyst induced by vacancy introduction into carbon support

岡崎 宏之*; 出崎 亮*; 越川 博*; 松村 大樹; 池田 隆司*; 山本 春也*; 八巻 徹也*

Journal of Physical Chemistry C, 127(49), p.23628 - 23633, 2023/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)

The change in the oxygen adsorption states of Pt nanoparticles by ion irradiation of the carbon support is studied by in situ X-ray absorption spectroscopy measurements. The difference spectra around a Pt L$$_{3}$$ edge due to oxygen adsorption are recorded, and a lowering in the Pt-O antibonding level by the ion irradiation is observed, thus resulting in a weakening of the Pt-O bond. This indicates that the introduction of vacancies in the carbon support would result in weak Pt-O bonds assumable through the stronger Pt-C interaction, which is considered to enhance the oxygen reduction reaction activity of the deposited Pt nanoparticles. Theoretical studies have demonstrated that the vacancies affect Pt through the Pt-C interaction and then result in the weakening of the Pt-O bond.

論文

Comparative study of the underpotential deposition of Bi in an aqueous electrolyte and an ionic liquid

田村 和久

Journal of Physical Chemistry C, 127(46), p.22733 - 22739, 2023/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)

Au(111)上のBiのUPD反応に関して、1M HClO$$_{4}$$中と[BMIM]BF$$_{4}$$中での反応を比較した。可視光反射率測定および表面X線散乱測定を行った結果、Biの反応電子数はどちらの電解液中でも同じ値であったが、一方で反応過程は大きくことなることが分かった。この違いは、Biの溶媒和の違いに起因すると思われる。

論文

The Role of collision ionization of K-shell ions in nonequilibrium plasmas produced by the action of super strong, ultrashort PW-class laser pulses on micron-scale argon clusters with intensity up to 5 $$times$$ 10$$^{21}$$ W/cm$$^{2}$$

Skobelev, I. Yu.*; Ryazantsev, S. N.*; Kulikov, R. K.*; Sedov, M. V.*; Filippov, E. D.*; Pikuz, S. A.*; 浅井 孝文*; 金崎 真聡*; 山内 知也*; 神野 智史; et al.

Photonics (Internet), 10(11), p.1250_1 - 1250_11, 2023/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Optics)

物質が高強度レーザーパルスと相互作用して生成されるプラズマの電荷状態の発展において、光電場と衝突電離の影響を明確に区別することは困難である。この研究では、プラズマキネティクスの時間依存計算を用いて、クラスターが十分に小さい低密度のガス状ターゲットを用いた場合にのみ可能であることを示した。Arプラズマの場合、クラスター半径の上限は$$R_0=0.1mu$$mと見積もられた。

論文

324MHz高周波駆動の大強度負水素イオン源のマッチング回路の設計

神藤 勝啓; 柴田 崇統*; 和田 元*

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.392 - 395, 2023/11

J-PARCなどの大強度陽子加速器施設やITERなどの中性粒子入射加熱施設で用いられている高周波負水素イオン源では、駆動周波数が1$$sim$$2MHzの高周波源を用いてイオン源内プラズマを生成している。我々はこれまでにこのような数MHz帯域の高周波源を用いたイオン源より引き出された負水素イオンビームが、駆動周波数またはその2倍高調波成分をもって揺動していることを示してきた。これは、イオン源内のプラズマ密度が高く、イオンプラズマ周波数よりも低い周波数の駆動周波数でプラズマを生成していることが原因である。そこで、我々はイオンプラズマ周波数よりも高い周波数、例えばJ-PARCリニアックの高周波源(クライストロン)の周波数(324MHz)でイオン源プラズマを生成した場合に、引き出された負水素イオンビームの揺動が抑えられると考えた。そのために、先ずは高周波源からの入力電力を損失無く、イオン源内プラズマに投入するための整合回路の設計を行った。本発表では、新たな高周波源を用いることを検討した経緯と整合回路の設計結果について報告する。

論文

J-PARC大強度高周波駆動負水素イオン源の運転状況

神藤 勝啓; 大越 清紀; 柴田 崇統*; 南茂 今朝雄*; 川井 勲*; 池上 清*; 上野 彰

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.928 - 931, 2023/11

2014年秋よりJ-PARCで運用を開始した高周波駆動型大強度負水素イオン源の2022年秋から2023年夏までの運転状況について報告する。J-PARCでは、リニアックで50mAの負水素イオンビームを引き出すために、イオン源よりビームエネルギー50keVでビーム電流60mAのビームを生成・引き出している。これまで、J-PARCでは2022年夏までの運転で4001時間のイオン源連続運転を達成した。また、2022年秋より運転を再開した後、イオン源は年末年始や年度末の運転休止期間などを挟んで、2023年6月まで途中で交換することなく、1台のイオン源で運転を継続した。本発表では、J-PARC負水素イオン源の運転状況を報告する。また、イオン源グループで試験を進めている高周波プラズマ生成用のJ-PARC製内部アンテナの状況についても併せて報告する。

論文

リチウムイオン電池内部の温度・応力分布のオペランド計測

平野 辰巳*; 前田 壮宏*; 村田 徹行*; 山木 孝博*; 松原 英一郎*; 菖蒲 敬久; 城 鮎美*; 安田 良*; 高松 大郊*

SPring-8/SACLA利用研究成果集(インターネット), 11(5), p.345 - 353, 2023/10

車載用リチウムイオン二次電池(LIB)のサイクル時の劣化要因として、高い電流レートにおける電池内部の温度上昇、リチウムイオンの正負極間移動にともなう電極の膨張・収縮による応力などが指摘されている。そこで、18650型LIB内部における温度・応力分布を同時に評価した。電流:1Cでの充電時、リチウムイオンの挿入により負極が膨張するため、負極の集電体であるCuは半径方向に圧縮応力が発生する。表面から2mmにおける充電時の半径方向の応力変化は88MPa減少した(圧縮)。一方、放電時において応力変化は98MPa増加し可逆的な変化を示した。高レートな4Cのサイクル充放電により内部温度は表面より10度も高い60度程度まで上昇する現象が確認できた。さらに、表面から6mmにおけるCuに応力が発生しない現象を捉えることに成功した。本結果から、18650型LIB内部における温度・応力分布を同時に評価するオペランド計測技術を確立し、高レートなサイクル充放電が18650LIB中心部の温度上昇の要因であること、および無拘束による電極内周部における膨張収縮がサイクル劣化の要因であることを明らかにした。

論文

二次イオン質量分析法を利用した保障措置環境試料中のウラン粒子に対する同位体組成分析法の発展と分析技術開発

富田 涼平; 富田 純平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

放射化学, (48), p.1 - 15, 2023/09

二次イオン質量分析法は酸素などのイオンビームを試料に照射することで試料の構成元素から放出されたイオンを質量分析する手法である。この手法は僅かなイオンであっても高感度の計測が可能であり、極微量の元素の同位体比分析に広く用いられる。我々は高分解能を有する二次イオン質量分析装置を用いて、ウランを主とした核物質を含む微小粒子の同位体組成分析技術を開発するとともに、IAEAが原子力施設等の立ち入り査察で採取した試料に含まれるウラン粒子の同位体組成を日本のIAEAネットワーク分析所として分析し、その結果を報告している。本稿では、二次イオン質量分析法の解説と従来型の二次イオン質量分析装置から始まり、現在、主流となっている大型二次イオン質量分析装置が開発されるまでの二次イオン質量分析法を使用した保障措置環境試料中のウラン粒子に対する分析技術の発展について、我々が行った分析技術開発の成果を中心に述べる。

論文

An X-ray and neutron scattering study of aqueous MgCl$$_2$$ solution in the gigapascal pressure range

山口 敏男*; 福山 菜美*; 吉田 亨次*; 片山 芳則*; 町田 真一*; 服部 高典

Liquids, 3(3), p.288 - 302, 2023/09

圧力0.1MPaから4GPa、温度300Kから500Kにおける2mol/kg MgCl$$_2$$水溶液の構造をX線と中性子散乱測定によって明らかにした。この散乱データを経験的ポテンシャル構造精密化(EPSR)モデリングにより解析し、圧力と温度の関数としてペア分布関数、配位数分布、角度分布、空間密度関数を導出した。Mg$$^{2+}$$は第3殻まで広がったリジッドな溶媒和殻を形成している。つまり、0GPaで約6個の水分子を含む6配位八面体の第1溶媒和殻は、ギガパスカルの圧力領域では、近接イオン対を形成し、約5個の水分子と1個のCl$$^-$$となる。また、Cl$$^-$$の溶媒和も、圧力によって大きく変わる。つまり、Cl$$^-$$イオンまわりの水分子の配位数は、0.1MPa/300Kでの8から、4GPa/500Kでの10に増加する。また溶媒(水)も、0.1MPa/300Kでの四面体ネットワーク構造から、ギガパスカルの圧力領域では、密に詰まった構造へと変化する。このとき、中心水分子1個まわりの隣接酸素原子数は、0.1MPa/298Kでの4.6個から4GPa/500Kでの8.4個へと徐々に増加する。

論文

Magnetic hysteresis induction with nanocolumnar defects in magnetic insulators

針井 一哉*; 埋田 真樹; 有沢 洋希*; 日置 友智*; 佐藤 奈々; 岡安 悟; 家田 淳一

Journal of the Physical Society of Japan, 92(7), p.073701_1 - 073701_4, 2023/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:52.21(Physics, Multidisciplinary)

Magnetic property modification of an easy-plane magnetic insulator caused by an accumulation of nanocolumnar defects along the film normal was investigated by numerical simulations and heavy-ion beam irradiation experiments. Micromagnetic simulations suggest that depending on the density of the nonmagnetic nanocolumnar defects, the microstructure of the fragmented ferromagnetic domains is formed leading to magnetic coercivity enhancement as well as magnetization reduction. To prove this prediction, gold ions with 300 MeV were used for the irradiation to create amorphous nanocolumnar defects in crystalline bismuth-doped lutetium iron garnet (Bi:LuIG) films. As increasing the ion-irradiation dose, the modifications of the saturation magnetization and magnetic coercivity were observed in an uncorrelated manner; the enhancement of magnetic coercivity exhibits a fluence threshold whereas the decrease of saturation magnetization caused by ion-beam damage is monotonic with increasing beam fluence. These behaviors qualitatively agree with the numerical simulations and the models by continuum percolation theory. Because the irradiation effects are controlled by beam fluences, the present method has the potential to be a microstructuring technique for magnetic insulator.

報告書

第34回「タンデム加速器及びその周辺技術の研究会」報告集

株本 裕史; 中川 創平; 松田 誠

JAEA-Conf 2022-002, 146 Pages, 2023/03

JAEA-Conf-2022-002.pdf:9.89MB

第34回「タンデム加速器及びその周辺技術の研究会」は、令和4(2022)年7月21日(木)$$sim$$22日(金)の2日間に亘り日本原子力研究開発機構原子力科学研究所により開催された。新型コロナウイルスの感染拡大防止の対応からオンライン形式とした。本研究会は、タンデム加速器を中心とした静電加速器施設を運営あるいは利用する研究者・技術者の現場レベルからの話題提供を通じて、参加者相互の情報交換を図り、関連研究の発展や施設管理に資することを目的として行われている。本研究会へは26の大学、研究機関および産業界から約100名の関係者が参加した。発表件数は25件で、各施設の現状報告や加速器の技術開発、応用研究等について報告が行われた。また、今回はオンライン開催のためにポスター発表は行わず、口頭発表のみとした。本報告集は、これらの発表内容をまとめたものである。

論文

超重元素の化学; シングルアトムにもとづく極限化学への挑戦

佐藤 哲也; 永目 諭一郎*

日本物理学会誌, 78(2), p.64 - 72, 2023/02

周期表の重い極限領域に位置する超重元素の化学研究は、ここ20年ほどで相当の進展をみており、最近ではさまざまなアイデアに基づいた新しいアプローチが展開されている。超重元素研究の発展には、日本の研究グループも顕著な貢献をしており、最近では原子番号が100を超える重アクチノイドから、超アクチノイド元素である104番元素ラザホージウム, 105番元素ドブニウム、および106番元素シーボーギウムについて、特筆すべき成果が報告された。本レビューでは、最近の主な成果を概説し、今後の展望についても触れる。

論文

J-PARCイオン源長時間運転後のRFアンテナ寿命評価

柴田 崇統*; 石田 正紀*; 南茂 今朝雄*; 池上 清*; 大越 清紀; 神藤 勝啓; 小栗 英知

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.863 - 867, 2023/01

J-PARC利用運転時間(年間約7ヶ月間)の安定なビーム供給を目指して、近年J-PARC高周波イオン源の連続運転期間が、徐々に延伸されてきた。2020年11月から2021年4月までの期間に3651時間(5か月間)のイオン源連続運転を達成した。イオン源の連続運転時間は、主に高周波アンテナの破損によって制限されるので、アンテナ表面状態の詳細な評価は運転時間の更なる延伸の実現性を確証するためには必要である。今回の研究では、高周波アンテナ表面の変色を理解するために、運転後のアンテナの形状測定とSEM/EDS分析を行った。分析の結果、長時間運転後の変色は表面生成過程による負水素イオン生成増大化のために入射するセシウムの堆積とイオン源真空容器で用いているステンレス鋼の成分元素である鉄,クロム,ニッケルなどの堆積によるものであることが分かった。この結果は、高周波アンテナのエナメルコーティングが数ケ月間の長時間運転では摩耗していなかったことを示しており、よってイオン源の更なる連続運転の延伸が可能である。

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