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青山 高士; 小河 浩晃; 加藤 千明; 上野 文義
Metals, 11(3), p.511_1 - 511_13, 2021/03
被引用回数:3 パーセンタイル:23.95(Materials Science, Multidisciplinary)超高純度タイプ316ステンレス鋼の耐孔食性に及ぼすバルク溶液中のCuの影響を調べた。0.1M NaClでは孔食が発生しなかったが、0.1M NaCl-1mM CuClでは孔食が発生した。0.1M NaCl-1mM CuClでは電位域によらず表面へのCuの析出が生じたが、バルク溶液中のCuは不動態皮膜の形成に影響を与えなかった。0.1M NaCl-1mM CuClにおける耐孔食性の低下は、表面にCuまたはCu化合物が析出し、Cuが継続的に供給されていることに起因する。
加藤 千明; 佐藤 智徳; 中野 純一; 上野 文義; 山岸 功; 山本 正弘
日本原子力学会和文論文誌, 14(3), p.181 - 188, 2015/09
福島第一原子力発電所事故の汚染水処理に用いた使用済み吸着塔の局部腐食発生条件に関する基礎的検討として、線照射下における人工海水を含んだゼオライト中のステンレス鋼(SUS316L)の電気化学試験を行った。ステンレス鋼の自然浸漬電位は線照射により貴化し、吸収線量率の増加に従いその定常自然浸漬電位が上昇した。一方、ゼオライト共存系では線照射下の電位上昇が抑制された。この電位上昇は、主に放射線分解で生じるHO濃度の増加によるものであることを明らにした。ゼオライトは線照射により生成するHOを分解し、その電位上昇が抑制されることを明らかにした。ステンレス鋼の局部腐食発生電位は、照射の有無、ゼオライトの種類や接触により大きく変化しないことから、ゼオライト共存は線照射下において定常自然浸漬電位を低下させ、局部腐食発生リスクを低減できることが期待できることを明らかにした。
入矢 桂史郎*; 加藤 忠男*; 藤田 英樹*; 久保 博*
JNC TJ8400 2000-034, 212 Pages, 2000/02
TRU廃棄物の処分システムの構成材料としてコンクリートや圧縮成型したベントナイトが考えられる。コンクリートは処分場内外の地下水と接することによってその成分が溶出し、周辺地下水を高アルカリ性溶液に変え、その高アルカリ性浸出液によって、ベントナイトのゼオライト化および周囲の岩石が溶出する等の影響を与えると考えられている。また、コンクリートの施工時に添加される有機系混和剤の浸出や一部の廃棄体に含まれる硝酸塩の溶出等によって核種の移行が加速されるなどの影響が考えられる。これまでの研究によって、コンクリートの模擬浸出液を用いた短期的な浸漬試験によって、pHが10.5以下の条件では岩石およびベントナイトの変質が抑制されることが示されている。また同様に、pHを11.0以下に保つセメントとして、シリカフュームおよびフライアッシュを多量添加したセメントを開発し、その性能を確認してきた。しかし、ベントナイト等の変質については、条件によってゼオライト化やイライト化が報告されているため、長期変質試験による確認が必要である。また、開発した低アルカリ性セメントについては、そのベントナイト等への影響抑制効果が実証されていないため、実験的に確認する必要がある。有機物の影響については、初期のコンクリートから浸出する有機物量が実験的に把握されたが、核種の溶解度への影響を把握することにおいて、重要なその量や形態の変遷による影響については確認されていない。また硝酸塩の影響については、処分初期の高濃度の硝酸塩溶液ではコンクリートの変質はほとんど加速されないことが示されているが、硝酸塩濃度が次第に下がった場合には、硝酸イオンの化学形態にともなってコンクリートの変質が加速される可能性が懸念されている。本年度は、これまでの知見をふまえ、核種移行特性への影響評価に資するため、材料の変質特性等を詳細に把握する。そのため、コンクリートからの浸出液によるベントナイトの長期的変質を実験的に確認するとともに、低アルカリ性コンクリートからの浸出液によるベントナイトの変質試験を行う。また、コンクリートから浸出する有機成分の量と形態の変遷を調べる。さらに、硝酸塩濃度の変遷を考慮し、コンクリートが硝酸塩によってさらに長期にわたり変質を受けたときのコンクリートの変質特性を把握する。
入矢 桂史郎*; 加藤 忠男*; 久保 博*; 藤田 英樹*
JNC TJ8400 2000-033, 95 Pages, 2000/02
TRU廃棄物の処分システムの構成材料としてコンクリートや圧縮成型したベントナイトが考えられる。コンクリートは処分場内外の地下水と接することによってその成分が溶出し、周辺地下水を高アルカリ性溶液に変え、その高アルカリ性浸出液によって、ベントナイトのゼオライト化および周囲の岩石が溶出する等の影響を与えると考えられている。また、コンクリートの施工時に添加される有機系混和剤の浸出や一部の廃棄体に含まれる硝酸塩の溶出等によって核種の移行が加速されるなどの影響が考えられる。これまでの研究によって、コンクリートの模擬浸出液を用いた短期的な浸漬試験によって、pHが10.5以下の条件では岩石およびベントナイトの変質が抑制されることが示されている。また同様に、pHを11.0以下に保つセメントとして、シリカフュームおよびフライアッシュを多量添加したセメントを開発し、その性能を確認してきた。しかし、ベントナイト等の変質については、条件によってゼオライト化やイライト化が報告されているため、長期変質試験による確認が必要である。また、開発した低アルカリ性セメントについては、そのベントナイト等への影響抑制効果が実証されていないため、実験的に確認する必要がある。有機物の影響については、初期のコンクリートから浸出する有機物量が実験的に把握されたが、核種の溶解度への影響を把握することにおいて、重要なその量や形態の変遷による影響については確認されていない。また硝酸塩の影響については、処分初期の高濃度の硝酸塩溶液ではコンクリートの変質はほとんど加速されないことが示されているが、硝酸塩濃度が次第に下がった場合には、硝酸イオンの化学形態にともなってコンクリートの変質が加速される可能性が懸念されている。本年度は、これまでの知見をふまえ、核種移行特性への影響評価に資するため、材料の変質特性等を詳細に把握する。そのため、コンクリートからの浸出液によるベントナイトの長期的変質を実験的に確認するとともに、低アルカリ性コンクリートからの浸出液によるベントナイトの変質試験を行う。また、コンクリートから浸出する有機成分の量と形態の変遷を調べる。さらに、硝酸塩濃度の変遷を考慮し、コンクリートが硝酸塩によってさらに長期にわたり変質を受けたときのコンクリートの変質特性を把握する。
炭山 守男*
JNC TJ8400 2000-009, 138 Pages, 2000/02
本研究は、オーバーパックの候補材である炭素鋼の土壌中での長期腐食挙動の評価に資するため、淡水性粘土中に長期間埋設された水道管を堀上げ、その埋設土壌の環境と管体の腐食量を調査し、土壌埋設鋼材についての酸素還元反応律速型の腐食モデル(経験式)を作成してきた。この腐食モデル式の信頼性の向上に資する目的で国内外で実施された土壌埋設鋼材の長期腐食挙動に関する調査の一つとして、(財)日本簡易ガス協会で実施した埋設管の腐食データを使用した。その171試料の中から淡水性粘土に埋設されていた38路線の試料を抽出し、そのデータの腐食速度と土壌環境因子をまとめ、かつ極値統計手法によりオーバーパックの面積を再帰期間とし、最大孔食深さを求めた。それらの腐食量と土壌環境因子の相関解析を行い土壌環境因子と腐食量の関係を求めた。このデータを埋設水道管のデータに加え、極値統計解析の累積確率0.99の最大孔食深さの腐食モデルについて比較した。さらに、既往文献の研究結果を加えて極値統計解析の累積確率0.99最大孔食深さのデータを腐食モデルの式H=aYnと比較した。水道管と簡易ガス管の極値統計解析の累積確率0.99のデータは既往データと較べて妥当な値を示し、中性低溶存酸素環境の腐食モデルとして妥当であることが示された。本報告書は、日本鋼管工事株式会社が核燃料サイクル開発機構の委託により実施した研究成果に関するものである。
今井 淳*
JNC TJ8400 2000-008, 196 Pages, 2000/02
放射性廃棄物の地層処分では、廃棄体オーバーパックの周囲に緩衝材としてベントナイト系材料を用いる事が考えられているが、トンネル等の地中構造物の支保に使われるコンクリートと接触することによるベントナイトの劣化が懸念されている。本調査の目的は、天然環境で長期に共存していたベントナイトとコンクリートを調査することにより、両者の相互作用によるベントナイトおよびコンクリートの変質についての知見を取得することである。今年度は、平成10年度から開始した調査の2年目として、山形県西置賜郡小国町と飯豊町境界に位置し、ベントナイト鉱床を貫通して建設され、現在廃坑となっている国道113号線の宇津トンネルで昨年度に引続き試料採取を行い、ベントナイトとコンクリートの接触面について分析・調査を行った。この結果、建設終了から30年以上経過した状況で、ベントナイトのゼオライト化、イライト化といったものは観察されず、昨年同様、コンクリートから浸出したCaイオンによる接触部近傍数mmの範囲にNa型ベントナイトのCa型化を示す可能性のあるデータが得られた。また、コンクリートについては、接触部から30mm程度までのSイオン(硫酸イオン)の浸入が確認されたが、コンクリートの物理的な劣化は確認されず、健全な状態であることを確認した。さらに、1971年1月に埋設され、2000年3月に発掘されたEXPO70タイムカプセルを収納していたコンクリート容器と充填ベントナイトの調査を行い、試料を採取した。
本田 明; 井上 邦博*; 小畑 政道*
PNC TN8410 93-299, 26 Pages, 1993/12
高レベル放射性廃棄物の地層処分における人工バリアシステムの構成要素であるオーバーパックの腐食挙動を評価するために、腐食メカニズムに基づく腐食挙動評価モデルを開発している。本資料は、現状での炭素鋼オーバーパックの腐食挙動評価モデルの構成と評価例についてまとめたものである。全面腐食については、金属表面での電気化学反応速度と溶存酸素の輸送を考慮したモデルを開発した。このモデルでは皮膜の効果を無視するという保守的な仮定を置いていることから1000年で74mmという過大な腐食量が算定された。また局部腐食が進展しうるのは不動態保持電流以上のカソード電流が酸素還元反応によって供給されうる期間であるとして、局部腐食が進展しうる期間を、ベントナイト中の酸素の輸送に基づき評価した。その結果、局部腐食が実質的に進展しうるのは、ベントナイトが地下水で飽和されるまでの期間と考えられた。開発中の局部腐食進展モデルについては、その構成について示した。
楠戸 伊緒里
PNC TN8420 93-016, 63 Pages, 1993/10
現在、オーバーパックの候補材の1つとして銅系材料が検討されており、そのオーバーパックの寿命予測を行うために銅および銅合金の腐食挙動を調べることは、長期間にわたる放射性核種の閉じ込め能力を検討するうえで非常に重要である。本報告書では、諸外国における銅系オーバーパックの腐食挙動の研究について、オンライン検索システムを利用した文献調査を行った。対象文献数は10件であり、主な腐食形態は以下のようなものであった。 (1)均一腐食(2)孔食(3)応力腐食割れ これらの腐食に影響を及ぼす因子として検討されたものは、溶存酸素濃度、放射線の存在、硫化物イオンに代表される無機イオン濃度、圧縮ベントナイトの存在、温度等であった。
松田 文夫*; 和田 隆太郎*; 藤原 和雄*
PNC TJ1058 92-001, 270 Pages, 1992/03
炭素鋼オーバーパックの長期腐食寿命予測に関する研究の一環として、本研究では極低溶存酸素濃度(10ppb以下)の人工海水単独系中での熱水循環式浸漬腐食試験と人工淡水および人工海水系での主としてアルカリ溶液中での電気化学試験を行った。(1)ループ式浸漬腐食試験1)試験条件をモニターしながら実施した腐食試験の条件は試験時間の大部分が試験温度80、溶存酸素濃度10ppb以下、PH8.20.2の範囲であり、溶存の酸化還元電位の測定結果などより充分還元性の条件を達成することができた。2)上記の条件下で6ヶ月間までの腐食試験による炭素鋼の腐食速度は平板試験片で約0.0490.018g/m2・hであり、試験時間と共に顕著に低減した。また隙間付試験片で約0.0430.012/g/m2・hであり試験時間と共に顕著に低減したが平板試験片に比べてさらに低い値を示した。3)6ヶ月間までの腐食試験後には平板試験片および隙間付試験片のいずれにも孔食状の局部腐食は全く認められなかった。4)各試験期間毎に腐食試験片の表面皮膜を各種の手法により解析した結果、CaCO3とFe304の2層構造から成ることが判った。(2)電気化学試験1)人工淡水(C--88ppm、HCO3-153ppm、PH810)および人工海水(Cl-19.840ppm、HCO3-136ppm、PH711)中での陽分極曲線は人工淡水中では不働態化現象が認められたが、人工海水中では不働態化現象が認められなかった。2)上記の陽分極曲線を参照して、人工海水および人工淡水のそれぞれについて定電位下の腐食試験を行い、試験後の腐食形態に及ぼす溶液のpHおよび印加電位の影響を検討し、炭素鋼に局部腐食の発生する限界条件を求めた。これらの結果より、極低溶存酸素の還元性の人工海水および人工淡水中では炭素鋼は極めて孔食を発生し難いことが確認された。また、人工淡水中において隙間付試験片を用いた定電位下腐食試験ではpH10の溶液中である特定の電位領域で典型的な隙間腐食を生じることが判った。(3)今後の課題以上の如く、本年度の研究において溶存酸素を実質的に含まない強還元性の条件下では炭素鋼は局部腐食(孔食、隙間腐食)を起こさないことが確認された。今後はやや酸化性の条件下における局部腐食の発生条件と局部腐食進展速度についてさらに定量的な評価が必要と
中野 純一; 塚田 隆; 上野 文義; 山縣 諒平
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所では、炉心への海水注入および炉心損傷による放射線量の増加により、原子炉格納容器鋼および原子炉圧力容器鋼が腐食されることが懸念されている。一般に、気相と液相の界面近傍において鋼材の腐食量が増加することが知られている。それゆえ、線照射下、50Cにおいて、試験片の下半分を希釈人工海水中に浸漬させた状態で腐食試験を行った。気相部は大気またはN雰囲気とした。試験後、酸化皮膜を除去し、3Dマクロスコープにより試験片表面の3Dデータを測定した。気相部を大気雰囲気とした場合、試験時間及び線量率に依存して最大断面積高さが増加した。線照射500時間後、N雰囲気での最大断面積高さは大気雰囲気のそれよりも低下した。気相中のO分圧の減少による液相中のO濃度が減少し、局部腐食が抑制されたとみられる。
加藤 千明; 佐藤 智徳; 山岸 功; 有阪 真; 寺田 敦彦
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故の汚染水処理に用いた使用済み吸着塔の局部腐食発生条件に関する基礎的検討として、ガンマ線照射下における人工海水を含んだゼオライト中のステンレス鋼(SUS316L)の電気化学試験ならびに第二Cs吸着塔(SARRY)モックアップを用いた乾燥試験を実施し、塔内のCl濃度の変化について報告すると共に、使用済みCs吸着塔における局部腐食発生の可能性を検討した。ステンレス鋼の定常自然浸漬電位はガンマ線照射により貴化し、吸収線量率の増加に従いその電位が上昇した。一方、ゼオライト共存系ではガンマ線照射下の電位上昇が抑制された。ガンマ線照射下におけるステンレス鋼の電位上昇機構は放射線により生じるHOがステンレス鋼のカソード反応を活性化するためであり、ゼオライトはHOの生成を抑制するために電位が低下する事を明らかにした。また、モックアップ試験体の乾燥試験からゼオライト層の温度上昇に伴い乾燥ゼオライト層による残水の吸い上げにより残水中の塩分が発熱部で析出し、蒸発水が容器内面で凝縮することで再び残水へ再循環するため残水のCl濃度が低下することを確認した。モックアップ試験体で確認された吸着塔内の発熱による残水のCl濃度低下挙動は、実機Cs吸着塔における局部腐食発生リスクの緩和策として期待された。