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兼田 加珠子*; 白神 宜史*; 角永 悠一郎*; 渡部 直史*; 大江 一弘*; Yin, X.*; 羽場 宏光*; 白崎 謙次*; 菊永 英寿*; 塚田 和明; et al.
International Journal of Molecular Sciences (Internet), 25(2), p.933_1 - 933_14, 2024/01
被引用回数:1 パーセンタイル:92.20(Biochemistry & Molecular Biology)Currently, targeted alpha therapy (TAT) is a new therapy involving the administration of a therapeutic drug that combines a substance of -emitting nuclides that kill cancer cells and a drug that selectively accumulates in cancer cells. We labeled the compounds targeting prostate specific membrane antigen (PSMA) with
At and
Ac. PSMA is a molecule that has attracted attention as a theranostic target for prostate cancer, and several targeted radioligands have already shown therapeutic effects in patients. The results showed that
At, which has a much shorter half-life, is no less cytotoxic than
Ac. In
At labeling, our group has also developed an original method (Shirakami Reaction). We have succeeded in obtaining a highly purified labeled product in a short timeframe using this method.
藤田 善貴
JAEA-Review 2023-010, 108 Pages, 2023/08
Tc(テクネチウム-99m)は核医学検査薬として最も多く使用されているラジオアイソトープであり、親核種である
Mo(モリブデン-99)から生成される。
Moの大部分はウランの核分裂生成物の一つとして生成されるが、近年、核セキュリティや核不拡散の観点からウランを用いない
Mo製造方法が望まれている。その方法の一つが、
Moに中性子を照射する(n,
)法である。しかし、この方法で生成される
Mo比放射能は極めて低いため、
Moから
Tcを分離濃縮する装置である
Mo/
Tcジェネレータへ適用するには、Mo吸着材として使用されるアルミナ(Al
O
)のMo吸着および
Tc溶離性能の向上が必要である。そこで本論文では、(n,
)法を利用した
Mo/
Tcジェネレータの実用化のため、アルミナの性能向上に有効なパラメータを解明し、低比放射能の
Moに適用可能性のあるアルミナカラムの開発に貢献することを目的とする。本研究では、始発原料の異なるアルミナを作製し、
Mo/
Tcジェネレータ用のMo吸着材としての適用性を評価した。アルミナの結晶構造および比表面積がMo吸着特性へ及ぼす影響を明らかにするとともに、アルミナの表面分析結果に基づきMo吸着機構を解明した。また、京都大学研究用原子炉(KUR)で照射したMoO
を使用して
Tc溶離特性および
Tc溶液の品質を評価し、現行のジェネレータを想定したアルミナカラムの試験結果からジェネレータへの適用可能性のある新たなカラム形状を提案した。これらの結果は、(n,
)法を利用したジェネレータの実用化のためのアルミナカラムの開発に貢献する。
藤田 善貴; Hu, X.*; 武内 伴照; 武田 遼真; 藤原 靖幸*; 吉永 尚生*; 堀 順一*; 鈴木 達也*; 末松 久幸*; 井手 広史
KURNS Progress Report 2022, P. 110, 2023/07
ウランを使用しないテクネチウム-99m(Tc)の国産化を目的に、(n,
)法によるモリブデン-99(
Mo)製造に関する研究を行っている。この方法で生成される
Mo比放射能は低いことから
Moの娘核種である
Tcを濃縮するため、メチルエチルケトン(MEK)を用いた溶媒抽出法によって
Tcを抽出し、アルミナカラムによって
Tcを濃縮する技術に着目した。還元された
TcはMEKに抽出されないとの報告があることから、本試験では、モリブデン酸ナトリウム水溶液への水素バブリングによる
Tc還元を試み、
Tc収率への影響を調査した。その結果、論文で報告されたMEKへの
Tc抽出に対する影響は確認されず、酸性カラムへの
Tc吸着を阻害する可能性が示された。また、
Tcの化学形を把握するための基礎的データとして、回収した
Tc溶液のラマン分光分析を実施した結果、1050cm
あたりにシャープな弱いピークが確認された。今後、Tcの還元を確認するため、Tcの化学形の違いによるラマンピークの違いなどを調査していく。
藤田 善貴; 関 美沙紀; Ngo, M. C.*; Do, T. M. D.*; Hu, X.*; Yang, Y.*; 武内 伴照; 中野 寛子; 藤原 靖幸*; 吉永 尚生*; et al.
KURNS Progress Report 2021, P. 118, 2022/07
核セキュリティ等の観点から放射化法((n,)法)による
Mo製造の研究開発が進められている。この方法を
Mo/
Tcジェネレータに適応するためには、Mo吸着材として用いられるアルミナ(Al
O
)の特性改善が不可欠である。これまで、開発したAl
O
試料から得られる
Tc溶液の品質を評価してきたが、溶液中への
Mo脱離が課題だった。本研究では、市販のジェネレータを模した形状のカラムにAl
O
試料を充填し、
Mo脱離低減のためのいくつかの措置を施して
Tc溶液の品質を評価した。以前実施した、Al
O
試料をMo溶液に浸漬させる静的吸着の条件と比較した結果、Mo溶液をAl
O
カラムに流す動的吸着の適用、Mo溶液の高濃度化、Mo添加量の低減により
Mo脱離量が大幅に改善された。したがって、吸着方法および吸着条件の最適化による品質向上の可能性が示唆された。今後、本結果に基づきカラム形状およびMo吸着条件の最適化を図る。
つくば特区プロジェクト6会合メンバー
JAEA-Review 2021-016, 102 Pages, 2021/11
2011年12月に内閣総理大臣によって「総合特別区域」につくば市と茨城県内の一部の地域が指定された。つくば国際戦略総合特区では、つくばの科学技術の集積を活用したライフイノベーションやグリーンイノベーションの推進による産業化を推進することを目的とし、9つの先進的な研究開発プロジェクトが進められている。その中で、核医学検査薬(テクネチウム製剤)の国産化は、2013年10月に新たなプロジェクトと認定され、日本原子力研究開発機構をプロジェクトリーダーとして、関係機関と連携して研究開発を実施している。日本は、米国、欧州に次いでモリブデン-99(Mo)の世界第3位の消費国であるにもかかわらず、そのすべてを輸入している。海外の製造用原子炉のトラブルによる停止や、火山噴火や事故による輸送(空輸、陸送)の停止により、供給が不十分になることから、早期の国産化が強く求められている。本プロジェクトは、診断薬として用いられている放射性同位元素のテクネチウム-99m(
Tc)原料である
Moの国産化を目指した技術開発である。本報告書は、第1
2期計画(2014
2020年度)に行った活動をまとめたものである。
末松 久幸*; 佐藤 壮真*; 中山 忠親*; 鈴木 達也*; 新原 晧一*; 南口 誠*; 土谷 邦彦
Journal of Asian Ceramic Societies (Internet), 8(4), p.1154 - 1161, 2020/12
被引用回数:3 パーセンタイル:16.14(Materials Science, Ceramics)Moと
Tc核医学の製造として、照射ターゲットを製造するために三酸化モリブデン(MoO
)ペレットが、一段および二段の加圧法によりパルス電流焼結で行われた。二段加圧法による550
Cでの相対密度は93.1%、一段加圧法による相対密度は76.9%であった。試料の温度は、パンチに熱電対を挿入することで直接測定した。二段加圧法により、ほぼ同じ金型でも試料温度は一段加圧法よりも高くなった。これは、電圧波形と電流波形から、2段階加圧法により試料の導電率が増加し、試料温度と相対密度が上昇すると考えられた。二段加圧法により、リサイクルされた粗粒
Mo濃縮MoO
粉末から低温でも高密度ターゲットを製作できる見通しを得た。
藤田 善貴; 関 美沙紀; 滑川 要二*; 西方 香緒里; 加藤 佳明; 佐谷戸 夏紀; 土谷 邦彦; 佐野 忠史*; 藤原 靖幸*; 堀 順一*; et al.
KURNS Progress Report 2019, P. 157, 2020/08
高濃縮ウランの利用低減や核不拡散及び核セキュリティ、核分裂生成物の処理の観点から放射化法((n,)法)によるMo-99(
Mo)製造の研究開発が進められている。この方法を
Mo/
Tcジェネレータに適用するためには、Mo吸着剤として広く用いられているアルミナ(Al
O
)の特性改善が必要不可欠である。本研究では、4種類のAl
O
試料をそれぞれPFAチューブに充填したカラムを準備し、照射済MoO
ペレットを溶解したモリブデン酸ナトリウム水溶液(Mo溶液)を流すカラム吸着(動的吸着)による
Mo吸着および
Tc溶離特性を評価した。また、2019年度実施したAl
O
試料をMo溶液に浸漬させるバッチ吸着(静的吸着)による評価結果と比較した。その結果、動的吸着では静的吸着に比べて
Tc溶離効率の向上、
Mo脱離量の減少が確認された。これは、Al
O
試料を細長いチューブに詰めることにより、溶液との接触が均一になったこと、接触時間が長くなったことが原因と考えられる。今後、カラム径や線流速による
Tc溶離および
Mo脱離に与える影響を調べる。
藤田 善貴; 関 美沙紀; 滑川 要二*; 西方 香緒里; 木村 明博; 柴田 晃; 佐谷戸 夏紀; 土谷 邦彦; 佐野 忠史*; 藤原 靖幸*; et al.
KURNS Progress Report 2018, P. 155, 2019/08
高濃縮ウランの利用低減や核不拡散及び核セキュリティ、核分裂生成物の処理の観点から放射化法((n,)法)によるMo-99(
Mo)製造の研究開発が進められている。この方法を
Mo/
Tcジェネレータに適用するためには、Mo吸着剤として広く用いられているアルミナ(Al
O
)の特性改善が必要不可欠である。本研究では、4種類のAl
O
試料を準備し、照射済MoO
ペレットを用いて
Mo吸着および
Tc溶離特性を評価した。また、
Mo濃縮率の異なる3種類のMoO
ペレットを照射して、生成される
Mo比放射能を比較した。その結果、
Mo吸着量はV-B-300が最も優れているとともに、
Tc溶離率も約80%と比較的高く、得られる
Tc溶離量が最も多いことを明らかにした。
Mo濃縮率比較では、58.82%の濃縮ペレットで予想放射能量に近かったのに対して、98.5%以上の濃縮ペレットでは予想よりも小さい比放射能が得られた。今後、より高精度な実験方法を検討する必要がある。
福光 延吉*; 山内 悠輔*; Saptiama, I.*; 有賀 克彦*; 籏野 健太郎*; 熊田 博明*; 藤田 善貴; 土谷 邦彦
Isotope News, (760), p.15 - 18, 2018/12
核医学検査薬として最も多く使用されているTcの原料となる
Moは我が国ではすべて輸入に頼っており、安定供給のため
Mo/
Tcの国産化が望まれている。天然Moを中性子照射して
Moを生成することは技術的には可能であるが、比放射能が低いことから、現在
Mo/
TcジェネレータのMo吸着剤として用いられているアルミナの吸着性能向上が期待される。そこで、本研究ではメソポーラス技術を適用して表面積を増加させた新規アルミナの開発を進めている。アルミナは2通りの方法で合成し、一方はアルミナ-シリカ複合体でアルミナ/シリカ分子比及び焼成温度を段階的に変化させて合成する方法、一方がエタノール処理で焼成時間及び焼成温度を段階的に変化させて合成する方法である。本解説は、これらのメソポーラス加工を応用した新規アルミナの研究成果についてまとめたものである。
藤田 善貴; 西方 香緒里; 滑川 要二*; 木村 明博; 柴田 晃; 佐谷戸 夏紀; 土谷 邦彦; 佐野 忠史*; 藤原 靖幸*; Zhang, J.*
KURRI Progress Report 2017, P. 126, 2018/08
高濃縮ウランの利用低減や核不拡散及び核セキュリティ、核分裂生成物の処理の観点から放射化法((n,)法)によるMo-99(
Mo)製造の研究開発が進められている。この方法を
Mo/
Tcジェネレータに適用するためには、Mo吸着剤として広く用いられているアルミナ(Al
O
)の特性改善が必要不可欠である。本研究では、2種類のAl
O
試料を準備し、照射済MoO
ペレットを用いて
Mo吸着および
Tc溶離特性を評価した。その結果、Mo吸着量は未照射のMoO
ペレットを用いた試験での値と同等であるとともに、
Tc溶離率は既存の医療用アルミナよりも開発したアルミナの方が優れていることを明らかにした。一方で、
Mo生成量は熱中性子のみから計算される値と大きく差があり、熱外中性子や高速中性子からの寄与も大きいことが示唆された。
石田 卓也; 鈴木 善貴; 西方 香緒里; 米川 実; 加藤 佳明; 柴田 晃; 木村 明博; 松井 義典; 土谷 邦彦; 佐野 忠史*; et al.
KURRI Progress Report 2015, P. 64, 2016/08
医療診断用アイソトープであるTcの親核種である(n,
)法を用いた
Moの製造を計画している。2014年にKURで照射した高密度MoO
ペレットをJMTRホットラボに持ち込み、
Moから核変換により生成した
Tcを溶媒抽出法により抽出した。本研究では、得られた
Tcの回収率評価及び品質検査を行い、溶媒抽出法による
Mo/
Tc製造工程を実証するとともに、得られた
Tc溶液の品質が基準値を満足するものであることを明らかにした。
武藤 正*; 堤 健一*; 広野 修一郎*; 武田 宏*; 瀬川 猛*
PNC TJ6409 93-001, 164 Pages, 1993/10
安定同位体の利用は医療、農業及び特に各種研究開発において、近年年ごとに需要が増大している。このための同位体濃縮技術は、古典的な電磁分離法や蒸発濃縮法が大部分で、軽元素が多いことと、需要が量的にそれ程大きくないため、遠心分離による同位体濃縮技術は旧ソ連やアメリカ等で試験的規模で行われたに過ぎない。本調査は遠心分離法の安定同位体への利用の可能性を検討したもので、医療関係、農林水産関係、バイオ関係、化学工業関係、核燃料再処理や原子炉材料等を含む原子力関係、及び核融合関係等を対象として、安定同位体に関する利用の状況、市場ニーズ、需要量、生産方法と価格について調査を行ったものである。調査方法としては、科学情報検索システムによるキーワーズによる文献検索及び他の手段により関連文献を収集し、それらの情報を、核種別のフォーマットにまとめると共に、各分野の現状を総括し、最後に遠心分離法の適用性に触れた。
四方 英治; 井口 明
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 102(2), p.533 - 550, 1986/02
被引用回数:8 パーセンタイル:66.74(Chemistry, Analytical)Moは
Tcの親核種として核医学の診断や検査に大量に使用される。
Tcは種々の放射性医薬の形で人体に投与される。
Tcの利用の普及はその化学的核的特性に負うところが大きい。
Moの製造にはモリブデンの中性子捕獲反応とウランの核分裂反応が利用される。それぞれの方法を紹介し、利害を比較する。原研の開発状況をあわせて解説する。日本原子力学会誌26(8)662-670(1984)に掲載した解説の英語版であり、寄稿を依頼されたものである。
瀬川 麻里子; 前田 亮; 藤 暢輔
not registered
【課題】放射性同位体の化学形毎の放射線量を、長期間に亘って正確に分析可能な放射性同位体の分析方法を提供する。 【解決手段】放射性同位体の分析方法は、放射性同位体を化学形毎に分離する分離ステップ(S11)と、可視化シンチレータを介した薄層プレート及び標準光を放出する標準光シンチレータを撮像する撮像ステップ(S12)と、スポット領域の輝度値及び標準光シンチレータの領域の抽出輝度値を抽出する抽出ステップ(S13)と、標準輝度値及び抽出輝度値に基づいて、スポット領域の輝度値を補正する補正ステップ(S14)と、放射性同位体の輝度値と放射線量との予め求められた対応関係に基づいて、補正ステップで補正したスポット領域の輝度値に対応する放射線量を特定する特定ステップ(S15)とを含む。
土谷 邦彦
no journal, ,
「つくば国際戦略総合特区」は、平成23年12月に国からの特区指定を受け、最先端科学技術を活用したイノベーションの創出と産業化に取組んでいる。プロジェクトの一つとして、「核医学検査薬の国産化」が平成25年10月に追加され、原子力機構、大学及び関連メーカと基礎基盤研究を実施している。本成果発表会において、本プロジェクトの概要、これまでの成果及び今後の取組みについて報告する。
酒井 真理*; 菊地 美貴子*; 鳥飼 幸太*; 荒川 和夫*; 山口 充孝; 長尾 悠人; 河地 有木; 藤巻 秀; 神谷 富裕; 小高 裕和*; et al.
no journal, ,
人体中に集積した放射性物質分布のコンプトンカメラによる撮像においては、放出された線が人体を構成する物質により散乱するため、この影響を事前に評価しておく必要がある。そこで、核医学分野で標準的に利用されている人体体躯形状を模した水ファントム(NEMA IEC規格)の中央に、密封点線源(Co-57, Ba-133, Na-22(
線エネルギーはそれぞれ122, 356, 511keV))を設置し、ファントムに水を満たした場合と空の場合とでコンプトンカメラのイベント検出率と角度分解能を測定し、人体を構成する物質による散乱の影響を評価した。実験の結果、3つの線源のどのエネルギーにおいても、数十%程度の検出率の劣化は見られるが、角度分解能の劣化はほぼ無いことが分かった。これにより、現在開発中のコンプトンカメラでは、人体中の撮像においても、大幅な測定時間の遅延なしに、散乱影響のない場合と同画質の画像が取得できることが分かった。
初川 雄一; 塚田 和明; 橋本 和幸; 佐藤 哲也; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 永井 泰樹; 谷森 達*; 園田 真也*; 株木 重人*; et al.
no journal, ,
近年開発されたコンプトンカメラを用いる新しい医療用診断システムの開発のためにテクネチウム同位体Tc-95m(Tc), Tc-96(
Tc)の生成研究を行った。コンプトンカメラはコリメーターを使用することなく高い位置分解能での撮像が可能であるため、高効率での
線測定が行える。従来行われているTc-99mによるSPECT診断に比べて1/5から1/10での被曝量で同等の撮像が行えることが期待できる。本研究では高エネルギー
線を必要とするコンプトンカメラ撮像用に
Tc (T
= 60 d; E
= 204, 582 and 835keV)と
Tc (T
= 4.28 d, E
= 778 and 812keV)をタンデム加速器による陽子核反応により生成し、これの分離精製法について発表を行う。
遠藤 章
no journal, ,
放射性核種に対する放射線遮蔽計算では、核種固有の半減期,壊変に伴い放出される放射線のエネルギーや放出率のデータが必要になる。これらの情報として、放射線防護や核医学の分野では、国際放射線防護委員会(ICRP)や米国核医学・分子イメージング学会(SNMMI)が開発した放射性核種データベースが利用されている。本発表では、これらのデータベースについて、1970年代にまで遡り、開発の経緯、現在利用されているデータベースの内容や利用状況、今後の展望について、原子力機構におけるデータベース開発の取り組みと併せてレビューする。
土谷 邦彦
no journal, ,
放射性同位元素であるモリブデン-99(Mo)の娘核種であるテクネチウム-99(
Tc)は、体内の特定部位に集積する性質を有する薬剤と結合させ、テクネチウム製剤として利用されており、がんの診断や脳・骨・心筋の血流の精密検査などの診断用医薬品として80%以上を占めている。医療大国である日本は
Moの消費量では米国、欧州に次ぐ世界第3位の消費国であるにもかかわらず、全量を海外からの輸入に頼っていることから、このような原子炉の停止や空路輸送障害の影響を大きく受ける。こうした
Mo供給不足への対応として国内生産の要望が強まり、つくば国際戦略総合特区のもと、材料試験炉JMTRを用いた
Mo/
Tc国産化のためのプロジェクトが実施されている。本発表は、本プロジェクトの紹介を行う。
関 美沙紀*; 末松 久幸*; 中山 忠親*; 鈴木 常生*; 新原 晧一*; 鈴木 達也*; 土谷 邦彦; Duong Van, D.*
no journal, ,
テクネチウム-99m(Tc)は、核医学検査として世界で広く用いられており、放射化法によって製造する計画がある。照射ターゲットとして、三酸化モリブデン(MoO
)が使用され、水酸化ナトリウムで溶解し、分離することが考えられている。本研究では、MoO
から直接純水で抽出する方法を考案し、その特性を調べた。その結果、照射したMoO
の純水への溶解率は16.7%と、未照射MoO
より高くなることを明らかにした。