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論文

Dirac/Weyl-node-induced oscillating Casimir effect

中山 勝政*; 鈴木 渓

Physics Letters B, 843, p.138017_1 - 138017_7, 2023/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Astronomy & Astrophysics)

カシミール効果は、有限サイズの空間内に閉じ込められた相対論的な量子場のゼロ点エネルギーによって誘起される量子現象である。真空中の光子場に起因するカシミール効果は古くから研究されており、理論的にも実験的にも一定の理解が得られているが、ディラック/ワイル半金属内部で実現している相対論的フェルミオン場に起因するカシミール効果の具体的な性質は未解決の問題である。本論文では、ディラック/ワイル半金属薄膜内部の相対論的電子場から生じるカシミール効果の典型的な性質を理論的に明らかにするため、Cd$$_3$$As$$_2$$やNa$$_3$$Biなどのディラック半金属を記述する具体的な有効ハミルトニアンを用いた解析結果を示す。特に、これらの物質では、準粒子の持つエネルギーと運動量の分散関係における「ディラック/ワイルノード」構造の存在に起因して特徴的な物理現象が生じることが多いが、本論文では、薄膜の厚さを変化させるにつれてカシミールエネルギーと呼ばれる物理量が振動する現象を予言した。このような振動現象は、半金属薄膜内部で正の圧力と負の圧力が交互に現れることを意味しており、何らかの熱力学量の膜厚依存性に寄与するため、実験的にも観測可能であることが期待される。

論文

Remnants of the nonrelativistic Casimir effect on the lattice

中山 勝政*; 鈴木 渓

Physical Review Research (Internet), 5(2), p.L022054_1 - L022054_6, 2023/06

カシミール効果は、何らかの量子場から生じるゼロ点エネルギーが空間的な境界条件の存在によって変化することを起源とする量子現象であり、一粒子エネルギーが運動量について線形に増加するような「相対論的な」量子場(電磁場など)に関しては過去の理論的・実験的な研究によって一定の理解が得られている。一方で、分散関係が二次となる「非相対論的な」量子場も世の中には数多く存在するが、そのような系にもカシミール効果が存在するのか否かはそれほど自明でない。本論文では、様々な分散関係を持つ格子上の量子場のカシミール効果が存在(または消失)する条件について、理論的な考察を行った。特に、偶数次の分散関係を持つような量子場を調べたところ、二つの境界間の距離が長距離のときカシミール効果が消失するが、短距離のときにのみ特異的な「名残」が残る例(remnant Casimir effect)を発見した。このような現象の発見は、有限サイズの格子構造からなる量子系(例えば、3次元物質の薄膜、2次元物質のナノリボンやナノチューブ、1次元物質のナノワイヤなど)の物理量の理解や解釈に役立つことが期待される。また、一般に、質量(ギャップ)を持つ量子場では、質量の無い(ギャップレスな)量子場と比べてカシミール効果が弱くなることが知られているが、この性質について今回の発見を応用した再解釈を与える。

論文

Casimir effect for fermions on the lattice

中山 勝政*; 鈴木 渓

Proceedings of Science (Internet), 430, p.379_1 - 379_9, 2023/04

本来のカシミール効果は連続時空上に存在する量子場から創発する物理現象であり、理論的にも信頼性の高い定式化が達成されているが、「格子」上に定義された空間(例えば、固体の結晶構造など)において、カシミール効果に相当する物理現象を定式化し、その性質を明らかにすることは重要なテーマである。本会議録では、格子上の様々な量子場に起因するカシミール効果の性質に関する近年の研究成果について報告する。まず、格子空間上のカシミールエネルギーを定義し、格子上のフェルミ粒子の一種であるウィルソン・フェルミオンによるカシミール効果が連続時空上のディラック粒子によるものと極めて似た性質となることを示す。さらに、Cd$$_3$$As$$_2$$やNa$$_3$$Biなどのディラック半金属を記述する有効ハミルトニアンを用いた解析により、この系のカシミールエネルギーが半金属薄膜の厚さの関数として振動することを示す。また、電子系に磁場をかけることで生じるランダウ量子化による影響や格子上の非相対論的量子場によるカシミール効果の性質についても報告する。

論文

Magnonic Casimir effect in ferrimagnets

仲田 光樹; 鈴木 渓

Physical Review Letters, 130(9), p.096702_1 - 096702_6, 2023/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:76.59(Physics, Multidisciplinary)

量子場の真空ゆらぎによって創発されるカシミア効果は、古典力学には対応物が存在しないという意味において真に量子力学的な効果である。しかし、カシミア効果はこれまでフォトン(光子)を舞台に研究されており、磁性体中でのカシミア効果、特にそのカシミアエネルギーの膜厚依存性については十分な理解は得られていない。そこで本研究では格子場の理論の観点から、磁性絶縁体中のスピン波を量子化したマグノンに着目し、マグノン量子場により創発されるカシミア効果「マグノン・カシミア効果」及びその膜厚依存性を明らかにする。更に反強磁性絶縁体だけでなくフェリ磁性絶縁体(例:YIG)においてもマグノン・カシミア効果が創発することを示し、スピントロニクス分野で中心的な役割を担うYIGがカシミア効果の工学的応用を目指すカシミアエンジニアリング分野にとっても絶好の舞台であることを明らかにする。本研究は、マグノン・カシミアエンジニアリングの基礎学理の構築に大きく貢献することが期待される。

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