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飯島 和毅; 林 誠二*; 玉置 雅紀*
Global Environmental Research (Internet), 24(2), p.85 - 93, 2021/06
福島第一原子力発電所事故による環境の放射性物質による汚染は、事故から約10年が経過する間に明らかに減少している。しかし、除染されていない森林に起因すると思われる自然生態系の汚染の長期化が多くの研究で指摘されており、生物学的に利用可能な放射性セシウムの環境動態とその生態系への移行については、より詳細な調査が必要と考えられた。また、生物への放射線の影響については、特に福島の避難地域では、放射線による直接的な影響よりも野生生物への避難の影響が顕著であった。
松永 武; 上野 隆; 天野 光; Y.Tkatchenko*; A.Kovalyov*; 渡辺 美紀*; 小沼 義一*
Journal of Contaminant Hydrology, 35, p.101 - 113, 1998/00
被引用回数:44 パーセンタイル:75.18(Environmental Sciences)陸土の放射性核種汚染が近傍水系に対してどのような汚染をもたらすか見いだすことを目的に、チェルノブイル事故により放出された放射性核種に関して、事故炉から6-40kmの河川水中において、その「溶存態」並びに水中浮遊物質に含まれた「懸濁態」の放射化学分析、環境条件解析を行った。このような特性は、(1)河川流路による核種の遠方移動、(2)それらの核種の最終的な挙動、(3)生物への利用度に関して重要な事柄である。その結果、Sr-90については陸土汚染からの溶出、Cs-137, Pu・Am同位体については汚染土壌粒子の流出により水系汚染がもたらされていることが示唆された。また、水中のSr-90の高い溶解性、Pu・Am同位体及びCs-137の懸濁物質との強い親和性が見いだされた。さらに河川水中での溶存態核種の存在比率の検討から、核種の溶解性に与える共存イオンの効果、並びに溶存有機物とTRU核種との反応性の検討を行った。
松永 武; 天野 光; 柳瀬 信之
Applied Geochemistry, 6(2), p.159 - 167, 1991/00
被引用回数:36 パーセンタイル:65.58(Geochemistry & Geophysics)河川流域における放射性核種の移行挙動を知る目的で、土壌に蓄積したフォールアウトのCsの河川による流出を研究した。茨城県の久慈川下流において、Csの河川水中の存在形態と流出放射能量を明らかにした。流域からのCsの年間流出量の経験式を導き、これを基に流域全体におけるCsの年間収支を推定した。その結果、Csの土壌中蓄積量は約4200MBq/kmと推定され、年間にその0.04%が河川に流出し、2.3%が放射性壊変で減少することを導いた。このことから、フォールアウトのCsは地表面土壌に長く残留して、ほぼその半減期で減少していくことが示された。河川による流出は流域収支の上では小さい。流出の形態としては土粒子等に吸着した懸濁態のCsが年間移行量の90%を占め、さらにまた降雨増水時の流出量が年間流出量全体を支配していることが明らかとなつた。
飯島 和毅
no journal, ,
原子力機構では、福島県浜通りの8河川水系において、水源となる森林から河口域までを対象とし、調査や室内実験での取得データと、環境中での移動・移行解析の結果を比較することにより、環境中での放射性セシウムの移行メカニズムについて検討した。河川水の溶存態放射性セシウムは、夏高く冬低くなる季節変動を繰り返しながら、時間とともに減少した。河川水系における放射性セシウムの挙動を、流域水循環シミュレータGETFLOWSをベースとしたシミュレーションツールで解析したところ、懸濁態については、平常時・大雨時ともよく再現できた。一方、溶存態については、平常時の濃度レベルについては概ね再現できたものの、季節変動や、大雨時初期の一時的な濃度上昇を再現できなかった。現在のシミュレーションでは、溶存態の溶存プロセスとして、土壌等に吸着されていたものが溶出する脱離のみを考慮しているため、他のプロセスの寄与が考えられた。
宮原 要
no journal, ,
福島の環境回復に向けた原子力機構における研究開発として、流域圏でのセシウムの溶存態と懸濁態の挙動、個人線量評価と住民とのコミュニケーション、帰還困難区域を含む空間線量の将来予測について、原子力機構がどのような考え方やアプローチで取り組み、どのような成果や波及効果が得られたかを紹介する。
宮原 要
no journal, ,
環境中に沈着した放射性セシウムの影響について、森林から河川,河口へと至る流域圏での放射性セシウムの動きと存在量について俯瞰的にまとめ、生活環境や農林水産物への影響を把握するために必要な知見として整理する見通しを示した。
飯島 和毅; 北村 哲浩; 宮原 要
no journal, ,
調査で得られた環境中における放射性セシウムの移動現象に関する理解を概観するとともに、そのほかの放射性核種の分布状況を放射性セシウムと比較した。森林から土壌粒子とともに1年間に流出する放射性セシウムは、初期沈着量の0.1%程度で、リターや下層植生が繁茂していれば、森林の植生によらなかった。湧水点付近で採取された渓流水中には、地下水より高濃度の放射性セシウムが含まれており、溶存態放射性セシウムがリターの分解や土壌からの脱離により生成し、湧水点付近で溶解したことが示唆された。河川水中の溶存態放射性セシウム濃度は、いずれの河川でも1Bq/Lより低かった。福島第一原子力発電所近傍における放射性核種分布状況の方位依存性は、発電所内における分布と同様なので、サイト外の分布状況に基づきサイト内の分布状況を推測することは可能と考えられた。
辻 英樹*; 石井 弓美子*; 林 誠二*; Shin, M.*; 谷口 圭輔*; 新井 宏受*; 栗原 モモ*; 保高 徹生*; 倉元 隆之*; 中西 貴宏; et al.
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所の事故以後、環境省では東日本602地点の公共用水域(河川・湖沼・沿岸)を対象に水中放射性Cs濃度のモニタリングを行ってきた。しかし事故直後を除き、近年ではほとんどの対象地点でCs濃度は「不検出」と報告されていることから、今後定量下限値とともに測定地点数や頻度を見直すことで、中長期的な環境放射能汚染の予測・評価のための環境モニタリングへとシフトする必要がある。水中放射性Csの中でも、特に溶存態Csは生物へ移行しやすいため、新たなモニタリングのあり方の一案として、溶存態の放射性Csを測定対象とし、その濃度が今後も十分低いレベルで推移すると予測される地点を対象外とすることが考えられる。しかし今後の溶存態放射性Cs濃度を予測するための科学的知見が現状十分ではないことから、本研究では東日本における河川水中の溶存態Cs濃度の形成要因を検討した。
飯島 和毅
no journal, ,
原子力機構では、福島県浜通りの8河川水系において、水源となる森林から河口域までを対象とし、調査や室内実験での取得データと、環境中での移動・移行解析の結果を比較することにより、環境中での放射性セシウムの移行メカニズムについて検討した。河川水の溶存態放射性セシウムは、夏高く冬低くなる季節変動を繰り返しながら、時間とともに減少した。河川水系における放射性セシウムの挙動を、流域水循環シミュレータGETFLOWSをベースとしたシミュレーションツールで解析したところ、懸濁態については、平常時・大雨時ともよく再現できた。一方、溶存態については、平常時の濃度レベルについては概ね再現できたものの、季節変動や、大雨時初期の一時的な濃度上昇を再現できなかった。現在のシミュレーションでは、溶存態の溶存プロセスとして、土壌等に吸着されていたものが溶出する脱離のみを考慮しているため、他のプロセスの寄与が考えられた。