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吉井 文男
放射線と産業, (75), p.63 - 65, 1997/00
ハイドロゲルは網目構造内に多量の水を含有した親水性ポリマーである。これは強度や耐熱性に乏しい。このため、アセチル化と放射線照射との併用により開発した耐熱性ハイドロゲルの創傷被覆材への応用について紹介する。ハイドロゲルの創傷被覆材としての有効性を確かめるため、モルモットを使い傷の回復度をガーゼ被覆材と比較した。湿潤環境のハイドロゲルの方がドライ環境のガーゼよりも次のような利点があることが分かった。(1)治癒が早い。(2)傷に固着しないため、剥離が容易である。(3)交換時に痛みを与えない。(4)透明である。
幕内 恵三; 吉井 文男; F.Akhtar*; S.Varghese*; 勝村 傭介*
Proc. of 6th Int. Conf. on Radiation Curing (RadTech Asia'97), p.836 - 839, 1997/00
天然ゴムラテックス工業における低エネルギー電子加速器の利用の可能性について、(1)放射線加硫及び(2)表面改質の両面から検討した。(1)の放射線加硫では、かき混ぜ装置の付いた照射容器を用いることにより、従来は不可能と考えられていた天然ゴムラテックスの大量照射を可能にした。(2)の表面改質では、放射線加硫ラテックスフィルムに親水性モノマーを塗布し、電子線を照射することにより、親水性ハイドロゲルの薄膜をつくり、ゴム表面の粘着性を下げることができた。
三森 武男; 高橋 英樹
デコミッショニング技報, 0(14), p.73 - 81, 1996/08
原研再処理特研では、ユニチカ(株)と共同で放射性廃液中に含まれるPuを吸着除去し、併せて吸着後、吸着材を焼却することにより廃棄物の減容を図ることができる無機系吸着材を開発した。この無機系吸着材は、比表面積を低下させることなく、高い親水性のみを付与した繊維状吸着材約80%に無機バインダー約20%を加え、取扱いの容易なカートリッジ状に成形したものである。本吸着材はカラム流通試験の結果、吸着材の層高Lと直径Dの比を3以上、空塔速度SVを1.6h
以下の条件で優れたPu吸着性能を発揮した。加えて酸性領域においても良好なPu吸着性能を示すことから再処理施設より発生する硝酸酸性廃液の処理に有用である。更に焼却試験の結果、焼却に伴う有害ガスの発生及びPuの飛散はほとんど認められず、焼却後は、残留灰分は無機バインダー分のみとなり、大幅な減容が期待できることが判明した。
岡田 淳*; 一ノ瀬 暢之; 河西 俊一
高分子論文集, 52(1), p.66 - 68, 1995/01
被引用回数:3 パーセンタイル:25.14(Polymer Science)テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を希アンモニア水溶液と接触させエキシマレーザー光を照射することにより、表面に高い親水性が付与できた。この場合、ArF光の方がKrF光よりも有効であった。水との接触角は、未照射の106度からArF光の203Jcmの照射により31度まで低下した。X線光電子分光法(XPS)による表面元素比の測定から、PFA表面では光化学反応によりフッ素の脱離と、酸素及び窒素の導入が起こっており、接触角の低下とよい相関を示すことがわかった。表面反応層の深さはおよそ1.5~7.0nmと見積られ、走査型電子顕微鏡(SEM)観察からは、表面の形態変化を伴わない改質方法であることがわかった。
河西 俊一
EMC: electro magnetic compatibility: solution technology: 電磁環境工学情報, 0(78), p.27 - 30, 1994/10
レーザーの化学利用研究の一環として、大阪支所で進めたフッ素樹脂の表面改質について解説した。まず、代表的なフッ素樹脂であるPTFEの接着性改善については、光吸収剤として芳香族系高分子を1~20%添加したPTFEにKrFエキシマレーザー光を照射することによって、接着性を改善することができた。本法で得られた改質効果は、従来法である薬品処理などに比べて、効果が高い、微細な加工が可能であるなどの特長を有している。また、溶融成形が可能なフッ素樹脂であるPFAを水中でArFエキシマレーザー光を照射することにより、親水性を付与することができた。この親水性発現機構および本技術の特徴を検討した。
片貝 秋雄; 須郷 高信; 幕内 恵三
日本化学会誌, 1994(1), p.68 - 73, 1994/00
放射線前照射法を適用して、ポリエチレンフィルムにアクリル酸をグラフト重合した。得られた親水性の膜を使って、パーベーパレーション法により、エタノール水溶液からの水の選択分離性を検討した。その結果、分離係数及び透過速度は、グラフト膜中のカルボキシル基濃度の増加にともなって増大した。例えば、グラフト率220%の膜を使った場合、30wt%エタノール水溶液の分離係数、透過速度はそれぞれ6および4.6kg/(m・h)であった。さらに、膜への放射線架橋が水の選択分離性に及ぼす効果を調べた。グラフト鎖導入前の架橋と導入後の架橋とを比較した結果、後者の架橋法がエタノール水溶液からの水のパーベーパレーション選択分離に有効であった。グラフト率220%の未架橋膜と後架橋膜の分離性能を70wt%のエタノール水溶液で比較した結果、後架橋膜の分離係数は10倍になった。
岡田 淳*; 根岸 靖雄*; 清水 雄一; 杉本 俊一*; 西井 正信; 河西 俊一
Chemistry Letters, 1993, p.1637 - 1638, 1993/00
溶融成型が可能なフッ素樹脂であるテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエテール共重合体(PFA)表面への親水性付与を目的として、ArFレーザー光照射によるPFAの表面化学反応を調べた。その結果、一酸化炭素を溶解した水中でPFAフィルムをArFレーザー光照射(208J/cm)すると、PFAフィルムの水に対する接触角は未照射の時の106度から34度まで著しく減少し、親水性が大幅に改善できることを見い出した。照射によりPFA表面の元素比O/Cは未照射の場合に比べて4倍に増加するが、一方F/Cは1/3に減少した。なお、酸素を溶解した水中及び大気中でArFレーザー光を照射しても、親水性はほとんど改善されなかった。これらの結果から、PFAフィルムの親水性の改善には、フィルム表面のF原子の脱離およびカルボニル基のような極性基の生成が大きく関与していることが明らかになった。
大道 英樹; 片貝 秋雄; 須郷 高信; 岡本 次郎
Sep.Sci.Technol., 21(3), p.299 - 313, 1986/00
被引用回数:72 パーセンタイル:95.24(Chemistry, Multidisciplinary)繊維にアクリロニトリルをグラフト重合させ、そのシアノ基をアミドキシム化することにより、海水ウラン回収用の繊維状アミドキシム型捕集材AOFを合成した。親水性モノマーであるN、N-ジメチルアクリルアミド(DMAAm)、アクリル酸(AAc)などをあらかじめグラフトしておくと、AOFの含水率、吸着水の動き易さなどが向上した。これらを比較すると、AOF-DMAAmAOF-AAc
AOFの順であった。一方、ウランの捕集性能はAOF-AAc
AOF-DMAAm
AOFの順であった。AOF-AAcでは、ウランと共に吸着されるアルカリ土類金属の吸着パターンが、繊維中のポリアクリル酸の分布パターンとよく一致した。また吸着されたアルカリ土類金属が、銅イオンなど重金属イオンを含む溶液を導入することにより脱着することを見出した。
梶 加名子
Ind.Eng.Chem.,Prod.Res.Dev., 24(1), p.95 - 102, 1985/00
親水化を目的とするポリエステル繊維へのアクリル酸のグラフト重合を具体的な例として、放射線グラフト重合における二つの問題点、1)いかに繊維外のホモポリマーの生成を抑制するか,2)いかに繊維内にモノマーを侵入させるか,を提起し、その解決をはかった。第一の点に関しては、モノマー溶液への鉄塩又は銅塩の添加が繊維外のホモポリマーの生成を抑制し、円滑にグラフト重合を進行させるのに有効であること、第二の点に関しては、二塩化エチレン等、塩素化水素の使用が室温におけるグラフト重合速度を高めるのに極めて効果があることを見出した。又、グラフト繊維の親水性(吸湿性,吸水性,帯電防止性,染色性等)を検討し、アクリル酸グラフト物、特にそのNa塩は、低いグラフト率で木綿と同程度の親水性を付与されていることを明らかにした。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 今井 強一*; 真下 逡*; 湯浅 久子*; 山中 英寿*; 鈴木 慶二*
人工臓器, 14(2), p.809 - 812, 1985/00
テストステロンを含む卵状の生体非分解ポリマー義睾丸を親水性ビニルモノマーの低温放射線重合によって調整した。得られた義睾丸は1個当り約2.05g(40wt%テストステロン含有)の重さをもつ。この義睾丸からのテストステロンの媒液中(水が主成分)における放出速度はビニルモノマーに対するテストステロンの溶解性(生成ポリマー中での分散状態)および得られたポリマー担体の親水性に依存することが分った。すなわち、テストステロンの溶解性とポリマーの親水性の増加とともに、義睾丸からのテストステロンの放出は著明に増大した。本研究ではHEMA/HPMA(70/30)コポリマーより成る義睾丸を去勢した家兎の陰のう部位に埋入留置した。この義睾丸からのテストステロンのみかけのin vivo平均放出速度は1.2mg/dayであった。一方、血清テストステロン濃度は、初期段階でゆるやかに減少し、そののち10mg/mlで一定値を維持した。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 中井 克幸*; 山中 英寿*; 鈴木 孝憲*; 志田 圭三*; 鈴木 慶二*
Biomaterials, 4, p.33 - 38, 1983/00
被引用回数:17 パーセンタイル:68.39(Engineering, Biomedical)長期間にわたって緩徐な薬物溶出性能をもつ複合体を低温過冷却状態においてガラス化性モノマーの放射線重合によって試作した。複合体からのTSSのin vitro溶出はmatrix-controlled processに従うことが見出された。この場合、drug deliveryの速度は担体の親水性に依存し、含水率が増加するほど増加した。in vivo実験の場合、複合体は30日間の試験期間にわたって去勢したウイスター系ラットの背中の皮下に埋入した。TSSのin vivo速度はin vitroのそれに比べ抑制された。この抑制作用は担体の親水性とよく対応していることが分った。一方、ラットにおける生理学的機能はTSS包含複合体を用いて前立腺腹葉の重量およびserum中の薬物濃度を測定することにより検討した。前立腺腹葉の重量は薬物の溶出速度の増加に伴ない直線的に増加する傾向を示した。またserum中の薬物濃との間にもよい対応関係が認められた。さらに担体自体の生体適合性に関する評価も試みた。
熊倉 稔; 嘉悦 勲
J.Appl.Polym.Sci., 28, p.2167 - 2175, 1983/00
被引用回数:6 パーセンタイル:42.84(Polymer Science)種々なアクリレートおよびジアクリレートモノマーを使用し、低温放射線重合による菌体固定におけるモノマーおよびポリマー担体の親水性の影響を調べた。モノマーの親水性の測定はモノマーと水との混合熱を測定する方法により行った。ヒドロキシアルクとアクリレートモノマーの場合はメチレン単位の数が増すに従い混合熱が低下することが明らかになり、またポリエチレングリコールジアクリレートモノマーの場合の混合熱はオキシエチレン単位の数が増すに従い増大することがわかった。菌体固定化物の活性は混合熱と関係が認められ、混合熱の増大とともに菌体の活性は増大することが明らかになった。モノマーの混合物と放射線重合によって得られる固定化物の形状との関係についても調べた。
熊倉 稔; 嘉悦 勲
J.Mater.Sci., 18, p.2430 - 2436, 1983/00
被引用回数:7 パーセンタイル:47.63(Materials Science, Multidisciplinary)メトオキシピロピレングリコールメタクリレートモノマーの放射線注形重合により医用高分子材料を作り、その物理的性質と分子構造との関係を研究した。ポリマーの親水性はモノマーにおけるオキシチエレンの数が増大するにつれて増大し、それはオキシエチレン単位の数が4まで著しい。ポリマーの接触角はオキシエチレン単位の増大とともに、小さくなった。ポリマーの引き張り強度、引き裂き強度についてはポリマーの乾燥及び含水状態について測定し、それらはオキシエチレン単位の数の増大と共に低下することが明らかになった。ポリマーの伸び率はオキシエチレン単位の数の増大とともに始めは著しく増大するがオキシエチレン単位の数が3付近から低下することが明らかになった。
熊倉 稔; 嘉悦 勲
J.Mater.Sci., 18, p.1335 - 1340, 1983/00
被引用回数:2 パーセンタイル:24.31(Materials Science, Multidisciplinary)弾力性を持った親水性高分子膜をエチルアクリレートと他の種々モノマーとの放射線注形共重合により調製した。膜の親水性および機械的性質はモノマー組成を変えて調べた。引張強度、引裂き強度、伸び率、およびヤング率は、エチルアクリレートモノマー成分の減少により増大した。エチルアクリレートとヒドロキシプロピルメタクリレートとの共重合(1:1)により得られた膜は親水性および機械的性質がポリ塩化ビニル膜に類似した。エチルアクリレートとジアクリレートモノマーとの共重合においては、組成を変えることにより弾力性、親水性を持った膜が得られ、医用高分子材料として利用できることが示唆された。
熊倉 稔; 嘉悦 勲
Journal of Materials Science Letters, 2, p.605 - 608, 1983/00
被引用回数:5 パーセンタイル:39.97(Materials Science, Multidisciplinary)放射線重合によって得られたヒドロキシアルキルメタリレートの高分子膜へのヒト-グロブリンの吸着性を研究した。モノマーとしてはヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシプンチルメタクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレートおよびテトラデカエチレングリコールジメタクリレートが用いられ、これらのモノマーは形枠を用いた放射線注形重合によって重合させた。グロブリンの吸着量の測定はパーオキシダーゼでラベル化したヒトIgGラビットIgGを用い酵素活性を調べることにより行った。
-グロブリンの吸着は膜の表面が疎水性化するほど増大した。親水性モノマーと疎水性モノマーの共重合によって得られた膜では、一定のモノマー組成のところで
-グロブリンの吸着量が極大になることが明らかになった。
細井 文雄; 佐々木 隆; 萩原 幸
高分子論文集, 40(10), p.673 - 682, 1983/00
被引用回数:1 パーセンタイル:14.41(Polymer Science)エポキシ樹脂にメタクリル酸(MAc)、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸アンモニウム塩(TMAMA)、メタクリル酸ジメチルアミノエステル四級化物(QDM)などの親水性モノマーを含むビニルモノマーの電子線同時グラフト重合を行ない、得られた樹脂の水分散化について検討した。改質樹脂は少量の溶剤に溶解したのち水に分解させたところいずれもラテックスとなった。ラテックスの粒子径は親水性モノマーの量が増大すると小さくなり、これにともなって安定性も増大した。また、エポキシ樹脂との相溶性に乏しいモノマーをグラフトするほど粒子径が小さくなった。特に、高温ではエポキシ樹脂と反応してしまうTMAMA&QDMも安定にグラフトでき、これによって粒子径が小さく、安定性にすぐれたラテックスが得られた。MACおよびHEMAをグラフトしたアルキッド樹脂においても水分散性のあることが確認された。
梶 加名子
JAERI-M 9481, 194 Pages, 1981/05
本研究は、放射線グラフト重合による合成繊維の改質に関するものである。放射線を手段として採用したのは、それが最も一般的にどんな繊維にも、またどんなラジカル重合性モノマーにも適用できると考えたからである。繊維としては、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン繊維を主に取上げた。実際にグラフト重合を行なうにあたっては、まず繊維外のホモポリマーの生成を抑制して繊維内部で円滑にグラフト重合させる方法や、繊維表面のみでグラフ卜反応を起こさせる方法について研究した。このような手法でポリエステル繊維の親水化、難燃化、ポリ塩化ビニル繊維の親水化、耐熱性の向上、ポリエチレン繊維の耐熱性の向上、難燃化、親水化に関して具体的な改質方法の基礎的な実験を行ない、ほぼ期待通りの結果が得られた。
熊倉 稔; 吉田 勝; 嘉悦 勲
Appl.Environ Microbiol., 37(2), p.310 - 315, 1979/00
親水性モノマーを塩析し、これを菌体と共に放射線重合することによって球型の固定化物を得ることができた。この方法によって得られた固定化菌体(グルコースイソメラーゼ)の活性保存率は従来法のスポンジ状固定化物のそれに比較して高いことが明らかになり、最適固定化条件下において95%の活性保存率が得られた。固定化物の径は照射温度、モノマーおよび塩濃度によって変化し、活性保存率は固定化物の径の大きさに関係した。即ち、固定化物の径を小さくすることによってその活性保存率は増大した。球型状固定化菌体のミハエリス定数は未固定化菌体の値に近いものであった。この結果は菌体が球状固体化物の表面にトラップされていることを意味し、明らかに光学顕微鏡写真観察によって菌体の表面固定化状態が見られた。
嘉悦 勲; 熊倉 稔; 吉田 勝
Biotechnol.Bioeng., 21(5), p.847 - 861, 1979/00
ガラス化性モノマーの低温放射線結合による酵素の固定化について、ポリマーの多孔構造が酵素活性に大きな影響を与えることが判明している。ポリマーの多孔構造は、低温においてモノマーと溶媒(水など)がどのような相構造をとるかによって影響される。またモノマー・そのポリマーと溶媒の親和性によって大きな影響をうける。本報ではモノマーをHEMAとHEMAよりも親水性の大きいビニルピロリドンなどとのコモノマー系とし、モノマー組成が変り、系の親水性を増した時、ポリマーの多孔構造がどのように変化するかをしらべた。ポリマーの親水性の増加は多孔性のうち、孔数を減少させ孔径を増大させる傾向があり、活性にも大きな影響を与えることが判明した。親水性の増加は活性を増加させるが、その経時的低下をも増加させる傾向があり、酵素反応が多孔構造の中で行われる場合の外に、ポリマーのマトリックス中で行われる可能性をも考慮する必要があることが判明した。
梶 加名子; 岡田 紀夫
繊維学会誌, 34(7), p.331 - 335, 1978/07
ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)の布を塩素ガス中に置き、線を照射して得た塩素化試料の耐アルカリ性を検討した。種々の塩素含有率の布を炭酸ソーダ水溶液に浸漬、所定温度に加熱すると、多少とも重量損失が起こり、機械的性質は低下した。しかしながら、各種染料に対する染着性、水滴吸収速度より測定した親水性は、塩素化後のアルカリ処理によって著しく増大することが見出された。処理布を走査型電子顕微鏡で調べた。塩素化のみでは、繊維表面に変化は見られないが、アルカリ処理により、最大10
の大きさの細孔が多数形成していることが認められた。染色性の改善、親水性の増加はアルカリ処理による細孔の形成によるものであり、この反応はポリエステル繊維の改質に応用できる。