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長田 柊平*; 小川 裕輔*; 鈴木 覚*; 井上 博之*; 渡邉 豊*; 山本 正弘*; 阿部 博志*; 三ツ井 誠一郎
NUMO-TR-22-02; 技術開発成果概要2021, p.21 - 22, 2023/03
地層処分事業の実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)が、日本原子力研究開発機構(JAEA)をはじめとする関係研究機関及び大学との共同研究等により実施した2021年度の技術開発成果の概要を取りまとめ、報告する。本報告は、NUMOとJAEAの共同研究「ニアフィールドシステムの状態変遷に伴うバリア材及び核種の長期挙動評価のための研究」において2021年度に実施した「処分容器の耐食性評価」に関する成果の概要を取りまとめたものである。
佐藤 智徳; 端 邦樹; 加治 芳行; 田口 光正*; 清藤 一*; 井上 博之*; 多田 英司*; 阿部 博志*; 秋山 英二*; 鈴木 俊一*
Isotope News, (782), p.40 - 44, 2022/08
福島第一原子力発電所(以下、1Fとする)の原子炉建屋内部の滞留水は、燃料デブリや飛散したセシウム等放射性物質による強い放射線場にある。この水は運転中の冷却水で使用される純度の高い水とは異なり、緊急冷却時に注入された海水の成分、鋼材から溶出したFe等多くの不純物の影響を受けていると考えられた。また、現在はN
ガスでパージされているが、今後の廃炉作業に伴い開放される可能性もあり、滞留水の位置や状況により、様々な溶存酸素濃度となることが推測される。そこで、1Fの廃炉工程の円滑化に資することを目的として、放射線環境下での腐食トラブルの発生可能性,対策等を議論するうえで有用な情報である、水の放射線分解(ラジオリシス)および放射線照射下での腐食試験データ、1F廃炉工程における潜在的腐食影響の検討結果を「放射線環境下での腐食データベース」としてまとめたのでここで紹介する。
佐藤 智徳; 端 邦樹; 加治 芳行; 上野 文義; 井上 博之*; 田口 光正*; 清藤 一*; 多田 英司*; 阿部 博志*; 秋山 英二*; et al.
JAEA-Review 2021-001, 123 Pages, 2021/06
福島第一原子力発電所(以下、1Fという)の廃止措置の着実な推進を考えた場合、様々な課題が存在するが、とりわけ40年にわたり廃止措置を安全かつ継続的に進めるためには、経年的に劣化が進む構造材料の腐食を抑制することが重要である。しかしながら、腐食反応を律速する環境要因に関しては、現状十分にデータが得られている訳ではなく、また、作業の進展に伴い時々刻々と変化し得る。そこで、本研究では、放射線環境下での腐食トラブルの発生可能性、対策等を議論するうえで有用な情報である、ラジオリシスおよび放射線照射下での腐食試験データを、データベースとしてまとめた。さらに、公開されているラジオリシスデータおよび、腐食データに含まれない、1Fの廃止措置で必要となることが想定されるラジオリシスデータと構造材料の腐食データを取得した。
大森 惇志*; 秋山 英二*; 阿部 博志*; 端 邦樹; 佐藤 智徳; 加治 芳行; 井上 博之*; 田口 光正*; 清藤 一*; 多田 英司*; et al.
材料と環境, 69(4), p.107 - 111, 2020/04
ガンマ線照射による水のラジオリシスで生成する酸化剤が炭素鋼の気相中の腐食に及ぼす効果を評価するために、オゾンをモデル酸化剤として用いて50Cの湿度制御下に導入し、ACMセンサを用いた腐食モニタリングを行った。ACM電流はオゾンの濃度に伴って高くなったことから、オゾンによる腐食促進の効果が示された。これはオゾンの還元反応あるいは水への溶解反応が早く、カソード反応を促進したためと考えられる。
端 邦樹; 井上 博之*
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(9-10), p.842 - 850, 2019/09
被引用回数:2 パーセンタイル:17.25(Nuclear Science & Technology)希釈海水等の少量の塩分を含む水溶液中での鉄鋼材料の照射下腐食現象において、材料由来の成分がラジオリシスに及ぼす影響を評価するため、ClイオンとFe
イオンが共存する系での水溶液の放射線分解シミュレーションを実施した。主要な水の放射線分解生成物であるH
O
, O
, H
はFe
イオンの存在により増加した。また、Cl
イオンとFe
イオンが共存する系では、これら水分解生成物の発生量がさらに増加した。これは、Fe
イオンがOHラジカルにより酸化されて生じたFe
イオンが、水分子と反応して水酸化物となる際にプロトンを放出し、水溶液が酸性化するためであると考えられた。一方、鉄鋼材料の腐食に対しては、Fe
やCl
の反応に由来するH
O
やO
の効果より、FeOOHによる鉄の溶解等の別のプロセスが主に影響を与えているものと推察された。
端 邦樹; 井上 博之*; 小嶋 崇夫*; 笠原 茂樹; 塙 悟史; 上野 文義; 塚田 隆; 岩瀬 彰宏*
Proceedings of Symposium on Water Chemistry and Corrosion in Nuclear Power Plants in Asia 2017 (AWC 2017) (USB Flash Drive), p.304 - 314, 2017/09
NaClとNaBrの混合水溶液についてラジオリシス計算を実施し、過酸化水素生成量についてこれまでの線照射実験結果との比較を行った。計算結果は実験結果をほぼ再現したが、高純度NaCl水溶液に対しては酸性条件で過小評価される傾向にあった。各化学反応に対する感度解析を実施したところ、塩化物イオン(Cl
)とOHラジカル(
OH)との反応の初期の3反応(Cl
+
OH
ClOH
、ClOH
Cl
+
OH、ClOH
+ H
Cl
+ H
O)の速度定数の変化によって過酸化水素量は大きく変化した。本結果はこれらの化学反応の速度定数の正確な評価が海水のようなNaClを含む水溶液のラジオリシス計算の信頼性向上に重要であることを示している。さらに低合金鋼SQV2Aを用いた
線照射下浸漬試験も実施し、NaClやNaBrが鋼材の照射下腐食に与える影響について調べた。基本的には腐食速度の変化は過酸化水素発生量の変化に追随したが、アルカリ性条件ではpH11付近で腐食速度が極大値をとり、12以上では高い過酸化水素濃度であるのに腐食がほとんど進行しなくなった。これは不働態皮膜が形成しているためであると考えられた。
湯川 卓司*; 井上 博之*; 小嶋 崇夫*; 岩瀬 彰宏*; 谷口 直樹; 立川 博一*
材料と環境2016講演集(CD-ROM), p.359 - 362, 2016/05
線照射下における模擬地下水溶液中でのチタンの全面腐食速度への溶液pHの影響を検討することを目的として、pHの異なる微量(50mM)の塩化物イオンを含む炭酸水素塩/炭酸塩水溶液中で、
線照射下で純チタン試料の浸漬試験を行い、試験後の溶液中のTiの分析結果から純チタンの腐食速度を測定した。その結果、溶液のpHの増加とともに照射後の溶液中の過酸化水素濃度が増加した。また、過酸化水素濃度の増加に応じて純チタンの腐食速度は増加した。pH12ならびに13の溶液中での照射下での腐食速度は非照射下と比較し5から10倍程度大きかった。
端 邦樹; 井上 博之*; 小嶋 崇夫*; 岩瀬 彰宏*; 笠原 茂樹; 塙 悟史; 上野 文義; 塚田 隆
Nuclear Technology, 193(3), p.434 - 443, 2016/03
被引用回数:15 パーセンタイル:77.12(Nuclear Science & Technology) radiolysis experiments of solutions, which consisted of a mixture of NaCl and NaBr, were conducted to confirm the validity of radiolysis calculations of seawater simulated solutions and to determine the importance of Br
in the production of H
O
via water radiolysis. The steady-state concentration of H
O
in each solution was measured after irradiation and compared to that obtained by radiolysis calculations. It was found that the calculated and experimental results were in good agreement. The concentration of H
O
in the 0.6 M NaCl solution increased approximately three times by the addition of 1 mM NaBr. The result showed that Br
plays an important role in the production of H
O
by water radiolysis, presumably due to the reactions of Br
with hydroxyl radical. The H
O
production of 1 mM NaCl solutions increased when the pH was either higher or lower than 8. It was considered that hydrated electron also plays an important role in H
O
production in these acidic and alkaline conditions.
梅田 尚孝; 柏木 美恵子; 谷口 正樹; 戸張 博之; 渡邊 和弘; 大楽 正幸; 山中 晴彦; 井上 多加志; 小島 有志; 花田 磨砂也
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B304_1 - 02B304_3, 2014/02
被引用回数:13 パーセンタイル:48.17(Instruments & Instrumentation)原子力機構では、ITER中性粒子入射装置用加速器を実現するため、静電5段加速の負イオン加速器の開発を行なっている。これまで目標値のビームエネルギー1MeV、電流密度200A/mの負イオンビーム加速に対して、850keV, 185A/m
の加速に成功しているが、高い電極熱負荷によりビームパルス幅は0.4秒に制限されていた。今回、フィルター磁場によるビーム偏向を補正するため、0.5mmの孔軸変位を採用した新たな引出部を開発した。これにより、フィルター磁場によるビーム偏向を6mradから1mradに低減し、負イオンの衝突による電極熱負荷を23%から15%に低減した。この結果、高パワーでの長時間加速が可能となり、ビームエネルギー881keV, 電流密度130A/m
の負イオンビームを8.7秒間加速することができ、100MW/m
を越えるパワー密度でパルス幅を1桁上げることに成功した。
柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; 小島 有志; 吉田 雅史; 谷口 正樹; 大楽 正幸; 前島 哲也; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; et al.
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B320_1 - 02B320_3, 2014/02
被引用回数:29 パーセンタイル:72.79(Instruments & Instrumentation)ITER, JT-60SA及びDEMO用の核融合炉の加熱・電流駆動に必要なNBIに向けて、高パワー・長パルス用負イオン引出し部の電極を今回新たに開発した。まず、長パルスの間、十分除熱できる電極を熱解析で設計した。次に、負イオン加速試験で、新しい電極の負イオン生成と電子抑制能力について実験的に検証した。その結果、負イオン電流は1.3倍増加し、懸念していた電子電流の増加は抑えることができ、さらにビーム発散角も4mradまで十分低減できることを明らかにした。
小島 有志; 花田 磨砂也; 吉田 雅史; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; Grisham, L. R.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 88(6-8), p.918 - 921, 2013/10
被引用回数:7 パーセンタイル:46.40(Nuclear Science & Technology)JT-60SAに向けて、500keV, 22A負イオンビームを100秒間生成するために、JT-60負イオン源は電極熱負荷を低減するとともに、負イオンを長時間生成する研究開発を行っている。電極の熱負荷に関しては、1.2m0.6mの面積を有するプラズマの不均一に起因した負イオン電流分布の非一様性による周辺ビームの発散角の増大が問題となっている。そこで、従来小型負イオン源で開発されたテント型磁気フィルターを有する軸対象磁場を、JT-60の大型負イオン源に適用する検討を行った。今回、フィラメントから生成される一次電子の軌道計算から磁場配位の最適化を行い、磁石の入れ替えのみで長手方向の一様性が従来の偏差30%から10%にまで改善できる可能性があることがわかった。また、負イオンを長時間生成するため、負イオン生成量がプラズマ電極の温度に依存することを利用した、高温冷媒による温度制御型プラズマ電極の検討を行った。開発した初期型プラズマ電極では、高温冷媒の物性値から見積もると10秒程度の時定数を持ち、プラズマ電極の最適温度である270
Cに維持できることがわかった。
戸張 博之; 井上 多加志; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 大楽 正幸; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; 坂本 慶司; 栗山 正明*; et al.
Fusion Engineering and Design, 88(6-8), p.975 - 979, 2013/10
被引用回数:1 パーセンタイル:9.95(Nuclear Science & Technology)日本が調達するITER NB機器の1つであるHVブッシングは、コバールをロウ付け接合したセラミックリングとFRPリングからなる2重絶縁管を、5段積み重ねた多芯絶縁フィードスルーである。0.6MPaの絶縁ガス領域と真空の隔壁となるHVブッシングでは、差圧によって生じる圧力荷重や地震荷重並びに自重をFRPリングで支持することが求められる。また、セラミックロウ付け接合部が真空境界となり、ここでは外部に充填する0.6MPaの空気圧に耐える機械強度が求められる。これらの荷重に耐え、安全係数3.5となる設計案を構築するために、機械構造解析を実施した。FRPについては、発生するせん断力に対する機械強度を増すために繊維を直交させたガラスクロスを周方向に巻いた2次元等方性FRPリングを用いるべきことを明らかにし、またロウ付け接合部については、コバールの形状、固定方法を工夫して応力を低減した。その結果、ITERの要求を満たす構造案を構築できた。
柏木 美恵子; 谷口 正樹; 梅田 尚孝; 大楽 正幸; 戸張 博之; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; 井上 多加志; DeEsch, H. P. L.*; Grisham, L. R.*; et al.
AIP Conference Proceedings 1515, p.227 - 236, 2013/02
被引用回数:12 パーセンタイル:95.53(Physics, Applied)ITER中性粒子入射装置(NBI)用の5段多孔多段(MAMuG)加速器では、1MeV, 40Aの重水素(D)負イオンビームを1時間に渡り生成する。しかし、電子抑制用の磁場やビーム間に働く反発力でビームが大きく偏向して電極に衝突し、高い熱負荷を生じて運転を妨げることが問題となっていた。そこで3次元のビーム軌道解析を用いて、孔軸をずらしたり金属突起を付けることで、ビーム偏向と逆方向にビームを曲げる電界の歪みを形成してビーム偏向を補正する方法を検討した。磁場によるビーム偏向については、引出し部の直径17mmの孔をわずか0.6mm変位させて電界の歪みを形成することでビーム発散角を維持したまま補正できることを明らかにした。またビーム間の反発による偏向に対しては、引出部裏の多孔領域周辺に取り付けた金属板の厚みを3mmまで増やし、孔位置から徐々に遠ざけて30mmの位置に設置したとき、弱い電界の歪みで緩やかにビーム軌道を曲げて、発散角を維持したままビーム偏向を補正できることを示し、これらの結果をITERの設計に反映させた。
柴田 崇統; 寺崎 良*; 柏木 美恵子; 井上 多加志; 大楽 正幸; 谷口 正樹; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 渡邊 和弘; 坂本 慶司; et al.
AIP Conference Proceedings 1515, p.177 - 186, 2013/02
被引用回数:8 パーセンタイル:92.20(Physics, Applied)JT-60SA用中性粒子入射装置では、大面積(0.90.45m
)引出し面上の負イオン生成が偏っており、引き出された負イオンが電極に衝突して失われることが問題となっている。これまでの研究で、フィラメント陰極から放出される高速電子が
ドリフトによって長手方向一方向へ移動すること、その電子温度の空間分布に負イオン一様性が強く関連することがわかっている。本研究では、電子温度の空間分布を一様にする負イオン源の磁場配位の改良を目的として、負イオン源内の電子温度分布を再現・予測するため、衝突素過程を考慮した3次元電子輸送解析コードを開発し、原子力機構の10アンペア負イオン源モデルで電子温度空間分布に偏りが発現する機構を調べた。その結果、解析結果はプローブ測定結果を良く再現できること、さらに高速電子が高いエネルギー(
=25-60eV)を保持したまま長手方向端部の壁付近まで到達してプラズマ粒子と頻繁に衝突し、電子温度の空間分布に偏りを生じる過程を明らかにした。
戸張 博之; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 大楽 正幸; 梅田 尚孝; 山中 晴彦; 土田 一輝; 武本 純平; 渡邊 和弘; 井上 多加志; et al.
Plasma Science and Technology, 15(2), p.179 - 183, 2013/02
被引用回数:1 パーセンタイル:4.13(Physics, Fluids & Plasmas)ITER NBI用負イオン加速器及びHVブッシング開発において1MV真空絶縁が共通課題である。HVブッシングでは、外径1.56mのセラミックリングとその外周にFRPリングを二重配置し、これを5段積み重ねて1MVを絶縁する。二重構造ゆえ絶縁体周辺に三重点が複数存在する。これら三重点の電界を同時に低減するために、電界解析により形状を選定した3つの電界緩和部品の組合せる電界緩和構造を考案した。これを1段分の実規模モックアップに適用し耐電圧試験を実施したところ、定格の120%の-240kVを安定に保持し、ITERで要求される絶縁性能を実証した。MeV級加速器では、加速器内に存在する段差や端部における局所的な電界集中により十分な耐電圧性能が得られていなかった。そこで、電極間距離の延伸,端部曲率の増大を図り、電界を低減させ、真空中で1MVの安定保持を達成した。また、加速器内の磁場及び空間電荷反発によりビーム偏向を補正する電極を用いることで、ビームの電極への衝突を抑制し、ITER要求値をほぼ満足する980keV, 185A/mの負イオンビーム加速に成功した。
谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 大楽 正幸; 武本 純平; 戸張 博之; 土田 一輝; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; 小島 有志; et al.
Review of Scientific Instruments, 83(2), p.02B121_1 - 02B121_3, 2012/02
被引用回数:11 パーセンタイル:45.01(Instruments & Instrumentation)原子力機構では、ITER NBIで要求される1MeV, 200A/mの負イオン加速実証のため、MeV級加速器の開発を行っている。このような高パワー加速実現のためには、加速器の耐電圧向上が一つの鍵となる。本研究では、MeV級加速器の耐電圧特性試験で得られた知見に基づき、電極間ギャップの延長や支持枠角部の曲率を増加させるなど、耐電圧改善のための改造を行った。その結果、真空中での1MV保持に成功した。さらに、磁場や空間電荷反発により偏向するビーム軌道を電子抑制電極の孔ずれにより補正した結果、ビームの電極への衝突が抑制され、ビーム電流が増加するとともにビーム加速時の耐電圧が向上した。これらの加速器改良により、負イオンビームのエネルギー,電流はITER要求値にほぼ相当する980keV, 185A/m
まで増加した。
柴田 崇統; 古賀 章二朗*; 寺崎 良*; 井上 多加志; 大楽 正幸; 柏木 美恵子; 谷口 正樹; 戸張 博之; 土田 一輝; 梅田 尚孝; et al.
Review of Scientific Instruments, 83(2), p.02A719_1 - 02A719_3, 2012/02
被引用回数:2 パーセンタイル:11.68(Instruments & Instrumentation)次世代大型核融合実験炉におけるNBI加熱用負イオン源では、一様性の高い大面積からのHビームの引き出しが課題となっている。非一様性発現機構理解のための物理モデルとして、ビーム強度非一様性が(1)電子エネルギー分布関数(EEDF)非一様性、(2)(1)による水素原子(H
),正イオン(H
)生成分布非一様性、(3)PG表面へのH
/H
粒子束非一様性、(4)表面生成を介した水素負イオン生成分布非一様性によって生じることが提案された。しかし従来研究ではEEDFがプローブ測定から得られる2温度Maxwell分布で仮定されていたため、フィラメントから生成されるような高エネルギー電子の寄与を正確に取り入れていない。本研究では、実際の負イオン源形状,磁場配位を3次元的に模擬したMonte-Carloモデルを電子に適用し、局所的なEEDFを数値計算により求め、H
/H
生成分布を計算する。水素分子,原子密度(
m
,解離度0.1)を仮定した結果から定量的な生成分布が求められ、高エネルギー電子成分がH
/H
生成分布非一様性を強調する結果が示される。
柏木 美恵子; 谷口 正樹; 梅田 尚孝; DeEsch, H. P. L.*; Grisham, L. R.*; Boilson, D.*; Hemsworth, R. S.*; 田中 政信*; 戸張 博之; 渡邊 和弘; et al.
Review of Scientific Instruments, 83(2), p.02B119_1 - 02B119_3, 2012/02
被引用回数:13 パーセンタイル:49.91(Instruments & Instrumentation)ITER中性粒子入射装置(NBI)用の5段多孔多段(MAMuG)加速器では、1MeV, 40A, 3600秒の重水素(D)負イオンビームが要求されている。この高エネルギー,大電流加速器では、ビーム間/ビームグループ間の空間電荷反発,電子抑制用磁場、さらには電極支持枠が作る電界の歪みによりビームが大きく偏向する。加速器実現に向けては、このビーム偏向を補正して、電極へのビーム直接衝突による入熱を抑制することが必要不可欠である。そこで、3次元ビーム解析において、電極支持枠も考慮した大規模な解析モデルを構築して320本のビームレットを一斉に解き、これらのビームの偏向量を調べて、補正方法を検討した。その結果、厚さ1mmの電界補正板、1mmの孔ズレ付き電子抑制電極で偏向を補正できることを示した。
小島 有志; 花田 磨砂也; Hilmi, A.*; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; 小林 信一*; et al.
Review of Scientific Instruments, 83(2), p.02B117_1 - 02B117_5, 2012/02
被引用回数:18 パーセンタイル:60.26(Instruments & Instrumentation)JT-60NNBIの負イオン源は長年の課題であった加速器の低耐電圧を克服し、500keVビームを3Aまで生成することに成功している。その結果を踏まえ、JT-60SAに利用する次期負イオン源では、耐電圧データベースに基づいて負イオン源の設計を行う。そこで、実機負イオン源を用いて耐電圧試験を行い、平坦部の3倍近い局所高電界が生成している加速電極孔の数と直径1500mmの電極面積がともに、真空耐電圧を劣化させ得る原因であることを明らかにした。それらはそれぞれ、孔数の-0.15乗、面積の-0.125乗に従い耐電圧が低下するが得られ、実機負イオン源の耐電圧係数は24と孔数で制限された耐電圧であることを明らかにした。また、加速電極間の距離を広げすぎると、電極支持枠角部の電界によって決まる値に耐電圧が制限されることが明らかになった。これらの結果、加速電極構造の配位によって、異なる原因で耐電圧が制限されるという新たな知見を得て、JT-60SA用負イオン源の加速電極を設計するために必要なデータが取得できた。
Jeong, S. H.*; Chang, D. H.*; Kim, T. S.*; In, S. R.*; Lee, K. W.*; Jin, J. T.*; Chang, D. S.*; Oh, B. H.*; Bae, Y. S.*; Kim, J. S.*; et al.
Review of Scientific Instruments, 83(2), p.02B102_1 - 02B102_3, 2012/02
被引用回数:26 パーセンタイル:70.88(Instruments & Instrumentation)KSTAR用中性粒子入射装置全体の1/3が2010年に完成し、入射実験を行った。この装置のイオン源は、原子力機構のプラズマ源とKAERIの多孔型加速電極で構成されている。入射実験前にイオン源の特性を調べ、ビーム発散角が0.8度、イオン組成比D/D
/D
が75:20:5、アーク効率1.0A/kWと良好な特性を確認した。KSTARへの入射実験では、0.7-1.5MWを70-90keVのエネルギーで入射した。プラズマのLモードからHモードへの遷移を確認でき、D-D反応による中性子発生を観測し、イオン温度とプラズマ閉じ込めエネルギーの上昇を観測した。