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論文

Study of the Li($$d,xn$$) reaction for the development of accelerator-based neutron sources

渡辺 幸信*; 定松 大樹*; 荒木 祥平*; 中野 敬太*; 川瀬 頌一郎*; 金 政浩*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; et al.

EPJ Web of Conferences, 239, p.20012_1 - 20012_4, 2020/09

重陽子ビームによる加速器中性子源は、核分裂生成物の核変換、核融合炉材料試験等の応用分野での利用が検討されている。そこで、このような加速器や中性子源の設計に有益なデータとして、大阪大学核物理研究センターにおいて、200MeV重陽子入射核反応によるリチウムの中性子生成二重微分断面積(DDX)を測定した。実験では液体有機シンチレータEJ301を用いた飛行時間法を適用し、前方0度から25度の範囲で中性子断面積データを取得した。広範なエネルギー範囲のデータを取得するため、直径及び厚さが5.08cmと12.7cmの大きさの異なる2台のシンチレータを標的から7mと20mの地点にそれぞれ設置した。ここで、中性子の検出効率はSCINFUL-QMDコードを用いて導出した。本発表では、実験値と重陽子入射断面積計算コードDEURACS及び粒子・重イオン輸送計算コードPHITSによる計算値との比較について述べる。また、25, 40及び100MeV重陽子入射による実験値を用いて、DDXの入射エネルギー依存性について議論する。

論文

Measurement of defect-induced electrical resistivity change of tungsten wire at cryogenic temperature using high-energy proton irradiation

岩元 洋介; 吉田 誠*; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 薮内 敦*; 木野村 淳*; 嶋 達志*

JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.061003_1 - 061003_5, 2020/02

核破砕中性子源における高エネルギー放射線環境下のターゲット材料の寿命を予測するため、原子あたりのはじき出し数(DPA)を導出できるPHITS等の放射線挙動計算コードが使用されている。本研究では、タングステンのDPAの計算値を検証するため、ギフォード・マクマフォン冷凍機を用いた陽子照射装置に直径0.25mmのタングステン線を装着し、389MeVの陽子を照射して、はじき出し断面積に関係付けられる極低温(10K)下の照射欠陥に伴う電気抵抗率変化を測定した。これまで実施された1.1GeV及び1.9GeV陽子照射によるタングステンの電気抵抗率の測定結果と比較した結果、核反応により生成する二次粒子が陽子エネルギーの増加に伴い、照射結果に伴う電気抵抗率が増加することがわかった。

論文

Organ and detriment-weighted dose rate coefficients for exposure to radionuclide-contaminated soil considering body morphometries that differ from reference conditions; Adults and children

Kofler, C.*; Domal, S.*; 佐藤 大樹; Dewji, S.*; Eckerman, K.*; Bolch, W. E.*

Radiation and Environmental Biophysics, 58(4), p.477 - 492, 2019/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Biology)

現行の放射線防護における線量評価では、国際放射線防護委員会(ICRP)が定義する実効線量等を用いる。この実効線量は、ICRPが定義する各年齢の標準体型を模擬する人体模型により計算される臓器吸収線量から導出される。一方、標準体型から逸脱した個人を考慮した線量推定において、標準体型に基づく実効線量の適用の妥当性が議論されてきた。本研究では、標準体型以外の人体模型により、臓器線量を基本として実効線量と同様の手法で導出される損害加重線量を解析した。ここでは、土壌に沈着した放射性核種からの外部被ばく条件に対し、米国立健康統計学センターが報告する身長及び体重を網羅した351体の人体数値模型を適用した。また、ICRPが与える核種崩壊データベースから、33種類の核種を評価対象とした。その結果、環境での外部被ばくで問題となる$$^{89}$$Sr, $$^{90}$$Sr, $$^{137}$$Cs及び$$^{131}$$Iに対して、1歳児の実効線量と損害加重線量は5%以内で一致した。一方、年齢とともに、標準体型からの逸脱による実効線量と損害加重線量の差は大きくなり、成人では+15%から-40%の偏差を持つことが明らかになった。本データは、個人の体格特性に着目する線量再構築や疫学調査における線量推定の精度を向上させるものである。

論文

Overview of accident-tolerant fuel R&D program in Japan

山下 真一郎; 井岡 郁夫; 根本 義之; 川西 智弘; 倉田 正輝; 加治 芳行; 深堀 智生; 野澤 貴史*; 佐藤 大樹*; 村上 望*; et al.

Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.206 - 216, 2019/09

福島第一原子力発電所事故を教訓に、冷却材喪失等の過酷条件においても損傷しにくく、高い信頼性を有する新型燃料の開発への関心が高まり、世界中の多くの国々において事故耐性を高めた新型燃料の研究開発が進められている。本プロジェクトは、経済産業省資源エネルギー庁からの委託を受けて2015年10月から2019年3月までの3年半の間実施され、新型燃料部材を既存軽水炉に装荷可能な形で設計・製造するために必要となる技術基盤を整備することを目的に、国内の軽水炉燃料設計,安全性評価,材料開発を実施してきた人材,解析ツール,ノウハウ、及び経験を最大限活用して進められてきた。本論文では、プロジェクトの総括として、各要素技術について3年半の研究開発の成果をまとめ、日本の事故耐性燃料開発の現状と課題を整理した。

論文

Measurement of neutron-production double-differential cross sections of $$^{rm nat}$$C, $$^{27}$$Al, $$^{rm nat}$$Fe, and $$^{rm nat}$$Pb by 20, 34, 48, 63, and 78 MeV protons in the most-forward direction

佐藤 大樹; 岩元 洋介; 小川 達彦

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 920, p.22 - 36, 2019/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:53.3(Instruments & Instrumentation)

原子力機構が中心となり開発を進める粒子輸送計算コードPHITSは、加速器施設の遮蔽設計をはじめとして、多くの分野で利用されている。しかし、PHITSで用いられる核反応模型や核データは、陽子入射反応における最前方方向の中性子生成を適切に再現できないことが知られていた。そこで、本研究では、PHITSによる計算モデルの高精度化に資するため、20から78MeVの 陽子入射による$$^{rm nat}$$C, $$^{27}$$Al, $$^{rm nat}$$Feおよび$$^{rm nat}$$Pbの最前方方向における中性子生成二重微分断面積の実験データを取得した。量子科学技術研究開発機構のイオン照射研究施設(TIARA)において、サイクロトンから供給される陽子と標的物質との核反応で生成した中性子のうち、最前方方向に開くコリメータを通したフラックスと運動エネルギーを測定した。実験結果をPHITSの計算結果と比較したところ、計算で用いるINCLおよびJENDL-4.0/HEは原子核の離散的なエネルギー準位間の遷移を考慮していないため、軽核で観測されたピーク構造を再現できないことが分かった。また、エネルギー積分断面積に対して、JENDL-4.0/HEは実験値とファクター2以内で一致するが、INCLは最大で6倍程度大きな値を与えることが分かった。

論文

Local structure study of the iron-based systems of BaFe$$_2$$As$$_2$$ and LiFeAs by X-ray PDF and XAFS analyses

Li, S.*; 豊田 真幸*; 小林 義明*; 伊藤 正行*; 池内 和彦*; 米田 安宏; 大谷 彬*; 松村 大樹; 浅野 駿*; 水木 純一郎*; et al.

Physica C, 555, p.45 - 53, 2018/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Physics, Applied)

鉄系超伝導体のBaFe$$_2$$As$$_2$$とLiFeAsの局所構造解析をX線PDF解析とXAFSを利用して行った。BaFe$$_2$$As$$_2$$の構造相転移温度ではPDFで得られた局所構造には変化が見られたが、EXAFSで得られた局所構造には変化を見出すことができなかった。これらのデータは室温の平均構造が正方晶相において、局所的な斜方歪みを考慮する必要があることを示唆している。

論文

Establishment of a novel detection system for measuring primary knock-on atoms

Tsai, P.-E.; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 達彦; 小川 達彦; 佐藤 大樹; 安部 晋一郎; 伊藤 正俊*; 渡部 浩司*

Proceedings of 2017 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference (NSS/MIC 2017) (Internet), 3 Pages, 2018/11

一次はじき出し原子(PKA)のエネルギースペクトルは、モンテカロル放射線輸送コードを用いた加速器施設設計の放射線損傷評価において重要である。しかし、計算コードに組み込まれている物理モデルは、PKAスペクトル について実験値の不足から十分に検証されていない。これまで、従来の固体検出器を用いた原子核物理実験の測定体系において、劣った質量分解能や核子あたり数MeV以上と高い測定下限エネルギーのため、実験値は限られていた。そこで本研究では、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて、PKAスペクトルを測定するための2つの時間検出器と1つのdE-Eガス検出器からなる新しい測定体系を設計した。その結果、本測定体系は、質量数20から30のPKAにおいて、核子当たり0.3MeV以上のエネルギーを持つPKA同位体を区別できる。一方で、質量数20以下のPKAにおいては、PKAの質量数を識別できる下限エネルギーは核子当たり0.1MeV以下に減少する。今後、原子力機構のタンデム施設、及び東北大学のサイクロトロン・ラジオアイソトープセンターにおいて、設計した測定体系の動作テストを行う予定である。

論文

Measurement of displacement cross sections of aluminum and copper at 5 K by using 200 MeV protons

岩元 洋介; 吉田 誠*; 義家 敏正*; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 嶋 達志*

Journal of Nuclear Materials, 508, p.195 - 202, 2018/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:18.88(Materials Science, Multidisciplinary)

加速器施設の材料損傷評価で使用される放射線輸送計算コードのはじき出し損傷モデルを検証するため、大阪大学核物理研究センターのサイクロトロン施設において、極低温下での200MeV陽子照射による、はじき出し断面積の導出に必要な金属試料の照射欠陥に伴う電気抵抗増加を測定した。照射装置は、GM冷凍機を用いて2つの照射試料を同時に熱伝導冷却する構造とし、熱伝導と電気的絶縁性に優れた2枚の窒化アルミ板により、照射試料となる直径250$$mu$$mのアルミニウム及び銅線を挟み込む構造とした。その結果、ビーム強度3nA以下において温度5K以下を保ちつつ、欠陥に伴う金属の電気抵抗率増加の測定に成功した。また、照射前後の電気抵抗率変化、陽子フルエンス及びフレンケル対あたりの抵抗率増加から導出したはじき出し断面積は欠陥生成率を考慮したPHITSの計算値に近いことがわかった。

論文

Radiation damage calculation in PHITS and benchmarking experiment for cryogenic-sample high-energy proton irradiation

岩元 洋介; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 中本 建志*; 吉田 誠*; 石 禎浩*; 栗山 靖敏*; 上杉 智教*; 八島 浩*; et al.

Proceedings of 61st ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High-Intensity and High-Brightness Hadron Beams (HB 2018) (Internet), p.116 - 121, 2018/07

放射線挙動計算コードPHITSにより放射線照射による材料損傷評価の基礎データを解析するため、入射粒子と核反応から生成する二次粒子によるターゲット1次はじき出し原子(PKA)のエネルギーを考慮した照射損傷モデルを開発した。このモデルを用いた解析により、100MeV以上の高エネルギー陽子による照射損傷において、二次粒子により生成したターゲットPKAの寄与が入射陽子によるPKAの寄与に比べて大きいことがわかった。また、高エネルギー陽子照射に対する照射損傷モデルを検証するため、サンプルを極低温まで冷却するギフォード-マクマフォン冷凍機を用いた陽子照射装置を開発した。本装置を用いて、125及び200MeV陽子を照射した銅とアルミニウムについて、はじき出し断面積に関連する極低温での欠陥に伴う電気抵抗率変化を測定した。実験値と計算値の比較の結果、欠陥生成効率を考慮したはじき出し損傷の計算値が実験値を良く再現することがわかった。

論文

Neutron production in deuteron-induced reactions on Li, Be, and C at an incident energy of 102 MeV

荒木 祥平*; 渡辺 幸信*; 北島 瑞希*; 定松 大樹*; 中野 敬太*; 金 政浩*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; et al.

EPJ Web of Conferences, 146, p.11027_1 - 11027_4, 2017/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:100

近年、核融合マテリアルの損傷の研究、ホウ素中性子捕捉療法、医療用放射性核種生成等の中性子源として、重陽子入射反応の利用が考えられている。しかし、入射重陽子エネルギー60MeVを超える領域では、重陽子入射反応の理論モデルの検証に必要な実験値はほとんどない。そこで、本研究では、大阪大学核物理研究センター(RCNP)において、100MeVの重陽子入射によるリチウム、ベリリウム及び炭素の中性子生成二重微分断面積(DDX)の測定を行った。測定角度は、0$$^{circ}$$から25$$^{circ}$$の間の6角度とし、飛行時間法により中性子エネルギーを導出した。中性子検出器に、大きさの異なる3台の液体有機シンチレータNE213(直径及び厚さが2インチ, 5インチ, 10インチ)を用い、中性子の飛行距離をそれぞれ7, 24, 74mとした。中性子検出効率は、SCINFUL-QMDコードの計算により導出した。実験結果から、中性子エネルギー強度分布は、重陽子入射エネルギーの半分のエネルギーにおいて、重陽子ブレークアップ過程に起因するなだらかなピーク構造を持つことがわかった。また、PHITSによる計算値は、理論モデルの不備から実験値をよく再現しないことがわかった。

論文

Experimental analysis of neutron and background $$gamma$$-ray energy spectra of 80-400 MeV $$^{7}$$Li(p,n) reactions under the quasi-monoenergetic neutron field at RCNP, Osaka University

岩元 洋介; 佐藤 達彦; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; 増田 明彦*; 松本 哲郎*; 岩瀬 広*; 嶋 達志*; 中村 尚司*

EPJ Web of Conferences, 153, p.08019_1 - 08019_3, 2017/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:100

100-400MeVの準単色中性子照射場の開発のため、大阪大学核物理研究センター(RCNP)の100mトンネルにおいて、$$^{7}$$Li(p,n)反応から生成する中性子及び中性子場に混在する目的外放射線の$$gamma$$線のエネルギースペクトルを測定した。飛行時間法を用いて3MeV以上の中性子エネルギースペクトルを測定し、放射線線量モニターDARWINの自動アンフォールディング機能を用いて0.1MeV以上の$$gamma$$線エネルギースペクトルを測定した。中性子スペクトルについて、3MeV以上の中性子収量に対するピーク成分である単色中性子収量の比は0.38-0.48であった。また、入射陽子エネルギー200MeV以上において、$$pi$$$$^{0}$$崩壊に伴う70MeV程度の高エネルギー$$gamma$$線を実測した。246MeV$$^{7}$$Li(p,n)反応について、70MeV近傍における中性子収量と$$gamma$$線収量は同程度であった。一方、全エネルギー領域の中性子線量に対する$$gamma$$線線量の比は0.014と、$$gamma$$線の全体の線量に対する寄与は小さいことがわかった。

論文

Characterization of the PTW 34031 ionization chamber (PMI) at RCNP with high energy neutrons ranging from 100 - 392 MeV

Theis, C.*; Carbonez, P.*; Feldbaumer, E.*; Forkel-Wirth, D.*; Jaegerhofer, L.*; Pangallo, M.*; Perrin, D.*; Urscheler, C.*; Roesler, S.*; Vincke, H.*; et al.

EPJ Web of Conferences, 153, p.08018_1 - 08018_5, 2017/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:100

欧州原子核研究機構(CERN)の放射線モニタとして、中性子、陽子、$$gamma$$線等の様々な放射線に対して有感な空気入り電離箱PTW-34031(PMI)が使用されている。PMIの各放射線に対する応答関数の計算では、CERNが開発を支援している放射線輸送計算コードFLUKAが用いられている。本研究では、このうち高エネルギー中性子に対するPMIの応答関数の精度検証のため、大阪大学核物理研究センター(RCNP)の$$^{7}$$Li(p,n)反応を利用した準単色中性子照射場において、100-392MeVの準単色中性子に対するPMIの応答関数を測定した。その結果、200MeV以下の準単色中性子照射において、中性子エネルギースペクトルの測定値を線源としたFLUKAによる応答関数の計算値と実験値はよく一致しすることがわかった。一方、250及び392MeVの場合、中性子場に$$^{7}$$Li(p,n)反応から生成する$$pi$$$$^{0}$$の崩壊に伴う$$gamma$$線が混在するため、中性子のみを線源とした計算値は実験値を過小評価することがわかった。

論文

Shielding experiments of concrete and iron for the 244 MeV and 387 MeV quasi-mono energetic neutrons using a Bonner sphere spectrometer (at RCNP, Osaka Univ.)

松本 哲郎*; 増田 明彦*; 西山 潤*; 岩瀬 広*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; 八島 浩*; 嶋 達志*; et al.

EPJ Web of Conferences, 153, p.08016_1 - 08016_3, 2017/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:100

200MeV以上の準単色中性子に対するコンクリート及び鉄遮蔽体透過後の中性子エネルギースペクトルをボナー球スペクトルメータ(BSS)を用いて測定した。246及び389MeVの陽子-$$^{7}$$Li反応を用いて準単色中性子を生成し、コンクリート及び鉄遮蔽体の厚さを、それぞれ25-300cm及び10-100cmとした。100-387MeVのエネルギーを持つ準単色中性子を用いて実測したBSSの応答関数とアンフォールディングコードMAXEDを用いて、遮蔽体透過後の中性子エネルギースペクトルを導出した。その際、放射線輸送計算コードMCNPXを用いてBSSと遮蔽体の間の中性子多重散乱の効果を評価し、中性子エネルギースペクトルの補正を行った。その結果、エネルギースペクトルの実験値からコンクリート及び鉄遮蔽体の厚さに対する線量当量の変化を得ることができた。また、244MeVの中性子をコンクリートへ入射した場合、50cm以下の厚さにおいて線量当量に対する中性子多重散乱の影響が大きいことがわかった。

論文

Neutron spectrometry and dosimetry in 100 and 300 MeV quasi-mono-energetic neutron field at RCNP, Osaka University, Japan

Mares, V.*; Trinkl, S.*; 岩元 洋介; 増田 明彦*; 松本 哲郎*; 萩原 雅之*; 佐藤 大樹; 八島 浩*; 嶋 達志*; 中村 尚司*

EPJ Web of Conferences, 153, p.08020_1 - 08020_3, 2017/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:24.33

大阪大学RCNPの準単色中性子場において、広いエネルギー範囲に対応した$$^{3}$$He比例計数管付属の改良型ボナー球スペクトロメータ(ERBSS)の応答特性を検証した。実験では、100及び300MeVの陽子ビームによる$$^{7}$$Li(p,n)$$^{7}$$Be反応で生成される96及び293MeVの準単色中性子のうち、0度と25度方向に生成する中性子を100m飛行時間(TOF)トンネルへ導き、ターゲットから35mの位置で中性子測定を行った。ERBSSによる波高データからアンフォールディングコードMSANDBを用いて、熱領域から数百MeVのエネルギースペクトルを導出した。また、同じ場所における液体有機シンチレータとTOF法を用いた測定により、3MeV以上の中性子エネルギースペクトルを導出した。その結果、ERBSSによる結果は、中性子エネルギー5MeV以上において、TOFによる中性子エネルギースペクトルとよく一致し、両手法で得られたエネルギースペクトルに基づく周辺線量当量H$$^{*}$$(10)の値はよく一致した。

論文

Simulation study of personal dose equivalent for external exposure to radioactive cesium distributed in soil

佐藤 大樹; 古田 琢哉; 高橋 史明; Lee, C.*; Bolch, W. E.*

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(9), p.1018 - 1027, 2017/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)

福島第一原子力発電所事故で土壌に沈着した放射性セシウム($$^{134}$$Cs及び$$^{137}$$Cs)による外部被ばくに対する公衆の放射線安全性を確保するため、新生児, 1歳, 5歳, 10歳, 15歳及び成人が装着した個人線量計でモニタされる個人線量当量を、放射線輸送計算コードPHITSを用いて解析した。放射性セシウムは土壌中の特定の深さ(0.0, 0.5, 2.5, 5.0, 10.0及び50.0g/cm$$^2$$)に平板一様分布しているとし、各年齢の人体は精密人体数値模型により再現した。年齢別の個人線量当量の解析結果から、年齢が小さいほど個人線量当量の値が大きくなることが分かった。しかし、汚染環境中においても実用量である個人線量当量は防護量である実効線量をよく代表することと、地上100cm高さの周辺線量当量の値を超えないことが明らかになった。また、体積分布した線源に対する個人線量当量を導出する加重積分法により、福島で観測された指数分布線源による個人線量当量を解析したところ、解析値は福島で成人男性が装着した個人線量計により取得された実測値とよい一致を示した。

論文

福島の環境影響・健康影響研究の新たな展開

廣内 淳; 大倉 毅史; 佐藤 大樹

日本原子力学会誌, 59(3), p.152 - 155, 2017/03

本報告は、日本原子力学会2016年秋の大会において行われた保健物理・環境科学部会企画セッションのとりまとめである。環境測定、環境影響、健康影響の各テーマで、福島第一原子力発電所事故から今まで得られた知見、今後の研究の展開・課題に関する講演が行われた。講演後に会場全体でディスカッションが行われ、今後事故が起きた際に、今回の事故よりも迅速かつ適切に対応するためには今何をすべきか、幅広い分野とのつながりの重要性が主に議論された。

論文

Applicability of the two-angle differential method to response measurement of neutron-sensitive devices at the RCNP high-energy neutron facility

増田 明彦*; 松本 哲郎*; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 大樹; 佐藤 達彦; 岩瀬 広*; 八島 浩*; 中根 佳弘; 西山 潤*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 849, p.94 - 101, 2017/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Instruments & Instrumentation)

大阪大学核物理研究センターRCNPの陽子-リチウム核反応を用いた高エネルギー準単色中性子場は、放射線測定器の特性試験や校正などに利用されている。この中性子場のエネルギースペクトルは、0度方向に放出される中性子によるピーク部とそれ以外の角度に放出される連続部からなる。このうち、各試験で対象とするエネルギーはピーク部であるが、われわれは、これまでに0度と他角度方向に設置した検出器応答から、連続部の寄与を差し引く二角度差分法を開発してきた。本研究では、高密度ポリエチレン(HDPE)減速材付属のボナー球検出器に対する本手法の適用性を、96-387MeVの準単色中性子を用いて調査した。その結果、様々な大きさのHDPEに対して本手法は適応可能であることを検証できた。一方で、小型のHDPEは、中性子場のコリメータ,壁等による低エネルギー散乱中性子に感度を有するため、二角度差分法の他に、検出器の設置角度毎に低エネルギー散乱中性子に対する検出器応答の補正が必要である等、本中性子場を利用するユーザーに対する有益な指針を示すことができた。

論文

Systematic measurement of double-differential neutron production cross sections for deuteron-induced reactions at an incident energy of 102 MeV

荒木 祥平*; 渡辺 幸信*; 北島 瑞希*; 定松 大樹*; 中野 敬太*; 金 政浩*; 岩元 洋介; 佐藤 大樹; 萩原 雅之*; 八島 浩*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 842, p.62 - 70, 2017/01

 被引用回数:4 パーセンタイル:37.79(Instruments & Instrumentation)

近年、核融合材料の損傷の研究、ホウ素中性子捕捉療法、医療用放射性核種生成等の中性子源として、重陽子入射反応の利用が考えられている。しかし、入射重陽子エネルギー60MeVを超える領域では、重陽子入射反応の理論モデルの検証に必要な実験値はほとんどない。そこで本研究では、大阪大学核物理研究センター(RCNP)において、102MeVの重陽子入射によるリチウム,ベリリウム,炭素,アルミニウム,銅及びニオブの中性子生成二重微分断面積(DDX)の測定を行った。測定角度は、ビーム軸に対して0$$^{circ}$$から25$$^{circ}$$の間の6角度とした。全ての実験値を評価済み核データファイルTENDL-2015の値及びPHITSコードによる計算値と比較した結果、TENDL-2015の値は全てのケースにおいて実験値を約1桁程過小評価するが、PHITSは重陽子ブレークアップ過程に起因する中性子生成断面積のピーク構造を除いて、実験値をよく再現することがわかった。

論文

Measurement of neutron production double-differential cross-sections on carbon bombarded with 430 MeV/nucleon carbon ions

板敷 祐太朗*; 今林 洋一*; 執行 信寛*; 魚住 祐介*; 佐藤 大樹; 梶本 剛*; 佐波 俊哉*; 古場 裕介*; 松藤 成弘*

Journal of Radiation Protection and Research, 41(4), p.344 - 349, 2016/12

重粒子線治療は、根治性の高さや患者への身体的負担の小さなガン治療法として成果を上げているが、患者には術後の2次発ガンのリスクが伴う。このリスク評価では、体内の放射線挙動や核反応の理解が不可欠となり、放射線輸送計算コードが有用なツールとなる。計算コードの重イオン核反応に対する検証は十分でないため、放射線生成過程の実験データが必要となる。そこで、本研究では、新しいガン治療用のビームとして使用されている核子あたり430MeVの炭素ビームと人体構成物質との核反応から放出される中性子の二重微分断面積の実験データを整備した。実験は、放射線医学総合研究所のHIMAC加速器において実施した。核子当たり430MeVの炭素ビームを45$$^{circ}$$に傾けた5cm$${times}$$5cm$${times}$$1cmの固体炭素標的に入射し、生成される中性子を15$$^{circ}$$, 30$$^{circ}$$, 45$$^{circ}$$, 60$$^{circ}$$, 75$$^{circ}$$および90$$^{circ}$$方向に設置した中性子検出器で測定した。また、中性子の運動エネルギーは飛行時間法により決定した。取得した実験データとPHITSの計算値を比較したところ、PHITSはこのエネルギー領域における炭素からの中性子生成を適切に模擬できることが分かった。

論文

Distributions of neutron yields and doses around a water phantom bombarded with 290-MeV/nucleon and 430-MeV/nucleon carbon ions

佐藤 大樹; 梶本 剛*; 執行 信寛*; 板敷 祐太朗*; 今林 洋一*; 古場 裕介*; 松藤 成弘*; 佐波 俊哉*; 中尾 徳晶*; 魚住 祐介*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 387, p.10 - 19, 2016/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:68.51(Instruments & Instrumentation)

重粒子線治療施設における治療室の合理的な遮蔽設計のためには、患者と重粒子線との核反応で生成される中性子の収量および線量分布を精度よく知る必要がある。本研究では、患者を模擬した水ファントムに治療で用いる核子当たり290MeVおよび430MeVの炭素イオンを入射して、生成される中性子を液体有機シンチレータからなる検出システムを用いて測定した。シンチレータは、ビーム軸に対して15$$^{circ}$$から90$$^{circ}$$方向に15$$^{circ}$$おきに配置した。また、測定した中性子生成二重微分収量にAP照射に対する実効線量への換算係数を乗じ、測定における検出下限エネルギーである2MeV以上で積分することで、水ファントム周りの実効線量分布を導出した。得られた実験値は、モンテカルロ計算コードPHITSの計算値と比較した。その結果、PHITSは水ファントムからの中性子収量をよく再現しており、治療室を含めた重粒子線治療施設の線量分布予測において有益な評価手段であることを示した。

184 件中 1件目~20件目を表示