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報告書

高経年Pu試料中に含まれるAm-241の分離回収技術の開発

江森 達也; 北辻 章浩; 伴 康俊

JAEA-Technology 2024-025, 20 Pages, 2025/03

JAEA-Technology-2024-025.pdf:1.65MB

太陽光発電が期待できない木星以遠の深宇宙探査機用の電源として主にPu-238の崩壊熱を利用した放射性同位体熱電気転換器(RTG: Radioisotope Thermoelectric Generator)が使用されている。しかし、日本国内ではPu-238を生産するための設備が無い上、宇宙利用を目的とした核燃料物質の使用は法規制上の観点から困難である。そこでPu-238の代替として適当な半減期を持つAm-241(半減期: 432年)に注目し、研究目的で貯蔵されている高経年Pu試料中からのAm-241の分離及び精製法について検討を行い、分離回収試験を実施した。分離の方法については固液分離のみと液液分離と固液分離を組み合わせた2パターンの検討を行い、試験を実施した。液液分離と固液分離を組み合わせた場合では、固液分離のみと比べてカラムの本数を1/5以下に抑えられ、試験に要した時間も半分以下に短縮できた。また、得られた試験結果を用いて計6回のPuとAmの分離試験を実施し、約0.43gのAmをシュウ酸塩として分離回収した。

論文

Evaluation of materials for developing a new individual dosemeter using electron spin resonance spectroscopy

北村 剛将; 岡 壽崇; 清藤 一*; 横塚 恵莉*; 長澤 尚胤*; 北辻 章浩

Radiation Protection Dosimetry, 200(16-18), p.1660 - 1665, 2024/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)

歯の主成分であるヒドロキシアパタイトが、アラニン線量計やフリッケ線量計などでは測定が不可能な1Gy以下の低線量を測定可能な固体線量計として利用可能かを検討した。市販のヒドロキシアパタイトへ$$^{60}$$Coガンマ線を75Gyまで照射し、生成した炭酸ラジカルをESR分光計で測定した。炭酸ラジカル強度と吸収線量の関係(線量応答曲線)を調べたところ、未照射から75Gyまでの範囲で、両者はよい線形性を示した($$mathrm{R}^{2}=1$$)。線量応答曲線を利用して検出下限値を推定したところ99.7mGyと見積もられ、本試料は1Gy以下の線量も計測可能であることがわかった。照射から8ヶ月経過後にも同様の測定を行い、炭酸ラジカル強度が変化しなかったことから、ラジカルの長期安定にも優れていることがわかった。これらの結果から、当該試料は新規線量計の候補材料として利用可能である。

論文

ESR measurement of carbonated hydroxyapatite for dosemeter

清藤 一*; 横塚 恵莉*; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 長澤 尚胤*

Radiation Protection Dosimetry, 200(16-18), p.1656 - 1659, 2024/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)

生物由来原料から作製した炭酸アパタイトへの$$^{60}$$Coガンマ線照射を行い、アラニンやフリッケ線量計に替わる線量計として利用可能か調べた。照射によって生成する炭酸ラジカルの収量は照射後に20%減衰したが、7日でほぼ一定になることがわかった。炭酸ラジカル収量と吸収線量の関係は、10Gyから1000Gyの範囲で線形関係にあり、炭酸アパタイトは化学線量計として利用可能であることが示された。

論文

Analysis of particles containing alpha emitters in stagnant water in Fukushima Daiichi Nuclear Power Station's Unit 3 reactor building

蓬田 匠; 大内 和希; 森井 志織; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 駒 義和; 今野 勝弘*

Scientific Reports (Internet), 14, p.14945_1 - 14945_11, 2024/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:31.14(Multidisciplinary Sciences)

福島第一原子力発電所3号機建屋滞留水中の固形分の多数の粒子状物質の中から、$$alpha$$核種を含有する微粒子の検出を試みた。$$alpha$$核種濃度の異なる、トーラス室と主蒸気隔離弁室の2か所から採取した試料について分析を行った。大部分の$$alpha$$核種は10$$mu$$m以上の固形分に存在していた。SEM-EDXを用いる元素分析により、$$mu$$mサイズのUを主成分とする微粒子を検出した。また、アルファトラック法により検出した粒子では、粒径100$$mu$$m程度までの鉄粒子上に$$alpha$$核種が分布する様子を観測できた。3号機滞留水中におけるUやその他の$$alpha$$核種の存在形態が明らかになった。

論文

Securing reversibility of U$$^{V}$$O$$_{2}$$$$^{+}$$/U$$^{VI}$$O$$_{2}$$$$^{2+}$$redox equilibrium in [emim]Tf$$_{2}$$N-based liquid electrolytes towards uranium redox-flow battery

鷹尾 康一朗*; 大内 和希; 小松 篤史; 北辻 章浩; 渡邉 雅之

European Journal of Inorganic Chemistry, 27(14), p.e202300787_1 - e202300787_7, 2024/05

 被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

U$$^{rm V}$$O$$_{2}$$$$^{+}$$/U$$^{rm VI}$$O$$_{2}$$$$^{2+}$$の1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルアミド([emim]Tf$$_{2}$$N)イオン液体中での電気化学的挙動を研究し、劣化ウランをレドックスフロー電池の電極活物質として利用するために、U$$^{rm V}$$O$$_{2}$$$$^{+}$$/U$$^{rm VI}$$O$$_{2}$$$$^{2+}$$の酸化還元可逆性を達成するために何が必要かを明らかにした。結果として、Cl$$^{-}$$存在下の[emim]Tf$$_{2}$$N中において、グラッシーカーボンを作用電極として用いU$$^{rm V}$$O$$_{2}$$$$^{+}$$/U$$^{rm VI}$$O$$_{2}$$$$^{2+}$$の酸化還元反応の可逆性を得ることに成功した。また、溶質の拡散性を向上させるために、補助分子溶媒であるN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)で希釈した。Cl$$^{-}$$を含む50:50v/vの[emim]Tf$$_{2}$$N-DMF液体電解質中で[U$$^{rm VI}$$O$$_{2}$$Cl$$^{4}$$]$$^{2-}$$ + e$$^{-}$$ = [U$$^{rm V}$$O$$_{2}$$Cl$$^{4}$$]$$^{3-}$$の可逆的酸化還元反応を示すことに成功した。

論文

Evaluation of the production amount of $$^{225}$$Ac and its uncertainty through the $$^{226}$$Ra(n,2n) reaction in the experimental fast reactor Joyo

佐々木 悠人*; 佐野 亜々留; 佐々木 新治; 岩本 信之; 大内 和希; 北辻 章浩; 高木 直行*; 前田 茂貴

Journal of Nuclear Science and Technology, 61(4), p.509 - 520, 2024/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:78.63(Nuclear Science & Technology)

$$^{225}$$Acは医薬品向け$$alpha$$放出核種として注目されており、今後需要が増えることが見込まれる。創薬分野の研究開発のみならず経済安全保障の観点でも国産化が急務である。「常陽」では、$$^{225}$$Ac製造の技術基盤を確立するため、「常陽」に隣接するPIE施設への照射装置の迅速な払出し技術の確立、$$^{226}$$Raの中性子照射による$$^{225}$$Ac製造量評価、$$^{226}$$Raから$$^{225}$$Acを効率的に回収するための分離プロセスを検討している。本発表では、「常陽」での照射からPIE施設への移送、化学処理の経過時間による減衰並びに核反応断面積及び解析の不確かさを考慮しても十分な$$^{225}$$Ac製造が可能なこと及びDGAレジンを吸着材として用いることにより、Ra及び照射により生成が予想される不純物を除去しAcを単離できる見通しについて報告する。また、医療側のニーズを踏まえた製造量についても報告する。

論文

Application of transition-edge sensors for micro-X-ray fluorescence measurements and micro-X-ray absorption near edge structure spectroscopy; a case study of uranium speciation in biotite obtained from a uranium mine

蓬田 匠; 橋本 直; 奥村 拓馬*; 山田 真也*; 竜野 秀行*; 野田 博文*; 早川 亮大*; 岡田 信二*; 高取 沙悠理*; 磯部 忠昭*; et al.

Analyst, 149(10), p.2932 - 2941, 2024/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:34.56(Chemistry, Analytical)

本研究では、ウラン鉱山より採取した黒雲母に含まれるUの分布状態と化学種を分析するため、超電導転移端センサー(TES)をマイクロビーム蛍光X線分光分析時の検出器として用いる手法を開発した。通常のシリコンドリフト検出器(SDD)の約220eVのエネルギー分解能の蛍光X線スペクトルでは、13.615keVのU L$$alpha$$$$_{1}$$線の蛍光X線と13.395keVのRb K$$alpha$$線の蛍光X線を分離することは困難であった。一方、TESを用いることにより13keVのエネルギー領域で50eVのエネルギー分解能が達成され、U L$$alpha$$$$_{1}$$とRb K$$alpha$$の蛍光X線を完全に分離することができた。このTESを用いたピーク分離により、マイクロ蛍光X線分析における微量Uの正確なマッピング解析と、マイクロX線吸収端近傍構造分光における信号対バックグラウンド比の減少を達成できた。

論文

溶液化が困難な放射性廃棄物中のZr-93分析に向けたLA-ICP-MSによる固体試料中Zr同位体新規定量分析

森井 志織; 蓬田 匠; 浅井 志保*; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩

KEK Proceedings 2023-2, p.132 - 137, 2023/11

放射性廃棄物処分時の安全評価対象核種であるZr-93分析の簡易化法として、溶液化が困難な固体試料に含まれるZr同位体をレーザーアブレーション(LA)-ICP-MSで分析する固体同位体希釈質量分析法(固体IDMS)を検討した。固体放射性廃棄物を模擬した分析試料(模擬固体試料)に固体状のスパイク(同位体参照固体)を添加して作製したIDMS用試料をLA-ICP-MSにより同位体比測定し、固体IDMSの成立性を調べた。その結果、溶解操作を経ずに模擬固体試料中のZr同位体の定量分析が固体IDMSにより可能であることが実証でき、溶液化が困難な放射性廃棄物中Zr-93の新規分析法として実現できる見込みが得られた。

論文

高レベル放射性廃棄物中のZr-93迅速分析に向けたLA-ICP-MSによる固体試料中Zr同位体測定法の開発

森井 志織; 蓬田 匠; 浅井 志保*; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩

分析化学, 72(10.11), p.441 - 448, 2023/10

高レベル放射性廃棄物(HLW)等の処分時の安全評価対象核種のひとつであるZr-93のICP-MS定量分析をより迅速化する手法として、Zrを選択的に固相抽出した試料をそのままレーザーアブレーション(LA)してICP-MSで定量分析する技術開発を行った。DGAレジンにZrのみを吸着させる新規Zr固体試料調製法により、試料調製時間を従来よりも大幅に短縮した。Zr固体試料をLA-ICP-MS測定するための最適なレーザー照射条件を検討した。開発した手法をHLW模擬試料中のZr同位体定量に適用した結果、IDMSにより求めた同位体定量値は試料の元素濃度から求めた含有量と不確かさの範囲で一致したため、実際の放射性廃棄物試料中のZr-93についても同様の手順で定量できる見込みを得た。

論文

UO$$_{2}$$ dissolution in bicarbonate solution with H$$_{2}$$O$$_{2}$$; The Effect of temperature

McGrady, J.; 熊谷 友多; 北辻 章浩; 桐島 陽*; 秋山 大輔*; 渡邉 雅之

RSC Advances (Internet), 13(40), p.28021 - 28029, 2023/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:21.35(Chemistry, Multidisciplinary)

使用済核燃料の埋設処分において、キャニスタが破損して核燃燃料が地下水と接触すると、水の放射線分解により発生した酸化性物質とUO$$_{2}$$が反応する。炭酸水素イオンが存在する地下水中での、H$$_{2}$$O$$_{2}$$によるUO$$_{2}$$の酸化溶解がこれまでに研究されてきた。埋設されたキャニスタ周辺の温度は、時間や配置場所により変化するが、これまでに酸化溶解の温度効果は明らかにされていない。種々の炭酸水素イオン濃度と温度条件下でのUO$$_{2}$$表面におけるH$$_{2}$$O$$_{2}$$の反応とU溶解を調べた。炭酸水素イオン濃度や温度によりUO$$_{2}$$表面でのH$$_{2}$$O$$_{2}$$の反応機構が変化し、これによりUO$$_{2}$$の溶解速度が変化することが分かった。これは、UO$$_{2}$$表面に生成される化学種の違いに起因することが示唆された。

論文

Experiment and numerical simulation of pulsation flow in single channel for Li-7 enrichment technology development by MCCCE method

堀口 直樹; 吉田 啓之; 北辻 章浩; 長谷川 信*; 岸本 忠史*

Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 7 Pages, 2023/05

我が国のエネルギー安全保障の観点および環境負荷低減の観点から、軽水炉の連続運転が不可欠である。PWRの水質管理にはLi-7イオンを濃縮したpH調整剤が必要であり、Li-7濃縮技術の開発が重要課題の一つである。環境負荷の少ない技術としてマルチチャンネル向流電気泳動(MCCCE)法が開発されている。これを実用化するためには、チャネル内のLi-7イオン挙動を把握し、Li-7と他同位体を分離させるため実験条件を最適化する必要がある。本報告では、実機の単一チャンネル内のLi-7イオン挙動を把握することを目的に、原子力機構で開発した粒子追跡機能を有するCFDコードTPFIT-LPTをベースとしたイオン挙動の数値シミュレーション手法を開発した。本手法では、電場下のイオンの運動を、電場による速度を粒子に付加して運動させることで模擬した。同位体の運動の差異は付加速度の大きさを変更して表現した。また、個々のイオン挙動を実験計測することは不可能であるが、数値シミュレーションの検証の為に、バルク流体の流速を測定することが重要であると考えた。そこで、実機の単一チャンネルを簡略化したラボスケール実験装置を開発し粒子画像流速計測法(PIV)により流速を測定することとした。実験装置には、実機の実験条件の一つであり数値シミュレーションで難しい条件の一つである脈動流条件を設定し、流速を測定した。結果として、脈動流が再現されることを確認した。この脈動流の実験データを数値シミュレーションの入口境界条件として設定し、数値シミュレーションを実施した。この結果として、電場の影響を受けたイオンが脈動しながら上流へ移動することを確認した。また、電場下の同位体の挙動の差異も確認した。

論文

Uranium hydroxide/oxide deposits on uranyl reduction

大内 和希; 松村 大樹; 辻 卓也; 小林 徹; 音部 治幹; 北辻 章浩

RSC Advances (Internet), 13(24), p.16321 - 16326, 2023/05

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.11(Chemistry, Multidisciplinary)

電気化学水晶振動子マイクロバランス、インピーダンススペクトル及びX線吸収微細構造測定の結果から、ウラニルイオン(U$$^{rm VI}$$O$$_{2}$$$$^{2+}$$)の還元に伴う析出物の化学状態変化を明らかにした。U$$^{rm VI}$$O$$_{2}$$$$^{2+}$$の還元に伴い、(1)U$$^{rm V}$$の不均化によりU$$^{rm IV}$$が生成する。(2)U$$^{rm IV}$$はU$$^{rm IV}$$水酸化物として析出物を形成し、(3)最終的に水酸化物より大きな電気抵抗を持つU$$^{rm IV}$$酸化物に変化する析出機構が提案される。

論文

Application of high-energy-resolution X-ray absorption spectroscopy at the U L$$_{3}$$-edge to assess the U(V) electronic structure in FeUO$$_{4}$$

蓬田 匠; 秋山 大輔*; 大内 和希; 熊谷 友多; 東 晃太朗*; 北辻 章浩; 桐島 陽*; 河村 直己*; 高橋 嘉夫*

Inorganic Chemistry, 61(50), p.20206 - 20210, 2022/12

 被引用回数:7 パーセンタイル:58.38(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

近年、U(VI)が(IV)に還元される時の中間体や、長期安定性をもつU(V)化合物の特異的な物性に関する研究が注目されている。しかし、U(V)の電子状態を詳細に分析した例は少ない。本研究では、U(V)の化合物のFeUO$$_{4}$$中のU(V)の電子状態を高エネルギー分解能蛍光検出(HERFD)-X線吸収端微細構造分光法(XANES)によって調べた。X線発光分光器を用いて取得したFeUO$$_{4}$$中のUのL$$_{3}$$端HERFD-XANESスペクトルから、従来のXANESスペクトルにはないピーク分裂をはじめて観測することができた。理論計算によるXANESスペクトルのシミュレーションの結果、このピーク分裂が良く再現でき、6d軌道の分裂によるものであることが明らかになった。この発見により、環境中で従来検出が困難であったU(V)の検出が容易になると期待され、環境科学をはじめとした幅広い分野での応用が期待される。

論文

顕微ラマンマッピングによる二酸化ウラン粒子の化学状態分析

蓬田 匠; 北辻 章浩; 宮本 ユタカ

KEK Proceedings 2022-2, p.148 - 153, 2022/11

保障措置分析化学研究グループでは現在、顕微ラマン分光法を用いて、原子力施設で採取された環境試料中に含まれる、ウラン微粒子の化学状態を分析する手法の開発を行っている。環境中では、長期間の空気曝露によってウラン粒子本来の化学形が一部で変化する可能性があり、粒子全体を分析する手法の開発が必要である。本発表では、大気雰囲気下で長期間保存された二酸化ウランをモデル化合物として分析を行った。顕微ラマンマッピングによって微粒子表面の化学状態を分析したところ、二酸化ウランの他、局所的に過酸化ウランが存在していた。そのため、粒子中心部を分析する点分析では、570cm$$^{-1}$$や1150cm$$^{-1}$$付近のUO$$_{2}$$の構造に由来するラマンピークが観測されない場合があった。一方、ラマンマッピングによって粒子全体のラマンスペクトルを得て平均化する面分析では、同じ粒子から570cm$$^{-1}$$や1150cm$$^{-1}$$付近のUO$$_{2}$$の構造に由来するラマンピークを観測できたため、ラマンマッピング分析が微粒子全体の化学状態を分析する手法として有効であることを実証した。

論文

「常陽」を用いた$$alpha$$内用療法向け$$^{225}$$Acの生成

前田 茂貴; 北辻 章浩

エネルギーレビュー, 42(10), p.19 - 22, 2022/09

Ac-225は医薬品向け$$alpha$$放出核種として注目されており、今後需要が増えることが見込まれる。創薬分野の研究開発のみならず経済安全保障の観点でも国産化が急務である。「常陽」では、Ac-225製造の技術基盤を確立するため、「常陽」に隣接するPIE施設への照射装置の迅速な払出し技術の確立、Ra-226の中性子照射によるAc-225製造量評価、Ra-226からAc-225を効率的に回収するための分離プロセスを検討している。本発表では、「常陽」での照射からPIE施設への移送、化学処理の経過時間による減衰を考慮しても十分なAc-225製造が可能なこと及びDGAレジンを吸着材として用いることにより、Ra及び照射により生成が予想される不純物を除去しAcを単離できる見通しについて報告する。また、原子力委員会のRI製造部会のアクションプランを踏まえた今後の計画を述べる。

論文

Analysis of particles containing alpha-emitters in stagnant water at torus room of Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Station's Unit 2 reactor

蓬田 匠; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 駒 義和; 今野 勝弘*

Scientific Reports (Internet), 12(1), p.7191_1 - 7191_10, 2022/05

AA2021-0706.pdf:2.48MB

 被引用回数:9 パーセンタイル:55.41(Multidisciplinary Sciences)

福島第一原子力発電所2号機トーラス室滞留水に含まれる$$alpha$$線放出核種の存在形態を、走査型電子顕微鏡X線検出(SEM-EDX)やアルファトラック法により分析した。SEM-EDXによる観察の結果、Uを主成分とするサブ$$mu$$m$$sim$$$$mu$$mサイズの粒子を複数同定できた。これらの粒子はZrなどの燃料被覆管や構造材を構成する元素を含んでいる。また、同じ粒径フラクションの固形分に含まれるU同位体比(235/238)は、原子炉燃料のそれと一致した。このことから、U粒子は原子炉に由来し、これが微細化したものであることを示している。アルファトラック分析により同定した$$alpha$$核種含有粒子は、粒径数10$$mu$$m$$sim$$~数100$$mu$$mのサイズであり、SEM-EDXの元素分析の結果、鉄を主成分としていた。$$alpha$$核種の物質量は極わずかであることから、Pu, Am, Cm等が鉄粒子上に付着する形態であると考えられる。分析した滞留水中の固形分試料では、Uと他の$$alpha$$核種の存在形態が異なる場合があることが明らかになった。

論文

トリウム,プルトニウムおよびMAの化学

佐藤 修彰*; 桐島 陽*; 渡邉 雅之; 佐々木 隆之*; 上原 章寛*; 武田 志乃*; 北辻 章浩; 音部 治幹; 小林 大志*

トリウム,プルトニウムおよびMAの化学, 254 Pages, 2022/03

核燃料物質としてトリウム(第1部)やプルトニウム(第2部)の化学について、固体化学や溶液化学といった基礎から、実験方法、評価方法、燃料サイクルなど応用について詳細に述べる。さらに、第3部としてMA(マイナーアクチノイド: Np, Am, Cm, Pa)についての固体化学や溶液化学を紹介する。

論文

Selective Pd separation from simulated radioactive liquid waste by precipitation using xenon lamp irradiation for a simplified procedure

蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 森井 志織; 大場 弘則*; 北辻 章浩

Analytical Sciences, 37(12), p.1843 - 1846, 2021/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:3.74(Chemistry, Analytical)

高レベル放射性廃液(HLLW)中に含まれる長寿命核種である$$^{107}$$Pdの存在量を知ることは、HLLWの処分安全評価の観点から重要である。我々は、HLLW等に含まれる$$^{107}$$Pdの定量のために、キセノンランプの光照射による簡易で単ステップのPd沈殿分離法を開発した。14元素を含む模擬HLLW試料に、キセノンランプによる光照射を行い、遠心分離によって生成したPd沈殿を回収した。光照射時の照射時間とエタノール濃度の最適化を行った結果、模擬HLLWからのPd回収率は50%に達し、他の13元素は99.5%以上除去された。Pd沈殿中には、HLLW中での主要な放射能源(Sr, Cs, Ba)や、$$^{107}$$Pdの定量分析の際に測定妨害となる元素(Zr, Ru)が含まれておらず、開発した分離法は実際のHLLWなどへ適用可能であることが示された。

論文

Design of microchannel suitable for packing with anion exchange resins; Uranium separation from seawater containing a large amount of cesium

大内 和希; 塚原 剛彦*; Brandt, A.*; 武藤 由樹*; 生田目 望*; 北辻 章浩

Analytical Sciences, 37(12), p.1789 - 1794, 2021/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:3.74(Chemistry, Analytical)

安全かつ廃棄物削減のための分離技術の開発として、陰イオン交換樹脂を充填したマイクロチップカラムを用いて、ウラン(U)の分離プロセスのスケールダウンを試みた。マイクロ流路を適切に設計することによって理想的なUの分離性能が得られた。実試料としての海水に適用し海水中Uの濃度の定量に成功したことから、本研究で作製したマイクロチップカラムが十分な実用性を有している。また、一般市販品のカラムを用いたU分離と比較して、カラムサイズは1/5000未満まで縮小することに成功した。

報告書

プルトニウム研究1棟核燃料物質全量搬出作業

伊奈川 潤; 北辻 章浩; 音部 治幹; 中田 正美; 高野 公秀; 秋江 拓志; 清水 修; 小室 迪泰; 大浦 博文*; 永井 勲*; et al.

JAEA-Technology 2021-001, 144 Pages, 2021/08

JAEA-Technology-2021-001.pdf:12.98MB

プルトニウム研究1棟では、施設廃止措置計画に従い管理区域解除に向けた準備作業を進めており、その一環として実施した施設内に貯蔵する全ての核燃料物質の搬出を、令和2年12月のプルトニウム等核燃料物質のBECKYへの運搬をもって完了させた。今後計画されている他施設の廃止措置に活かすため、一連の作業についてまとめ記録することとした。本報告書では、運搬準備から実際の運搬作業の段階まで、核燃料物質使用許可の変更申請のための保管室の臨界評価、運搬容器の新規製作と事業所登録、運搬計画の立案・準備作業及び運搬作業等に項目立てして詳細を記録した。

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