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大平 早希; 阿部 健康; 飯田 芳久
Radiochimica Acta, 111(7), p.525 - 531, 2023/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Inorganic & Nuclear)ニオブ-94(Nb)のカルシウム,アルカリ性水溶液への溶解度は、セメント系材料を使用すると想定される中深度処分の安全性評価において、重要なパラメータの一つである。しかし、カルシウム,アルカリ条件におけるNb溶解度とその溶解度制限固相は、今だ不明な点が多い。そこで本研究では、0.001-0.1M CaCl
水溶液において過飽和条件でのNb溶解度実験を系統的に行い、Nb溶解度制限固相について評価した。Nb濃度はpHとCa濃度に負の依存性を示し、沈殿固相のCa/Nbモル比は0.66を示した。Nb溶解度のpHおよびCa濃度依存性は、溶存種のNb(OH)
と、Ca/Nb比が0.66を示すCa-Nb固相であるCa
Nb
O
(am)との溶解反応で再現可能なことが確認された。
大平 早希; 飯田 芳久
Proceedings of Waste Management Symposia 2023 (WM2023) (Internet), 10 Pages, 2023/02
ニオブ-94(Nb-94)の鉱物への収着分配係数(d)は、放射性廃棄物処分の安全評価において重要なパラメータの一つである。先行研究で、アルカリ条件下におけるNbの
dは、Caの存在下で、Naの存在下よりも2桁高い値が報告されていた。本研究では、粘土鉱物へのNb収着に対するCaの影響を再検討するためにNb収着実験を行い、沈殿生成の有無を確認するためにブランクテストを行った。その結果、モンモリロナイトとイライトへのNb収着は、Ca濃度には依存せず、Ca存在下で得られた
d値はCa非存在下での値と同じであることが分かった。鉱物表面での錯形成による収着を仮定した収着モデルを構築し、地球化学計算コードを用いて計算を行った。その結果、表面種X_ONb(OH)
とX_ONb(OH)
を用いたモデルにより、得られたデータの傾向を再現可能なことを確認した。
島田 亜佐子; 谷口 良徳; 垣内 一雄; 大平 早希; 飯田 芳久; 杉山 智之; 天谷 政樹; 丸山 結
Scientific Reports (Internet), 12(1), p.2086_1 - 2086_11, 2022/02
被引用回数:3 パーセンタイル:28.39(Multidisciplinary Sciences)2011年3月12日に福島第一原子力発電所の1号機のベントが行われ、1・2号機共用スタックから放射性ガスが放出された。本研究ではこのベントにより放出された放射性核種の情報を有していると考えられる、1・2号機共用スタック基部のドレンピットから採取したドレン水の放射化学分析を実施した。揮発性のIや
Cs,
Csだけでなく、
Co,
Sr,
Sb, 1号機由来安定Moが検出された。1号機由来安定Moの量はCsの量よりもはるかに少ないことから、事故時の炉内状況ではCs
MoO
の生成は抑制されたと考えられる。また、2020年10月時点では、約90%のIがI
、約10%がIO
で存在した。
Csより多い
Iが観測されたことから、事故時に
IはCsIというよりも分子状のヨウ素として放出されたことが示唆された。2011年3月11日に減衰補正した
Cs/
Cs放射能比は0.86で、2号機や3号機由来と考えられる放射能比より低いことが示された。
山口 徹治; 大平 早希; 邉見 光; Barr, L.; 島田 亜佐子; 前田 敏克; 飯田 芳久
Radiochimica Acta, 108(11), p.873 - 877, 2020/11
被引用回数:8 パーセンタイル:54.81(Chemistry, Inorganic & Nuclear)Sorption distribution coefficient (Kd) of niobium-94 on minerals are an important parameter in safety assessment of intermediate-depth disposal of waste from core internals etc. The Kd of Nb on clay minerals in Ca(ClO)
solutions were, however, not successfully modeled in a previous study. The high distribution coefficients of Nb on illite in Ca(ClO
)
solutions were successfully reproduced by taking Ca-Nb-OH surface species into account. Solubility of Nb was studied in Ca(ClO
)
solutions and the results were reproduced by taking an aqueous Ca-Nb-OH complex species, CaNb(OH)
, into account in addition to previously reported Nb(OH)
and Nb(OH)
. Based on this aqueous speciation model, the Ca-Nb-OH surface species responsible for the sorption of Nb on illite in Ca(ClO
)
solutions was presumed to be X_OCaNb(OH)
. Although uncertainties exist in the speciation of aqueous Ca-Nb-OH species, the result of this study proposed a possible mechanism for high distribution coefficient of Nb on illite in Ca(ClO
)
solutions. The mechanism includes Ca-Nb-OH complex formation in aqueous, solid and surface phases.
大平 早希
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 27(1), p.34 - 36, 2020/06
2019年10月19日(土)、20日(日)の2日間、岐阜県多治見市のヤマカまなびパークにてバックエンド週末基礎講座が開催された。本講座は、放射性廃棄物の処理処分などのバックエンドに関連する広範な分野について、基礎的な知識を身につけるとともに、参加者相互の交流の機会を提供することを目的として年1回開催されている。講座には大学や企業などから31名が参加し、6件の講義とグループディスカッションが行われた。講座の前には、希望者を対象に、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所(日本原子力研究開発機構東濃地科学センター)の地下坑道見学会が併催された。見学会および本講座の概要とグループディスカッションの内容について報告する。
大平 早希; 澤口 拓磨; 島田 太郎; 武田 聖司
no journal, ,
放射性廃棄物処分の生活環境中での核種移行評価において、主に核種の陸水中の移行形態として溶存態を取り扱っていたが、東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故後の陸水中の移行現象に関する知見に基づき、懸濁粒子への核種収着や懸濁粒子自体の移行の考慮が核種移行評価に与える影響の程度を把握し、適当な評価に反映させることが重要となる。そこで、本研究では、河川堆積土を用いて、懸濁粒子へのCsの収着・脱離に係る試験を実施し、収着環境・条件が収着・脱離量に与える影響について検討した。収着試験は、埋設処分の評価で想定される継続的な湿潤環境と、1F事故由来などフォールアウト起源で想定される湿潤・乾燥を繰り返す環境の2つの条件で実施し、収着試験後の試料からの塩による脱離試験を実施した。その結果、放射性Csの脱離に関して、収着時の環境条件(湿潤・乾燥環境、固液比、共存イオン濃度等)に依存することが示された。
山口 徹治; 邉見 光; Logan, B.*; 島田 亜佐子; 大平 早希; 飯田 芳久
no journal, ,
Nb(半減期2.03万年)の収着分配係数(
d)は、中深度処分の安全評価において重要な要素の一つである。Nbは中性以上のpHでアニオン(Nb(OH)
、Nb(OH)
)を形成し収着性が低いと予想されるが、Ca存在下では高い収着が報告されている(Ervanne et al.(2014))。しかし、Ca存在下での
dのモデル化は成功していない。本研究では、Ca-Nb-OH溶存錯体の存在を確認するため、Ca濃度とpHを変化させNbの溶解度を調べた結果、CaNb(OH)
の存在が推定された。また粘土鉱物の一つであるイライトを対象に、Ca-Nb-OHの表面種を考慮に入れた収着モデルを構築し、Ervanne et al.(2014)のデータを再解析した結果、NbのCa共存下でのイライトへのNbの高い
dを再現できた。これらの結果から、収着モデルへXOCaNb(OH)
の追加を提案する。
島田 亜佐子; 谷口 良徳; 大平 早希; 飯田 芳久
no journal, ,
福島第一原子力発電所1号機のベントにより放出されたCs等の化学形態の推定を主な目的として、事故当時の情報を残していると考えられる1・2号機共用スタックドレンサンプ水(ドレン水)の核種を分析した。減衰補正により事故時に換算したドレン水中Cs,
Sr,
I及び1号機由来全Mo濃度はそれぞれ1.4
10
, 1.2
10
, 1.6
10
, 1.3
10
mol/mlであった。ORIGEN計算値から初期インベントリにおける全Cs/
Cs及び全I/
Iの値を求め、その値と測定値からドレン水中の全Csと全Iを見積もった。全Csと全I、全Moの比は0.66、4.1
10
であった。この結果から、Cs
MoO
以外の化学形態(CsI等)が支配的であると推定され、水蒸気が少ない状態で炉心溶融が進展したことが示唆された。
大平 早希; 阿部 健康; 飯田 芳久
no journal, ,
Nbは炉内等廃棄物に含まれ、その溶解度は中深度処分の安全評価の重要な要素の一つである。処分場のセメント近傍の地下水において特徴的な、高Ca濃度,アルカリ条件に対し、Nb溶解度が調べられているが、Ca存在下でのNb溶解度を支配する溶解度制限固相や溶存種を特定できていない。本研究では、過飽和条件下でCa濃度とpHを変化させたNb溶解度試験とともに、沈殿固相の分析を行った。その結果、Nb溶解度はCa濃度とpHに対して負の依存性を示し、Nb溶解度と沈殿固相のSEM-EDX, XRD分析から、Ca
Nb
O
(am)が溶解度制限固相であること、Nb(OH)
が支配的な溶存種であることが推定された。
島田 亜佐子; 大平 早希; 飯田 芳久
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所(1F)で採取した水試料中に極低濃度存在する可能性のある放射性核種の分析を行うため、公定法のないCl及び
Feの分析法について検討を行った。
Clについて、分析指針(JAEA-Technology 2009-051)の手法に準拠して分析することとした。本手法では、担体として試料に塩素を添加し、その回収率により補正を行っている。しかし、1Fの水試料には多量の安定同位体の塩素が含まれているため、安定同位体のClの添加量を変化させて分析試料を調製し、添加量と回収量の直線を用いて回収率を求めた。
FeはEC壊変核種であり、壊変に伴って5.9keVのX線を放出する。水溶液試料では、この低いX線エネルギーでは自己吸収が大きく、定量が難しいため沈殿として捕集し、面線源とすることにした。しかし、水酸化鉄の沈殿は乾燥時に小片に割れてしまい、均一な線源調製が難しいことが分かったため、水酸化鉄とシュウ酸カルシウムを共沈させることで割れを防ぎ、測定に適した均一な試料を調製し、自己吸収を補正する手法を開発した。
島田 亜佐子; 邉見 光; 大平 早希; 飯田 芳久
no journal, ,
令和4年3月24日にK4-Bタンクから採取されたALPS処理水に含まれるH-3、C-14、Co-60、Sr-90、Tc-99、Ru-106、Sb-125、I-129、Cs-134及びCs-137の分析法及び分析値について報告する。
大平 早希
no journal, ,
ニオブ-94(Nb)のカルシウム,アルカリ性水溶液への溶解度および収着分配係数は、セメント系材料を使用すると想定される中深度処分の安全性評価において、重要なパラメータの一つである。しかし、カルシウム、アルカリ条件におけるNb溶解度と収着分配係数は、今だ不明な点が多い。そこで本研究では、0.001-0.1M塩化カルシウム水溶液において過飽和条件でのNb溶解度実験を系統的に行い、Nb溶解度制限固相について評価した。Nb濃度はpHとCa濃度に負の依存性を示し、沈殿固相のCa/Nbモル比は0.66を示した。Nb溶解度のpHおよびCa濃度依存性は、Nb水酸化物イオンの溶存種と、Ca/Nb比が0.66を示すCa-Nb固相との溶解反応で再現可能なことが確認された。また溶解度以下で収着試験を行った結果、Ca存在下と非存在下でNb収着分配係数は同様な値を示し、Nb収着についてNb水酸化錯体の表面錯体モデルで再現可能なことが確認された。
垣内 一雄; 島田 亜佐子; 大平 早希; 飯田 芳久
no journal, ,
スミヤ試料(15階の壁,床,階段裏の合計14試料)について核種分析を実施した。分析は、各スミヤ試料についてイメージングプレートによる汚染分布の確認及びGe半導体検出器を用いたガンマ線核種分析、一部のスミヤ試料については酸分解して溶解した後、化学分離を実施し、Sr-90, Tc-99, Mo同位体,アルファ線放出核種(U同位体,Pu同位体及びAm-241)を定量した。Cs-137に対するモル比で整理した結果、原子炉建屋5階のTc-99及びMo同位体のモル比は、下層階(4階及び1階)と比較して高い傾向を示し、その傾向はアルファ線放出核種も同様であり、5階と下層階において核種の移行挙動が異なることが示唆された。