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深谷 裕司; 沖田 将一朗; 佐々木 孔英; 植田 祥平; 後藤 実; 大橋 弘史; Yan, X.
Nuclear Engineering and Design, 399, p.112033_1 - 112033_9, 2022/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉のTRISO燃料の核移動を解析し潜在的な支配的な影響を調査した。核移動は主要な燃料破損モードであり、高温工学試験研究炉HTTRでは燃料の寿命を決定するために支配的な要因である。しかし、本研究では、結果と信頼性が評価方法に依存することを示す。この研究で使用される評価方法は、被覆燃料粒子の実際の分布と、結果として生じる非均質な燃料温度計算を考慮している。結果として、最も保守的な評価と比較して、核移動速度が約10%低い評価が得られることが分かった。
深谷 裕司; 沖田 将一朗; 中川 繁昭; 後藤 実; 大橋 弘史
Annals of Nuclear Energy, 168, p.108911_1 - 108911_7, 2022/04
被引用回数:1 パーセンタイル:15.53(Nuclear Science & Technology)中性子飛程の長い炉心に移動検出器を用いた出力分布測定システムを提案した。高温ガス炉と高速炉は、軽水炉とは異なり中性子飛程が長く、炉心の中心にある燃料集合体からの中性子が遠く離れた検出器に到達する。この特性を利用すると、X線CTと同様に、少ない検出器を移動することで出力分布を測定できる。小型炉の場合、出力分布は炉外検出器のみで測定できる。大型炉で炉内検出器で出力分布を測定する場合、材料健全性に関する温度環境など制約で検出器の配置が炉内位置で制限される場合でも測定が可能である。成立性に関しては、高温ガス炉炉心と検出器応答を数値的に模擬することにより確認した。本手法は、高温や照射による損傷が大きいため、炉心内検出器を継続的に配備することが困難な高温ガス炉と高速炉の炉心における出力分布測定に資することが期待できる。
佐々木 祐二; 佐伯 盛久; 須郷 由美; 池田 泰久*; 川崎 武志*; 鈴木 智也*; 大橋 朗*
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 22(1), p.37 - 45, 2015/05
被引用回数:15 パーセンタイル:42.26(Chemistry, Multidisciplinary)新抽出剤のMIDOA(メチルイミノジオクチルアセトアミド)を用いて、Pd(II), Nb(V), Ta(V), Cr(VI), Mo(VI), W(VI), Tc(VII), Re(VII)等の溶媒抽出を行い、関連化合物のIDOA(イミノジオクチルアセトアミド)やMIDEHA(メチルイミノジエチルヘキシルアセトアミド)、TODGA(テトラオクチルジグリコールアミド)、TDGA(チアジグリコールアミド)等の結果を比較した。これらの結果より、MIDOAによる分配比はIDOAやMIDEHAよりやや高いこと、Pd, Re分配比はTODGA, TDGAより高いことを明らかにした。
下条 晃司郎; 中井 綾香*; 岡村 浩之; 斎藤 拓巳*; 大橋 朗*; 長縄 弘親
Analytical Sciences, 30(4), p.513 - 517, 2014/04
被引用回数:18 パーセンタイル:52.64(Chemistry, Analytical)We report on the acid dissociation constants () of diglycolamic acid-type ligands together with comprehensive data on the extraction performance of
,
-dioctyldiglycolamic acid (DODGAA) for 54 metal ions. The p
of the diglycolamic acid framework was determined to be 3.54 in water by potentiometric titration, indicating that DODGAA is strongly acidic compared with carboxylic acid. DODGAA can quantitatively transfer various metal ions among the 54 metal ions through a proton-exchange reaction, and provides excellent extraction performance and separation ability for rare-earth metal ions, In(III), Fe(III), Hg(II), and Pb(II) among the 54 metal ions.
下条 晃司郎; 中井 綾香; 岡村 浩之; 大橋 朗*; 長縄 弘親
Analytical Sciences, 29(1), p.147 - 150, 2013/01
被引用回数:14 パーセンタイル:43.43(Chemistry, Analytical)Selective separation of lead ions (Pb) from aqueous solutions containing multiple divalent metal ions (Pb
, Cu
, Cd
, Zn
, Mn
, Co
and Ni
) was investigated using liquid-liquid extraction.
,
-dioctyldiglycol amic acid (DODGAA) enabled quantitative extraction and efficient separation of Pb
from the metal ion mixture under mildly acidic conditions. Compared with conventional commercial extractants, DODGAA provided better extraction and excellent selectivity for Pb
. The extraction of Pb
with DODGAA proceeded through a proton-exchange reaction and formed a 1:2 complex, Pb(DODGAA)2. The Pb
was readily stripped from the extracting phase under acidic conditions, and the organic solution with DODGAA could be recycled.
佐伯 盛久; 佐々木 祐二; 中井 綾香*; 大橋 朗*; Banerjee, D.*; Scheinost, A. C.*; Foerstendorf, H.*
Inorganic Chemistry, 51(10), p.5814 - 5821, 2012/05
被引用回数:29 パーセンタイル:75.98(Chemistry, Inorganic & Nuclear)近年、2,2'-(methylimino)bis(,
-dioctyl-acetamide)(MIDOA)と呼ばれる有機抽出剤が開発され、この抽出剤により酸化物負イオンM(VII)O
を効率的に水相から有機相へ抽出できることが明らかにされた。本研究ではその抽出メカニズムを解明するため、
H-NMR, EXAFS及び赤外分光法によりM(VII)O
とMIDOA錯体のスペクトルを測定し、理論計算との比較により錯体構造を調べた。その結果、MIDOAは有機相中においてプロトン付加体H
MIDOAになり、M(VII)O
はMIDOAと多点C-H
...O水相結合により相互作用してM(VII)O
...H
MIDOAという錯体を形成することにより、大きく安定化していることが明らかになった。
佐々木 祐二; 須郷 由美; 佐伯 盛久; 森田 泰治; 大橋 朗*
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 18, p.69 - 74, 2011/00
Tcの抽出剤、イミノビスジアルキルアミド(IDAA)を開発した。IDAAは中心骨格に酸素,窒素配位子を含み、ハイブリッド型の3座配位子である。メチルイミノビスジオクチルアセトアミド(MIDOA)やイミノビスジオクチルアセトアミド(IDOA)などの誘導体を合成し、これらは非常によくドデカンに溶解することがわかった。また、IDAAにより、Tc以外にRe, Cr, Mo, W, Pd, Puが抽出されることがわかった。Reを用いて抽出容量の測定を行ったが、0.1M MIDOAにより37mMものReが抽出されることが確認された。
細谷 孝明*; 植草 秀裕*; 大橋 裕二*; 大原 高志; 田中 伊知朗*; 新村 信雄*
Acta Crystallographica Section B; Structural Science, Crystal Engineering and Materials (Internet), 62(1), p.153 - 160, 2006/02
被引用回数:5 パーセンタイル:48.10(Chemistry, Multidisciplinary)N,N-dibenzyl-1-cyclohexenecarbothioamide(1)の単結晶に光を照射すると水素原子の転移が起こり、単結晶状態を保ったまま光学活性な-thiolactamが生成することが知られている。今回、この反応のメカニズムを明らかにするため、反応部位に標識として重水素原子を導入した(1)の単結晶を調製し、これに光を照射した後単結晶中性子構造解析を行って重水素原子がどこに移動したかを調べた。その結果、重水素原子は生成物のシクロヘキサン環に移動し、キラルメチレン基(-C
HD-)を形成していた。このキラルメチレン基の絶対配置から、水素原子の移動が分子内で起こることで反応が進行することが明らかとなった。
坂田 修身*; 古川 行人*; 後藤 俊治*; 望月 哲朗*; 宇留賀 朋哉*; 竹下 邦和*; 大橋 治彦*; 大端 通*; 松下 智裕*; 高橋 直*; et al.
Surface Review and Letters, 10(2&3), p.543 - 547, 2003/04
被引用回数:143 パーセンタイル:96.28(Chemistry, Physical)SPring-8に建設された表面界面の結晶構造決定用の新しいビームラインのあらましを述べる。ビームライン分光器のステージは、X線による表面研究のために、強度がより安定になるよう改造を施した。X線エネルギーの関数として、絶対光子密度を測定した。新しい超高真空装置、並びに、それを用いて得られたPt(111)上の酸素分子吸着構造のX線回折測定の結果を紹介する。
文沢 元雄; 稲葉 良知; 辻 延昌*; 大橋 一孝*; 井出 朗*; 竹中 豊*
日本機械学会第6回動力・エネルギー技術シンポジウム'98講演論文集, p.100 - 105, 1998/00
本研究では、高温ガス炉を用いた核熱利用システムの効率向上を目的として、実用規模システムでの水蒸気改質器の性能を検討してきた。すなわち、実用規模水蒸気改質器で可変量(温度、圧力、流量)よりメタン転換率などの特性を評価した。本水蒸気改質器の特徴は改質管外面を突起付き構造とし、伝熱促進を図ったこと及びインナーチューブによる改質管内面からの触媒層再加熱を図ったことである。解析の結果、伝熱促進構造を採用するとメタン転換率は約4%増加し、インナーチューブの効果はメタン転換率が1.4%の増加となることがわかった。
春名 勝次*; 前田 裕司; 大橋 一利*; 小池 卓朗*
J. Phys., C, 20(32), p.5275 - 5279, 1987/11
InP単結晶の格子定数の温度依存性を4.2~300Kの温度領域でX線によるBond法により精密に測定を行なった。
佐々木 祐二
折山 剛*; 大橋 朗*
【課題】高レベル放射性廃液からのPD、TC、PD、MO、PUを抽出するための抽出剤として用いることができるメチルイミノ-N,N-ジアルキルアセトアミドを安全かつ効率的に製造することができる方法を提供する。 【解決手段】メチルイミノ2酢酸とメチルイミダゾールとを脱水ジクロロメタン中で混合し、氷温下でP-トルエンスルホニルクロライドを添加して、メチルイミノ2酢酸のイミダゾール化合物を中間体として得て、当該中間体に2級アミンを添加して、下記一般式(I)(化学式のため省略)(式中、Rは炭素数が2個~12個のアルキル基を示す)で表されるメチルイミノ-N,N-ジアルキルアセトアミドを得る。
佐々木 祐二
折山 剛*; 大橋 朗*
L'invention concerne un procede permettant de produire en toute securite et de maniere efficace des methylimino-N,N-dialkylacetamides. Les methyliminio-N,N-dialkylacetamides peuvent être utilises comme substance d'extraction pour extraire le Pd, le Tc, le Mo et le Pu contenus dans un dechet liquide hautement radioactif. L'invention concerne egalement un methyliminio-N,N-dialkylacetamide represente par la formule generale (I) : CH - N - (CH CON (R) ) ....(I) (dans laquelle, R est un groupe alkyle contenant de 2 a 12 carbones), qui est obtenu par le melange de l'acide methyliminodiacetique et du methylimidazole dans du dichloromethane anhydre, l'ajout de chlorure de p-toluenesulfonyle pour obtenir, comme intermediaire, un compose d'imidazole ayant reagi avec l'acide methyliminodiacetique et l'ajout d'une amine secondaire a cet intermediaire.
下条 晃司郎; 矢部 誠人; 岡村 浩之; 大橋 朗*; 長縄 弘親
no journal, ,
本研究では、大環状化合物であるカリックス[4]アレーンにジグリコールアミド酸(DGAA)を導入した新規抽出剤(tBu[4]DGAA)を合成し、ランタノイドの抽出実験を行った。また、環状構造ではない単量体ドデシルジグリコールアミド酸(C12DGAA)を合成し、tBu[4]DGAAと抽出分離能を比較した。C12DGAAはランタノイドをpH 4以上で定量的に抽出するが、ランタノイド間の分離能が小さかった。一方、tBu[4]DGAAは中・重希土をpH 1.5以上で、軽希土をpH 2.5以上で定量的に抽出可能であり、C12DGAAに比べて大幅に抽出能が向上した。また、tBu[4]DGAAは重希土中希土
軽希土の順に選択性を示し、C12DGAAに比べて分離能も向上した。このような抽出能および分離能の増大は、環状構造によるキレート効果およびサイズ認識効果に起因していることが示唆される。
下条 晃司郎; 中井 綾香*; 大橋 朗*; 長縄 弘親
no journal, ,
水銀イオンは生物の体内に濃縮されやすい特徴をもつため、微量濃度でも環境に放出されれば人体に悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、水銀イオンを選択的かつ高感度に検出するセンサーの開発が望まれている。一方、金ナノ粒子は粒径に依存して色が変化する分光学的性質を有している。この金ナノ粒子表面に配位子を固定化することで、特定の金属イオンに応答する比色センサーが開発されている。一般的に、配位子固定化金ナノ粒子の合成は、クエン酸還元により金ナノ粒子を合成するステップとチオール基を介して配位子を固定化するステップの2ステップから構成され、より簡便かつ迅速な合成手法が望まれている。本研究では金に対して高い結合能を有するA3ペプチドとジグリコールアミド酸(DGAA)配位子を融合し、金イオンと反応させることで、金ナノ粒子の合成と配位子の固定化を1ステップで行う手法を検討した。さらに、DGAAと水銀イオンの結合を介して金ナノ粒子の凝集を誘発し、粒径増加に伴う色変化によって水銀イオンを高感度に検出する比色センサーの開発を行った。
矢部 誠人; 岡村 浩之; 西連地 志穂; 大橋 朗*; 長縄 弘親; 下条 晃司郎
no journal, ,
ジグリコールアミド酸(DGAA)型抽出剤を開発し、ランタノイド(Ln(III))に対して高い抽出分離能を示すことを報告した。本研究では、より高い抽出分離能を有する抽出剤を開発するために、カリックス[4]アレーンにDGAA部位を導入した新規抽出剤(Bu[4]DGAA)を合成し、ランタノイドの抽出実験を行った。また、環状構造ではない単量体ドデシルジグリコールアミド酸(C
DGAA)を合成し、
Bu[4]DGAAと抽出分離能を比較した。さらに、金属錯体の蛍光寿命と
H NMRを測定し、錯体構造について検討した。
Bu[4]DGAAおよびC
DGAAを用いたランタノイドの抽出におけるpH依存性を調べたところ、C
DGAAはランタノイドをpH4以上で定量的に抽出するが、ランタノイド間の分離能が小さいことがわかった。一方、
Bu[4]DGAAは中・重希土をpH 1.5以上で、軽希土をpH2.5以上で定量的に抽出可能であり、C
DGAAに比べて大幅に抽出能と分離能が向上した。またスロープ解析から、
Bu[4]DGAAおよびC
DGAAによる抽出平衡式(それぞれ、Ln
+
Bu[4]DGAA
Ln(
Bu[4]DGAA) + 3H
, Ln
+ 3C
DGAA
Ln(C
DGAA)
+ 3H
)が明らかとなった。さらに、金属錯体の蛍光寿命から水和数がゼロであり、
H NMR測定からDGAA部位のエーテル,カルボン酸がランタノイドに結合していることが示唆された。
矢部 誠人; 藤原 伊織; 岡村 浩之; 西連地 志穂; 大橋 朗*; 長縄 弘親; 下条 晃司郎
no journal, ,
溶媒抽出において、目的金属イオンの抽出分離効率を向上させるために、様々な抽出剤が開発されている。以前、我々はジグリコールアミド酸(DGAA)型抽出剤を開発し、ランタノイドLn(III)に対して高い抽出分離能を示すことを報告した。本研究では、より高い抽出分離能を有する抽出剤を開発するために、カリックス[4]アレーンにDGAA部位を導入した新規抽出剤(tBu[4]DGAA)を合成し、ランタノイドの抽出実験を行った。また、環状構造ではない単量体ドデシルジグリコールアミド酸(C12DGAA)を合成し、tBu[4]DGAAと抽出分離能を比較した。さらに、金属錯体の蛍光寿命と1 H NMRを測定し、錯体構造について検討した。その結果、C12DGAAはランタノイドを定量的に抽出するが、ランタノイド間の分離能が小さかった。一方、tBu[4]DGAAはC12DGAAに比べて大幅に抽出分離能が向上した。
下条 晃司郎; 矢部 誠人*; 杉田 剛; 岡村 浩之; 大橋 朗*; 長縄 弘親
no journal, ,
溶媒抽出法は有価金属の回収や有害金属の除去といった様々な金属イオンの分離において有効な技術である。溶媒抽出法では、使用する抽出剤が分離効率の鍵を握るため、これまで様々な抽出剤が開発されてきた。しかしながら、そのほとんどが学術的な機能を重視し、製造コストやアルカン溶媒への溶解性に問題を抱えているため、実用化された例は皆無である。以前、我々はモノアミドとカルボン酸をエーテルで連結したジグリコールアミド酸型抽出剤(DODGAA)を安価に製造し、工業用抽出剤より優れた抽出分離能を有することを報告した。本研究では、さらに抽出分離能を改善するため、ジアミドとカルボン酸を窒素ドナーで連結した新規抽出剤(TONTADA)を合成し、抽出特性を調査した。その結果、TONTADAはDODGAAに比べて、卑金属からCu(II), Ni(II), Co(II)のような有価金属を選択的に抽出可能であることを明らかにした。
下条 晃司郎; 杉田 剛; 矢部 誠人*; 岡村 浩之; 大橋 朗*; 長縄 弘親
no journal, ,
溶媒抽出法は有価金属の回収や有害金属の除去といった様々な金属イオンの分離において有効な技術である。以前、我々はモノアミドとカルボン酸をエーテルで連結したジグリコールアミド酸型抽出剤(DODGAA)を安価に製造し、工業用抽出剤より優れた抽出分離能を有することを報告した。本研究では、さらに抽出分離能を改善するため、ジアミドとカルボン酸を窒素ドナーで連結した新規抽出剤(TONTADA)を合成し、56種の金属に対する抽出特性を網羅的に調査した。その結果、TONTADAはDODGAAや市販抽出剤に比べてSc(III), Cu(II), Ni(II), Co(II), In(III), Ga(III), Hg(II), 白金族金属, Hf(IV), V(V), Mo, W(VI), Re(VII)など様々なレアメタルに対して高い抽出分離能を示した。
下条 晃司郎; 中井 綾香*; 大橋 朗*; 長縄 弘親
no journal, ,
水銀イオンは生物の体内に濃縮されやすい特徴をもつため、微量濃度でも環境に放出されれば人体に悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、水銀イオンを選択的かつ高感度に検出するセンサーの開発が望まれている。一方、金ナノ粒子は粒径に依存して色が変化する分光学的性質を有している。この金ナノ粒子表面に配位子を固定化することで、特定の金属イオンに応答する比色センサーが開発されている。一般的に、配位子固定化金ナノ粒子の合成は、クエン酸還元により金ナノ粒子を合成するステップとチオール基を介して配位子を固定化するステップの2ステップから構成され、より簡便かつ迅速な合成手法が望まれている。本研究では金に対して高い結合能を有するA3ペプチドとジグリコールアミド酸(DGAA)配位子を融合し、金イオンと反応させることで、金ナノ粒子の合成と配位子の固定化を1ステップで行う手法を検討した。さらに、DGAAと水銀イオンの結合を介して金ナノ粒子の凝集を誘発し、粒径増加に伴う色変化によって水銀イオンを高感度に検出する比色センサーの開発を行った。