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西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; 牧井 宏之; Orlandi, R.; Kean, K. R.*; 塚田 和明; 豊嶋 厚史*; 浅井 雅人; 佐藤 哲也; Chiera, N. M.*; et al.
Physical Review C, 111(4), p.044609_1 - 044609_12, 2025/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)In spontaneous fission (SF) it is found that the mass-asymmetric fission of well-known actinides suddenly changes to the symmetric fission when nucleus has a mass number larger than 257. We have measured for the first time fission-fragment mass and total-kinetic-energy (TKE) distributions of the excited compound nucleus
Md, populated in the reaction
He+
Es, using the rare isotope
Es with a short half-life,
=276 days. The fission of
Md can be interpreted as involving 3 fission modes: an mass-asymmetric mode and two modes of mass-asymmetric fissions, the latter two are manifested by different TKE values. Predominantly symmetric fission was obtained at the excitation energy of 15.0 MeV. By increasing the energy to 18.0 MeV, the asymmetric fission mode dominates. Both such a strong change of fission modes within a small increase of excitation energy and the enhancement of asymmetric split are new phenomena in fission.
仲田 久和; 出雲 沙理; 岡田 翔太; 坂井 章浩
JAEA-Technology 2024-010, 65 Pages, 2024/10
日本原子力研究開発機構は、研究施設等廃棄物のトレンチ埋設施設の設置を計画している。「核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の第二種廃棄物埋設の事業に関する規則」における同施設の技術上の基準では、「廃棄物埋設地は、土砂等を充填することにより、当該廃棄物埋設地の埋設が終了した後において当該廃棄物埋設地の安全機能を損なうおそれのある空隙が残らないように措置すること」が定められている。トレンチ埋設施設に埋設する廃棄物を鋼製角型容器に収納する場合、容器内に空隙が残るため、その空隙を十分に低減する措置を施す必要がある。鋼製角型容器内の空隙を低減させるため、砂質土を充填する方法を検討した。模擬廃棄物を鋼製角型容器に収納し、鋼製角型容器を加速・振動(加振)させながら収納廃棄物の間隙に砂質土を充填し、充填が終了したときの角型容器内の空隙量を評価し、加振条件毎(19ケース)に空隙率を算出した。その結果、埋設事業センターが暫定の廃棄物の受入基準としている、容器内の空隙率を体積割合で20%以下とできる見通しが得られた。実際に砂質土の充填によって放射性廃棄物を収納した鋼製角型容器内の空隙の低減を行う際には、実機や使用する角型容器を用いて加振充填試験を行い、容器内への充填性の確認や、加振機の運転条件を定める必要がある。本報告書は、その際の試験内容、手順を説明するものとしてまとめたものである。
加藤 浩之*; 室山 瑞穂*; 小早川 なの*; 棟安 陸*; 津田 泰孝; 村瀬 菜摘*; 渡部 誠也*; 山田 剛司*; 兼松 佑典*; 立川 仁典*; et al.
Journal of Physical Chemistry Letters (Internet), 15(43), p.10769 - 10776, 2024/10
被引用回数:1 パーセンタイル:37.13(Chemistry, Physical)The charge transfer capability associated with chemical reactions at metal-organic interfaces was studied via the atomic H addition reaction for an imidazole-terminated alkanethiolate self-assembled monolayer (Im-SAM) film on Au(111) using near-edge X-ray absorption fine structure (NEXAFS) spectroscopy, infrared reflection absorption spectroscopy (IRAS), work function measurements, and density functional theory (DFT) calculations. The imidazolium cation is a stable species in liquids, therefore, it is pertinent to determine whether the hydrogenation reactions of the imidazole groups produce imidazolium cations accompanied by electron transfer to the Au substrate, even in the absence of solvate and/or counterions on the insulating alkanethiolate layer. The analyses indicated that the imidazolium moieties in Im-SAM formed during atomic H irradiation, and some of the imidazolium radicals became cations. Theoretical model calculations also revealed that the total energies and molecular orbital levels satisfied the imidazolium cation formation associated with electron transfer.
蓬田 匠; 橋本 直; 奥村 拓馬*; 山田 真也*; 竜野 秀行*; 野田 博文*; 早川 亮大*; 岡田 信二*; 高取 沙悠理*; 磯部 忠昭*; et al.
Analyst, 149(10), p.2932 - 2941, 2024/03
被引用回数:1 パーセンタイル:34.56(Chemistry, Analytical)本研究では、ウラン鉱山より採取した黒雲母に含まれるUの分布状態と化学種を分析するため、超電導転移端センサー(TES)をマイクロビーム蛍光X線分光分析時の検出器として用いる手法を開発した。通常のシリコンドリフト検出器(SDD)の約220eVのエネルギー分解能の蛍光X線スペクトルでは、13.615keVのU L線の蛍光X線と13.395keVのRb K
線の蛍光X線を分離することは困難であった。一方、TESを用いることにより13keVのエネルギー領域で50eVのエネルギー分解能が達成され、U L
とRb K
の蛍光X線を完全に分離することができた。このTESを用いたピーク分離により、マイクロ蛍光X線分析における微量Uの正確なマッピング解析と、マイクロX線吸収端近傍構造分光における信号対バックグラウンド比の減少を達成できた。
仲田 久和; 岡田 翔太; 天澤 弘也; 坂井 章浩
JAEA-Technology 2023-021, 31 Pages, 2024/01
日本原子力研究開発機構(原子力機構)が設置を計画している浅地中埋設処分施設(ピット処分及びトレンチ処分)に埋設する廃棄体は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の第二種廃棄物埋設の事業に関する規則に規定された技術基準に適合していることが求められる。同技術基準では、令和元年の核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物の第二種廃棄物埋設の事業に関する規則の改正において、「廃棄物埋設地に定置するまでの間に想定される最大の高さからの落下による衝撃により飛散又は漏えいする放射性物質の量が極めて少ないこと。」が新たに規定された。このため、事業者は、廃棄体が落下した際に、廃棄体から飛散及び漏えいする放射性物質の量を評価することにより、同技術基準への適合性を示すことが必要となる。本報告書では、原子力機構が設置を計画している埋設施設のうち、ピット埋設施設に埋設する廃棄体を対象とした。廃棄体の種類は、鋼製角型容器に金属廃棄物を収納しモルタルで固型化した形態の廃棄体で、これをモデル化して、埋設するまでの間に想定される最大の高さ(8m)から落下させるシミュレーション解析を行い、落下時の飛散率を評価した。この評価結果に基づき、角型容器を使用した廃棄体の製作方法やその受入基準に係る留意事項を検討した。
岡田 翔太; 村上 昌史; 河内山 真美; 出雲 沙理; 坂井 章浩
JAEA-Testing 2022-002, 66 Pages, 2022/08
日本原子力研究開発機構は、我が国の研究施設等から発生する低レベル放射性廃棄物の埋設事業の実施主体である。これらの廃棄物中の放射能濃度は、廃棄物埋設地の設計や埋設事業の許可申請をする上で必要な廃棄物情報である。埋設事業の処分対象となる廃棄物は、施設の解体に伴って発生する解体廃棄物が多くを占めている。このため、埋設事業センターでは、試験研究用原子炉の解体廃棄物を対象として、理論計算法による放射能濃度の評価手順の検討を行い、試験研究用原子炉に共通的な評価手順についてとりまとめた。本書で示す手順は、放射化計算により放射能インベントリを決定し、その妥当性を評価した後、処分区分の判定並びに処分区分毎の総放射能及び最大放射能濃度を整理するというものである。放射能インベントリの決定においては、まず2次元又は3次元の中性子輸送計算コードを用いて原子炉施設の各領域における中性子束及びエネルギースペクトルを計算する。その後、それらの計算結果に基づき、放射化計算コードを用いて、140核種を対象として放射化放射能を計算する。本書では、中性子輸送計算コードとして、2次元離散座標計算コードのDORT、3次元離散座標計算コードのTORT又はモンテカルロ計算コードのMCNPとPHITS、放射化計算コードとしてORIGEN-Sを使用することを推奨する。その他、利用を推奨する断面積データライブラリや計算条件等についても示す。評価手順のとりまとめに際しては、日本原子力研究開発機構外部の試験研究用原子炉の設置者と定期的に開催している会合において、各事業者が共通的に利用できるようについて意見交換を実施した。本書で示す手順は、今後の埋設事業の進捗や埋設事業に係る規制の状況等を反映して、適宜見直し及び修正をしていく予定である。
佐久間 康太; 阿部 大智*; 岡田 翔太; 菅谷 敏克; 仲田 久和; 坂井 章浩
JAEA-Technology 2022-013, 200 Pages, 2022/08
我々は、研究施設等廃棄物の埋設処分に向けて、トレンチ処分及びピット処分の区分や重要核種を選定する際の参考値とするために、廃棄物に含まれる可能性のある放射性核種について、トレンチ処分及びピット処分における基準線量相当濃度の試算を行っている。前報である「研究施設等廃棄物の浅地中処分のための基準線量相当濃度の検討(その1)」では、原子力安全委員会がトレンチ処分及びピット処分の濃度上限値を算出した手法を基に、廃棄物埋設施設の立地環境を幅広く想定して中深度処分の被ばく経路等を対象に基準線量相当濃度の試算を行った。本報告書は、ピット処分の廃棄物埋設施設からの浸出水量の感度解析評価の結果を用いるとともに、埋設地の条件を幅広く想定した新たな評価経路及び被ばく形態を取り入れて、ピット処分の基準線量相当濃度の試算を行い、前報との比較を行ったものである。なお、本報告書で試算した基準線量相当濃度の結果は、立地場所が決定していない段階でのピット処分の区分や重要核種を選定する際の参考値として用いることを考えているため、今後、立地場所の決定後に立地条件を踏まえて線量評価を行う必要がある。
熊添 博之*; 五十嵐 康彦*; Iesari, F.*; 清水 亮太*; 小松 遊矢*; 一杉 太郎*; 松村 大樹; 齋藤 寛之*; 岩満 一功*; 岡島 敏浩*; et al.
AIP Advances (Internet), 11(12), p.125013_1 - 125013_5, 2021/12
被引用回数:4 パーセンタイル:23.69(Nanoscience & Nanotechnology)This letter presents a Bayesian sparse modeling method to analyze extended X-ray absorption fine structure (EXAFS) data with basis functions built on two-body signals. This method allows us to evaluate regression coefficients proportional to the radial distribution functions of the respective elements and their errors and is very effective for analysis of EXAFS with weak absorption intensity and severe signal-to-noise ratio. As an application example, we used it to analyze EXAFS of an yttrium oxyhydride (YOH
) epitaxial thin film. This EXAFS data shows weak absorption intensity due to the small amount of X-ray absorption in the thin film sample. However, this approach revealed that the radial distance ratio of the second neighbor yttrium to the first neighbor oxygen coincides with that of a tetrahedral configuration. This result demonstrates that the interstitial oxygen position is tetrahedral in the YO
H
thin film.
奥津 賢一*; 山下 琢磨*; 木野 康志*; 中島 良太*; 宮下 湖南*; 安田 和弘*; 岡田 信二*; 佐藤 元泰*; 岡 壽崇; 河村 成肇*; et al.
Fusion Engineering and Design, 170, p.112712_1 - 112712_4, 2021/09
被引用回数:3 パーセンタイル:30.71(Nuclear Science & Technology)水素同位体を利用したミュオン触媒核融合(CF)では、核融合によって2.2
sの寿命を持つミュオンが再放出され、それが次の標的と新たな核融合を引き起こす。我々は、水素・重水素混合固体から放出されたミュオンを収集して輸送する同軸輸送管を新たに開発し、輸送のための加速電圧などについて検討したので報告する。
山下 琢磨*; 奥津 賢一*; 木野 康志*; 中島 良太*; 宮下 湖南*; 安田 和弘*; 岡田 信二*; 佐藤 元泰*; 岡 壽崇; 河村 成肇*; et al.
Fusion Engineering and Design, 169, p.112580_1 - 112580_5, 2021/08
被引用回数:3 パーセンタイル:30.71(Nuclear Science & Technology)重水素・三重水素混合固体標的に負ミュオン()を入射し、ミュオン触媒核融合反応(
CF)の時間発展をルンゲクッタ法によって計算した。核融合によって生成する中性子の強度や、固体標的から真空中に放出されるミュオン量を最大化する三重水素含有率を明らかにした。
奥村 拓馬*; 東 俊行*; Bennet, D. A.*; Caradonna, P.*; Chiu, I.-H.*; Doriese, W. B.*; Durkin, M. S.*; Fowler, J. W.*; Gard, J. D.*; 橋本 直; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 31(5), p.2101704_1 - 2101704_4, 2021/08
被引用回数:3 パーセンタイル:13.80(Engineering, Electrical & Electronic)超伝導転移端センサー(TES)マイクロ熱量計は、優れたエネルギー分解能と高い効率を持った、加速器施設での実験に理想的なX線検出器である。高強度パルス荷電粒子ビームを用いたTES検出器の性能を研究するために、日本の陽子加速器研究施設(J-PARC)でパルスミュオンビームを用いてX線スペクトルを測定した。X線エネルギーの実質的な時間的シフトがパルスミュオンビームの到着時間と相関していることを発見した。これは、最初のパルスビームからのエネルギー粒子の入射によるパルスパイルアップによって合理的に説明された。
河内山 真美; 岡田 翔太; 坂井 章浩
JAEA-Technology 2021-010, 61 Pages, 2021/07
原子炉施設の解体廃棄物の浅地中処分にあたっては、廃棄物中の放射能インベントリを評価することが必要である。本報では、JPDRの解体で発生した生体遮蔽コンクリートのうち炉心に近い部分について、浅地中処分のための放射能評価手法を検討するとともに、埋設処分の際の処分区分を判断するために、計算による放射能評価を行った。本計算では、中性子/光子輸送計算コードDORTと核種生成消滅計算コードORIGEN-Sを用いて放射化放射能計算を行い、対象コンクリートの放射能濃度を評価した。DORT計算ではJENDL-4.0から作成されたMATXSLIB-J40ファイルから断面積ライブラリを作成し、ORIEGN-Sでは、SCALE6.0付属の断面積ライブラリを用いた。評価した放射能濃度を過去の報告書における測定値と比較したところ、半径方向においては数倍程度高い場所があったものの全体的に傾向が一致しており、垂直方向においては大変よく一致することが確認できた。また、対象コンクリート廃棄物の平均放射能濃度Di(Bq/t)と浅地中処分で評価対象とされている140核種に対する基準線量相当濃度の試算値Ci(Bq/t)を比較評価した結果、対象コンクリート廃棄物は全体の約2%を除けばトレンチ処分が可能であると見通しが得られた。さらに、核種毎の相対重要度(Di/Ci)から、トレンチ処分における重要核種を予備的に選定した結果、H-3, C-14, Cl-36, Ca-41, Co-60, Sr-90, Eu-152, Cs-137の8核種を重要核種として選定した。
奥村 拓馬*; 東 俊行*; Bennet, D. A.*; Caradonna, P.*; Chiu, I. H.*; Doriese, W. B.*; Durkin, M. S.*; Fowler, J. W.*; Gard, J. D.*; 橋本 直; et al.
Physical Review Letters, 127(5), p.053001_1 - 053001_7, 2021/07
被引用回数:18 パーセンタイル:76.09(Physics, Multidisciplinary)超伝導遷移エッジ型センサーマイクロカロリメーターを用いて、鉄のミュー原子から放出される電子X線を観測した。FWHMでの5.2eVのエネルギー分解能により、電子特性
および
X線の非対称の広いプロファイルを約6keVの超衛星線
線とともに観察することができた。このスペクトルは、電子のサイドフィードを伴う、負ミュオンと
殻電子による核電荷の時間依存スクリーニングを反映している。シミュレーションによると、このデータは電子
殻および
殻の正孔生成と、ミュオンカスケードプロセス中のそれらの時間発展を明確に示している。
中川 明憲; 及川 敦; 村上 昌史; 吉田 幸彦; 佐々木 紀樹; 岡田 翔太; 仲田 久和; 菅谷 敏克; 坂井 章浩; 坂本 義昭
JAEA-Technology 2021-006, 186 Pages, 2021/06
日本原子力研究開発機構が保管する放射性廃棄物のうち、一部の放射性廃棄物については過去に未分別のまま圧縮等の処理が行われていた。このため、埋設処分に向けて圧縮されたものを分解して確認する等の作業に多くの時間が必要であると想定され、放射性廃棄物の早期のリスク低減を行う方策について、廃棄物処理及び埋設処分の2つの観点から検討を実施した。前処理,処理及び固型化といった廃棄物処理作業の中で時間を要している工程を分析し、放射能濃度評価、有害物等の分別、及び可燃物の分別といった課題を抽出した。放射能濃度評価に関しては、保守的な核種組成比と非破壊線測定による廃棄体中の放射能濃度評価方法の検討、及びトレンチ埋設施設構造の高度化を図るとともに、評価対象核種の選定に一定の基準を設定することにより、評価対象核種を絞り込める可能性があることを明らかにした。有害物等の分別に関しては、非破壊検査と記録・有害物使用状況等による分別の要否の確認により、分別作業を大幅に削減できる見込みが得られた。また、廃棄物から地下水中に移行した重金属による地下水中濃度を評価し、水質に関する環境基準を遵守可能な廃棄体中に含有される濃度として受入基準を提示した。可燃物の分別に関しては、埋設施設内空隙増加による陥没の影響を評価し、覆土での事前対応が可能な可燃物含有量を評価するとともに、非破壊検査による可燃物量の確認と、解体で発生するコンクリートのような可燃物含有量が少ない廃棄物との混合埋設により、埋設処分場内の廃棄物層の平均的な可燃物の含有割合を20vol%とする定置管理を行い、分別作業を不要にできる見込みが得られた。原子力科学研究所の圧縮体を例に、これらの方策を施すことによる廃棄物処理加速の効果についての評価を実施し、廃棄物の分別処理作業を約5倍加速できる見込みが得られた。今後、検討した対策の実現に向けた対応を進める。
菅谷 敏克; 阿部 大智*; 岡田 翔太; 仲田 久和; 坂井 章浩
JAEA-Technology 2021-004, 79 Pages, 2021/05
研究施設等廃棄物の埋設処分に向けて、廃棄体等のトレンチ処分及びピット処分への区分や、重要核種を選定する際の参照値とするため、研究施設等廃棄物に含まれる可能性のある220核種について、トレンチ処分及びピット処分における基準線量相当濃度を試算した。基準線量相当濃度の試算に当たっては、廃棄物埋設施設の立地場所は様々な環境が考えられるため、原子力安全委員会がトレンチ処分及びピット処分の濃度上限値を算出するために用いられた被ばく経路に追加して、中深度処分で想定されている被ばく経路も追加した。また、埋設処分場の規模を、現在想定しているトレンチ処分約53万本、ピット処分約22万本を対象として設定した。本報告書で試算した基準線量相当濃度の結果は、立地場所が決定していない段階での廃棄体等のトレンチ処分及びピット処分への区分や、重要核種を選定する際の参照値として用いることを考えている。また、今後の処分施設のバリア機能の設置などの検討を考慮して、基準線量相当濃度の値を見直すこととする。なお、今後、立地場所の決定後、立地条件を踏まえて線量評価を行い、事業許可申請書に記載する廃棄体等の放射能及び放射能濃度を決定することとなる。
西村 嵐; 岡田 祐次; 菅谷 直人; 園部 博; 木村 伸明; 木村 明博; 塙 善雄; 根本 浩喜
JAEA-Technology 2021-003, 51 Pages, 2021/05
材料試験炉(JMTR)では、平成26年度に液体廃棄物の廃棄設備であるタンクヤードにおいて、廃液配管及び廃液タンクからの放射性廃液の漏えい事象が発生した。本事象に対応するため、平成28年に設計及び工事の方法の認可(設工認)を取得し、平成28年から令和元年にかけてタンクヤード内の廃液タンク,廃液配管,主要弁等の取替工事を行った。取替工事において、廃液タンク及び廃液配管は、試験研究用原子炉施設に関する構造等の技術基準(試験炉技術基準)に基づき、それぞれ、第4種容器,第4種管として製作することが可能であったが、廃液系統の構成に必要となるボール弁,玉形弁及び逆止弁(主要弁)は試験炉技術基準において機器区分外であった。このため、主要弁の製作にあたっては、準用する基準及び検査を設定する必要があった。当該主要弁の製作にあたって準用する基準は、発電用原子炉施設の工事計画に係る手続きガイドから発電用原子力設備規格設計・建設規格(JSMESNC1-2012)のクラス3を設定した。準用する検査は、製作にあたって準用する基準JSMESNC1-2012のクラス3から、原子力発電所用バルブの検査を設定した。主要弁の準用する基準及び検査を設定した後、規制当局へ基準の考え方を説明し、主要弁の製作に着手した。製作した主要弁は、基準に則った検査を実施し、仕様を満足するとともに、廃液タンク及び廃液配管とともに据付け、廃液系統として最終的な検査に合格した。本報告書は、機器区分外である主要弁に対し、準用する基準及び検査の設定の考え方とともに、主要弁の製作にあたっては、使用する流体の性質に合わせた弁座,弁体,グランドパッキンの材質の設定、また、JMTRで発生した玉形弁に関する不具合事象への対策として、玉形弁の弁体と弁棒の接続方法の見直し、それら主要弁の設計,製作,検査及び据付けについてまとめたものである。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:60 パーセンタイル:96.18(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200
Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
矢田 隆一*; 前中 一介*; 宮本 修治*; 岡田 豪*; 笹倉 亜規*; 芦田 基*; 足立 真士*; 佐藤 達彦; Wang, T.*; 赤坂 浩亮*; et al.
Medical Physics, 47(10), p.5235 - 5249, 2020/10
被引用回数:9 パーセンタイル:50.10(Radiology, Nuclear Medicine & Medical Imaging)光ファイバーとマイクロサイズ光刺激蛍光体を組み合わせた定位放射線治療のためのリアルタイム体内線量評価システムを開発した。開発したシステムの線量応答の線形性,線量率依存性,温度依存性などを医療用Linacを用いて検証した。また、測定値と粒子・重イオン輸送計算コードPHITSによる計算値を比較し、その妥当性を確認した。これらの結果より、開発したシステムが定位放射線治療のリアルタイム体内線量評価システムとして十分な性能を有することを確認した。
菅谷 直人; 岡田 祐次; 西村 嵐; 園部 博; 木村 伸明; 木村 明博; 塙 善雄; 根本 浩喜
JAEA-Testing 2020-004, 67 Pages, 2020/08
材料試験炉(JMTR)では、2014年度に液体廃棄物の廃棄設備であるタンクヤードにおいて、廃液配管及び廃液タンクからの放射性廃液の漏えい事象が発生した。本事象に対応するため、20162019年度にかけてタンクヤード内の廃液タンク, 廃液配管等の取替え工事を行った。一方、本取替え工事において、廃液配管等の支持構造物である大型サポート(架構造型サポート)の据付け時にタンクヤード躯体コンクリート壁面に複数のひび割れが発生した。このため、ひび割れが発生したコンクリート壁面の補修が必要となった。特に、架構造型サポートを固定する一部の基礎ボルト(あと施工接着系アンカーボルト)周辺部では、隆起を伴うひび割れ(コーン状破壊)が観測された。コンクリート壁のコーン状破壊部における補修工法は規格化されているが、補修後にあと施工接着系アンカーボルトを打設するための妥当性を確認する強度基準は存在しなかった。本報告書は、コンクリート壁面のコーン状破壊部の補修工法として断面修復工法の選定及びあと施工接着系アンカーボルトの強度基準の設定をし、タンクヤードと同類の鉄筋コンクリート造である既設建家を用いて、コーン状破壊部を模擬し、選定した断面修復工法により補修した壁面にあと施工接着系アンカーボルトを打設後、あと施工接着系アンカーボルトの引張試験を行い、設定した強度基準との比較により、補修工法の妥当性評価についてまとめたものである。この試験結果から、本補修工法による、タンクヤード躯体コンクリート壁面におけるコーン状破壊部の補修に資した。
石川 貴嗣*; 藤村 寿子*; 深澤 宏司*; 橋本 亮*; He, Q.*; 本多 佑記*; 保坂 淳; 岩田 高広*; 甲斐田 俊*; 笠木 治郎太*; et al.
Physical Review C, 101(5), p.052201_1 - 052201_6, 2020/05
被引用回数:4 パーセンタイル:36.67(Physics, Nuclear)Photoproduction of the omega meson on the proton has been experimentally studied near the threshold. The total cross sections are determined at incident energies ranging from 1.09 to 1.15 GeV. The 1/2 and 3/2 spin-averaged scattering length and effective range
between the CO meson and proton are estimated from the shape of the total cross section as a function of the incident photon energy:
= (-0.97
+
(0.07
) fm and
= (+2.78
) +
(-0.01
) fm, resulting in a repulsive force. The real and imaginary parts for
and
are determined separately for the first time. A small
-wave contribution does not affect the obtained values.