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横山 賢治; 庄野 彰*
International Handbook of Evaluated Reactor Physics Benchmark Experiments (CD-ROM), 223 Pages, 2010/03
OECD/NEAが進めている国際炉物理ベンチマークプロジェクト(IRPhEP)の一環として、高速実験炉「常陽」MK-I炉心の性能試験及び定格運転中に測定された8種類の核特性パラメータ(臨界性,制御棒価値,ナトリウムボイド反応度,燃料置換反応度,等温温度係数,燃焼反応度係数)の評価を行った。この評価ではIPPhEPの評価方針に従って、ノミナル値だけでなく実験誤差や解析モデル誤差を含めて全面的に再評価を行った。また、すべての評価は炉物理ベンチマーク問題としてまとめられており、解析モデルや核データの検証への利用が可能である。
横山 賢治; 庄野 彰*; 石川 眞
Nuclear Science and Engineering, 157(3), p.249 - 263, 2007/11
被引用回数:5 パーセンタイル:37.16(Nuclear Science & Technology)「常陽」MK-I性能試験で得られた1970年代後半の実験データを、原子力機構の最新の高速炉解析システムで解析して再評価した。高速炉の核設計精度向上を目的として、MK-I性能試験の後に得られた知見や最新の解析手法で得られた計算結果を用いて、ノミナル値及び誤差を再評価した。すべてのノミナル値は本論文で提案される制御棒干渉効果補正式を用いて補正された。また、考えられる誤差要因すべてを評価して定量化した。解析結果は、対象としたすべての核特性(臨界性,制御棒価値,ナトリウムボイド反応度,燃料置換反応度,等温温度係数)に対して、実験誤差及び核データ誤差の範囲内で測定値と一致した。
羽様 平; 庄野 彰*; 横山 賢治
Proceedings of American Nuclear Society Topical Meeting on Physics of Reactors (PHYSOR 2006) (CD-ROM), 10 Pages, 2006/09
「常陽」MK-I,重水臨界実験装置(DCA)で実施された炉物理実験を詳細評価し、ベンチマークデータとしてOECD/NEAの国際炉物理ベンチマーク実験(IRPhE: International Reactor Physics Benchmark Experiments)プロジェクトに登録した。ノミナル値の再評価だけでなく、幾何形状や組成など考え得る要因をすべて考慮した詳細な誤差評価を実施した。「常陽」MK-Iデータの評価では、臨界性,制御棒価値,ボイド反応度,燃料置換反応度,等温温度係数について再評価した。特に、反応度評価の鍵となる制御棒反応度価値については、干渉を効果を含めて詳細に解析した。世界的にも数少ない実機でのデータであり、高速炉設計の基盤データとして有用である。DCAデータの評価では、1.2%U燃料炉心で測定された臨界性,U熱外中性子捕獲反応率比,集合体内の熱中性子反応率比を評価した。データは集合体ピッチ2種類,冷却材ボイド反応率4種類の組合せでできる8体系について系統的に整理されており、核データの検証に有用である。
横山 賢治; 沼田 一幸*; 庄野 彰; 石川 真
JNC TN9400 2005-024, 372 Pages, 2005/05
「常陽」MK-I炉心は、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)を炉心燃料とし、炉心の周りには劣化ウランのブランケットで囲まれた典型的な高速増殖炉心である。「常陽」MK-I炉心には照射用の特殊燃料集合体等は装荷されておらず、炉物理的な解析評価に適したシンプルな炉心構成となっているため、ベンチマーク問題用のデータとして貴重なものとなる。この「常陽」MK-Iの性能試験データをOECD/NEAが推進する国際炉物理ベンチマーク実験(IRPhE: Interenational Reactor Physics Benchmark Experiments)プロジェクトに登録するために、最新の炉物理解析手法を用いて解析評価した。この解析評価にあたり、現在までに得られている知見や最新解析手法による計算結果を用いて当時の実験値のノミナル値及び実験誤差を再評価した。実験誤差の評価では測定誤差だけでなく組成誤差及び形状誤差も見直した。なお、実験誤差評価では、IRPhEの評価指針にしたがって統計誤差、系統誤差に分離して評価している。解析については1999年度に一度実施しているが、それ以降に改訂された炉定数、開発された超微細群格子計算コード等の最新解析手法を用いて、全面的に解析し直した。解析結果は、ベンチマーク問題に活用できるように、可能な限り解析モデルの違いに基づいた補正係数を分離して求めた。これらの補正係数から解析誤差を推定し評価した。更に、今回の再評価で得られたC/E値、解析誤差、実験誤差を用いて、炉定数調整計算をすることで従来得られている臨界実験データとの整合性評価も実施した。この結果、従来のデータとの整合性を確認し、また、U-235の遅発中性子データやB-10の捕獲断面積、O、Na、Fe等の軽核種の弾性散乱断面積の精度向上に関する情報が含まれていることも確認できた。今回得られた結果はIRPhEベンチマーク問題の整備だけでなく、次期統合炉定数の開発にも利用することができる。
羽様 平; 岩井 武彦*; 庄野 彰
JNC TN9400 2005-011, 114 Pages, 2004/10
現在ロシアでは高速炉BN-600で解体核を燃焼処分する計画が進められている。その計画を支援するため、BN-600への解体核装荷を模擬した実験とその解析(BFS臨界実験解析)をロシア物理エネルギー研究所との共同研究により実施した。本報告では、BFS臨界実験解析の最後に実施されたBFS-62-5及び66-1炉心の実験概要及びサイクル機構による解析結果について述べる。また、既報告のBFS-62-14炉心についてもこれまでの知見を反映して再解析し、一連の結果を整理した。BFS-62-5及び66-1炉心は、炉心中央へのMOX燃料の装荷や燃料領域上部へのNaプレナムの設置などウラン燃料を主体としたBFS-62-14炉心とは炉心構成が大きく異なるが、主要核特性についてBFS-62-14炉心と同様の良好な解析結果を得ることができた。安全評価のポイントであり、かつ炉心構成の影響を受けやすいNaボイド反応度についても核データに起因する誤差範囲内の精度で解析できており、今後のロシア解体核処分計画や日本における高速炉設計研究の信頼性向上に寄与するものと思われる。
庄野 彰; 羽様 平; 石川 真; Manturov, G.*
Proceedings of International Conference on the Physics of Fuel Cycles and Advanced Nuclear Systems; Global Developments (PHYSOR 2004), 95315 Pages, 2004/00
ロシア解体核処分方策の有力候補として検討されているBN-600ハイブリッド炉心の核設計パラメータの不確かさ評価結果を炉物理等に関する国際的な専門家会議(PHYSOR-2004)にて報告する。評価に際しては、IPPEとの共同研究によって取得したBFS-62炉心データをサイクル機構の解析システムで評価した結果も活用した。炉定数調整法の適用により核設計パラメータの不確かさが大幅に低減されること、BFSと他の高速炉の実験解析データ間に良好な整合性があること、不確かさ低減に寄与する断面積の特定と性質などを検討し、まとめた。
庄野 彰; 佐藤 若英*; 羽様 平; 岩井 武彦*; 石川 真
JNC TN9400 2003-074, 401 Pages, 2003/08
ロシア余剰核兵器解体プルトニウム処分協力の一環で実施したBFS-62体系の臨界実験解析結果を反映し、BN-600ハイブリッド炉心の核設計精度をサイクル機構の高速炉核特性解析システムを用いて評価した。 BN-600ハイブリッド炉心は、ロシアの高速炉発電所BN-600のU02燃料領域の一部をMOX燃料に、また外周のブランケット部をステンレス鋼反射体にそれぞれ置換して構成する。この炉心変更を模擬した一連の臨界実験体系(BFS-62-14体系)及び他の高速炉体系の実験解析結果をもとに、ベイズの定理に基づく炉定数調整法及びバイアス法を適用して上記炉心の核設計精度を評価した。評価した核特性は、臨界性、核分裂反応率分布、Naボイ度反応度、制御棒価値、燃焼欠損反応度等である。炉定数調整法の適用により、実験データを一切反映しない基本炉定数による場合に比べて、どの核特性についても核設計精度(予測誤差)を概ね半分以下に低減できることを確認した。精度の改善には鉄の弾性散乱断面積の共分散の低減が支配的な役割を果たしたが、これは比較的大きな出力密度を有しU235を主要な核分裂性物質とする燃料部をステンレス鋼反射体によって取り囲むBN-600ハイブリッド炉心の特徴に起因するものである。この他、BFSとZPPR等他の高速炉体系の実験解析結果が整合性を特つこと、及び核設計精度の改善にBFS-62体系の情報が有意に寄与したことを確認した。また、バイアス法は、BFS-62体系をモックアップ体系としてBN・600ハイブリッド炉心に適用する場合には、炉定数調整法に比べて精度改善効果が劣り、実験誤差が大きいもしくは感度係数の相違が大きな核特性についてはほとんど精度を改善できないことがわかった。
庄野 彰; Mantourov, G.
Nuclear Science and Engineering, 144(3), p.211 - 218, 2003/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)高速炉の臨界性解析結果に及ぼす日口の核デ-タライブラリの相違による影響を解析評価した。JUPITERシリ-ズの3炉心とBFS-62シリ-ズの4炉心について、拡散計算コ-ドCITATION-FBRによる3次元Hex-Z体系計算を行った。この結果、ABBN-93核デ-タライブラリを適用することによる臨界性への影響は、JUPITER炉心及びBFS-62炉心のうち燃料領域にPuを含む炉心(BFS-62-3及びBFS-62-4)の場合約0.3%であった。BFS-62炉心のうちUO2燃料炉心(BFS-62-1及びBFS-62-2)においては、核デ-タライブラリによる影響は約0.1%であった。感度解析により、この差異の主要因はウランと鉄の断面積であることがわかった。この他、種々の計算手法による補正項を算出し、解析誤差として見込むべき不確かさを評価した。
羽様 平; 佐藤 若英*; 石川 真; 庄野 彰
JNC TN9400 2003-035, 44 Pages, 2003/05
「多量のNpを種々の臨界集合体に添加したときの炉物理特性の変化に関する研究」としてロシアの物理エネルギー研究所(IPPE)と共同研究を実施している。その第1報としてBSF-67体系に関する実験情報とサイクル機構(JNC)の解析結果をまとめた。BFS-67体系ではNpの装荷量や装荷位置を変えた4種類の炉心について臨界性、Naボイド反応度、制御棒価値、反応率比などの核特性が測定されている。BFS-62臨界実験解析で実績のあるサイクル機構の標準解析手法で解析し、以下の結果を得た。(1)Naボイド反応度、制御棒反応度のNpの捕獲断面積に対する感度係数がU-238やPu-239と同程度に大きいことを確認した。本実験データはNp装荷炉心の核設計精度の向上に活用できるものであるといえる。(2)臨界性の解析では炉心の種類によらず同程度のC/E値 0.995が得られ、JNCの解析システムで本実験を高精度で解析できることを確認した。(3)Naボイド反応度の解析値は1cent以内で実験値と一致しており、Npを装荷した場合でも高精度で解析できることを確認した。(4)制御棒反応度の解析値は、濃縮BCの制御棒については実験誤差内で一致した。天然BCの制御棒については若干過大評価している。Npの装荷による影響は確認できない。(5)炉心中心反応率比の解析値は、核分裂反応率比について実験値と5%以内で一致した。捕獲反応率比については実験値との差異が10%近く、測定に用いられた放射化箔の位置を正確に反映させる必要がある。
庄野 彰; 千葉 豪; 沼田 一幸*
JNC TN9400 2002-062, 39 Pages, 2002/11
平成13年度の高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究(以下、「実用化戦略調査研究」と記す)の炉心核特性の検討においては、JENDL-3.2ベースの高速炉用70群炉定数JFS-3-J3.2を種々の臨界実験解析結果によって調整した統合炉定数ADJ2000(70群構造、2001年6月に公開)が使用された。ADJ2000を使用して得られる核特性計算値には、JFS-3-J3.2作成時に使用された重み関数(中性子スペクトル)が検討対象炉心の真の値と異なることによる影響(以下、「炉定数効果」と記す)が含まれているので、より確度の高い設計検討を行うためには炉心概念や核特性によって異なる炉定数効果を考慮する必要がある。本報告書には、実用化戦略調査研究で検討されている下記8種類の高速炉炉心概念について炉定数効果を評価した結果を示す。評価対象とした核特性は、臨界性、燃焼欠損反応度、冷却材ボイド反応度(ガス冷却炉の場合は冷却材減圧反応度)、ドップラー反応度、増殖比である。[炉定数効果を評価した炉心概念](1)ナトリウム冷却酸化物燃料炉心(大型及び中型)、(2)ナトリウム冷却金属燃料炉心(中型)、(3)鉛ビスマス冷却窒化物燃料炉心(中型)、(4)炭酸ガス冷却酸化物燃料炉心(大型)、(5)ヘリウム冷却被覆粒子型燃料炉心(大型)、(6)ヘリウム冷却密封ピン型燃料炉心(大型、2種類)
庄野 彰; 大川内 靖
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.493 - 496, 2002/08
東京大学の高速中性子源「弥生炉」を用いて実施したU235及びNp237の崩壊熱測定結果を報告する。測定は、それぞれの核種を塗布したサンプルを炉内で一定時間照射した直後に放射線検出器で測定し、崩壊熱の線と線それぞれの成分につき、照射終了後最大約20,000秒にわたる時系列デ-タを得た。照射中の核分裂数も実測値に基づいて決定し、崩壊熱の規格化に用いた。U235の線成分については、1980年代に取得された秋山のデ-タと良く一致し、測定手法の妥当性を確認できた。同一手法で測定したNp237の線成分については、冷却時間約2002500秒においてJNDC-V2を用いた総和計算値と約6%で一致した。それ以後実測値が過大評価傾向を示すが、この原因は照射中に発生するNp238から発生する線の影響であると判明した。線成分については、応答関数の信頼性が確証されていないこともあり、測定値と総和計算値の間に乖離があるが、線
羽様 平; 庄野 彰; 岩井 武彦*; 佐藤 若英*
JNC TN9400 2002-036, 113 Pages, 2002/06
ロシア解体核処分支援を目的に、核燃料サイクル開発機構ではロシアの物理エネルギー研究所との共同研究により、高速炉臨界実験装置BFS-2を用いてBN-600を模擬した実験の解析を実施している。本報告は、BN-600に部分的にMOX燃料を装荷し、ブランケットをステンレス鋼に置換した炉心(BN-600ハイブリッド炉心)の模擬炉心(BFS-62-3A炉心)、及びBFS-62-3A炉心のステンレス鋼をブランケットに戻したBFS-62-4炉心の解析に関するものである。解析はJUPITER実験解析で培われた標準解析手法に基づいて実施した。その結果、臨界性と反応率比については十分な精度で実験値と一致することを確認した。制御棒価値や反応率分布については、BFS-62-4炉心では特に問題は見られなかったが、BFS-62-3Aについてはステンレス鋼領域での反応率分布を約20%過大に、制御棒価値の一部を約10%過小に評価することを確認した。Naボイド反応度については20%以上の過小評価となったが、炉定数の高度化により改善を図った結果、実験値とほぼ一致することを確認した。また、これまでのBFS-62シリーズ間の解析精度を比較することにより、MOX燃料の部分的な装荷は解析精度に有意な影響を与えないことを確認した。本解析では、精度評価に加えてBFS-62-3A炉心によるBN-600ハイブリッド炉心の模擬性が重要であり、両炉心の核特性解析値を比較評価した。その結果、中性子スペクトル、核分裂反応率比、核分裂反応率分布及び制御棒価値については模擬性を有しているが、MOX燃料装荷に伴い重要となるNaボイド反応度については、非漏洩項に大きな差異があることが分かった。
杉野 和輝; 庄野 彰; 岩井 武彦*; 沼田 一幸*
JNC TN9400 2002-008, 241 Pages, 2002/04
ロシア解体核処分支援を目的として、核燃料サイクル開発機構(以下、サイククル機構)とロシアの物理エネルギー研究所(IPPE)との共同研究が開始され、その一環として、サイクル機構において、高速炉臨界実験装置BFS-2を用いて構成された体系であるBFS-62シリーズの実験解析を実シミュレータしている。本報告書は、現行BN-600の模擬体系であるブランケット付き濃縮UO2燃料炉心BFS-62-1炉心及びブランケットをステンレス遮蔽体で置換したBFS-62-2炉心の実験解析に関するものである。解析においては、輸送計算も含めて3次元HexZまたはXYZ炉心体系モデルを用いて、高精度な核特性評価を達成している。 また、核設計基本データベースとしてのBFS実験解析データの有効利用の観点から、炉定数調整計算によりJUPITER臨界実験解析との整合性評価を行った。 実験解析及び炉定数調整計算の結果、臨界性、炉中心反射率比、BFS-62-1炉心の反応率分布については特に問題は見られず、実験値と良い一致が見られた。BFS-62-2炉心の径方向反応率分布については、炉定数調整前では炉心領域内の径方向依存性と遮蔽体領域における大幅な過大評価が見られたが、炉定数調整計算により改善できる見通しが得られた。ただし、改善の主要因であるFeの断面積調整の量が断面積誤差にまで及ぶため、今後、更なる検討が必要であると考えられる。BFS-62-1炉心における制御棒価値については、炉定数調整の有無に係らずC/E値の径方向依存性が見られたことから、今後行われる予定の他のBFS-62炉心の解析結果との比較が必要である。 BFS-62-2炉心のNaボイド反応度については、計算機記憶容量の観点から最善評価とはなっておらず、現状では核設計基本データベースへの反映は妥当ではないが、その課題克服と共に炉定数の高度化により、解析結果の改善が見られるとの見通しが得られた。また、 3次元炉心計算に特徴づけられる本報の解析手法は、BFS-62炉心シリーズの解析において非常に有効であることが明らかとなり、BFS-62-3炉心以降の実験解析においても、その適用により高精度な核特性解析が期待できる。
庄野 彰; 杉野 和輝; 羽様 平; 石川 眞
International Conference on the New Frontiersof Nu, 0 Pages, 2002/00
ロシア解体核処分支援の一環で実施しているJNC-IPPE共同研究において、BFS-2を使ってロシアの高速発電炉BN-600の炉心を模擬した状態で実施した臨界実験(BFS-62炉心)の解析結果を報告する。現行炉心を模擬した体系(BFS-62-1)、ブランケット領域をステンレス鋼反射体で置換した体系(BFS-62-2),及び燃料の一部をMOX燃料で置換したハイブリッド炉心模擬体系(BFS-62-3A)について、臨界性、炉心中心核分裂反応率比(スペクトルインデックス)、Naボイド反応度価値,制御棒価値,核分裂反応率分布の解析結果及び適用した解析手法を示す。JNC及びIPPEの標準的な解析手法による解析精度を示すとともに、臨界性及びNaボイド反応度価値についてはさらに詳細な手法を適用した検討結果も示した。本件は、IPPEが発表する論文"BN-600 Hybrid Core Mock-up at BFS-2 Critical Facility"と対をなすものである。
庄野 彰; 岩井 武彦*
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.1085 - 1088, 2002/00
ロシアIPPEの高速炉臨界実験施設BFS-2デ-タの実験解析により得られた成果を報告する。BFS-58-1-11炉心では、炉上部Naプレナム付きのMOX炉心であるBN-800模擬体系の炉心中央領域のUをアルミナと置換することにより、中央部から順にU無し燃料領域、MOX燃料領域、濃縮UO2燃料領域が配置された。外側のMOX燃料領域及びUO2燃料領域と異なり、炉心中央のU無し燃料領域にプレ-トストレッチモデルを使用することによる実効増倍係数の過小評価は約0.3%dk/kk'と大きい。きわめて軟らかな中性子スペクトルを示すU無し燃料領域の実効断面積算出にはJUPITER実験解析手法の使用が適さず、重核種の数密度を保存するセルモデルを使用し、散乱断面積をSRACライブラリに置換することによって、IPPE及びCEAの解析結果と同等の解析精度が得られることを確認するとともに、炉定数調整計算により、JUPITERデ-タとBFSデ-タの間の
大川内 靖; 庄野 彰; 越塚 誠一*
JNC TY9400 2001-017, 117 Pages, 2001/05
崩壊熱は、原子炉除熱系の設計や使用済燃料の取扱において重要である。本研究は、マイナーアクチニドの崩壊熱を高速中性子源「弥生」を用いて測定したものである。U-235は冷却時間19秒20,000秒、Np-237は冷却時間64秒20,200秒の範囲で測定を行った。 弥生炉のグレージングホール中心で、U-235は10秒及び100秒、Np-237は100秒及び500秒照射した。線エネルギースペクトルは、NaI(Tl)シンチレーション検出器を用いて測定した。線エネルギースペクトルは、プラスチックシンチレーション検出器と-弁別用比例計数管を組み合わせ、同時計数を取ることで測定した。規格化に用いる核分裂数は、Ge検出器で測定した線エネルギースペクトルから評価した。 測定したパルス波高分布はバックグランドを除去した後に、検出器の応答関数を用いて、FERDOコードによりアンフォールディング処理を行った。アンフォールディング処理されたエネルギースペクトルは、単位時間当たりの核分裂数で規格化した。そして、規格化されたエネルギースペクトルから、有限時間照射崩壊熱を求めた。有限時間照射崩壊熱は、照射条件の異なる実験値や各種計算値と比較ができないので、瞬時照射崩壊熱に変換した。U-235とNp-237に対する線崩壊熱結果をJNDC-V2を用いた総和計算値と比較した。U-235の測定結果は、冷却時間が150秒250秒の範囲で比較的よく一致した。Np-237の測定結果は、冷却時間が250秒350秒の範囲で比較的よく一致した。 U-235とNp-237に対する線崩壊熱結果をJNDC-V2を用いた総和計算値と比較した。U-235の測定結果は、測定した全ての冷却時間領域においてよく一致した。Np-237の測定結果は、冷却時間が200秒2,500秒の範囲でよく一致した。冷却時間が2,500秒20,000秒の範囲では、Np-237の中性子捕獲反応によって生成するNp-238からの線が影響することがわかった。
大川内 靖; 庄野 彰
JAERI-Conf 2001-006, p.121 - 124, 2001/03
高速炉におけるアクチニドリサイクルに関わる核種の崩壊熱予測精度向上を目的として、弥生炉を用いたU-235及びNp-237の崩壊熱測定を実施した。U-235の測定は過去に秋山らによって実施されており、本実験は秋山らの実験を踏襲し、照射時間や測定時間についてはパソコンによる自動化を図ることにより精度を向上させた。U-235の測定結果は、秋山らの実験結果の誤差範囲内で一致しており、実験の再現性が確認できた。Np-237の測定結果は、冷却時間が2002,500秒の範囲ではJNDC-V2やENDF-B/VIを用いた総和計算値と良く一致している。冷却時間が60200秒の範囲では総和計算値との一致が悪いが、これは有限照射崩壊熱から瞬時照射崩壊熱を求める時の補正量が大きいためである。冷却時間が2,50020,000秒の範囲では、実験値の方が計算値を上回っているが、これはNp-237の中性子捕獲反応で生成するNp-238から放出される線の影響で
大川内 靖; 庄野 彰
JNC TN9400 2001-001, 100 Pages, 2000/08
U-235及びNp-237における高速中性子核分裂による核分裂生成物からの線崩壊熱を、放射線計測法(線エネルギースペクトルを測定する方法)を用いて測定した。試料は、東京大学の高速中性子源「弥生炉」を用いて照射した。線エネルギースペクトルの測定は、NaI(Tl)シンチレーション検出器を用いて行い、照射中の核分裂数の評価は、Ge検出器を用いて測定した線エネルギースペクトルから求めた。測定された線(1024chのパルス波高分布)はバックグランドを差し引き、検出器の応答関数のエネルギー群構造に一致するように340群へバンチングした。バンチングしたパルス波高分布は、アンフォールデイングコードFERDOと検出器の応答関数を用いてエネルギースペクトルに変換した。エネルギースペクトルに変換後、核分裂数で規格化し、エネルギーで積分することで測定したタイムステップ毎の崩壊熱を得た。実験から直接得られる有限時間照射崩壊熱は、照射条件が異なる実験値や各種計算値との比較ができないので、瞬時照射崩壊熱に変換した後、JNDC-V2を用いた総和計算値と比較した。今回測定したU-235の結果は、同様の手法を用いて測定された他の結果と約10%で一致しており、実験手法の再現性が確認できた。今回測定したNp-237の結果は、冷却時間が約200秒2500秒の範囲でJNDC-V2を用いた総和計算値と約8%で一致した。今後の課題として、実験誤差の検討、核分裂数の最終評価などが挙げられる。また、冷却時間の短いデータの精度を上げるために短時間照射の追加測定を行う必要がある。冷却時間の長いデータの精度向上のためには、データ処理の改善が必要である。また、線崩壊熱については線と同様の測定データを得ており、エネルギー校正や検出器の応答関数に留意して線崩壊熱と同様のデータ処理、総和計算との比較を進める予定である。
杉野 和輝; 岩井 武彦*; 庄野 彰
JNC TN9400 2000-098, 182 Pages, 2000/07
ロシア解体核処分支援を目的として、核燃料サイクル開発機構(以下、サイクル機構)とロシアの物理エネルギー研究所(IPPE)との共同研究が開始され、その一環として、サイクル機構において、高速炉臨界実験装置BFS-2を用いて構成された体系であるBFS-62の実験解析を実施している。本報告書は、BFS-62シリーズにおいて最初に構築された体系であるブランケット付き濃縮U02燃料炉心BFS-62-1体系の実験解析に関するものである。解析においてはJUPITER実験解析等で用いられてきた高速炉の標準解析手法が採用されているが、3次元解析を行うための十分な情報が得られていないために2次元RZ体系計算による解析を中心に行い、3次元解析については予備評価に留めた。また、核設計基本データベースとしてのBFS実験解析データの有効利用の観点から、炉定数調整計算により、JUPITER臨界実験解析との整合性評価を行った。実験解析の結果、臨界性、反応率比については実験値との良い一致が得られた。他方、反応率分布については、不純物水素含有の有無による2種類のNaの配置を正確に取り扱う必要があり、これを忠実にモデル化できる3次元解析が不可欠であることが明らかとなった。また、ブランケット領域、遮蔽体領域における反応率にも改善の余地が大いにあることが分かった。制御棒価値については、その形状をより正確に取り扱うことの可能な3次元解析モデルの適用により、解析結果の改善が見られた。更に、Naボイド反応度については、測定された反応度が非常に小さいことに加え、解析の不確かさが非常に大きいことから、当面はその情報を炉定数調整に用いるべきではないと判断される。JUPITER実験の解析結果とBFS-62-1体系実験の解析結果を用いることにより炉定数調整計算を行った。その結果、実験値からのずれの大きいBFS-62-1体系反応率分布解析結果の使用は炉定数調整に悪影響を及ぼすものの、それを除いた臨界性、反応率比、制御棒価値解析結果のみを用いた場合は、妥当な調整結果が得られることが分かった。このように、BFS-62-1実験解析とJUPITER実験解析との間には整合性の見られることが分かり、BFS-62-1実験解析データの活用はJUPITER実験では不足していたU-235の情報を補完する観点から非常に有効であるとの見通しが得られた
庄野 彰; 佐藤 若英*; 岩井 武彦*
JNC TN9400 2000-096, 113 Pages, 2000/06
BFS-58-1-I1炉心に関する最新の実験解析結果を報告する。本炉心は、中央部から順にU無し燃料領域、MOX燃料領域、濃縮UO燃料領域が配置された特殊な構成を持つ。当初入手した実験情報のうち、物質配置を決定するラッパ管間隔を修正する必要が生じたので、解析を全面的にやり直した。JUPITER解析と同様に、高速炉用70群基本炉定数セットJFS-3-J3.2を用い、プレートストレッチモデルに基づくセル計算によって炉中心反応率比を求めたが、その解析精度が測定誤差では説明できないほど悪いことがわかった。そこで、プレートストレッチモデル適用性の良否を検討するために、ペレットの原子数密度を保存するセルモデルの効果を、連続エネルギーモンテカルロ計算コードMVPを用いて調べた。また、JFS-3-J3.2の適用性の良否を検討するために、高速炉より軟らかな中性子スペクトルで重み付けされたSRACライブラリを用いて一部の核反応断面積を置換した場合の効果を調べた。その結果、MOX燃料領域及び濃縮UO燃料領域とは異なり、典型的なNa冷却MOX燃料炉心に比べてきわめて軟らかい中性子スペクトルを示す炉心中心領域(U無し燃料領域)のセル計算では、プレートストレッチモデルが無視できない計算誤差を引き起こすこと、ならびに、JFS-3-J3.2をそのまま適用することは適切でないことがわかった。これらの考察を踏まえ、U無し燃料領域には原子数密度を保存するセルモデルを適用するとともに、JFS-3-J3.2の構造材核種の散乱断面積をSRACライブラリと置換して実効断面積を求めた。その結果、炉中心反応率比に関して測定誤差範囲内の解析精度が得られた。また、臨界性についても、輸送・メッシュ補正後の2次元RZモデル解析値はIPPE及びCEAの報告値と同等の値を得た。さらに、これらの解析情報を考慮した炉定数調整結果を検討した結果、JUPITER実験解析結果との整合性は良好であることを確認した。これらの知見は、解体核処分支援のための共同研究において今後実施するBFS-2臨界実験解析にも適用できる。