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田中 万也; 金指 努*; 竹中 千里*; 高橋 嘉夫*
Science of the Total Environment, 755(Part 2), p.142598_1 - 142598_8, 2021/02
本研究では、安定セシウムを樹皮,辺材,心材,樹葉,枝に吸着させてEXAFSスペクトル測定を行った。その結果、すべての部位においてセシウムは外圏型錯体として静電的に吸着していることが明らかとなった。これは酢酸アンモニウムを用いたセシウム脱離実験の結果と整合的であった。また、これらの結果は、常緑樹であるスギ,アカマツと落葉広葉樹であるコナラ,コシアブラのすべての樹種において同様であった。
Deng, G.*; Ma, T.*; 田中 万也; 大貫 敏彦*; Qiu, X.*; Yu, Q.*
Geochimica et Cosmochimica Acta, 286, p.143 - 158, 2020/10
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Geochemistry & Geophysics)シデロフォアの一つであるDFOBに代表されるように、微生物が分泌する強いキレート配位子がCe(IV)と錯体を形成して可溶化することは良く知られている。一方で、多糖類はシデロフォアに比べると弱い配位子であるため、これまで研究がされてこなかった。しかし、多糖類は環境中に豊富に存在することからCe(IV)を可溶化する可能性がある。そこで本研究では、多糖類の一つであるデキストランが共存する系においてMn(IV)酸化物へのCe(III)吸着実験を行った。その結果、デキストランもDFOBと同様にCe(IV)を可溶化することが明らかとなった。
鈴木 竜平*; 谷 幸則*; 内藤 博敬*; 宮田 直幸*; 田中 万也
Catalysts, 10(1), p.44_1 - 44_15, 2020/01
被引用回数:1 パーセンタイル:42.8(Chemistry, Physical)本研究では、マンガン酸化菌KR21-2株を用いて形成させたマンガン酸化物に対してpH6のCr(NO)
水溶液を用いて一回もしくは繰り返し処理を行った。好気条件においてはマンガン酸化物によるCr(III)のCr(VI)への酸化が認められた。この際、Mn(IV)がMn(II)に一旦還元されるものの真菌の活性のためMn(II)の再酸化により溶液中ではマンガンは検出されなかった。一方、嫌気条件においてはCr(III)の酸化は反応の初期段階で停止し、Mn(II)の再酸化が起こらないため還元されたマンガンが溶液中で検出された。
田中 万也; 香西 直文; 山崎 信哉*; 大貫 敏彦; Kaplan, D. I.*; Grambow, B.
Applied Clay Science, 182, p.105282_1 - 105282_8, 2019/12
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Chemistry, Physical)本研究では、様々な組成を持つ水溶液中でのNi-Zn層状物質への過レニウム酸イオン(過テクネチウム酸イオンのアナログ)の吸着実験を行った。吸着等温線をラングミュアプロットすることで最大吸着量を127.7mg/g (6.8610
eq/g)と見積もった。Ni-Zn層状物質への過レニウム酸イオンの吸着は可逆プロセスであり、塩化物イオン, 硝酸イオン, 硫酸イオンなどの陰イオンが共存する系では吸着量が低下した。また、EXAFSスペクトル解析の結果、過レニウム酸イオンはNi-Zn層状物質の層間サイトに外圏錯体として静電的に吸着していることが明らかとなった。Ni-Zn層状物質は、これまで陰イオン除去にしばしば用いられてきたMg-Al複水酸化物に比べて共存する陰イオンの影響が小さい。このことから、Ni-Zn層状物質の方が汚染水中の過テクネチウム酸イオンの除去により適していると言える。
加藤 友彰*; Yu, Q.*; 田中 万也; 香西 直文; 斉藤 拓巳*; 大貫 敏彦
Journal of Environmental Sciences, 86, p.78 - 86, 2019/12
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)本論文では、水溶液中の過マンガン酸カリウム(Mn(VII))とバクテリア細胞が接触したときのマンガンと共存金属イオンの挙動を検討した。細胞とMn(VII)が背食すると、細胞が破砕されるとともに細胞によりMn(VII)が還元されMn酸化物(バイオマスMn酸化物)として沈殿した。Coイオンが共存した場合、CoはCo
に酸化されてMn酸化物中に取り込まれることがわかった。この結果は、過マンガン酸カリウムを廃水等に投入すると微生物の殺菌と金属イオンの除去が同時に起こることを示す。
田中 万也; 香西 直文; 大貫 敏彦; Grambow, B.
Journal of Porous Materials, 26(2), p.505 - 511, 2019/04
被引用回数:4 パーセンタイル:38.13(Chemistry, Applied)本研究では、XAFS法を用いてMg-Al層状複水酸化物(LDH)に吸着したレニウム(テクネチウムのアナログ)の局所構造を調べた。焼成したLDHと未焼成のLDHでは、焼成LDHの方がレニウムの吸着量が多かった。塩化物イオン, 硝酸イオン, 硫酸イオン等の存在下においてはレニウムの吸着量が低下した。レニウムの吸着はLDH層間への陰イオン交換によるものと考えられ、可逆反応であることが分かった。XAFSスペクトルの解析結果から、レニウムは外圏錯体として吸着していることが明らかとなった。外圏錯体は静電的吸着であり、競合する陰イオンの存在により吸着量が低下する事実と調和的である。
田中 万也; 高橋 嘉夫*
Geochemical Journal, 53(5), p.329 - 331, 2019/00
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Geochemistry & Geophysics)本研究では放射線量の異なる天然ジルコン3試料のウランM吸収端及びL
吸収端XANESスペクトルの測定を行った。最も線量が高いジルコン試料中では、M
吸収端及びL
吸収端ともにウランが四価であることを示す結果が得られた。残りの2試料は五価ウランの存在の可能性を残しつつも、四価と六価のウランが共存していることが示唆された。本研究は、ウランM
吸収端XANESを天然試料に適用した初めての論文である。
太田 充恒*; 田中 万也; 津野 宏*
Journal of Physical Chemistry A, 122(41), p.8152 - 8161, 2018/10
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Chemistry, Physical)本研究では、L吸収端XANESスペクトルを用いて水溶液, 鉄水酸化物, マンガン酸化物及び炭酸カルシウム中のランタノイドの局所構造解析を行った。XANESスペクトルピークの半値幅(FWHM)はランタノイドの配位数の増加とともに減少した。しかし、こうした関係は厳密ではなく、むしろ化学形(配位子)の違いによるものと考えられた。そこでFWHMの大小関係を5d電子軌道の結晶場理論や縮退の観点から評価した。その結果、FWHMの系統的な変化は配位子によって引き起こされる結晶場分裂により説明できることが明らかとなった。本研究の結果は、XANESスペクトルの半値幅を用いることによりEXAFSのような直接的な局所構造解析法よりもより簡便にランタノイドの化学種解析を行うことができることを示した。
Yu, Q.*; 田中 万也; 香西 直文; 坂本 文徳; 谷 幸則*; 大貫 敏彦
ACS Earth and Space Chemistry (Internet), 2(8), p.797 - 810, 2018/08
Mn酸化物の多くは微生物起源であり、Csを吸着することが知られている。本研究では、微生物起源Mn酸化物形成時に環境中の微量元素が取り込まれることによるMn酸化物の構造変化とCsの吸着挙動の関係を調べた。微生物起源Mn酸化物が金属イオン(Zn, Ni等)を取り込んで形成すると、取り込まれた金属イオンはpHが低下すると溶出し、Mn酸化物に空孔が生じる。この空孔がCsの吸着サイトとなることがわかった。
香西 直文; 坂本 文徳; 田中 万也; 大貫 敏彦; 佐藤 隆博*; 神谷 富裕*; Grambow, B.
Chemosphere, 196, p.135 - 144, 2018/04
被引用回数:1 パーセンタイル:88.59(Environmental Sciences)バクテリアや菌類等の微生物が環境中で重元素の化学状態を変化させることは知られているが、原生動物の作用についてはほとんど未解明である。本研究では、代表的な原生動物であるゾウリムシと水中のEu(III), Pb(II), U(VI)の反応を調べた。micro-PIXEを用いた非破壊分析では、ゾウリムシ生細胞に吸着した重元素はほとんど検出できなかったが、死滅細胞へは明らかな吸着が認められた。生細胞の細胞表面から自然に溶出する糖タンパク質と重元素が結合して擬似コロイドとなることを見いだした。本来は細胞に吸着するはずの元素が糖タンパク質と錯形成し水溶性の擬似コロイドとなることにより、生細胞への吸着が低下したことが示唆される。
田中 万也; 渡邊 直子*; 山崎 信哉*; 坂口 綾*; Fan, Q.*; 高橋 嘉夫*
Geochemical Journal, 52(2), p.173 - 185, 2018/00
被引用回数:4 パーセンタイル:49.66(Geochemistry & Geophysics)福島県の山木屋(川俣町)と黒岩(福島市)において河川堆積物を採取し、粒径別の化学組成及び鉱物組成の分析を行った。セシウムを含むアルカリ元素の粒径分布は鉱物組成をよく反映していた。山木屋地点ではCsと
Csが同様の粒径分布を示し、シルト画分から砂画分にかけて濃度が低下した。シルト画分ではセシウムが粘土鉱物に固定されているものと考えられる。一方、黒岩地点では細粒砂・中粒砂画分において
Csと
Csの濃度が最も低く、粗粒砂・極粗粒砂画分において高い濃度を示した。これらの粗粒砂画分には風化黒雲母の粒子が肉眼で観察されており、こうした風化黒雲母にセシウムが固定されていると考えられる。山木屋と黒岩は対照的な結果を示したが、それぞれ地点において安定及び放射性セシウムの粒径分布が鉱物組成をよく反映していることが示された。
坂口 綾*; 千賀 晴香*; 田中 万也; 鶴田 治雄*; 高橋 嘉夫*
Geochemical Journal, 52(2), p.187 - 199, 2018/00
被引用回数:6 パーセンタイル:34.53(Geochemistry & Geophysics)2011年3月15日に川崎市で採取したエアロゾル試料を海水を用いてリーチング実験を行った。その結果、30日間でCsの60%が試料から溶出した。また、福島原子力発電所事故の2か月後に川俣町で採取した土壌試料を海水,超純水及び希釈海水(海水:超純水=1:1)でそれぞれリーチング実験を行った。223日間のリーチング実験の結果、海水では15%を超える
Csの溶出率であったが、希釈海水では9%に低下した。超純水では溶出率が1%以下と非常に低い値であった。
Csは全体の傾向として
Csと同様の溶出挙動を示した。
三浦 輝*; 栗原 雄一*; 坂口 綾*; 田中 万也; 山口 紀子*; 桧垣 正吾*; 高橋 嘉夫*
Geochemical Journal, 52(2), p.145 - 154, 2018/00
被引用回数:20 パーセンタイル:4.59(Geochemistry & Geophysics)福島の河川の浮遊懸濁粒子中には放射性セシウムを特に高濃度に含む微粒子(CsMPs)が含まれている可能性がある。CsMPsは一粒で高い放射能をもつため、こうした微粒子の有無により河川における放射性セシウム固液分配係数を見かけ上大きく上昇させる可能性がある。そこで本研究では、福島県の河川で採取した浮遊懸濁粒子中からCsMPsを分離して、懸濁粒子全体の放射性セシウムへの寄与率を見積もった。その結果、CsMPsの寄与率は0から46%であり見かけの分配係数を桁レベルで上昇させるほどではないことが明らかとなった。
山口 瑛子*; 本多 翼*; 田中 雅人*; 田中 万也; 高橋 嘉夫*
Geochemical Journal, 52(5), p.415 - 425, 2018/00
被引用回数:3 パーセンタイル:59.14(Geochemistry & Geophysics)風化花崗岩中にみられるイオン吸着型鉱床は重要な希土類元素資源として知られている。しかし、日本においてはこうしたイオン吸着型鉱床の存在の有無はほとんど調査されてこなかった。そこで本研究では広島県と島根県において風化花崗岩試料を採取し、希土類元素の分析を行った。その結果、中国でみられるイオン吸着型鉱床と同程度の希土類元素を含むことが分かった。EXAFSスペクトルを測定した結果、塩化アンモニウム水溶液により抽出される交換性の希土類元素は外圏型錯体として吸着していることが明らかとなった。一方、抽出されなかった画分は内圏型錯体を形成していた。
田中 万也; Kaplan, D. I.*; 大貫 敏彦
Applied Geochemistry, 85(Part B), p.119 - 120, 2017/10
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Geochemistry & Geophysics)Applied Geochemistry誌において「環境中の天然・人工放射性核種の化学形態の変化及びそのゆくえ」と題して特集号を組んだ。本特集号は、様々な環境における天然・人工放射性核種を扱った13編のピアレビュー論文からなる。また、これらの論文はフィールド研究から室内実験まで幅広い題材を取り上げており、主に放射性核種の吸着・酸化還元挙動に関するものである。本特集号は、2016年に横浜で開催されたゴールドシュミット国際会議の出席者及び本特集号のテーマに関する研究分野の研究者により執筆された論文から構成されている。
Yu, Q.*; 大貫 敏彦*; 香西 直文; 坂本 文徳; 田中 万也; 笹木 恵子*
Chemical Geology, 470, p.141 - 151, 2017/10
被引用回数:4 パーセンタイル:71.09(Geochemistry & Geophysics)本研究では、2種類のMn酸化物(トドロカイトとバーネサイト)が持つCs保持能を評価した。トドロカイトには、Csの吸着選択性がバーネサイトよりも高いサイトがあることがわかった。Cs初期濃度10mol/Lで吸着させた後、吸着したCsを1M NaClとNH
Clで脱離させたところ、約34%のCsが脱離せずにトドロカイトに残った。この値はバーネサイトに残ったCsの割合よりもずっと多かった。これらの結果は、トドロカイトが土壌中の放射性Csの固定に寄与することを強く示唆する。
高橋 嘉夫*; Fan, Q.*; 菅 大暉*; 田中 万也; 坂口 綾*; 武市 泰男*; 小野 寛太*; 間瀬 一彦*; 加藤 憲二*; Kanivets, V. V.*
Scientific Reports (Internet), 7(1), p.12407_1 - 12407_11, 2017/09
被引用回数:12 パーセンタイル:33.26(Multidisciplinary Sciences)本研究では、河川における粒子状物質及び堆積物への放射性セシウムの分配挙動を支配する要因に関して、福島とチェルノブイリの違いに着目した。プリピァチ川(チェルノブイリ)では溶存態の放射性セシウムが主要であった。これは鉱物粒子表面を有機物がコーティングすることにより放射性セシウムの吸着を阻害しているためであると考えられる。一方、口太川(福島)ではこうした有機物による阻害効果は小さく鉱物粒子に強く吸着していることが明らかとなった。福島とチェルノブイリの河川におけるこうした対照的な放射性セシウムの挙動は、両者の地質や土壌タイプの違いを反映していると考えられる。
田中 万也; 田中 雅人*; 渡邊 直子*; 徳永 紘平*; 高橋 嘉夫*
Chemical Geology, 460, p.130 - 137, 2017/06
被引用回数:4 パーセンタイル:63.01(Geochemistry & Geophysics)深海海洋底に存在する鉄マンガン団塊・クラストにはPdが海水に比べてかなり濃集していることが知られている。しかし、こうしたPdの濃集機構はこれまでほとんど研究されてこなかった。そこで本研究ではX線吸収微細構造法を用いて鉄マンガン団塊・クラストの主要構成物質であるマンガン酸化物へのPd吸着機構を調べた。その結果、海水を模擬したNaCl水溶液中では塩化物錯体(Cl配位)であるPdはマンガン酸化物表面に吸着する過程で酸素配位に変化することが明らかとなった。さらに、マンガン酸化物表面に吸着したPdは単核二座配位と二核二座配位の2種類の内圏型錯体を形成することが分かった。これら2種類の内圏型錯体の形成は密度汎関数理論を用いた量子化学計算の結果からも支持された。こうした内圏型錯体の形成は、マンガン酸化物-NaCl水溶液間のPd吸着実験から得られた分配係数が大きいことと調和的であると言える。
山崎 信哉*; 田中 万也; 香西 直文; 大貫 敏彦
Applied Geochemistry, 78, p.279 - 286, 2017/03
被引用回数:1 パーセンタイル:89.39(Geochemistry & Geophysics)環境中において、水溶性の六価ウランから難溶性の四価ウランへの還元反応はウランの移動度が劇的に変化するため、重要な反応である。本研究では、嫌気性微生物に由来し酸化還元能を有するフラビン化合物が六価ウラン還元反応に与える影響を電気化学的手法を用いて検討した。フラビンを電気化学的に還元すると、フラビンから六価ウランに電子が移動して四価ウランになることが紫外可視吸収スペクトルから確かめられた。また電気化学測定の結果から、フラビンから六価ウランへの電子移動速度を決定した。また、フラビン化合物が存在することで、六価ウランの見かけ上の還元電位が0.2V上昇し、より還元されやすくなることが新たに分かった。
藤本 潤*; 田中 万也; 渡邊 直子*; 高橋 嘉夫*
Hydrometallurgy, 166, p.80 - 86, 2016/12
被引用回数:4 パーセンタイル:63.57(Metallurgy & Metallurgical Engineering)本研究では、鉄還元菌を用いた鉄マンガン団塊からの希土類元素回収法について検討を行った。本研究の特長は鉄マンガン団塊の分解と回収が一つの水溶液系において実現できることである。乳酸ナトリウムを電子供与体として鉄還元菌を嫌気的雰囲気下において培養し、鉄マンガン団塊を還元溶解させた。その結果、鉄マンガン団塊の溶解に伴って水溶液中に放出された希土類元素が再度鉄還元菌の細胞表面に吸着することが確認された。pH7の0.5M NaCl溶液を用いた際に希土類元素の吸着量が最大であった。