Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
涌井 隆; 石井 秀亮*; 直江 崇; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 若井 栄一; 高田 弘; 二川 正敏
Materials Transactions, 60(6), p.1026 - 1033, 2019/06
被引用回数:3 パーセンタイル:17.35(Materials Science, Multidisciplinary)J-PARCの核破砕中性子源で使用する水銀ターゲット容器は、1.31.32.5mと大きいため、使用済み容器の廃棄量を低減する観点で、損傷量の大きい前半部を分割できる構造を検討している。分割部のフランジには、高いシール性能(110Pa・m/s以下)が必要である。このフランジの材料として、ビーム運転時の熱変形を低減するために低熱膨張材であるインバー合金は有望であるが、弾性係数が低いためボルト締結時の変形が大きくなる。実用上はステンレス鋼で補強するが、HIP接合により広い面積を全面にわたって確実に接合する条件を見出すことが課題であった。そこで、接合温度が異なる試験片(973, 1173, 1373及び1473K)について、引張試験及び数値解析による残留応力評価を行った。973Kで接合した試験片は、拡散層厚さが殆どなく接合界面で破断した。引張強度は、接合温度の上昇とともに減少し、1473Kの場合、約10%低下した。接合面近傍の残留応力は最大50%増加した。これらの結果から、1173Kが最適な接合温度であることを結論付けた。
涌井 隆; 石井 秀亮*; 直江 崇; Wan, T.*; Xiong, Z.*; 羽賀 勝洋; 高田 弘; 二川 正敏
no journal, ,
J-PARCの核破砕中性子源の水銀ターゲット容器を分割型にする検討をしている。分割部に用いるフランジには熱ひずみが発生する。このフランジは、高いシール性が必要とされるため、フランジに低熱膨張係数を有するインバー合金を適用する。しかし、インバー合金の水銀に対する耐食性等が明確ではないため、ステンレス鋼でインバー合金を覆う提案をした。フランジは、板厚が厚く、汎用の溶融溶接では接合できないため、一般では行われていない熱間等方圧加圧法(HIP)によるインバー合金とステンレス鋼の拡散接合を試みた。これらの異材の拡散接合の実現性と、HIP処理の最適温度を調べるため、HIP処理を1173, 1373および1473Kの各温度で行った。その結果、拡散接合が実現できたので、さらに拡散接合の評価試験を行った。引張試験では、各処理温度での接合材はいずれもインバー合金側で破断し、処理温度が上昇すると強度は低下した。引張強さと平均結晶粒径の相関を調べると、HIP処理温度が高くなるに伴い、特にインバー合金の結晶粒が粗大化し強度が低下した。本研究から、HIP処理温度は1173Kが最適であると結論した。
石井 秀亮*; 涌井 隆; 直江 崇; Wan, T.; Xiong, Z.*; 羽賀 勝洋; 高田 弘; 二川 正敏
no journal, ,
J-PARCにおける核破砕中性子源の水銀ターゲット容器を分割型構造にする検討が行われている。陽子ビーム入射に伴う水銀の温度上昇により、分割フランジに熱変形が生じる。このフランジには高いシール性能が必要とされるので、インバー合金をフランジに適用し、熱変形を低減させることを提案した。一方、インバー合金の水銀に対する耐食性や、陽子や中性子の照射に対する抵抗性が明確でないため、熱間当方加圧法(HIP)の拡散接合を用いて、ステンレス鋼でインバー合金を覆う接合手法を検討した。しかし、インバー合金とステンレス鋼の拡散接合の例はなく、接合の実現性と適正なHIP処理温度を調べるために、処理温度の異なる異材拡散接合を試みた。処理の結果、いずれの温度でもインサート金属なしで接合が実現し、次に、拡散接合部の組織評価、EDXによる元素分析、引張試験などを行った。引張試験ではいずれの処理温度でもインバー合金側で破断した。インバー合金の平均結晶粒径と引張強さの相関を調査した結果、処理温度が上昇することで、インバー合金の平均結晶粒径は大きくなり、強度が低下した。これらの結果から最適な処理温度は1173Kと結論付けた。
涌井 隆; 石井 秀亮*; 直江 崇; 鈴木 裕士; Harjo, S.; 二川 正敏
no journal, ,
低熱膨張係数を有するインバーと一般的金属とのHIPによる拡散接合において、熱膨張係数の大きな差異により、接合近傍に大きな残留応力が発生し、その残留応力による強度低下が懸念される。そこで、本研究では、組織観察,硬さ試験,中性子回折法による残留応力計測及び引張試験を行った。元素分析及び硬さ試験の結果から、接合部近傍に約50mの拡散層が確認された。引張試験片に対する分解能2mmの残留応力計測では、接合部近傍での残留応力は観測できなかったが、インバー部での結晶粒の粗大化やステンレス鋼部での格子定数の変化といった接合時の熱負荷等の影響を接合部以外の部分で確認した。接合材の引張試験において、接合部以外のインバー部で破断しており、接合部の強度はインバーより大きいことがわかった。さらに、接合状態に関係する処理温度の異なる試料を製作し、拡散接合に及ぼす処理温度の影響について検討した。