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論文

Novel approach to explore hydrogen trapping sites in aluminum; Integrating Muon spin relaxation with first-principles calculations

清水 一行*; 西村 克彦*; 松田 健二*; 布村 紀男*; 並木 孝洋*; 土屋 大樹*; 赤丸 悟士*; Lee, S.*; 都留 智仁; 髭本 亘; et al.

International Journal of Hydrogen Energy, 95, p.292 - 299, 2024/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:31.33(Chemistry, Physical)

Al-0.06%Mn、Al-0.06%Cr、Al-0.02%Fe、およびAl-0.02%Ni合金(原子%)について、5$$sim$$300Kの温度範囲でゼロ磁場ミューオンスピン緩和実験を行った。双極子場幅($$Delta$$)の温度依存変化から、調製した合金の4つの異なるピークが明らかになった。200K未満で観測された$$Delta$$ピークに対応するミューオン捕捉部位の原子構成は、溶質および溶質空孔対に近接する水素の捕捉エネルギーに対する第一原理計算を用いて詳細に特徴付けられた。この包括的な分析により、ミューオン$$Delta$$ピーク温度と水素捕捉エネルギーの線形相関を確立することができた。しかし、Al-Mn、Al-Cr、Al-Fe、およびAl-Ni合金では、200Kを超えると4番目の$$Delta$$ピークでこの線形関係からの大幅な逸脱が観測された。この矛盾は、4つのAl原子のうち2つが溶質元素と空孔(溶質空孔対)に置換されている四面体サイト内のミューオンと水素の異なる分布関数を考慮することで解釈できる。

論文

Morphology evolution of $$beta$$-phase in Al-Mg-Si alloys during aging treatment

Ahmed, A.*; Uttarasak, K.*; 土屋 大樹*; Lee, S.*; 西村 克彦*; 布村 紀男*; 清水 一行*; 平山 恭介*; 戸田 裕之*; 山口 正剛; et al.

Journal of Alloys and Compounds, 988, p.174234_1 - 174234_9, 2024/06

 被引用回数:10 パーセンタイル:96.31(Chemistry, Physical)

本研究は、Al-Mg-Si合金における$$beta$$相の成長過程を形態進化の観点から明らかにすることを目的とする。本研究では、高分解能透過電子顕微鏡(HR-TEM)、集束イオンビーム(FIB)及び光学顕微鏡(OM)を用いて、$$beta$$相の配向関係、形状、成長過程、ミスフィット値、及び$$beta$$相とAlマトリックスとの界面状態を調べた。その結果、$$beta$$相の端に$$beta$$ファセットが確認され、$$beta$$相の新しい3次元形状が2つ提案された。我々は、Mg$$_2$$Si結晶の成長過程における形態変化を説明するためにミスフィットを計算し、不安定な{111}$$beta$$ファセットが(001)$$beta$$ファセットや(011)$$beta$$ファセットと比較して高いミスフィット値を持つことを解明した。これは、Al-Mg-Si合金の微細構造変化を予測し、所望の特性を持つ材料を設計するために重要な知見である。

論文

Combining muon spin relaxation and DFT simulations of hydrogen trapping in Al$$_{6}$$Mn

清水 一行*; 西村 克彦*; 松田 健二*; 赤丸 悟士*; 布村 紀男*; 並木 孝洋*; 土屋 大樹*; Lee, S.*; 髭本 亘; 都留 智仁; et al.

Scripta Materialia, 245, p.116051_1 - 116051_6, 2024/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:63.37(Nanoscience & Nanotechnology)

質量ppmレベルの水素は金属材料の水素脆化を引き起こすが、水素の捕獲部位を実験的に解明することは極めて困難である。我々は、正ミュオンが水素の軽い同位体として作用することを利用して、物質中の水素の捕獲状態を研究した。ゼロ磁場ミュオンスピン緩和実験と密度汎関数理論(DFT)計算をAl$$_{6}$$Mnに対して行った。Al$$_{6}$$Mnにおける水素のDFT計算の結果、4つの水素トラップサイトが見つかり、その水素トラップエネルギーはeV/atom単位で0.168(サイト1), 0.312(サイト2), 0.364(サイト3), 0.495(サイト4)であった。推定された双極子磁場幅の温度変化($$Delta$$)は、94, 193, 236Kでステップ状の変化を示した。サイト密度を考慮すると、観測された$$Delta$$の変化温度は、サイト1, 3, 4にミュオンがトラップされたものと解釈される。

論文

Anaerobic methane-oxidizing activity in a deep underground borehole dominantly colonized by $$Ca.$$ Methanoperedenaceae

西村 大樹*; 幸塚 麻里子*; 福田 朱里*; 石村 豊穂*; 天野 由記; 別部 光里*; 宮川 和也; 鈴木 庸平*

Environmental Microbiology Reports (Internet), 15(3), p.197 - 205, 2023/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:42.38(Environmental Sciences)

地下深部の地下水は、微生物活動などにより酸素が消費され、一般に還元性になっている。幌延の深部地下水では、微生物活動による二酸化炭素還元反応により強還元雰囲気が維持されている。一方で、幌延深地層研究センター地下研究施設の一部のボーリング孔では、嫌気的環境にも関わらずメタン酸化機能を持つ微生物の存在が明らかにされている。局所的ではあるものの、地下深部の強還元雰囲気において進行する酸化反応機構の解明を目的として、本研究では、原位置の水質・水圧を模擬し、この嫌気的メタン酸化微生物の培養を行った。その結果、地下水中の懸濁物に含まれる非晶質鉄あるいは2八面体型スメクタイトに含まれる3価鉄が酸化剤として機能していることが分かった。このような酸化剤が地下深部に存在する要因の一つとして、ボーリングの掘削泥水などの掘削に伴う人為的影響が挙げられる。高レベル放射性廃棄物の地層処分において閉鎖後の処分場坑道周辺の酸化性環境は、周辺母岩中の鉱物との反応等により本来の還元性に戻ると考えられている。本研究で得られた知見は、この処分場閉鎖後の回復過程についてより正確な理解に繋がる成果である。

論文

The Possible transition mechanism for the meta-stable phase in the 7xxx aluminium

Bendo, A.*; 松田 健二*; 西村 克彦*; 布村 紀男*; 土屋 大樹*; Lee, S.*; Marioara, C. D.*; 都留 智仁; 山口 正剛; 清水 一行*; et al.

Materials Science and Technology, 36(15), p.1621 - 1627, 2020/09

 被引用回数:13 パーセンタイル:51.01(Materials Science, Multidisciplinary)

アルミニウム合金の準安定相は機械的性質に最も寄与する一次のナノサイズの析出物である。7xxx系アルミニウム合金における硬度の連続的上昇はクラスターやGPゾーンから準安定の$$eta'$$相への相変態に関係する。構造的および組成的変態は最も低い活性化エネルギーの経路に従って生じる。本研究は、構造的相変態がどのようにして生じるかを拡散の最短経路に基づいて評価するものであり、高分解能透過型電子顕微鏡を用いて、相変態の動的挙動を捉えることに成功した。

論文

Effect of copper addition on precipitation behavior near grain boundary in Al-Zn-Mg alloy

松田 健二*; 安元 透*; Bendo, A.*; 土屋 大樹*; Lee, S.*; 西村 克彦*; 布村 紀男*; Marioara, C. D.*; Lervik, A.*; Holmestad, R.*; et al.

Materials Transactions, 60(8), p.1688 - 1696, 2019/08

 被引用回数:20 パーセンタイル:67.32(Materials Science, Multidisciplinary)

アルミニウム合金の時効硬化と析出に及ぼすCu添加の効果を、硬度測定,引張試験,高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)および高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF-STEM)によって調べた。高硬度,高強度,低伸びは析出物の数密度の増加によるZn+Mg量の増加に起因することが分かった。

論文

Abnormally enhanced diamagnetism in Al-Zn-Mg alloys

西村 克彦*; 松田 健二*; Lee, S.*; 布村 紀男*; 島野 寛基*; Bendo, A.*; 渡邊 克己*; 土屋 大樹*; 並木 孝洋*; 戸田 裕之*; et al.

Journal of Alloys and Compounds, 774, p.405 - 409, 2019/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:14.50(Chemistry, Physical)

Temperature and time dependences of magnetization of Al-1.0%Zn-4.2%Mg, Al-2.6%Zn-3.2%Mg, Al-4.1%Zn-1.1%Mg, and Al-5%Zn (at.%) alloys were measured in the range between 10 and 310 K after various periods of natural aging and peak-aged heat treatments. Enhanced diamagnetic contributions on the magnetization were observed for the as-quenched Al-Zn-Mg alloys for the first time. The enhanced diamagnetism observed in Al-2.6%Zn-3.2%Mg and Al-4.1%Zn-1.1%Mg were found to largely alter in natural aging, while that of Al-1.0%Zn-4.2%Mg little changed. After peak-aged heat treatments, the diamagnetism of Al-Zn-Mg was largely reduced. The binary Al-5%Zn showed neither enhanced diamagnetism nor natural aging effect on the magnetization. Isothermal time variations of magnetization of Al-Zn-Mg alloys at 300 K were found to be related with solute-vacancy clustering.

論文

水素分配制御によるアルミニウム合金の力学特性最適化

戸田 裕之*; 山口 正剛; 松田 健二*; 清水 一行*; 平山 恭介*; Su, H.*; 藤原 比呂*; 海老原 健一; 板倉 充洋; 都留 智仁; et al.

鉄と鋼, 105(2), p.240 - 253, 2019/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

本レビューでは、高強度アルミニウム合金の水素脆化に関する研究活動、特に様々なトラップサイトでの水素トラップとそれによる水素脆化への影響に焦点を当てて報告する。高亜鉛濃度Al-Zn-Mg合金において、高分解能TEM法による析出物のナノ構造及び界面構造の分析や、高分解能X線マイクロトモグラフィー技術による詳細な破壊マイクロメカニズムとマイクロ構造-破壊特性関係の調査がなされ、さらに、ごく最近実現された超高分解能X線顕微鏡により特徴的な局部的変形、亀裂の発生・成長が観察されている。また、第一原理シミュレーションによる数々の水素トラップサイトのトラップエネルギー導出を元に、変形・破壊中の水素再分配が解析された。水素の再分配と3つの異なるミクロ機構による水素脆化との間の関係を論じ、水素脆化が起こるための現実的な条件を説明する。

論文

Structure of $$^{55}$$Sc and development of the $$N=34$$ subshell closure

Steppenbeck, D.*; 武内 聡*; 青井 考*; Doornenbal, P.*; 松下 昌史*; Wang, H.*; 馬場 秀忠*; 郷 慎太郎*; Holt, J. D.*; Lee, J.*; et al.

Physical Review C, 96(6), p.064310_1 - 064310_10, 2017/12

 被引用回数:20 パーセンタイル:80.57(Physics, Nuclear)

理化学研究所のRIBFにて、中性子過剰核$$^{55}$$Scの励起状態を$$^{56}$$Tiからの1陽子ノックアウト反応および$$^{55}$$Scの非弾性散乱によって生成し、そこからの脱励起$$gamma$$線を観測することによってエネルギー準位を得た。その結果、第一励起状態が695keVと低く現れることがわかった。$$^{54}$$Caで知られているように中性子数34の閉殻構造が成り立っているとすると、第一励起状態は約2MeVと高く現れるはずであり、この結果は$$^{55}$$Scでは中性子数34の新魔法数が消滅していることを示している。殻模型計算でもこの結果は得られ、中性子数34の殻ギャップが陽子数に応じて強く変化していることがその原因であることがわかった。

論文

Low-lying structure of $$^{50}$$Ar and the $$N$$=32 subshell closure

Steppenbeck, D.*; 武内 聡*; 青井 考*; Doornenbal, P.*; 松下 昌史*; Wang, H.*; 宇都野 穣; 馬場 秀忠*; 郷 慎太郎*; Lee, J.*; et al.

Physical Review Letters, 114(25), p.252501_1 - 252501_6, 2015/06

 被引用回数:51 パーセンタイル:87.85(Physics, Multidisciplinary)

理化学研究所の不安定核施設RIBFにて、中性子過剰核$$^{50}$$Arを$$^{54}$$Ca, $$^{55}$$Sc, $$^{56}$$Tiからの核破砕反応によって生成し、その脱励起$$gamma$$線を初めて観測した。最も強度の強い$$gamma$$線エネルギーから、$$^{50}$$Arの第一励起$$2^+$$状態の励起エネルギーが1178(18)keVであることがわかった。この実験結果および周辺核の$$2^+$$状態の励起エネルギーを大規模殻模型計算と比較した結果、$$^{50}$$Arでは中性子数32のサブシェルギャップが$$^{52}$$Caと同じくらい大きくなることによってその第一励起エネルギーが$$^{48}$$Arよりも高くなることがわかった。また、殻模型計算によって、中性子数34のサブシェルギャップがCaからArにかけて増大することを予言し、その影響は今後行われるであろう$$^{52}$$Arの励起状態の測定で確かめ得ることを示した。

論文

Monopole-driven shell evolution below the doubly magic nucleus $$^{132}$$Sn explored with the long-lived isomer in $$^{126}$$Pd

Watanabe, H.*; Lorusso, G.*; 西村 俊二*; Otsuka, T.*; Ogawa, K.*; Xu, Z. Y.*; 炭竃 聡之*; S$"o$derstr$"o$m, P.-A.*; Doornenbal, P.*; Li, Z.*; et al.

Physical Review Letters, 113(4), p.042502_1 - 042502_6, 2014/07

 被引用回数:25 パーセンタイル:76.03(Physics, Multidisciplinary)

A new isomer with a half-life of 23.0(8) ms has been identified in $$^{126}$$Pd at 2406 keV excitation. The proposed spin and parity configuration is 10$$^{+}$$, with maximally aligned configuration of two $$h$$$$_{11/2}$$ neutron hole. $$beta$$-decay from the long-lived isomer was also observed to populated excited states at high spins in $$^{126}$$Ag. The small energy difference between the 10$$^{+}$$ and 7$$^{-}$$ isomers in $$^{126}$$Pd was interpreted in the frame of the monopole shift of the 1$$h$$$$_{11/2}$$ neutron orbit. The effects of the monopole interaction on the evolution of single-neutron energies below $$^{132}$$Sn are discussed in terms of central and tensor forces.

論文

Evidence for a new nuclear "magic number" from the level structure of $$^{54}$$Ca

Steppenbeck, D.*; 武内 聡*; 青井 考*; Doornenbal, P.*; 松下 昌史*; Wang, H.*; 馬場 秀忠*; 福田 直樹*; 郷 慎太郎*; 本間 道雄*; et al.

Nature, 502(7470), p.207 - 210, 2013/10

 被引用回数:319 パーセンタイル:99.77(Multidisciplinary Sciences)

中性子数34の新しい魔法数が中性子過剰核で存在することが10年ほど前に東京大学と発表代表者らのグループによって指摘されて以来、世界各地の不安定核研究施設にてその実験的検証の試みがなされてきた。しかし、中性子数34の魔法数はカルシウムのみに見られる極めて局所的なものであり、カルシウム54を十分に生成するのが困難なことから、これまで実験的な証拠が得られてこなかった。この研究では、理化学研究所のRIBFにてカルシウム54の励起状態を$$gamma$$線分光によって初めて観測し、第一励起状態が約2MeVにあることを見つけた。この励起エネルギーは、カルシウム42,44,46,50などの非中性子魔法数のものに比べかなり高いものであり、中性子数34の魔法数の存在が確立された。発表代表者らによる理論解析の結果、中性子数34の殻ギャップは、既に魔法数として知られている中性子数32のものと同程度の大きさであることがわかった。

口頭

The Fe(III)-dependent anaerobic methane-oxidizing activity in a deep underground borehole demonstrated by in-situ pressure groundwater incubation

西村 大樹*; 幸塚 麻里子*; 福田 朱里*; 石村 豊穂*; 天野 由記; 別部 光里*; 宮川 和也; 鈴木 庸平*

no journal, , 

地下深部の地下水は、微生物活動などにより酸素が消費され、一般に還元性になっている。幌延の深部地下水では、微生物活動による二酸化炭素還元反応により強還元雰囲気が維持されている。一方で、幌延深地層研究センター地下研究施設の一部のボーリング孔では、嫌気的環境にも関わらずメタン酸化機能を持つ微生物の存在が明らかにされている。局所的ではあるものの、地下深部の強還元雰囲気において進行する酸化反応機構の解明を目的として、本研究では、原位置の水質・水圧を模擬し、この嫌気的メタン酸化微生物の培養を行った。その結果、地下水中の懸濁物に含まれる非晶質鉄あるいは2八面体型スメクタイトに含まれる3価鉄が酸化剤として機能していることが分かった。このような酸化剤が地下深部に存在する要因の一つとして、ボーリングの掘削泥水などの掘削に伴う人為的影響が挙げられる。高レベル放射性廃棄物の地層処分において閉鎖後の処分場坑道周辺の酸化性環境は、周辺母岩中の鉱物との反応等により本来の還元性に戻ると考えられている。本研究で得られた知見は、この処分場閉鎖後の回復過程についてより正確な理解に繋がる成果である。

口頭

陸域地下深部におけるメタンに依存する巨大な微生物生態系の解明

西村 大樹*; 幸塚 麻里子*; 福田 朱里*; 石村 豊穂*; 天野 由記; 別部 光里*; 宮川 和也; 鈴木 庸平*

no journal, , 

地下深部の地下水は酸素が消費され一般に還元性になっている。幌延の深部地下水では微生物活動による二酸化炭素還元反応により強還元雰囲気が維持されている。一方で幌延深地層研究センター地下研究施設の一部のボーリング孔では、嫌気的環境にも関わらずメタン酸化機能を持つ微生物が存在している。これまでの研究により地下水中の懸濁物に含まれる非晶質鉄あるいは2八面体型スメクタイトに含まれる3価鉄が酸化剤として機能していることを明らかにしてきた。本研究では地上からのボーリング掘削により得られた深度210-320mのコア試料を用いてメタン酸化活性を評価した。その結果、地下水試料と比較して数桁高いメタン酸化代謝が得られたことから、地下水と比べてより多くの微生物が岩石内部に生息していることが示唆され、陸域地下生命圏においてはメタンが重要なエネルギー源であることが示唆された。高レベル放射性廃棄物の地層処分において処分場閉鎖後の坑道周辺の酸化性環境は、周辺母岩中の鉱物との反応等により本来の還元性に戻ると考えられている。本研究で得られた知見はこの処分場閉鎖後の回復過程についてより正確な理解に繋がる成果である。

口頭

Producer vs. consumer; Ammonium assimilation by DPANN in deep subsurface habitats

西村 大樹*; 浦井 暖史*; 石川 尚人*; 松井 洋平*; 井町 寛之*; 小河原 美幸*; 小川 奈々子*; 宮川 和也; 宮入 陽介*; 横山 祐典*; et al.

no journal, , 

これまでに幌延深地層研究センターの地下施設を用いて、地下深部に存在する微生物生態系を遺伝子解析により明らかにしてきた。微生物群集組成において主要な存在度を示すメタン生成菌や硫酸還元菌などのいくつかの種については分離培養により詳細な機能が実証され、地下深部の還元環境の維持に重要な役割を果たしていることが分かってきている。一方で、多くの微生物種については分離培養が難しいために、機能については遺伝子情報から推定されるのみであった。本研究では、アミノ酸に含まれる窒素が代謝過程の違いにより同位体分別を受けることに着目し、140m調査坑道から得られた地下水中に存在するDPANN群の古細菌である${it Ca.}$ Altiarchaeotaの細胞中のグルタミン酸とフェニルアラニンの窒素同位体比の差($$Delta$$$$^{15}$$N$$_{Glu-Phe}$$)を測定することで、その窒素代謝機能を明らかにすることを試みた。その結果、$$Delta$$$$^{15}$$N$$_{Glu-Phe}$$は-0.6 $$pm$$ 1.9‰であったことから、本微生物は無機窒素同化機能を持つことが分かり、遺伝子情報から推定される機能と一致した。本微生物は他の有機窒素を消費する古細菌に対して、地下水中の無機窒素から有機窒素を合成・供給する役割を持つことが分かった。今後、本手法により未解明の微生物機能の解明が期待される。

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