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飯田 芳久; 大貫 敏彦; 磯部 博志; 柳瀬 信之; 関根 敬一; 吉田 英一*; 湯佐 泰久*
Journal of Contaminant Hydrology, 35, p.191 - 199, 1998/00
被引用回数:4 パーセンタイル:18.69(Environmental Sciences)変質過程での花崗岩中の希土類元素の移行挙動を解明するために、東濃ウラン鉱床を対象として、これまで岩石中の希土類元素の分布を研究してきた。試料は土岐花崗岩の変質・未変質部より採取した。希土類元素濃度は中性子放射化分析法により、鉱物相は粉末X線回折法及びSEMにより測定した。元素分析は、ICP発光分析法により行った。変質試料中では、未変質試料に比べ軽希土類元素濃度が高かった。変質・未変質試料中には、一般に希土類元素を含むとされる鉱物が観察されたが、変質試料中にのみCa,希土類元素の炭酸塩鉱物が見られた。変質試料中のCa,軽希土類元素濃度が高いことから、これらの元素が熱水によって移行し、炭酸塩鉱物として結晶化したと考えられる。
柳瀬 信之; 佐藤 努; 飯田 芳久; 関根 敬一
Radiochimica Acta, 82, p.319 - 325, 1998/00
クンガラウラン鉱床におけるウラン及びアクチニウム系列核種の水平及び深さ方向の2次元分布を、ガンマ線スペクトロメトリーにより求めた。U-238とTh/U放射能比の深さ方向の分布から、クンガラ鉱床の風化帯を3つの部分に分けることができた。5mより浅い表層では、雨水による速い移動によりウラン濃度は低く、5-20mの中層では、鉄鉱物へのウランの固定などによりウラン濃度は比較的高く、しかも35万年以内の顕著な移動は検出できなかった。より深い20-28m層では、1次鉱床から溶出したウランが下流方向150mにわたって移動沈着していた。また、2次鉱床に残っているウランの割合を計算すると、表層、中層及び深層でそれぞれ2-9%、13-58%及び14-29%であった。最も高かったのは深さ15mの2次鉱床の中心であった。したがって、移行率では1-3百万年の間に表層、中層及び深層で91-98%、42-87%及び71-86%のウランが鉱床から移行したと推定できた。
大貫 敏彦; 柳瀬 信之; 関根 敬一; 磯部 博志; 永野 哲志; 坂本 義昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(12), p.1153 - 1158, 1997/12
被引用回数:26 パーセンタイル:86.43(Nuclear Science & Technology)非晶質鉄鉱物の結晶化過程におけるウランの再分配挙動を、選択的抽出法により検討した。硝酸鉄溶液中に1mg・l1のウランを混合し、PHを6.5に調整して得た初期の沈澱は、全てTAO溶液により溶解した。また、溶液中のウラン濃度は1%以下であった。このことは、ほとんどのウランが非晶質の鉄鉱物に吸着していることを示している。鉄とウランの沈澱は、時間の経過とともに一部がTAO溶液では溶けないで残った。この場合、TAO溶液により抽出されるウランの量は、残査沈澱物の量が増えるに伴い減少した。溶液中のウランの濃度はやはり1%以下であった。これらの結果から、非晶質鉄鉱物の結晶化過程において、ウランは溶液中にはき出されず、結晶質および非晶質の鉄鉱物に吸着していることがわかった。
関根 敬一; 村岡 進; 馬場 恒孝
JAERI-Review 97-007, 61 Pages, 1997/03
人工バリア研究室、天然バリア研究室及び地質環境研究室において、平成7年度に実施した放射性廃棄物処理処分の安全性に関する研究成果をまとめた。その内容は次の通りである。1)廃棄物固化体及び人工バリア材の研究開発では、各種固化体の性能評価試験を継続した。2)浅地中埋設に関する安全評価研究では、土壌中の核種移行試験を継続した。3)地層処分の安全性評価研究では、核種の水中での化学的挙動、地層中での核種移行、地下水流動に関する研究、並びに、ナチュラルアナログ研究を継続した。
関根 敬一; 村岡 進; 馬場 恒孝
JAERI-Review 96-005, 97 Pages, 1996/03
人工バリア研究室、天然バリア研究室及び地質環境研究室において、平成5,6年度に実施した放射性廃棄物処理処分の安全性に関する研究成果をまとめた。その内容は次の通りである。1)廃棄物固化体及び人工バリア材の研究開発では、各種固化体、緩衝剤及びモルタルの性能評価試験を継続した。2)浅地中埋設に関する安全評価研究では、土壌中の核種移行試験を継続した。3)地層処分の安全性評価研究では、核種の水中での化学的挙動、地層中での核種移行、地下水流動に関する研究、並びにナチュラルアナログ研究を継続した。
柳瀬 信之; 佐藤 努; 磯部 博志; 関根 敬一
放射性廃棄物研究, 2(1-2), p.121 - 135, 1996/02
クンガラウラン鉱床を用いたナチュラルアナログ研究において、岩石中のウランの分布を明らかにするために、逐次選択的抽出法を適用した。対象とした抽出相は、吸着、非晶質鉄鉱物、結晶質鉄鉱物、緑泥石および残査鉱物相である。風化帯では、大部分のウランが結晶質鉄鉱物と共存しており、非風化帯の鉱床付近ではウラン鉱物としてウランが存在していた。非風化帯の地下水流の下流側では鉱床起源のウランは少なかった。また、各抽出相のU/U放射能比から、微視的に残査鉱物が鉄鉱物に覆われている状態で反跳が起こることが原因と考えられる残査鉱物相へのUの濃集が認められた。
中山 真一; 山口 徹治; 関根 敬一
Radiochimica Acta, 74(1), p.15 - 19, 1996/01
水溶液中におけるNp(IV)水和酸化物の溶解度を測定した。pHは511.5、温度は25C、還元剤としてチオ硫酸ナトリウム(NaSO),Fe(II)イオン,金属鉄または金属銅を用いた。また過飽和,未飽和双方から測定を行った。得られた値はlogK=-8.410.33であった。ただし例外的に、金属鉄共存下で10M程度の高い値を示した。
H.M.Garnett*; P.L.Airey*; 関根 敬一; P.-S.Hahn*; W.R.Ott*; C.Pescatore*
10th Pacific Basin Nuclear Conf. (10-PBNC), 2, p.1335 - 1342, 1996/00
処分場候補地の性能評価の科学的基礎に資する目的で、OECD/NEA主催、アリゲータリバー地域におけるアナログ研究が行われている。プロジェクト参加機関はANSTO(オーストラリア原子力科学技術機構)、JAERI、KAERI、USNRCである。本プロジェクトの主たる関心事は核種移行予測コードを支える遅延機構のモデルの検証である。本報告はプロジェクトで実施した吸着研究の最近の進捗について述べた。特にウランの移行に対してカオリナイト中のアナターゼの働き、鉄ノジュールの働きについて評価した。ナチュラルアナログの手法を乾燥サイトに適用した結果についても述べた。各研究機関の科学的研究法についても付属書にそのあらましを述べた。
中山 真一; 佐藤 努; 永野 哲志; 柳瀬 信之; 山口 徹治; 磯部 博志; 大貫 敏彦; 関根 敬一
JAERI-Review 95-011, 94 Pages, 1995/07
環境安全研究部地質環境研究室は、高レベル放射性廃棄物の安全評価および処分システムの性能評価のための基礎研究を担う研究室のひとつであり、放射性核種-地下水-岩石・鉱物間に起こる相互作用、すなわち放射性核種の地球化学的挙動に関して、天然現象の観測および試料の観察に基づく研究(ナチュラルアナログ研究)、ならびに室内における実験的研究を進めてきた。本報告書は、本研究室における研究活動の背景、位置付けおよび成果をまとめたものであり、それを通して、われわれの研究の地球化学的基礎研究としての、かつ地層処分のための研究としての意義を明確にした。またそれとともに廃棄物処分の分野における基礎研究の必要性・重要性を強調した。本報告書は当研究室が拠って立つべき存在意義である。
柳瀬 信之; T.E.Payne*; 関根 敬一
Geochemical Journal, 29, p.31 - 54, 1995/00
被引用回数:23 パーセンタイル:46.53(Geochemistry & Geophysics)クンガラウラン鉱床中のウラン系列核種の移行挙動を研究するために、地下水中の核種濃度及び放射能比を求めた。深さ20m以浅の地下水のU/U比は1より小さく、30m以深では1より大きかった。Thはウランに比べ地下水中では非常に動きにくかった。Ra/U比から、RaはUに比べ風化帯(30m以浅)より非風化帯(30m以深)で動きやすかった。これは風化帯ではMnやFeを含む風化二次鉱物に、Raが共沈あるいは吸着されるためと考えられる。Rnは地下水中にUより3桁以上過剰に存在し、Pb/Rn比からはPbの地下水中での滞留時間約6日が推定できた。以上の結果から、クンガラウラン鉱床では、ウラン系列核種の非平衡は、酸化還元状況の反映である風化の度合い、溶解共沈吸着現象、及びアルファリコイル機構によって支配されていると考えられる。
柳瀬 信之; T.E.Payne*; 関根 敬一
Geochemical Journal, 29, p.1 - 29, 1995/00
被引用回数:25 パーセンタイル:49.31(Geochemistry & Geophysics)非常に風化した岩石-地下水系におけるウランの移行挙動を詳細に知るために、クンガラウラン鉱床の地下水の地球化学的研究を行った。クンガラ地下水の特徴は、中性のpH、酸化性、そして陽・陰イオンとしてMgと炭酸水素イオンが支配的なことである。鉱床中心では、ウラン濃度は周辺より3桁高かった。ウランの地下水中での化学形は、炭酸ウラニルイオンであると考えられる。得られた地球化学的データから、クンガラの地下水流は、上流の砂岩層に浸透した雨水が、鉱床に近接する断層を通して鉱床へ入り、鉱床中のウラン酸化物(ウラニナイト)を風化溶解し、鉱床から南東及び南方向へ流れていると考えられる。また、ウランの一部は、約100~150万年の間に鉱床の中心から約200m下流に移動していることが分った。
柳瀬 信之; 関根 敬一
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.353, 0, p.1235 - 1242, 1995/00
地層中における超ウラン元素の長期の移行挙動を類推する1つの方法として、ウラン系列核種を用いたナチュラルアナログ研究がある。その際、基礎的なデータとして地層中の岩石や地下水中のウラン系列核種の分布を知る必要がある。そのためには迅速で簡便な測定方法が必要である。そこで、複雑で時間のかかる線スペクトロメトリーに代わり、より簡便な線スペクトロメトリーの有用性を検討した。その結果、UとThについては、それぞれ0.1及び1Bq/g以上の試料について充分適用可能であることが分かった。さらに、この方法で実際のクンガラ鉱床の試料を測定したところ、地表付近の岩石については、鉱床でウランの溶出が、また南東方向の地下水流付近でウランの蓄積が見い出された。
柳瀬 信之; 関根 敬一
日本原子力学会誌, 37(8), p.704 - 709, 1995/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)水中の線放出核種を現場で直接測定する検出器としてGe検出器の適用を検討した。大型水槽にGe検出器あるいはNaI(Tl)検出器を吊り下げ、空気、水道水、海水並びにCs及びCoを含んだ海水をそれぞれ満たしたときの線スペクトルを測定した。その結果、NaI(Tl)検出器では検出できなかった濃度のCs及びCoが、Ge検出器では検出できた。Ge検出器の海水中でのピーク検出効率は、662keV(Cs)、1332keV(Co)及び1462keV(K)線について、それぞれ29、22及び19cps/(photon/s・ml)であり、検出限界濃度は、0.29、0.24及び1.6mBq/mlであった。これらの値が放射性廃液の排水濃度限度以下であることから、Ge検出器が平常時の野外での水中放射能のモニタリングに、また、チェルノブイル原発事故のような場合にも十分使用可能であることが分かった。
関根 敬一
JAERI-M 94-061, 21 Pages, 1994/03
本報告は1993年9月原子力安全委員会にて著者が報告した資料をもとに原稿を起こしたものである。その内容は、天然鉱物の変質研究としての天然ガラスの変質、豪州クンガラウラン鉱床をサイトとして行われたアリゲーターリバーアナログプロジェクト研究として、ウラン鉱物の変質、ウラン・トリウム系列核種の移行、録泥石の変質、ウランの固定化、鉱物の変質とウランの移行である。
村岡 進; 妹尾 宗明; 関根 敬一
JAERI-M 94-027, 127 Pages, 1994/03
人工バリア研究室、浅地処分研究室、深地処分研究室及び環境放射化学研究室において、平成4年度に実施した放射性廃棄物処理処分の安全性に関する研究成果をまとめた。その内容は次の通りである。1)廃棄物固化体及び人工バリア材の研究開発では、各種固化体、緩衡材及びモルタルの性能評価試験を継続した。2)浅地中埋設に関する安全性評価試験では、土壌中の核種移行試験を継続した。3)地層処分の安全性評価試験では、核種の水中での化学的挙動、地層中での核種の移行・固定機構の研究を継続した。4)ナチュラルアナログ研究として、ウラン鉱床中のウラン系列核種の移行・分布に関する研究を継続した。
柳瀬 信之; 上野 隆; 関根 敬一; 小林 義威
第34回環境放射能調査研究成果論文抄録集; 平成3年度, p.96 - 97, 1992/12
Ge検出器を用いる海洋における放射能モニタリングシステムの開発を目的として、水槽実験を行った。Ge検出器及びNaI検出器の海水中での線スペクトルの比較、及びGe検出器の海水中での検出感度並びに検出限界放射能濃度を検討した。これらの値をこれまでに報告されている海水中Cs及びCoの放射能濃度と比較し、本Ge検出器の海水中での性能を評価した。その結果、NaI検出器の分解能では検出できなかった濃度(約0.3mBq/ml)のCs及びCoが、Ge検出器では検出可能であった。水槽の大きさを検討した結果、Ge検出器について得られた海水中K,Cs,Coの検出感度19,19,17cps/(photon/s・ml)は、実際の海洋での測定に十分適用可能と思われる。
大貫 敏彦; 村上 隆; 関根 敬一; 柳瀬 信之; 磯部 博志; 小林 義威
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol. 176, p.607 - 614, 1990/00
変質した石英-緑泥石中のウラン系列核種移行挙動をオーストラリア、クーンガウにおける核種濃度分布データを用いて研究した。U/UおよびTh/U放射能比の分布から、核種の移行は深さにより異なることが明らかとなった。また、U/UとTh/Uの関係から、UとUの遅延係数は異なりUの遅延係数がUよりも大きかった。その値は深さにより異なり、浅層部では1.1、中層部では1.9であった。X線回折解析より、緑泥石が変質により、カオリナイト-スメクタイトおよびゲータイト、ヘマタイトへ変わっているのが観察された。深さによるウラン系列核種の移行挙動の違いは緑泥石の変質に伴う層構成分質の違いによるものと考えられる。
関根 敬一; 今井 利夫; 笠井 篤
Talanta, 34(6), p.567 - 570, 1987/06
被引用回数:21 パーセンタイル:73.33(Chemistry, Analytical)液々抽出分離-スペクトロメトリーによる環境試料中のPu,Amの逐次定量法を確立した。試料を硝酸、過酸化水素でリーチング後、水酸化第二鉄、シュウ酸カルシウム共沈により、プルトニウム、アメリシウムを精製する。沈殿を灰化した後、4MHNO溶液とし、TOA(トリ-n-オクチルアミン)でプルトニウムを抽出、NHI-HCl溶液で逆抽出する。プルトニウムを抽出した残りの水相をpH4としTTA(テノイルトリフルオルアセトン)によりアメリシウムを抽出、1M HNOで逆抽出後、陰イオン交換(Dowex14)により希土類元素を除去する。得られた溶液を蒸発乾固した後、硫酸アンモニウム系からそれぞれを電着、スペクトロメトリーにより定量した。
笠井 篤; 関根 敬一; 今井 利夫; 天野 光; 柳瀬 信之; 松永 武
JAERI-M 86-047, 142 Pages, 1986/03
本データは環境第2研究室が、その全身である保健物理部時代から現在までに測定した各環境試料中の放射性核種の測定結果を集録したものである。測定した環境試料は、大気塵埃、降下物、土壌、海底土、河川水、海水、植物であり、測定の期間は1961年~1981年までの21年間のデータである。また、1978年から開始したバックグラウンド放射能精密分布調査による測定結果も集録してある。これらのデータは全て計算センターの計算機にファイルされており、検索及び必要な部分のデータのみの出力も可能である。今後 これらのデータを基に種々の解析評価を行う。
笠井 篤; 今井 利夫; 関根 敬一
Health Physics, 46(1), p.214 - 217, 1984/00
核爆発実験によって生じたフォールアウトプルトニウムの東海村における大気中濃度と降下量を1975年から連続して測定している。そのデータをまとめ、プルトニウムの大気中濃度と降下量の季節変動を明らかにした。また1960年代前半にさかのぼって、Sr大気中濃度からプルトニウム濃度を推定した。一方それらの大気中のプルトニウム濃度から人の呼吸によって与える被曝線量を2000年までの線量預託として推定した。