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若井 隆純; 小林 澄男; 加藤 章一; 安藤 勝訓; 高正 英樹*
Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 7 Pages, 2017/07
異材溶接継手構造モデルに対する熱疲労試験について述べる。JSFR設計においては、IHXとSGにフェライト-オーステナイト異材溶接継手が発生する。JSFRの機器では、クリープ疲労が最も重要な破損様式であるが、異材溶接技手に対するクリープ疲労強度評価法は確立されていない。評価法を開発し検証するためには、構造物試験が必要である。そこで、周方向に改良9Cr-1Mo鋼-SUS304の異材溶接継手を有する厚肉円筒に対する熱疲労試験を行った。これらの鋼種の熱膨張係数は大きく異なることから、中間にNi基合金がバタリング溶接された。試験後の解体検査で、SUS304側熱影響部と改良9Cr-1Mo鋼側熱影響部に深いき裂が観察された。SUS304母材表面には亀甲状のき裂が多数見られた。有限要素解析に基づく疲労損傷評価の結果、最大の疲労損傷はSUS304側熱影響部に発生すると評価された。また、SUS304母材部の疲労損傷も大きく評価された。これらの評価結果は、実験結果とよく一致する。しかし、改良9Cr-1Mo鋼側熱影響は、比較的小さい疲労損傷と評価されたにもかかわらず、深いき裂が観察された。この原因を究明するため、数値解析と金属組織観察を実施した。
安藤 勝訓; 高正 英樹*; 川崎 信史; 笠原 直人*
Journal of Pressure Vessel Technology, 135(6), p.061207_1 - 061207_10, 2013/12
被引用回数:5 パーセンタイル:26.72(Engineering, Mechanical)有限要素法解析により球形管板の応力発生機構について検討し、その結果をまとめた。一連の応力発生機構の検討結果に基づき平管板と球形管板を組合せたハイブリッド管板モデルを提案した。またこのハイブリッド管板モデルにおける応力発生機構についても分析した。
笠原 直人*; 高正 英樹*; 川崎 信史; 安藤 勝訓
Proceedings of International Symposium on Plasticity 2010 (CD-ROM), p.34 - 36, 2010/01
本件では、多孔板の等価中実モデルの設定手法について提案した。弾塑性解析はその解が構成則に依存することにその困難さがあり、この問題を解決するために多孔板の塑性挙動について系統的に調査を実施した。これらの研究により多孔板の平均応力と母材の応力比で定義される有効応力比(ESR)の存在を明らかにした。ESRは幾何学的なパラメータ関数であり、構成方程式から独立したものである。したがって、ESRを採用することにより母材の構成方程式の種類によらず多孔板の塑性変形を表現できる。
浅山 泰; 高正 英樹*; 加藤 猛彦*
Journal of Pressure Vessel Technology, 131(1), p.011402_1 - 011402_9, 2009/02
被引用回数:9 パーセンタイル:42.59(Engineering, Mechanical)高速増殖炉のような新型炉の開発にあたっては、リスクベース技術を供用期間中検査にとどまらず、プラントのライフサイクルを見渡したうえで機器や系統の設計に適用してゆく必要がある。そのためには、運転経験が蓄積されていなくても機器の破損確率を評価できる解析的方法を開発する必要がある。このような方法は実際の破損メカニズムを踏まえたものである必要がある。このために、疲労破損について、確率論的構造健全性評価法を開発した。本方法は確率論的破壊力学手法の拡張であるが、き裂の発生,進展に加えて、任意のサイクルにおけるき裂深さの分布を評価することができる。本方法を検証するために熱疲労を受けた構造物のき裂深さ分布を評価したところ、良好な精度で評価できた。この事実はいままで不可能と考えられていた、確率論的破壊力学手法を実験的に検証する可能性を示すものである。本方法は将来的に原子力機器の供用期間中検査の最適化のみならず設計時の安全係数の最適化等にも適用できると考えられる。
笠原 直人*; 高正 英樹*; 川崎 信史; 安藤 勝訓
日本機械学会M&M2008材料力学カンファレンス講演論文集(CD-ROM), p.OS0623_1 - OS0623_2, 2008/09
熱交換器に使用される多数の伝熱管を集合させる多孔板は形状が複雑であることから、マクロな等方性に着目して等価な中実板に置き換えた解析が行われている。等価中実板を用いた非弾性解析を可能とするため、構成式に依存しない汎用的な弾塑性クリープ等価物性を決定する手法の研究を筆者らは進めている。本報では前報にて紹介した有効応力比に基づく等価中実板の管板構造設計への適用性を報告する。従来の平管板に加えて、高速増殖実証炉での採用が期待されている球形管板についても適用範囲を調べ、設計用解析モデルを提案した。
川崎 信史; 高正 英樹*; 小林 澄男; 長谷部 慎一; 笠原 直人
Proceedings of 2008 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2008) (CD-ROM), 9 Pages, 2008/07
温度ゆらぎの疲労強度に対する周波数効果(周波数に依存する温度伝達及び応力変換割合減衰効果)を明らかにするために、正弦波温度ゆらぎを重畳させた熱疲労試験が実施された。温度振幅200度0.05Hzと温度振幅60度0.5Hzの正弦波を組合せた2重畳波の温度ゆらぎと温度振幅150度0.2Hz,温度振幅75度0.05Hz,温度振幅50度0.5Hzの正弦波を組合せた3重畳波の温度ゆらぎが試験温度条件である。20秒の基本周期に対し2重畳波の試験では73,810サイクルの3重畳波の試験では116,640サイクルの試験が実施された。熱疲労き裂発生位置は、両試験において、試験体入口部から400から600mmの位置であった。き裂発生位置における疲労寿命をパワースペクトラム密度関数と周波数伝達関数を用いて評価したところ、ファクター3の精度をもって試験寿命を評価できた。周波数効果を考慮せずに、疲労寿命を評価する場合は、疲労寿命を本手法に対しワンオーダー保守的に評価することから、これらの関数を用い周波数効果を考慮することが、高精度の寿命評価には必要となることがわかった。
安藤 勝訓; 高正 英樹*; 川崎 信史; 笠原 直人
Proceedings of 2008 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2008) (CD-ROM), 10 Pages, 2008/07
実用化に向けて研究開発の進められている高速増殖炉(JSFR)の蒸気発生器(SG)では、安全性と経済性の観点から一体貫流型直管2重管SGの採用が検討されており、その管板部は高温(520C),高蒸気圧力(19.2MPa)で使用される。このSG管板に負荷される主たる応力は、内圧による1次応力と熱過渡時の熱応力となる。本件では、SG管板形状と内圧による1次応力及び熱過渡による熱応力の発生機構の関係を明らかにし、この結果に基づき、1次応力の設計制限を満足し、かつ熱過渡時の最大発生応力が最小となる管板形状を提案した。
笠原 直人; 高正 英樹*
日本機械学会M&M2007材料力学カンファレンス講演論文集(CD-ROM), p.421 - 422, 2007/10
熱交換器に使用される多数の伝熱管を集合させる正三角配列多孔板は形状が複雑であることから、マクロな等方性に着目して等価な中実板に置き換えた解析が行われている。等価中実板から求まる平均的な応力とひずみに設計係数を乗じることにより簡易にリガメント部の挙動を評価する。著者らは、多孔板の弾塑性クリープ挙動を分析する中で、母材の材料特性と多孔板の平均挙動の間には、構成式によらず形状のみで記述される関係があることを発見した。この関係は、多孔板の平均応力とリガメント部の有効応力との比を意味していると考察される。
笠原 直人; 高正 英樹*; 安藤 勝訓
日本機械学会2007年度年次大会講演論文集, Vol.1, p.683 - 684, 2007/09
次世代高速増殖炉において、安全性と経済性を達成するための革新技術の一つとして、もんじゅで採用された単管ヘリカルコイル型蒸気発生器とは異なる直管2重伝熱管蒸気発生器の採用が検討されている。蒸気発生器の構造設計では、多数の伝熱管を束ねる管板の設計が、その形状の複雑さと過渡運転時の厳しい熱応力により難しい。特に、伝熱管本数が多く大型化した直管2重伝熱管蒸気発生器では、耐圧上有利な球形管板の採用と新規材料である高クロム鋼の採用が検討されており、従来の設計法の適用範囲を超える。このため、平成18年度に原子力機構次世代原子力システム研究開発部門,システム計算科学センター及びプラントメーカーが協力し、プラント過渡運転時の最大応力発生位置,最大応力値の把握,応力発生機構の研究を行った。
笠原 直人; 川崎 信史; 若井 隆純; 高正 英樹*
Transactions of the 19th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-19) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/08
熱交換器に使用される管板構造は多孔板とそれを囲むリム及び支持構造物とからなる複雑な3次元構造であるため、そのままの形状で解析することは現実的でなく設計評価には専用の簡易解析法が必要とされてきた。軽水炉の分野では管板の簡易解析法として、ASME Boiler Pressure Vessel Codeの中のAppendix A-8000が基本的に参照されている。本方法はO'Donnellらにより提案されたもので、解析の簡易化のため多孔板を等価な中実板でモデル化し、等価中実板の解析から得られる公称応力(nominal stress)に応力集中係数を乗じることで孔回りの局所的応力を評価する弾性領域における解析法である。これに対し、材料の弾塑性クリープ挙動が問題となる高温で運転される高速炉の管板を解析するには、非弾性解析法が必要となる。このため等価中実板の弾塑性解析用の2直線近似式,Ludwik式,クリープ解析用のNorton則式,Blackburn式を与えるための非弾性特性の一般的決定法を開発した。
川崎 信史; 高正 英樹*; 笠原 直人
9th German-Japanese seminar, 0 Pages, 2004/10
コールド/ホットスポットを伴うサーマルストライピング現象を対象にし、温度スポットが疲労強度に及ぼす効果を検討した。局所的な温度スポットを伴うサーマルストライピングによる熱応力は、スポットを伴わない場合と比較し、膜応力が新たに発生するとともに曲げ応力も増加することを計算例により明らかにした。この応力の増加が、疲労寿命を低下させるとともに亀裂進展速度を速める効果をもたらしている。この応力増加は、温度スポットによる熱ひずみの周辺構造からの拘束によりもたらされるため、これらを定量化した拘束効率係数の概念を、著者らの開発した周波数伝達関数に基づく熱応力評価法に導入した。周波数伝達関数モデルに基づく評価法の妥当性は、温度スポットを考慮した繰返しFEA計算との比較により確認した。
高正 英樹*; 笠原 直人; 柄谷 和輝*
JNC TN9400 2003-096, 76 Pages, 2003/12
実用高速炉では、経済性の要求から冷却ループの大容量化とループ数削減を指向しており、熱交換器が大型化する方向である。また、冷却材に液体金属ナトリウムを使用することから信頼性の高い2重伝熱管の採用が計画されており、その結果、溶接の不要な直管型となることから、伝熱管本数が増大する傾向にある。以上から、蒸気発生器は大型の2重直管型となり、耐圧設計との兼ね合いから大型球形管板が必要になる。大型球形管板を実用化するには、複雑3次元形状に対する構造解析法の確立が必要となる。従来の管板解析法は、多孔部を等価中実板に置き換えて平均的な応力を求め、それに集中係数を乗じることで孔縁のピーク応力を求めるものであった。球形管板では、最大応力が生じる外縁の孔廻りの異方性が強いことから、応力集中係数による評価精度が低下する。このため、孔廻りの詳細形状を考慮した3次元解析が望まれる。3次元解析は、外縁の孔廻りに限定した部分孔開きモデルとしても大規模になるため、通常の直接法ソルバでは計算が難しくなる。このため、大規模解析で計算効率の高くなる反復ソルバを開発し、FINASへ実装した。実用化戦略調査研究で検討されている直管型球形管板を対象として、部分孔開きモデルを作成したところ100万自由度を越す大きさとなった。反復ソルバを組み込んだFINASとPCを用いて手動トリップを想定した20ステップの熱過渡弾性応力解析を行ったところ、72時間で解析が終了した。以上から球形管板に対する3次元構造解析法の適用性が確認できた。
笠原 直人; 安藤 昌教; 陳 富全*; 古橋 一郎*; 高正 英樹*
Proceedings of 2003 ASME Pressure Vessels and Piping Conference, 461, 119 Pages, 2003/00
原子力プラント等の温度の異なる流体の合流部では、流体温度の不規則な変動により接液する構造物に繰り返し熱応力が発生することから、き裂進展の可能性を評価する必要がある。流体温度ゆらぎが熱応力に変換されるまでには、流体内の乱流混合による温度の減衰、及び構造の温度応答遅れと均熱化による応力の減衰生じ,その効果はゆらぎの周波数に依存することが知られている。本研究では,周波数に応じた流体内と構造の減衰効果を考慮することによって、流体温度ゆらぎによる応力拡大係数を合理的に評価する方法を提案した。
笠原 直人; 古橋 一郎*; 陳 富全*; 安藤 昌教; 高正 英樹*
JNC TN9400 2002-047, 107 Pages, 2002/08
原子力プラントの機器、配管において温度が異なる冷却材が合流する領域では、流体混合による不規則な温度ゆらぎが生じるため、接液する構造物では繰り返し熱応力による高サイクル疲労破損に注意する必要がある。著者らはこれまで、疲労損傷係数によるき裂の発生評価への適用可能な、流体温度ゆらぎに対する表面熱応力の周波数応答関数を提案してきた。こうしたアプローチに加え、実機の破損は、き裂の発生、進展、貫通といった過程を経ることから、き裂進展特性に基づく適切な検査と補修、き裂の停留評価等も破損防止の有効な手段となり得る。本研究では、き裂進展特性に着目した熱疲労評価への適用を目的として、流体温度ゆらぎに対する応力拡大係数の周波数応答関数を提案した。応力拡大係数は、温度ゆらぎの周波数が高くなると、き裂の進展と共に現象する傾向を示す。これに対して、低周波でかつき裂面に垂直な方向の熱膨張が拘束される場合は、応力拡大係数がき裂の進展と共に増加することから注意が必要となる。
笠原 直人; 高正 英樹*
JNC TN9400 2001-118, 69 Pages, 2002/01
原子力プラントの機器・配管において温度が異なる冷却材が合流する領域では、流体混合による不規則な温度ゆらぎが生じるため、熱応力による構造材の疲労破損に注意する必要がある。著者らはこれまで、構造表面の固定された空間上の温度ゆらぎによる応力を周波数に応じて合理的に評価する応答関数を提案してきた。これに対し実際のプラントでは、温度成層界面やホット/コールドスポット等の温度境界が空間上を移動する問題が存在する。本研究では、上記問題に対する熱応力の合理的評価を目的として、温度境界移動に対する接液構造物の周波数応答関数を定式化した。固定境界問題と異なる移動境界問題の特徴は、温度ゆらぎ周波数に加えて移動距離が発生熱応力へ影響することで、移動距離が長くかつ周波数が極端に遅い場合には応力は減衰しなくなる。これに対し、実機で生じる温度成層界面とホット/コールドスポットは通常移動距離が短く周波数も遅いため応力が減衰する。提案した周波数応答関数は、移動距離と変化速度を表す周波数によって現実的に起こりえる応力の応答を定量記述するものである。
笠原 直人; 高正 英樹*; Yacumpai, A.*
Nuclear Engineering and Design, 212(1-3), p.281 - 292, 2002/00
被引用回数:56 パーセンタイル:94.54(Nuclear Science & Technology)流体湿度ゆらぎに対する構造物熱疲労評価法は、従来温度ゆらぎ範囲と繰り返し数を静的に構造へ受け渡す保守的なものであった。実際は、高周波温度ゆらぎは構造への伝達ロスが大きく、低周波ゆらぎは構造内熱伝導による灼熱化のため熱応力に変換され難い。こうした動的効果に着目し、構造の応力応答を合理的に評価する周波数応答関数を提案した。関数は熱流動現象を記述する有効熱伝達関数と、構造力学に関する有効熱応力関数との変数分離型で表される。されに本関数を適用した疲労損傷評価法を提案した。316FR鋼に適用し、疲労強度の、熱流動と構造に関する設計パラメータに関する感度を示した。
笠原 直人; 高正 英樹*
JNC TN9400 2001-085, 68 Pages, 2001/09
原子力プラントの機器、配管において温度が異なる冷却材が合流する領域では、流体混合による不規則な温度ゆらぎが生じるため、熱応力による構造材の疲労破損に注意する必要がある。著者らはこれまで、平板の板厚方向の 1次元温度分布によって生じる熱応力を温度ゆらぎの周波数に応じて合理的に評価する周波数応答関数を提案してきた。これに対し、実際のプラントでは、板厚内温度分布に面内の温度分布が加わる多次元温度ゆらぎの発生が指摘されている。本研究では、周波数応答関数による多次元問題の評価を可能とするため、有効拘束係数を導入することによって関数の拡張を行った。これにより、多次元問題である温度成層界面およびホット/コールドスポットにより誘起される熱応力が、周波数応答関数で取り扱えることを示した。
笠原 直人; 高正 英樹*
JNC TN9400 99-037, 63 Pages, 1999/05
応力が複雑に分布する3次元構造物では、評価断面を使用した応力分類が困難となる。筆者らは、弾性追従係数が形状に依存せずに定義され、その大きさから1次応力と2次応力を、また変化率からピーク応力を分類できることに着目し、本概念に基づく3次元構造物の応力分類法の提案を行っている。本報では、軸方向一様引っ張り荷重を受ける孔空き平板に本方法を適用し、孔縁の応力分類を行った。その結果、板幅に対する開口率が増大すると、孔縁のピーク応力成分の割合は減少し、また変位制御型境界条件の下でも応力が荷重制御型の性格を帯びるため、健全性に留意する必要があることが分かった。さらに、孔空き平板に荷重制御型膜応力と変位制御型曲げ応力が繰り返し重畳した場合のラチェット変形の予測に上記応力分類の結果を適用し、有限要素法による弾塑性解析の結果と比較した。弾塑性解析の結果からは、弾性解析時の孔縁応力が同一であっても、開口率が大きいほどラチェット変形が生じやすいことが分かった。Bree線図を用いた簡易解析では、弾性解析による孔縁応力をそのまま1次応力として用いた場合は上記傾向が予測できないが、弾性追従概念により分類された1次応力を使用すると定量的にも精度良く評価出来ることが確認できた。
笠原 直人; Yacumpai, A.*; 高正 英樹*
JNC TN9400 99-019, 34 Pages, 1999/02
原子力プラントの中で温度が異なる冷却材が合流する領域では、流体混合による不規則な温度ゆらぎが生じるため、熱応力による構造材の疲労破損に注意する必要がある。この現象はサマールストライピングと称され、熱流体と構造が複雑に関連し合う現象であることから、従来はモックアップ実験による評価が行われており、簡便で合理的な設計評価法が必要とされていた。これに対し、温度ゆらぎの振幅は流体から構造材への伝達過程において、乱流混合、分子拡散、非定常熱伝達、および熱伝導による温度除荷の各要因によって減衰し、その特性は周波数依存であることが解明されてきている。筆者らは、このうち非定常熱伝達と温度除荷の効果に着目し、両者による温度振幅の減衰効果を温度ゆらぎ周波数の関数として定量的に記述した構造応答線図を開発した。さらに本線図を設計へ応用するため、無次元数を導入することによって線図の一般化表示を行った。無次元化された構造応答線図の妥当性は、有限要素解析の結果との比較により検証した。本線図を利用することによって、流体温度ゆらぎ振幅から非定常熱伝達と温度除荷による減衰効果を考慮した熱応力の振幅を簡易に評価することが可能となる。