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論文

Nanosecond structural dynamics of intrinsically disordered $$beta$$-casein micelles using neutron spectroscopy

中川 洋; Appavou, M.-S.*; Wuttke, J.*; Zamponi, M.*; Holderer, O.*; Schrader, T.*; Richter, D.*; Doster, W.*

Joint Annual Report 2021 of the MLZ and FRM II, P. 55, 2022/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Biophysics)

ベータカゼインは、温度の上昇とともに可逆的な吸熱性の自己会合を起こし、ミセルを形成する。我々は、ナノ秒スケールの分子運動の観点から構造ダイナミクスを評価した。我々は、溶液中のベータカゼインについて、ナノ秒およびサブナノ秒の時間スケールでの2つの緩和過程を報告する。どちらの過程も、調和振動ポテンシャルでのバネ定数を定義したBrownian Oscillatorモデルを用いて解析した。緩和時間を溶媒の粘度で割ると、温度依存性のほとんどが取り除かれ、この過程が溶媒の密度揺らぎを含んでいることを示している。より速い過程は振幅が小さく、水和水を必要とする。ミセルの中では、ベータカゼインモノマーの柔軟性が保たれている。

論文

Nanosecond structural dynamics of intrinsically disordered $$beta$$-casein micelles by neutron spectroscopy

中川 洋; Appavou, M.-S.*; Wuttke, J.*; Zamponi, M.*; Holderer, O.*; Schrader, T. E.*; Richter, D.*; Doster, W.*

Biophysical Journal, 120(23), p.5408 - 5420, 2021/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:8.05(Biophysics)

カゼイン蛋白質は、プロリン残基が多いため、典型的な折り畳み蛋白質とは異なる、拡張された構造的特徴とそのダイナミクスを特徴としている。この特徴的な構造のダイナミクスをOrenstein-Uhlenbeckブラウン振動子モデルを用いた広い時間スケールのQENS実験により記述することができた。また、リン酸カルシウムの効果的な貯留についても、その特徴的な動的構造の観点から議論することができた。また、ナノ秒オーダーでのタンパク質の物理過程が生体機能に与える生物学的な役割についても報告した。

論文

Scaling analysis of bio-molecular dynamics derived from elastic incoherent neutron scattering experiments

Doster, W.*; 中川 洋; Appavou, M. S.*

Journal of Chemical Physics, 139(4), p.045105_1 - 045105_16, 2013/07

 被引用回数:25 パーセンタイル:68.35(Chemistry, Physical)

中性子散乱による生体分子ダイナミクス研究は、多くの場合、弾性散乱データの解析により原子の平均自乗変位を求める。われわれは、弾性散乱強度にピコからナノ秒スケールの構造揺らぎの情報が含まれていることを定量的に示すための新たな方法を開発した。弾性散乱強度の温度や装置の分解能による変化から、分子運動の活性化エネルギーや相関関数を求めることができる。この二つの方法はスケーリング関数によって統一される。この方法では、非調和運動の見かけ上の開始温度での平均自乗変位に着目するのではなく、温度、運動量変化や装置分解能をパラメータとした完全な弾性散乱関数を解析する。また、水和水の協調的なアルファ緩和からタンパク質の動力学転移を予測できる。さらにベータ緩和は、ガラス転移温度近傍での速い局所的運動の振幅を増大させる。

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