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Di Lemma, F. G.; 山下 真一郎; 三輪 周平; 中島 邦久; 逢坂 正彦
Energy Procedia, 127, p.29 - 34, 2017/09
被引用回数:4 パーセンタイル:91.53シビアアクシデント時における炉内のステンレス鋼へのセシウム(Cs)化学吸着挙動に関して、Csと化合物を形成すると考えられるモリブデン(Mo)及びホウ素(B)の影響を評価した。化学平衡計算を用いてCs化学吸着により生成される化合物の安定性を評価し、Mo及びBの影響を予測した。Moが存在する場合、一部はCsMoO
として吸着する可能性が示された。一方、Cs化学吸着に与えるBの影響は小さいことが示された。以上の予測結果より、今後の研究においてMoの影響に対する考慮が必要であることがわかった。
逢坂 正彦; 中島 邦久; 三輪 周平; Di Lemma, F. G.*; 宮原 直哉; 鈴木 知史; 鈴木 恵理子; 岡根 哲夫; 小畠 雅明
Proceedings of 8th European Review Meeting on Severe Accident Research (ERMSAR 2017) (Internet), 11 Pages, 2017/05
原子力機構では核分裂生成物(FP)化学挙動解明に向けた基礎研究を実施している。本研究の目的は、軽水炉シビアアクシデント(SA)時の炉内各領域におけるFP化学データベースを構築し、それに基づきFP化学モデルを改良することである。研究の成果は福島第一原子力発電所(1F)廃炉及び軽水炉安全性向上に反映される。ホウ素及び熱水力条件がFP挙動に与える影響、セシウムの構造材への化学吸着挙動評価、FP化合物の熱力学/熱物性データベース構築、及びFP放出移行再現実験及び解析技術開発の4つの研究項目を設定して研究を進めている。本発表では、最近の研究成果と進捗を報告する。
Di Lemma, F. G.; 中島 邦久; 山下 真一郎; 逢坂 正彦
Journal of Nuclear Materials, 484, p.174 - 182, 2017/02
被引用回数:21 パーセンタイル:90.48(Materials Science, Multidisciplinary)シビアアクシデント(SA)時における化学吸着現象は、原子炉反応容器内でのFPの沈着挙動に影響すると予想される。本論文では、Cs化学吸着に対するモリブデンの影響について研究した結果を報告する。モリブデンは、SUS316の構成元素のひとつである。SUS316を用いた実験では、SUS304で見つかったCsFeSiOのほかにCs-Mo化合物が生成することが分かった。さらに、化学吸着物の高温安定性を調べるための試験では、Cs-Mo化合物が再蒸発することが分かった。そのため、このCs-Mo化合物については、SA時のソースターム評価において、放射性物質の遅発的な放出源になりうると考えられた。
逢坂 正彦; 三輪 周平; 中島 邦久; Di Lemma, F. G.*; 鈴木 知史; 宮原 直哉; 小畠 雅明; 岡根 哲夫; 鈴木 恵理子
JAEA-Review 2016-026, 32 Pages, 2016/12
シビアアクシデント時の軽水炉内の各領域における核分裂生成物(FP)化学に関するデータベースの構築、及びそれらに基づくFP化学モデルの改良を目的として、2012年度よりFP化学挙動の解明に向けた基礎研究を開始した。研究成果は福島第一原子力発電所(1F)廃炉研究開発及び軽水炉安全性向上のための基礎的知見として反映する。1F特有の課題やソースターム関連研究における優先度を考慮して、FP挙動に与えるホウ素(B)放出速度及び熱水力条件の影響、構造材へのセシウム(Cs)化学吸着・反応挙動、FP化合物の熱力学及び熱物性データベースの拡充、及びFP挙動再現及びFP含有化合物の化学形直接測定のための実験・解析技術確立の4つの研究項目を設定した。本報告書は、FP化学挙動の解明に向けた基礎研究の2015年の研究成果及び進捗を述べるものである。2015年の成果として、FP放出移行挙動再現実験装置の導入を完遂したことが挙げられる。また、Cs化学吸着に関しての有用な基礎的知見を取得した。4つの研究項目に加えて、1F炉外サンプル分析によりFP挙動を評価するための試みについても検討した。
三輪 周平; Di Lemma, F. G.; 中島 邦久; 逢坂 正彦
Proceedings of Annual Topical Meeting on LWR Fuels with Enhanced Safety and Performance (TopFuel 2016) (USB Flash Drive), p.861 - 868, 2016/09
過酷事故時に溶融崩落したBWR制御材からのホウ素(B)の放出及び、それがセシウム(Cs)及びヨウ素(I)の化学挙動に与える影響を評価するための基礎研究を実施している。溶融崩落時のBWR制御材からのB放出速度の変化を考慮して化学平衡計算によりCs及びIに与えるBの影響を予測した結果、水蒸気欠乏雰囲気における安定なFe-B合金の形成に起因してB放出割合が低下し、CsBO及びガス状ヨウ素の生成が抑制される可能性があることがわかった。この予測結果を検証するために基礎的な実験・解析研究を開始しており、炭化ホウ素/ステンレス鋼/ジルカロイ反応生成物からのB放出挙動の評価、複雑なCs-B-O系化合物の熱力学特性及び相状態の評価を進めている。また、FP放出移行再現実験を実施することにより、これらの評価結果を検証する予定である。
Di Lemma, F. G.; 中島 邦久; 山下 真一郎; 逢坂 正彦
Nuclear Engineering and Design, 305, p.411 - 420, 2016/08
被引用回数:21 パーセンタイル:89.66(Nuclear Science & Technology)軽水炉のシビアアクシデント(SA)において、原子炉内での核分裂生成物の付着挙動に影響するので化学吸着挙動は非常に重要である。この化学吸着物の分布、組成、そして特性に関する知見は、SA後の原子炉廃炉作業に影響すると考えられ、福島第一原子力発電所の廃止措置にも資することができる。さらにこのような知見は、SAコードに使用される化学吸着モデル改良に役立ち、ソースターム評価の高度化につながる。本論文では、原子炉構造材の模擬として用いた304ステンレス鋼試料(SS)に対するCsOHの化学吸着実験から得られた成果を報告する。すなわち、CsOHはSS表面に吸収され、不純物として存在するケイ素(Si)と優先的に反応し、新しく見つかったCsFeSiOのようなこれまでに報告されていない化合物を生成することがわかった。本結果から、構造材に含まれるSi濃度がSA後の原子炉圧力容器内に付着する放射性Cs量に影響を与える可能性が示された。
Di Lemma, F. G.; 三輪 周平; 逢坂 正彦
JAEA-Review 2016-007, 27 Pages, 2016/03
原子炉のシビアアクシデント時の炉心において、制御材と被覆材の相互作用によりホウ素を含む溶融体が形成する可能性がある。この現象はソースターム評価に大きな影響を与える。そこで、炭化ホウ素/ステンレス鋼/ジルカロイ(BC/SS/Zry)溶融体に係る既往研究の結果をレビューして課題を抽出し、研究内容策定のためのニーズを調査した。レビューの結果より、B
C/SS/Zry溶融体挙動の物理モデルは限定的であり、燃料崩落挙動は解析により再現できていないことから、B
C/SS/Zry溶融体挙動に係るデータベースの改良が必要であることがわかった。このレビュー結果をもとに、B
C/SS/Zry溶融体挙動に係る熱力学的及び速度論的モデルを改良するための実験研究計画を策定した。成果は、SA解析コードにおけるホウ素挙動モデルの改良やホウ素の核分裂生成物挙動に与える影響評価に反映していく予定である。
三輪 周平; 中島 邦久; Di Lemma, F. G.; 鈴木 知史; 山下 真一郎; 岡根 哲夫; 高井 俊秀; 高田 準太郎; 古川 智弘; 逢坂 正彦
no journal, ,
原子力機構では、核分裂生成物(FP)の放出移行挙動評価手法を高度化するために、炉内各位置における化学挙動を評価してデータベース化し、FP化学モデルの高度化を行うことを目的としたFP化学に関する基礎研究を実施している。本研究では、Cs及びIを対象に、MoやBWR制御材炭化ホウ素(BC)等の影響に着目して、FP及びBの放出速度評価、沈着FP化学形の直接測定技術開発、SSへのCs化学吸着挙動評価、熱力学データベース拡充等を実施している。
Di Lemma, F. G.; 山下 真一郎; 中島 邦久; 三輪 周平; 逢坂 正彦; 永瀬 文久
no journal, ,
本研究では、シビアアクシデント時の挙動を模擬するために雰囲気制御された条件下で、セシウムにより腐食したステンレス鋼試料の表面分析結果を報告する。本研究の目的は、セシウム化学吸着物の特性や化学吸着メカニズムに関する基礎的知見を得ることである。実験結果より、セシウムとケイ素との高い親和性と、生成した化合物濃度が温度とともに低下することが分かった。
Di Lemma, F. G.; 山下 真一郎; 中島 邦久; 高田 準太郎; 逢坂 正彦; 永瀬 文久
no journal, ,
原子炉構造材への核分裂生成物の化学吸着については、原子炉建屋内での核分裂生成物の滞留や、放射性物質の環境へのあるいは原子炉解体物への移行挙動にも影響を与えることになることから、事故時に考慮しなければならない重要な現象の一つである。そして、化学吸着に関する研究で得られた知見は、セシウム(Cs)の化学吸着に関するモデルの改善に役立つほか、福島第一原子力発電所の沈着Csの分布や特性を評価する際にも必要になることから、解体時の指針を与えることにつながると考えられる。本研究では、ステンレス鋼にCsOHを蒸着させる試験を温度(800-1000C)や雰囲気(H
/Ar, H
/H
O/Ar)を変えて行い、試料表面をSEM/EDXやXRDを用いて付着物の微細組織や化学組成を調べた。その結果、EDXによる微細組織観察では、CsとSiの分布が一致し、XRDパターンからは、生成したCs化合物はCsFeSiO
であることが確認された。これらの結果から、ステンレス鋼中の不純物の存在が重要であり、シビアアクシデント時に安定なCs付着物が形成する可能性のあることが分かった。
中島 邦久; Di Lemma, F. G.; 山下 真一郎; 逢坂 正彦; 永瀬 文久
no journal, ,
福島第一原子力発電所における燃料デブリ取り出しの際、RPVやPCV内の構造材や機器に付着した放射性Csからの作業員の被曝評価のためには、Csの付着特性に関する正確な知見が重要になる。そのため、ステンレス鋼へのセシウム化学吸着挙動を調べるための試験を実施した。その結果、これまでの過去の試験結果と同様、Csとケイ素(Si)が同じような分布挙動を示すことが観察された。しかし、X線回折測定(XRD)やEDS(エネルギー分散型X線分光器)による元素分析測定の結果から、反応生成物はCsSi
O
ではなく、CsFeSiO
であることが新たにわかった。さらに、過去の研究では、反応速度は1000
Cまで単調に増加することが示されていたが、XRD測定や溶出試験の結果から1000
CでのCs付着量よりも800
Cの場合の方が高くなることが示唆された。
逢坂 正彦; 三輪 周平; 中島 邦久; Di Lemma, F. G.; 鈴木 知史; 永瀬 文久
no journal, ,
シビアアクシデント時のFP放出及び移行に対する評価の精度を向上させるためには、FP化学挙動解明が必要である。炉内でのFP付着挙動や移行経路におけるFPの化学組成等に関する基礎研究を紹介する。
Di Lemma, F. G.; 中島 邦久; 山下 真一郎; 逢坂 正彦; 永瀬 文久
no journal, ,
本研究では、Cs化学吸着された異なるステンレス鋼(304鋼および改良型316鋼)の微細組織を比較した結果について報告する。分析の結果、ステンレス鋼中に含まれる微量元素(SiあるいはMo)によってCs吸着物の特性が異なるなど、Cs化学吸着挙動は影響を受けることが分かった。
Di Lemma, F. G.; 三輪 周平; 高田 準太郎; 高野 公秀; 逢坂 正彦
no journal, ,
This work describes the oxidation and vaporization behaviors from simple Fe-B phases (FeB, FeB) under steam conditions, which contributes to the experimental determination of boron (B) release kinetics from complex B-containing complex melts (B
C/SS/Zry) during a severe accident. The oxidation and vaporization behavior of these samples was found to be influenced by their B/Fe ratio and by the formation of Fe-B-O compounds.
高松 佑気*; 黒崎 健*; 石井 大翔*; 逢坂 正彦; 中島 邦久; 三輪 周平; Di Lemma, F. G.; 大石 佑治*; 牟田 浩明*; 山中 伸介*
no journal, ,
セシウム(Cs)及びヨウ素(I)等の揮発性核分裂生成物(FP)の燃料からの放出挙動評価において必要となるこれらFPを含有する模擬燃料の作製方法を確立することを目的として、ヨウ化セシウム(CsI)を含有させた二酸化セリウム(CeO)を母材とする模擬燃料を放電プラズマ焼結により作製した。低温及び短時間の放電プラズマ焼結により、模擬燃料内においてCsIが化学形態を保持したままで均質に分布した試料が得られ、Cs及びIを含有する模擬燃料の調製に成功した。
鈴木 恵理子; Di Lemma, F. G.; 中島 邦久; 山下 真一郎; 逢坂 正彦
no journal, ,
シビアアクシデント(SA)時において圧力容器構造材へ吸着したセシウム(Cs)化合物の再蒸発挙動を明らかにするためにCsが吸着した異なるステンレス鋼の1000Cでの再加熱実験及び微細組織観察を行った。鋼材にMoが含まれる場合、Cs-Fe-Si-O化合物に加え、Cs-Mo-O化合物が表面層に生成され、1000
CにおいてはCs-Fe-Si-O化合物よりも再蒸発しやすいことが示された。
鈴木 恵理子; Di Lemma, F. G.*; 中島 邦久; 山下 真一郎; 逢坂 正彦
no journal, ,
シビアアクシデント(SA)時に圧力容器構造材への化学吸着により生成したセシウム(Cs)化合物の再蒸発挙動を明らかにするために、成分が異なるステンレス鋼に吸着したセシウム化合物の1000Cでの再加熱実験を行い、加熱実験前後の試料の微細組織観察を行った。鋼材にMoが含まれる場合、Cs-Fe-Si-O化合物に加え、Cs-Mo-O化合物が表面層に生成されること、後者はCs-Fe-Si-O化合物よりも再蒸発しやすいことが分かった。
井元 純平; Di Lemma, F. G.*; 三輪 周平; 高野 公秀; 逢坂 正彦
no journal, ,
軽水炉シビアアクシデント時にBWR制御ブレードが溶融・崩落することで生成されるFe-B系化合物からのホウ素の放出挙動を明らかにするために、Fe-B系化合物を調製し、熱分析により酸化及び蒸発挙動を実験的に調べた。熱分析の結果より、酸化速度はBCよりも数桁低くなることが分かった。この結果は、ホウ素の主な放出パスである酸化により生成するB
O
からの蒸発は、溶融体中のFe-B-O系化合物生成により抑制されるという既往報告を裏付けるものである。