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論文

Synthesis, crystal structure and magnetic properties of Yb$$_{8}$$Ag$$_{18.5}$$Al$$_{47.5}$$, Yb$$_{2}$$Pd$$_{2}$$Cd and Yb$$_{1.35}$$Pd$$_2$$Cd$$_{0.65}$$

Dhar, S.*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦; Galatanu, A.*; 芳賀 芳範; Manfrinetti, P.*; Pani, M.*

Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 308(1), p.143 - 152, 2007/01

 被引用回数:16 パーセンタイル:57.13(Materials Science, Multidisciplinary)

本論文では以下の3つの新しいYb化合物の合成結果を報告する。本研究では単結晶及び多結晶試料の構造解析により、Yb$$_8$$Ag$$_{18.5}$$Al$$_{47.5}$$(立方晶Yb$$_8$$Cu$$_{17}$$Al$$_{49}$$-型), Yb$$_2$$Pd$$_2$$Cd(立方晶Mo$$_2$$B$$_2$$Fe-型)とYb$$_{1.35}$$Pd$$_2$$Cd$$_{0.65}$$(正方晶MnCu$$_2$$Al-型)の三つの新物質について構造パラメーター等が決定された。Yb$$_8$$Ag$$_{18.5}$$Al$$_{47.5}$$とYb$$_{1.35}$$Pd$$_2$$Cdには等価な2つのYbイオンのサイトがある。磁化・比熱測定の結果から、4f電子と伝導電子の構成効果はYb$$_8$$Ag$$_{18.5}$$Al$$_{47.5}$$において強く、Yb$$_2$$Pd$$_2$$Cdでは弱いことが明らかとなった。さらにYb$$_2$$Pd$$_2$$Cdでは重い電子系的振る舞いが観測された。$$C/T$$の値は1.8Kで600mJ/molK$$^2$$の値になり、電気抵抗は1.4Kから5Kまで温度に対して線型の依存性をする。一方、Yb$$_{1.35}$$Pd$$_2$$Cd$$_{0.65}$$は1.4Kで磁気転移する。

論文

Magnetic and Fermi surface properties in ferromagnets NdRh$$_3$$B$$_2$$ and GdRh$$_3$$B$$_2$$

大開 美子*; 中島 弘*; Galatanu, A.*; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 竹内 徹也*; 杉山 清寛*; 金道 浩一*; 萩原 政幸*; 摂待 力生*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 75(6), p.064702_1 - 064702_8, 2006/06

 被引用回数:4 パーセンタイル:32.10(Physics, Multidisciplinary)

六方晶,強磁性体NdRh$$_3$$B$$_2$$及びGdRh$$_3$$B$$_2$$の単結晶育成に成功し、電気抵抗率,比熱,磁化率,磁化測定を行った。それぞれの強磁性転移温度及び磁気モーメントの大きさを明らかにした。NdRh$$_3$$B$$_2$$については、結晶場レベルスキームのモデルを実験結果から提唱し、さらドハース・ファンアルフェン効果測定からフェルミ面を明らかにし、LaRh$$_3$$B$$_2$$に似た、準1次元的な電子状態であることを明らかにした。

論文

Magnetic behaviour of UB$$_4$$ at high temperatures

Galatanu, A.*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦

Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.999 - 1000, 2006/05

 被引用回数:5 パーセンタイル:26.52(Physics, Condensed Matter)

UB$$_4$$は0.3Kまで磁気秩序を示さない、やや重いフェルミオンである。本研究では2-800Kの広い温度域でUB$$_4$$の磁性を調べた。主軸方向の磁化率のブロードなピークとして、5f電子の低温域の遍歴的振る舞いと高温域の局在的振る舞いの移り変わりが観測された。

論文

Crossover of the 5f electrons from itinerant to localized in UPtGa$$_5$$

大貫 惇睦; 池田 修悟; 山上 浩志*; Galatanu, A.*; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 山本 悦嗣; 摂待 力生*

Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.972 - 973, 2006/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Condensed Matter)

正方晶UPtGa$$_5$$は、ネール温度が26Kの反強磁性体であり、磁気モーメントは0.34$$mu_{rm B}$$/Uである。ドハース・ファンアルフェン効果測定と5f電子を遍歴として扱ったバンド計算との比較及び800Kまでの高温磁化率測定から、低温では遍歴的な5f電子が高温では局在的に振舞っていることが明らかになった。

論文

Magnetic structure and crystal field excitation in heavy fermion superconductor CePt$$_{3}$$Si

目時 直人; 金子 耕士; 松田 達磨; Galatanu, A.; 竹内 徹也*; 橋本 信*; 植田 泰輝*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦*; Bernhoeft, N.*

Physica B; Condensed Matter, 359-361, p.383 - 385, 2005/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:5.93(Physics, Condensed Matter)

反強磁性と超伝導の共存が期待される重い電子系超伝導体CePt$$_{3}$$Siの中性子散乱による研究を行った。c面に平行かつ強磁性的に配列したCeの磁気モーメントがc軸方向に反強磁性的に積層した磁気構造を示すことを明らかにした。磁気モーメントは0.3$$mu$$$$_{B}$$と近藤効果のためかなり縮んでいる。この磁気構造はスピン一重項及び三重項状態が共存しているとする主張と矛盾しない。1.4meV及び24meVに明確な結晶場励起を観察し、この物質が4f電子の局存的性格と重い電子系超伝導が共存する非常に興味深い系であることを明らかにした。帯磁率の異方性と合わせて考えると、結晶場順位は$$Gamma$$$$_{7}$$基底状態,$$Gamma$$$$_{6}$$, $$Gamma$$$$_{7}$$が第一及び第二励起状態であると決定された。このうち基底状態を第一励起状態は立方晶$$Gamma$$$$_{8}$$四重項が弱い正方晶対称性によって1.4meVとわずかに分裂したと理解される。

論文

Electrical and magnetic properties of a single crystal UCu$$_2$$Si$$_2$$

松田 達磨; 芳賀 芳範; 池田 修悟; Galatanu, A.; 山本 悦嗣; 宍戸 寛明*; 山田 美音子*; 山浦 淳一*; 辺土 正人*; 上床 美也*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 74(5), p.1552 - 1556, 2005/05

 被引用回数:26 パーセンタイル:73.32(Physics, Multidisciplinary)

UCu$$_2$$Si$$_2$$は、強相関電子系における典型物質122化合物の1つである。われわれは、初めて純良単結晶育成に成功し、抵抗,磁化率,磁化,比熱測定を詳細に行った。その結果、極めて異方的な磁性を示し、さらにこれまで報告されてきた100Kにおける強磁性転移に隣接し、新たな反強磁性相とみられる相を発見した。これらの結果は、結晶の純良化によって初めて明らかになったことである。

論文

High-temperature magnetic investigations on uranium compounds

Galatanu, A.; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 池田 修悟; 山本 悦嗣; 青木 大*; 竹内 徹也*; 大貫 惇睦

Journal of the Physical Society of Japan, 74(5), p.1582 - 1597, 2005/05

 被引用回数:39 パーセンタイル:80.10(Physics, Multidisciplinary)

これまでわれわれが育成したウラン化合物について、温度800Kまでの高温磁化率測定を行った。これらの磁化率測定の結果から、ウラン化合物では5f電子状態が局在的なものからパウリ常磁性的なものまで極めて幅広い磁性がみられるが、室温以上の十分高温では、局在的なキュリーワイス則に従う振舞いに、ほとんどの物質が回復することが明らかになった。セリウム化合物と比べると、局在的な振舞いは比較的高温であることも明らかとなった。

論文

Antiferromagnetic and ferromagnetic phases of UCu$$_2$$Si$$_2$$

松田 達磨; 芳賀 芳範; 池田 修悟; Galatanu, A.; 大貫 惇睦

Physica B; Condensed Matter, 359-361, p.1069 - 1071, 2005/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:16.49(Physics, Condensed Matter)

正方晶UCu$$_2$$Si$$_2$$の高純度単結晶育成にスズフラックス法により成功した。そして、磁化率,磁化測定を行った。その結果、温度106Kにおいて反強磁性になり、さらに100K以下において強磁性転移することを初めて明らかにした。さらに磁気特性は結晶構造に起因するとみられる極めて大きな異方性を示す。磁化容易軸はc軸で、難易軸はa軸であることを明らかにした。また飽和磁気モーメントは、1.8$$mu_{rm B}$$/Uと、ウラン化合物としては比較的大きいことも明らかにした。

論文

Single-crystal growth and magnetic properties of a new ternary uranium compound U$$_3$$Ni$$_5$$Al$$_{19}$$

芳賀 芳範; 松田 達磨; 池田 修悟; Galatanu, A.; 松本 拓也*; 杉本 豊成*; 多田 俊治*; 野口 悟*; 大貫 惇睦

Physica B; Condensed Matter, 359-361, p.1006 - 1008, 2005/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:11.24(Physics, Condensed Matter)

新しいウラン化合物U$$_3$$Ni$$_5$$Al$$_{19}$$を発見し、単結晶育成に成功した。斜方晶の結晶構造を有し、ウランは結晶学的に2つのサイトを占める。磁化の異方性から、そのうち一つのサイトのウランだけが反強磁性秩序を起こし、もう一つのウランは低温まで常磁性状態にあると考えられる。

論文

Small saturation moment due to the crystalline electric field effect for $$T_h$$ site symmetry in the ferromagnet UFe$$_4$$P$$_{12}$$

松田 達磨; Galatanu, A.; 芳賀 芳範; 池田 修悟; 山本 悦嗣; 辺土 正人*; 上床 美也*; 竹内 徹也*; 杉山 清寛*; 金道 浩一*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 73(9), p.2533 - 2538, 2004/09

 被引用回数:8 パーセンタイル:47.95(Physics, Multidisciplinary)

立方晶強磁性体UFe$$_4$$P$$_{12}$$の単結晶育成に成功し、その単結晶を用いて電気抵抗,比熱,磁化率及び高磁場中磁化測定を行った。強磁性転移温度3.1K,飽和磁化1.3$$mu_{rm B}$$/Uまた磁化の温度依存性について、5$$f^2$$をもとにした結晶場モデルによって説明を試みた。

論文

Single crystal growth and magnetic property of UNiSb$$_2$$

池田 修悟; 松田 達磨; Galatanu, A.; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦

Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 272-276(1), p.62 - 63, 2004/05

 被引用回数:6 パーセンタイル:34.09(Materials Science, Multidisciplinary)

私達は、自己フラックス法により反強磁性体UNiSb$$_2$$の単結晶育成に成功した。磁化率は、準2次元正方晶の結晶構造を反映して、高い異方性があることがわかった。磁化容易軸は$$c$$軸であることもわかった。この結果は、中性子散乱実験の結果とも一致している。

論文

Magnetic structure and the crystal field excitation in heavy-fermion antiferromagnetic superconductor CePt$$_{3}$$Si

目時 直人; 金子 耕士; 松田 達磨; Galatanu, A.; 竹内 徹也*; 橋本 信*; 植田 泰輝*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦; Bernhoeft, N.*

Journal of Physics; Condensed Matter, 16(15), p.L207 - L212, 2004/04

 被引用回数:92 パーセンタイル:93.38(Physics, Condensed Matter)

反強磁性と超伝導の共存が期待される重い電子系超伝導体CePt$$_{3}$$Siの中性子散乱による研究を行った。${it c}$面に平行かつ強磁性的に配列したCeの磁気モーメントが${it c}$軸方向に反強磁性的に積層した磁気構造を示すことを明らかにした。磁気モーメントは0.3$$mu$$$$_{B}$$と近藤効果のためかなり縮んでいる。この磁気構造はスピン一重項及び三重項状態が共存しているとする主張と矛盾しない。1.4meV及び24meVに明確な結晶場励起を観察し、この物質が4f電子の局存的性格と、重い電子系超伝導が共存する非常に興味深い系であることを明らかにした。帯磁率の異方性と合わせて考えると、結晶場準位は$$Gamma$$$$_{7}$$基底状態,$$Gamma$$$$_{6}$$, $$Gamma$$$$_{7}$$が第一及び第二励起状態であると決定された。このうち基底状態と第一励起状態は立方晶$$Gamma$$$$_{8}$$四重項が弱い正方晶対称性によって1.4meVとわずかに分裂したと理解される。

論文

High temperature magnetic properties of UIr single crystals

Galatanu, A.; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 松田 達磨; 池田 修悟; 大貫 惇睦

Journal of the Physical Society of Japan, 73(3), p.766 - 767, 2004/03

 被引用回数:17 パーセンタイル:64.88(Physics, Multidisciplinary)

強磁性体UIrの磁化を、2Kから800Kの広い温度範囲で測定した。低温での飽和磁化0.5$$mu_{rm B}$$及び大きな電子比熱係数50mJ/molから、この物質は遍歴強磁性体であると考えられていた。今回、800Kまで磁化を測定した結果、室温以上での有効ボーア磁子数はウランの自由イオンの値に近づくことが明らかとなり、高温では磁気モーメントは局在的に振舞うことがわかった。

論文

Single crystal growth and magnetic properties of 5$$f$$-itinerant antiferromagnet UPdGa$$_5$$

池田 修悟; 目時 直人; 芳賀 芳範; 金子 耕士; 松田 達磨; 大貫 惇睦; Galatanu, A.

Journal of the Physical Society of Japan, 72(10), p.2622 - 2626, 2003/10

 被引用回数:16 パーセンタイル:65.37(Physics, Multidisciplinary)

Gaの自己フラックス法により、ウラン3元化合物UPdGa$$_5$$の単結晶育成を行った。磁化率は、5$$f$$電子の遍歴性と一致するような小さな温度依存性と異方性を示した。私達は、電気抵抗と磁化率測定において、ネール点31K以下に明らかな異常を確認した。磁気構造は、中性子散乱測定によって研究された。その結果、伝播ベクトル$$Q$$=[0,0,1/2]の反強磁性ピークを観測した。ウラン5fの磁気モーメントは、$$c$$軸に平行で、大きさは0.33$$mu_{rm B}$$/Uであり、$$c$$面内は強磁性的で、$$c$$軸方向に沿って反強磁性的に配列していることがわかった。

論文

Crystal structure, magnetic ordering, and magnetic excitation in the 4${it f}$-localized ferromagnet CeAgSb$$_{2}$$

荒木 新吾; 目時 直人; Galatanu, A.; 山本 悦嗣; Thamizhavel, A.*; 大貫 惇睦

Physical Review B, 68(2), p.024408_1 - 024408_9, 2003/07

 被引用回数:48 パーセンタイル:85.29(Materials Science, Multidisciplinary)

CeAgSb$$_{2}$$(正方晶ZrCuSi$$_{2}$$型)はT$$_{c}$$=9.6Kで[001]方向に強磁性モーメント0.4$$mu_{beta}$$/Ceを伴う磁気秩序を示す。磁気秩序状態における[100]方向の磁化は磁場に対して直線的に増加し、3T付近に折れ曲がりが見られ、3Tでは自発磁化より大きな値、約1.2$$mu_{beta}$$/Ceに達する。この[100]方向の大きなモーメント・磁化の折れ曲がりの起源を明らかにするため中性子散乱の実験を行った。CeAgSb$$_{2}$$の単結晶・粉末試料を用いた弾性散乱の実験では、T$$_{c}$$以下において[100]方向に0.4$$mu_{beta}$$/Ceの強磁性モールントのみが観測され、基底状態は単純な強磁性であると結論づけられる。非弾性散乱では、5.2meVと12.5meVに結晶場励起が観測された。また、T$$_{c}$$以下では明瞭なスピン波励起を観測しており、強磁性的な相互作用でその分散を説明することができる。磁場中実験の結果、磁化の折れ曲がりは[100]方向の秩序モーメントの消失に起因するものであることがわかり、異方的な相互作用と結晶場を考慮すると、磁化・磁化率・磁歪などが統一的に理解できることがわかった。

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