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梶田 侑弥*; 福田 将眞; 末岡 茂; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; Kohn, B. P.*; 田上 高広*
フィッション・トラックニュースレター, (33), p.28 - 30, 2020/10
東北日本弧前弧域に分布する北上山地を対象に、熱年代学的手法を用いて山地の熱史・削剥史を検討した。北上山地を東西に横断する方向にアパタイトのFT法および(U-Th-Sm)/He法を実施した結果、既報年代と併せると、FT年代では東側から西側にかけて系統的に若い年代の傾向を示すのに対し、(U-Th-Sm)/He法では西縁で最も古い年代が検出され、以東ではほぼ一様な年代を示した。今後はより詳細に北上山地の熱史の傾向を議論するため、火山フロントの位置がほぼ現在の位置にあったとされる、1千万年以降の年代が期待できる熱年代学的手法の適用を予定している。
福田 将眞*; 末岡 茂; Kohn, B. P.*; 田上 高広*
Earth, Planets and Space (Internet), 72(1), p.24_1 - 24_19, 2020/02
被引用回数:1 パーセンタイル:100(Geosciences, Multidisciplinary)島弧の山地形成の解明を目的として、東北日本弧北部において(U-Th)/He熱年代を用いて冷却・削剥史を推定した。10地点の試料から88.6-0.9Maのアパタイト年代、83.9-7.4Maのジルコン年代が得られた。アパタイト年代から推定した削剥速度は、前弧側で0.05mm/yrと低い値を示し、古第三紀以降の緩慢な削剥が推測された。一方、奥羽脊梁山地と背弧側では0.1-1.0mm/yr以上の削剥速度が得られ、3-2Ma以降の隆起イベントを反映していると考えられる。このような削剥史の対照性は、東北日本弧南部における先行研究の結果と整合的で、主にプレート沈み込みに起因した東北日本弧全体に共通の性質だと考えられる。一方で、特に背弧側では削剥速度の南北差が大きく、hot fingersのような島弧直交方向の構造の影響が示唆された。
末岡 茂; 池田 安隆*; 狩野 謙一*; 堤 浩之*; 田上 高広*; Kohn, B. P.*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 柴田 健二*
Journal of Geophysical Research; Solid Earth, 122(8), p.6787 - 6810, 2017/08
複数の熱年代学的手法とthermo-kinematicモデリングを用いて赤石山脈の削剥史を検討した。熱年代は東に向かって系統的に若返り、赤石山脈北部は東縁に分布する糸魚川-静岡構造線の活動によって隆起した可能性が示唆された。Thermo-kinematicモデリングによって詳細な検討を加えた結果、糸魚川-静岡構造線の変位速度が5-10mm/yr、傾斜が27-45度、デコルマ深度が20-25kmのとき、熱年代測定結果と既存の地形・地球物理データを矛盾なく説明できることが確認できた。隆起速度と削剥速度は約4mm/yrと推定された。一方、赤石山脈南部は、先行研究による少数の熱年代データは北部と異なる値を示しているほか、地形・地質構造等の違いを考慮すると、北部とは別の時期・メカニズムによって隆起している可能性がある。
末岡 茂; 田上 高広*; Kohn, B.*
Earth, Planets and Space (Internet), 69(1), p.79_1 - 79_18, 2017/05
被引用回数:6 パーセンタイル:56.13(Geosciences, Multidisciplinary)東北日本弧の地質時間スケールにおける変形像解明のため、島弧横断方向に(U-Th)/He年代測定を実施した。アパタイト(U-Th)/He年代では52-1.5Ma、ジルコン(U-Th)/He年代では39.6-11.0Maの加重平均年代が得られた。前弧側の阿武隈山地は52-49.6Maの比較的古い年代を示し、新生代ほぼ全体を通じて安定な地質環境(削剥速度:約0.01-0.1mm/yr)だったと推定された。対照的に、奥羽脊梁山地や背弧側の朝日山地は11.2-1.5Maの若い年代を示し、日本海拡大以降の山地形成による急冷(削剥速度:約0.1-1mm/yr)を反映していると解釈できる。奥羽脊梁山地(あるいは朝日山地も)では山頂側でより大きな削剥速度が推定され、西南日本弧の断層地塊山地とは異なる隆起・削剥様式を有している可能性が指摘された。以上の成果は、典型的な島弧である東北日本弧でも、熱年代に基づいた山地の隆起・削剥史解析が有効であることを示している。
田上 高広*; 末岡 茂; Kohn, B. P.*; 福田 将眞*
フィッション・トラックニュースレター, (29), p.1 - 2, 2016/12
新学術研究「地殻ダイナミクス」は2014年度から開始された分野横断型の学術研究プロジェクトで、東北地方太平洋沖地震が起こったテクトニックな背景の解明のために、島弧地殻の基本的な特性や状態の理解を目指している。そのうち、「A02異なる時空間スケールにおける日本列島の変形場の解明」班では、様々な時空間スケールにおける歪・歪速度場の推定と統一的な理解を目指している。われわれは、近年進展の著しい低温領域の熱年代学手法を用いて、地質学的時間スケール(1010
年)の鉛直歪速度の復元を行っている。日本列島における既存の熱年代データのコンパイル、奥羽脊梁山脈の解析、飛騨山脈の解析の3つについて、概要と最新の成果を報告する。
末岡 茂; Kohn, B.*; 田上 高広*; 堤 浩之*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*
no journal, ,
地殻変動の長期予測を行ううえで、山地の隆起開始時期や高度の変遷といった発達過程の把握が重要となる。本研究では、木曽山脈を事例として、フィッション・トラック(FT)熱年代及び(U-Th-Sm)/He(He)熱年代をもとに、山地の隆起・削剥史の解明を試みた。9点のジルコンFT年代(59.3-42.1Ma)、18点のアパタイトFT年代(81.9-2.3Ma)、13点のアパタイトHe年代(36.7-2.2Ma)が得られ、アパタイトFT年代とアパタイトHe年代について、木曽山脈の隆起・削剥に伴う年代値の若返りが確認できた。これらの年代の空間分布に基づくと、木曽山脈は伊那谷断層帯と清内路峠断層の間で西傾動しつつ隆起していると考えられる。また、アパタイトFT年代及びアパタイトFT長を用いた熱履歴解析の結果をもとにすると、木曽山脈の隆起開始(約0.8Ma)以降の平均削剥速度は1.3-4.0mm/yr、平均隆起速度は最大で3.4-6.1mm/yrと推定された。
末岡 茂; Kohn, B.*; 池田 安隆*; 狩野 謙一*; 堤 浩之*; 田上 高広*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*
no journal, ,
熱年代学的手法により、地質環境の長期予測に必要となる内陸部の隆起・削剥史を推定することができる。本研究では、赤石山脈を事例に、ジルコンHe年代・アパタイトFT年代等の手法を用いて隆起・削剥史を推定した。ジルコンHe年代が、中央構造線(MTL)から糸魚川-静岡構造線(ISTL)へと東に系統的に若返っていることから、赤石山脈が西に傾動隆起していることが推定された。また、FT年代からは、赤石山脈が北部地域を中心とした後期鮮新世(約3.3Ma)以降の隆起と南部地域を中心とした約1Ma以降の隆起の少なくとも2回の隆起ステージを経ており、これらはISTLの逆断層活動と伊豆地域の衝突に関連しているという可能性が示された。
田上 高広*; 末岡 茂; Kohn, B.*; 福田 将眞*
no journal, ,
東北日本弧の地質学的時間スケールにおける冷却史・削剥史の把握を目的として、既存の熱年代データのコンパイルと、東北日本弧横断方向の(U-Th)/He年代(He年代)の測定を実施した。既報のアパタイトフィッション・トラック年代および、新たに得られたアパタイトHe年代に基づくと、前弧側の阿武隈山地では白亜紀後期から古第三紀初頭の古い年代が得られており、白亜紀後期以降、比較的安定した地質環境が継続してきたことが推定される。一方、奥羽脊梁山地から背弧側にかけては、10Ma以下の極めて若い年代を示し、日本海拡大以降の山地の隆起・削剥や火成活動を反映していると考えられる。
田上 高広*; 末岡 茂; Kohn, B.*; 福田 将眞*
no journal, ,
新学術研究「地殻ダイナミクス」は2014年度から開始された分野横断型の学術研究プロジェクトで、東北地方太平洋沖地震が起こったテクトニックな背景の解明のために、島弧地殻の基本的な特性や状態の理解を目指している。そのうち、「A02異なる時空間スケールにおける日本列島の変形場の解明」班では、様々な時空間スケールにおける歪・歪速度場の推定と統一的な理解を目指している。われわれは、近年進展の著しい低温領域の熱年代学手法を用いて、地質学的時間スケール(10-10
年)の鉛直歪速度の復元を行っている。日本列島における既存の熱年代データのコンパイル、奥羽脊梁山脈の解析、飛騨山脈の解析の3つについて、概要と最新の成果を報告する。
末岡 茂; 田上 高広*; Kohn, B.*; 福田 将眞*
no journal, ,
東北日本弧の長期スケールにおける隆起・削剥史の解明を目的に、東北日本弧を横断する南北2本の測線において(U-Th)/He熱年代測定を実施した。前弧側の北上山地と阿武隈山地では、約50Maより古い年代が得られ、新生代を通じてテクトニックに安定していたことが推測された。奥羽脊梁山脈および背弧側の各山地では約10Maより若い年代が得られ、日本海拡大以降の山地の隆起・削剥を反映していると解釈できる。東北日本弧の各山地内の年代パターンは西南日本弧の山地とは異なっているように見えるが、これは山地の隆起様式の違いを反映している可能性がある。今後は、測定地点数の増加や、他の熱年代手法の併用により、より詳細な隆起・削剥史の推定を試みる予定である。
末岡 茂; 田上 高広*; Kohn, B.*; 福田 将眞*
no journal, ,
東北日本弧の地質学的時間スケールにおける鉛直方向の変動像の解明のため、東北日本弧を横断する南北2本の測線において(U-Th)/He年代(He年代)測定を行った。前弧側の北上山地と阿武隈山地では、おおむね約50Maより古いアパタイトHe年代が得られ、新生代を通じて地質学的に安定していたと考えられる。奥羽脊梁山脈および背弧側の各山地の試料は約10Maより若いアパタイトHe年代を示したが、これらは日本海拡大以降の山地の隆起・削剥を反映していると解釈できる。東北日本弧の各山地内の年代パターンは西南日本弧の山地とは異なっているように見えるが、これは山地の隆起様式の違いを反映している可能性がある。今後は、測定地点数の増加や、他の熱年代手法の併用により、より詳細な隆起・削剥史の推定を試みる予定である。
末岡 茂; 田上 高広*; Kohn, B.*; 福田 将眞*
no journal, ,
東北日本弧の長期の鉛直方向の歪み速度の解明を目的に、東北日本弧の山地で(U-Th)/He年代(He年代)測定を行った。前弧側の北上山地と阿武隈山地では、白亜紀古第三紀の古いアパタイトHe年代が得られ、新生代を通じて地質学的に安定していたと考えられる。一方、奥羽脊梁山脈および背弧側の各山地では約10Maより若いアパタイトHe年代が得られ、約10Ma, 約5Ma, 約3Ma以降の3つのグループに分けられた。これらは東北日本弧における既知の山地の隆起ステージと対応しており、中期中新世の日本海拡大以降の山地の隆起・削剥を反映していると解釈できる。今後は、測定地点数の増加や、他の熱年代手法の併用により、より詳細な隆起・削剥史の推定を試みる予定である。
末岡 茂; 池田 安隆*; 狩野 謙一*; 堤 浩之*; 田上 高広*; Kohn, B.*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 柴田 健二*
no journal, ,
フィッション・トラック法、(U-Th)/He法、U-Pb法などの熱年代学的手法と、thermo-kinematicモデルを用いて、赤石山脈北部の隆起・削剥史と、糸静線南部の断層活動との関係について検討した。各年代値は、おおむね白州鳳凰山断層に向かって東方に若返る傾向を示し、これらの断層活動が山地の隆起に最も寄与していると考えられる。Thermo-kinematicモデルによるより詳細な検討結果によれば、変位速度が5
10mm/yr、rampの傾斜が27
45
、デコルマの深度が20
25kmのflat-ramp構造を仮定すると、今回得られた年代値および既報の断層パラメータ等を齟齬なく説明できる。
末岡 茂; 池田 安隆*; 狩野 謙一*; 堤 浩之*; 田上 高広*; Kohn, B. P.*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 柴田 健二*
no journal, ,
フィッション・トラック法, (U-Th)/He法, U-Pb法などの熱年代学的手法と、thermo-kinematicモデルを用いて、赤石山脈北部の隆起・削剥史と、糸静線南部の断層活動との関係について検討した。各年代値は、おおむね白州-鳳凰山断層に向かって東方に若返る傾向を示し、これらの断層活動が山地の隆起に最も寄与していると考えられる。Thermo-kinematicモデルによるより詳細な検討結果によれば、変位速度が5-10mm/yr、rampの傾斜が27-45、デコルマの深度が20-25kmのflat-ramp構造を仮定すると、今回得られた年代値および既報の断層パラメータ等を齟齬なく説明できる。このとき、赤石山脈北部の基盤隆起速度と削剥速度は、いずれも約4mm/yrと推定できる。一方、赤石山脈南部については、先行研究で報告されている年代値が北部と傾向を異にすることや、山地側に隆起をもたらすような活断層が不明瞭なことから、北部とは異なる隆起史・隆起メカニズムを有している可能性が示唆される。
福田 将眞*; 末岡 茂; Kohn, B. P.*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 智晃*; 田上 高広*
no journal, ,
島弧スケールでの隆起・削剥史の解明を目的として、東北日本弧の南部に引き続き、北部でも熱年代学的研究を実施した。アパタイト(U-Th)/He年代は88.6-0.9Ma、アパタイトFT年代は138.0-2.0Ma、ジルコン(U-Th)/He年代は83.9-7.4Maを示した。南部と同様に北部でも、前弧側・奥羽脊梁山地・背弧側の間で、熱史のコントラストが検出された。一方、前弧側では南部より古い年代が得られた、背弧側で非常に若い年代が得られた地点がある、一部の試料で年代値の逆転が見られた、等の違いも観察された。
小林 侑生*; 末岡 茂; 福田 将眞*; Kohn, B. P.*; 横山 立憲; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 智晃*; 田上 高広*
no journal, ,
南部フォッサマグナ地域は、本州弧と伊豆弧の衝突帯である。中期中新世以降、伊豆弧の地殻ブロックによる最大4回の衝突イベントにより、本地域の地質構造は改変されてきたと考えられているが、各衝突イベントの時期や影響については議論の余地がある。本研究では、本地域の山地の隆起・削剥史の解明を目的として、熱年代学的手法(アパタイトフィッション・トラック法, アパタイト(U-Th)/He法, ジルコンU-Pb法)による検討を行った。アパタイトフィッション・トラックデータを基にした熱史逆解析や、アパタイト(U-Th)/He年代測定の結果によれば、関東山地南部と奥秩父地域では約3Ma、関東山地北部と身延地域では約1Maの急冷イベントが認められた。これらの急冷イベントは、丹沢ブロックと伊豆ブロックの衝突時期に対応しており、これらの衝突イベントに関連している可能性がある。
梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 智晃*; Kohn, B. P.*; 横山 立憲; 田上 高広*
no journal, ,
東北日本弧前弧域の北上山地と阿武隈山地における隆起・削剥史の定量的解明を目的として、熱年代学(アパタイトフィッション・トラック法, アパタイト(U-Th)/He法, ジルコンU-Pb法)による検討を実施した。北上山地においては、アパタイトフィッション・トラック年代は東に向かって古くなる傾向を示した一方で、アパタイト(U-Th)/He年代は最も西側の一点を除いて約40Maで一定の値を取っており、隆起様式が時間変化した可能性が示唆された。阿武隈山地では、畑川構造線より西側で若い冷却年代が得られ、畑川構造線に沿った上下変位の影響が考えられる。
福田 将眞*; 末岡 茂; Kohn, B.*; 田上 高広*
no journal, ,
奥羽脊梁山地の隆起様式の制約のため、低温領域の熱年代学的手法による検討を実施した。アパタイト(U-Th)/He年代およびアパタイトフィッション・トラック年代に基づくと、山麓から山地中央に向かって削剥速度が増加する傾向が認められた。斜面発達の式を用いた数値計算結果と比較すると、このような削剥速度分布は、傾動pop-upモデルよりも、ドーム状隆起モデルと整合的である。
梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; Kohn, B.*; 田上 高広*
no journal, ,
島弧地域のテクトニクス解明のため、東北日本弧前弧域の北上山地を対象に、熱年代学の手法で隆起・削剥史の推定を行った。アパタイトFT年代は89.1-79.6Ma、アパタイト(U-Th)/He年代は51.2-36.1Maの値が得られた。先行研究のデータも含めると、アパタイトFT年代は西から東に古くなるのに対して、アパタイト(U-Th)/He年代は約40Maでほぼ一定の値を示した。山地内で地温構造が一様だと仮定すると、北上山地の隆起形態は時代によって変化している可能性が考えられる。
小林 侑生*; 末岡 茂; 福田 将眞*; Kohn, B.*; 横山 立憲; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; 田上 高広*
no journal, ,
島弧-島弧衝突帯である南部フォッサマグナ地域の鉛直方向の変形を解明するため、低温領域の熱年代学による検討を行った。アパタイトフィッション・トラック(AFT)年代は既報のK-Ar年代やジルコンFT年代と同等か有意に若い年代を示し、アパタイト(U-Th)/He年代は、AFT年代と同等かさらに若い年代を示した。AFTデータを基にした熱史逆解析の結果によると、関東山地の北部と中央部では約1Ma、南部では約5Maに最終冷却の開始が推定されたが、これらはそれぞれ伊豆ブロックと丹沢ブロックの衝突時期と一致する。最終冷却開始以降の平均削剥速度は、河成段丘から推定された0.1Ma以降の隆起速度と調和的であった。本研究では伊豆と丹沢の衝突による本地域の隆起への影響が示唆されたが、丹沢山地では伊豆ブロックの衝突の影響が見られないことが先行研究で報告されている。各ブロックの衝突の影響の更なる理解のためには、伊豆ブロックの北方に位置する関東山地と御坂山地での更なる熱年代学的検討が望まれる。