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論文

Primary radiation damage; A Review of current understanding and models

Nordlund, K.*; Zinkle, S. J.*; Sand, A. E.*; Granberg, F.*; Averback, R. S.*; Stoller, R. E.*; 鈴土 知明; Malerba, L.*; Banhart, F.*; Weber, W. J.*; et al.

Journal of Nuclear Materials, 512, p.450 - 479, 2018/12

 被引用回数:315 パーセンタイル:99.52(Materials Science, Multidisciplinary)

あらゆる種類の放射線影響の科学的理解は、一次損傷、すなわち、高エネルギー粒子によって開始された原子弾き出し事象の直後に生成される欠陥から始まる。このレビューでは、過去数十年にわたり一次損傷の性質について繰り返し行われてきた広範な実験およびコンピュータシミュレーションの研究を検討する。我々は、材料における結晶学的または位相的欠陥の生成、ならびに原子混合、すなわち結晶学的位置の原子が他のものと位置を交換することも検討する。我々はまた、このエネルギー粒子の損傷を定量化するための現在の国際標準であるNorgett-Robinson-Torrens(NRT)-dpaの代替案を提供するための最近の取り組みについて考察する。我々は、NRT-dpaを拡張する新しい補完的な変位量推定(athermal recombination corrected dpa: arc-dpa)と原子混合(replacements per atom: rpa)関数を詳細に提示し、それらの利点と限界について議論する。

論文

Improving atomic displacement and replacement calculations with physically realistic damage models

Nordlund, K.*; Zinkle, S. J.*; Sand, A. E.*; Granberg, F.*; Averback, R. S.*; Stoller, R.*; 鈴土 知明; Malerba, L.*; Banhart, F.*; Weber, W. J.*; et al.

Nature Communications (Internet), 9, p.1084_1 - 1084_8, 2018/03

 被引用回数:223 パーセンタイル:98.88(Multidisciplinary Sciences)

原子衝突プロセスは、電子顕微鏡、半導体加工、原子力発電等、数多くの先進的な材料技術の基本である。ここ数十年にわたる広範な実験および計算シミュレーション研究によって、弾き出し損傷時に起きる原子スケールのプロセスを理解するための物理的基礎が確立された。損傷を定量化するための現在の国際標準はNorgett-Robinson-Torrens(NRT)-dpaと呼ばれているが、現在それにはいくつかの欠点が知られている。特に、金属のカスケード損傷で生成される欠陥の数は、NRT-dpa予測の約1/3であるのに対し、原子の混合に関与する原子数はdpa値よりも約30倍大きい。本研究では、弾き出し損傷をより現実的に記述し、NRT-dpaを拡張する2つの新しい指標を提案する。

論文

Effect of helium on irradiation creep behavior of B-doped F82H irradiated in HFIR

安堂 正己; 野澤 貴史; 廣瀬 貴規; 谷川 博康; 若井 栄一; Stoller, R. E.*; Myers, J.*

Fusion Science and Technology, 68(3), p.648 - 651, 2015/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:25.85(Nuclear Science & Technology)

照射下クリープに及ぼすヘリウムの影響を調べるために、F82H鋼およびボロン添加したF82H鋼の圧力管を準備し、573Kおよび673Kにて6dpaまでの中性子照射を行った。照射後、これらの圧力管の径を非接触型レーザーシステムにて測定し、クリープひずみの解析を行った。この結果、573K, 673Kにて照射されたF82H鋼のクリープひずみは約260MPaおよび170MPaの応力までそれぞれ直線的に増加することがわかった。特に673K照射材では、いくらかの$$^{10}$$BN添加F82H鋼のクリープひずみは、ヘリウムの発生しない$$^{11}$$BN添加F82H鋼に比べて増加する傾向にあった。この原因として、ボロンによって発生したヘリウムによりバブルが形成し、わずかなスウェリングが生じたためと考えられる。

論文

Primary radiation damage in materials

Nordlund, K.*; Sand, A. E.*; Granberg, F.*; Zinkle, S. J.*; Stoller, R.*; Averback, R. S.*; 鈴土 知明; Malerba, L.*; Banhart, F.*; Weber, W. J.*; et al.

NEA/NSC/DOC(2015)9 (Internet), 86 Pages, 2015/00

本報では、中性子, イオン, 電子による1次的照射損傷の現在の理解についてレビューを行う。照射損傷の指標であるdpaの有効性について、特にその指標の部分的な欠陥について詳しい議論する。現在最も標準的に使われているNRT-dpaは照射損傷が単位体積あたりの照射エネルギーに比例するので、そのようなスケーリングが成り立つ場合には完全に有効であり、異なった環境での照射を比較する場合に使用できる。しかしながら、NRT-dpaはいくつかの問題点が指摘されており、ここではそれについて詳しく議論し、NRT-dpaを改良した式を提案する。

論文

Physical properties of F82H for fusion blanket design

廣瀬 貴規; 野澤 貴史; Stoller, R. E.*; 濱口 大; 酒瀬川 英雄; 谷川 尚; 谷川 博康; 榎枝 幹男; 加藤 雄大*; Snead, L. L.*

Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1595 - 1599, 2014/10

 被引用回数:47 パーセンタイル:96.65(Nuclear Science & Technology)

低放射化フェライト/マルテンサイト鋼(RAF / M)は、増殖ブランケットの最も有望な候補材料である。しかし、設計解析に用いられるRAF/Mの物性値の評価例は非常に限られている。本研究では、設計解析に使用される材料特性データについて再評価するとともに、F82Hの複数ヒートについて新たに物性値を評価した結果を報告する。これまで、F82Hの熱伝導率はIEAラウンドロビン試験の中間報告値が国内外で広く参照されてきたが、複数ヒートの測定結果と比較すると、総じて20%程度過大に評価していることが明らかとなった。また、物性への中性子照射効果の一例として、573K及び673 Kにおいて、6dpaまで中性子照射したF82Hとその溶接部における抵抗率は、最大で6%低下することを明らかにした。

論文

Irradiation response in weldment and HIP joint of reduced activation ferritic/martensitic steel, F82H

廣瀬 貴規; Sokolov, M. A.*; 安堂 正己; 谷川 博康; 芝 清之; Stoller, R. E.*; Odette, G. R.*

Journal of Nuclear Materials, 442(1-3), p.S557 - S561, 2013/11

 被引用回数:9 パーセンタイル:57.54(Materials Science, Multidisciplinary)

The objective of this work is to investigate irradiation response in the joints of F82H. The joints of F82H were prepared using TIG welding, EB welding and Hot-Isostatic-Pressing (HIP). As for weld joints, mechanical specimens were cut out of weld-metal (WM), heat-affected-zone (HAZ). These specimens were irradiated in an instrumented irradiation capsule, RB-15J in HFIR at Oak Ridge National Laboratory. The irradiation temperature was controlled at 573 and 673 K using liquid lithium as a heating medium, and the irradiation dose was up to 6 dpa. Tensile tests after 573 K irradiation revealed that the hardening in WM and base metal (BM) are greater than 300 MPa. On the other hand, HAZ exhibits about half of that of the WM and BM. Since the HAZ is the weakest part in the joint even before irradiation, neutron irradiation significantly enhances the weakness of the HAZ and it could be in danger of local deformation at this region.

論文

Annealing simulation of cascade damage in $$alpha$$-Fe; Damage energy and temperature dependence analyses

鈴土 知明; Golubov, S. I.*; Stoller, R. E.*; 山口 正剛; 都留 智仁; 蕪木 英雄

Journal of Nuclear Materials, 423(1-3), p.40 - 46, 2012/01

 被引用回数:8 パーセンタイル:52.49(Materials Science, Multidisciplinary)

原子炉構造材料の照射効果を明らかにするため、損傷エネルギーが200keVまでのカスケード損傷の分子動力学シミュレーション結果を用いてキネティックモンテカルロ法による長時間の時間発展の解析を行った。われわれは特に残留する欠陥数が損傷エネルギーや温度によってどのように変化するかを詳細に調べた。この結果は照射下の微細構造発達の速度論方程式の入力パラメータとして使える。また本解析により、アニーリング中サブカスケードはほぼ独立して時間発展すること、そしてアニーリング結果の温度依存性は空孔拡散と空孔のクラスターからの脱離確率の温度依存性によって説明できることがわかった。

論文

Irradiation hardening in F82H irradiated at 573 K in the HFIR

廣瀬 貴規; 大久保 成彰; 谷川 博康; 安堂 正己; Sokolov, M. A.*; Stoller, R. E.*; Odette, G. R.*

Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.108 - 111, 2011/10

 被引用回数:18 パーセンタイル:78.83(Materials Science, Multidisciplinary)

F82Hは日米協力照射試験プログラムの下で、過去20年以上にわたって研究が進められてきた。これらの結果、F82Hは673K以上では60dpaまで照射硬化しないことが明らかとなった。本研究では照射硬化が顕著になる573KにおけるF82H照射試験の最新の結果を要約する。この研究で使用された材料はF82H-IEA及び改良鋼である。照射後の強度試験によりF82Hの照射硬化は9dpa付近で飽和し、その耐力は1GPaであることが明らかとなった。延性の低下も同様に9dpaで飽和した。また、照射の前にF82H-IEAより優れた延性を示した熱処理改良鋼の照射後延性は、標準的なF82Hのそれと同じレベルになることを得た。これはブランケット製作工程で生じたHAZ等の軟化部では延性低下が顕著となることを意味する。一方、ブランケット製作工程の熱履歴下で優れた組織安定性を示すTa増量鋼F82H-mod3の照射応答は、F82H-IEAと同等でありTaの悪影響は認められなかった。したがって、mod3材はHIPによって製造されるブランケットの構造材料として有効であると言える。

論文

Heat treatment effect on fracture toughness of F82H irradiated at HFIR

大久保 成彰; Sokolov, M. A.*; 谷川 博康; 廣瀬 貴規; 實川 資朗; 沢井 友次; Odette, G. R.*; Stoller, R. E.*

Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.112 - 114, 2011/10

 被引用回数:10 パーセンタイル:60.88(Materials Science, Multidisciplinary)

熱処理条件及び微量添加元素を変化させた低放射化フェライト鋼F82Hの照射硬化及び破壊靭性について調べた。試料は、標準材であるF82H-IEA材,IEA材に各種熱処理を加えたMod1シリーズ及びF82Hにタンタルを0.1%添加したMod3材である。これらの試料をHFIR炉で300$$^{circ}$$Cにて約18dpaまで照射した。照射後の硬さ試験の結果、Mod3材の照射硬化はIEA材と同程度であった。また、Mod1シリーズは、熱処理条件によって照射硬化が比較的抑えられる傾向を示した。破壊靭性試験から求めたMod3材の脆性遷移温度は、IEA材に比べて低く、室温付近であった。また、Mod1材も同様に室温付近であった。以上の結果から、熱処理条件の絞込み及び微量添加元素の調整が、照射後の遷移温度上昇の抑制に効果的であることが明らかになった。

論文

Status and key issues of reduced activation ferritic/martensitic steels as the structural material for a DEMO blanket

谷川 博康; 芝 清之; M$"o$slang, A.*; Stoller, R. E.*; Lindau, R.*; Sokolov, M. A.*; Odette, G. R.*; Kurtz, R. J.*; 實川 資朗

Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.9 - 15, 2011/10

 被引用回数:131 パーセンタイル:99.57(Materials Science, Multidisciplinary)

ITER建設の開始をうけ、原型炉にむけた研究開発はより具体的段階への移行が始まりつつある。この段階において開発の中心となる材料は、10年程度で工学設計活動に利用できるだけの十分な工学的バックグラウンドを有している材料でなければならない。この観点から、F82H、あるいはEUROFERといった低放射化フェライト鋼は、そのような要求を十分に満たすポテンシャルを有する唯一の材料といえる。そのことから、日欧協力「幅広いアプローチ」活動における国際核融合エネルギー研究開発センターにおける原型炉ブランケット材料工学開発における対象材料とされている。本論文では、特に材料製造技術,製作技術,検査試験技術、及び材料データベースの現状について総括する。また照射効果に関する近年の新しい知見についても総括する。

論文

Irradiation temperature determination of HFIR target capsules using dilatometric analysis of silicon carbide monitors

廣瀬 貴規; 大久保 成彰; 谷川 博康; 加藤 雄大*; Clark, A. M.*; McDuffee, J. L.*; Heatherly, D. W.*; Stoller, R. E.*

DOE/ER-0313/49, p.94 - 99, 2010/12

The objective of this work is to determine the irradiation temperatures of the HFIR target capsules JP-26 and JP-27, which were conducted under the Collaboration on Fusion Materials between Japan Atomic Energy Agency and the United States Department of Energy. The irradiation temperatures of the HFIR target capsules JP-26 and JP-27 were determined by dilatometric analysis of silicon carbide (SiC) passive temperature monitors. The monitors from holders for SSJ3 tensile specimens demonstrated good agreement with the design temperatures derived from finite element model (FEM) analysis and were consistent with post-irradiation hardness of F82H. Although the irradiation temperatures for some bend-bar (PCCVN and DFMB) holders were higher than FEM analysis, hardness tests on irradiated F82H implied that actual irradiation temperatures were close to the design temperatures.

論文

Kinetic Monte Carlo annealing simulation of cascade damage in $$alpha$$-Fe

鈴土 知明; Golubov, S.*; Stoller, R.*; 山口 正剛; 都留 智仁; 蕪木 英雄

Proceedings of Joint International Conference of 7th Supercomputing in Nuclear Application and 3rd Monte Carlo (SNA + MC 2010) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2010/10

分子動力学は原子炉構造材料中でのカスケード照射損傷を解析するのに適したツールであるが、その手法で追える時間は100ピコ秒程度である。それに対してキネティックモンテカルロ法によるカスケードアニーリングシミュレーションはカスケード損傷後の長いシミュレーションに適している。そこでわれわれは$$alpha$$-鉄においてそのようなアニーリングシミュレーションを包括的に行った。PKAエネルギーが10keV以上の場合ではカスケード事象直後に残存する弾き出し量のNRT標準値に対する比が0.3程度あるが、300Kにおけるアニーリングによってその約3割が再結合で消失することがわかった。また再結合率はアニール温度を上げると高くなることがわかった。これらの結果は、速度論を用いたカスケード蓄積シミュレーションのモデリングに有用なデータを提供する。以上のように、本成果は原子力分野の材料研究開発に資する成果である。

論文

Assembly of the US-Japan MFE-RB-15J experiment for irradiation in the HFIR

廣瀬 貴規; 安堂 正己; 谷川 博康; 大久保 成彰; McDuffee, J. L.*; Heatherly, D. W.*; Sitterson, R. G.*; Stoller, R. E.*; 山本 琢也*

Fusion Materials Semiannual Progress Report (DOE/ER-0313/46) (Internet), p.72 - 78, 2009/06

熱中性子を遮蔽した計装化キャプセルMFE-RB-15J照射試験の試験片情報を報告する。本J試験は、米国エネルギー省と日本原子力研究開発機構の国際協力による核融合材料の協力照射試験の一環として実施されたもので、ITER-テストブランケットモジュールの設計作業のために300$$^{circ}$$C及び400$$^{circ}$$Cで6dpa間で照射した低放射化マルテンサイト鋼F82H及びその接合部の強度データを取得するとともに、ホウ素同位体を用いて鋼に300ppmのヘリウムを導入し、強度特性に及ぼす核変換ヘリウムの影響を評価することを目的とする。試験用キャプセルは2008年4月に完成し、中性子照射試験は米国オークリッジ国立研究所の試験炉HFIRのRB-1A照射孔において、第415サイクルから照射開始された。

論文

Effect of two-steps heat treatments on irradiation hardening in F82H irradiated at 573 K

安堂 正己; 谷川 博康; 若井 栄一; Stoller, R. E.*

Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.315 - 318, 2009/04

 被引用回数:18 パーセンタイル:74.76(Materials Science, Multidisciplinary)

573K付近の照射で生じる低放射化フェライト鋼の照射硬化挙動を明らかにするために、熱処理条件を変化させたF82H鋼を準備し、中性子照射・イオン照射によって生じた照射硬化についての比較を行った。その結果、573Kで照射されたF82H鋼ではすべての材料について照射硬化を生じたが、焼き戻し温度が高めの条件のF82H鋼では、照射前後の硬さ値が最も低い結果となった。中性子照射材の引張試験の結果では、同様に降伏応力が最も低くなるのに加えて、硬化量($$Delta$$YS)も低減する傾向にあることがわかった。これらの結果から、熱処理条件によって照射硬化量が低減できる可能性があることが明らかとなった。

論文

Technical issues of reduced activation ferritic/martensitic steels for fabrication of ITER test blanket modules

谷川 博康; 廣瀬 貴規; 芝 清之; 笠田 竜太*; 若井 栄一; 芹澤 久*; 川人 洋介*; 實川 資朗; 木村 晃彦*; 幸野 豊*; et al.

Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1471 - 1476, 2008/12

 被引用回数:78 パーセンタイル:97.72(Nuclear Science & Technology)

低放射化フェライト鋼は、核融合ブランケットシステムに用いられる構造材料の第一候補材として知られている。日本で開発が進められている低放射化フェライト鋼F82Hは、高温強度と溶接性を重視して成分調整が計られた鋼である。そのデータベースは、存在する低放射化フェライト鋼のうちで最も充実している。本論文は、F82Hの開発状況をレビューし、近年の日本における研究開発から示されたITER-TBM製作に向けた技術的課題を整理し示すことを目的とする。

論文

HFIR照射された低放射化フェライト鋼の照射下クリープ挙動

安堂 正己; 谷川 博康; 芝 清之; 實川 資朗; 幸野 豊*; 香山 晃*; Li, M.*; Stoller, R. E.*

日本金属学会誌, 71(7), p.559 - 562, 2007/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

本研究では、各種低放射化フェライト鋼の小型圧力管試験片を用い、5dpa, 300/500$$^{circ}$$CまでHFIRで照射された圧力管の径変化を測定することにより、照射下クリープデータの解析を行った。300$$^{circ}$$C, 5dpaにおいては、周応力と歪量の関係は各鋼類似の傾向となった。周応力300MPa以下までは、照射クリープ歪はほぼ一定の割合で増加した。また、より高い応力条件(400MPa)では、急激な歪量の増加が見られた。最も歪量が大きかったのは周応力400MPaのJLF-1鋼であり、0.24%となった。この原因のひとつとして、JLF-1鋼の照射前の強度が低かったことが考えられる。またボロン,マンガン添加材については、今回の条件では無添加鋼と比べて、特に顕著な相違は見られなかった。500$$^{circ}$$C, 5dpa照射材においては、高応力側の試験片は破損していたが、おおむね150MPa以下では周応力と歪の関係は直線関係にあることがわかった。

口頭

Correlation between tensile property and micro-hardness with its micro-deformation zone in irradiated Ferritic/Martensitic steels

安堂 正己; 谷川 博康; 若井 栄一; Stoller, R.*

no journal, , 

米国HFIR炉及び高崎TIARAで照射した低放射化フェライト鋼F82Hと熱処理を調整したF82H鋼について生じた照射硬化について比較した。中性子照射材及びイオン照射材の結果から、約573Kで照射されたF82H鋼においてはすべて照射硬化を生じたが、そのうち焼き戻し温度が高めのF82Hについては、照射前後での硬さの値が低く留まることがわかった。一方、中性子照射材の室温引張試験の結果では同様に照射硬化が生じるが、焼き戻し温度の高めのF82Hについては、降伏応力が最も低くなるのに加えて、照射硬化量も少ない傾向にあることがわかった。これらの結果は、以前報告されている溶接材の結果と類似していることから、熱処理によってF82H鋼の照射硬化が低減できることを示すものと考えられる。

口頭

F82H鋼の照射硬化に対する焼き戻し熱処理の影響

安堂 正己; 谷川 博康; 若井 栄一; 實川 資朗; 香山 晃*; Stoller, R.*

no journal, , 

低放射化フェライト鋼は、573K付近の中性子照射によって、照射硬化・脆化が生じることが報告されており、これらの特性変化を抑制する方法を見いだすことは、核融合炉ブランケット構造材料の信頼性・経済性の向上に大きく寄与するものと考えられる。そこで本研究では、低放射化フェライト鋼F82Hの照射硬化に対する焼き戻し熱処理の影響について、原子炉照射及びイオン照射によって調べた。イオン照射材の結果より、焼き戻し温度条件が高いF82H鋼ほど、照射前後の微小硬さは標準材のF82H鋼に比べて低くなることがわかった。また、HFIRで照射された中性子照射材のビッカース硬さにおいてもイオン照射材の結果と同様の傾向を示すことがわかった。以上の結果は、熱処理条件によりF82H鋼の照射後強度が調整可能であることを示すものである。

口頭

HFIR照射されたF82H鋼の焼き戻し条件と照射硬化挙動

安堂 正己; 谷川 博康; 若井 栄一; 廣瀬 貴規; Stoller, R.*

no journal, , 

本研究では、熱処理を変化させた低放射化フェライト鋼F82Hにイオン照射及び中性子照射を実施し、照射硬化に対する熱処理への影響について調べたところ、熱処理条件の調整によって照射硬化低減につながる可能性があることを明らかとした。これまでの結果より、低放射化フェライト鋼は300$$^{circ}$$C付近の照射により、照射脆化とともに照射硬化・延性劣化が生じるが、使用寿命・信頼性の向上のためこれらをできるだけ抑制する必要がある。ビッカース硬さ試験の結果より、イオン・中性子照射材ともに焼き戻し温度が高い条件では、照射後の硬さ値は標準材に比べて低くなることがわかった。引張試験の結果では、焼き戻し温度が高くなるにつれて、照射前後の降伏応力は標準材に比べて低下する傾向にあるが、焼き戻し温度を高めたF82H Mod1-A材においては、照射後の降伏応力差分もF82H IEAに比べて約30%低減した。また伸びの変化については、照射前ではMod1-A, B材(細粒処理材)は、F82H標準材よりも大きい値であるが、300$$^{circ}$$C照射後は、標準材と同等程度となることがわかった。

口頭

Microstructure evolution in pressurized creep tube specimens of neutron-irradiated ferritic/martensitic steels

安堂 正己; 谷川 博康; Li, M.*; 中田 隼矢; Stoller, R.*; 幸野 豊*

no journal, , 

本研究では、照射下クリープ測定済の試験片について、そのクリープ機構を明らかにするために、ミクロ組織観察及びレプリカ観察を行った。供試材料はF82H及びJLF-1であり、HFIRにて573及び773Kにて中性子照射されたクリープチューブ片の中央を切出したものを用いた。これらの材料について、FIB装置によるミクロ組織観察用試験片・レプリカサンプルを作成した。573K,5dpa材(フープ応力400MPa)のレプリカ像の結果より、析出物が旧オーステナイト粒界に沿う傾向にあること、またこれまでの573K照射材で確認されている微細な球状の析出物がクリープ試験後材でも観察された。

口頭

キネティックモンテカルロ法によるカスケード損傷のアニーリング解析

鈴土 知明; 山口 正剛; 都留 智仁; 濱口 大; Golubov, S.*; Stoller, R.*

no journal, , 

原子炉構造材料中の照射カスケード損傷を実験的に観察することは不可能であり、その解析は分子動力学(MD)に頼らざるを得ないことが知られている。しかし、MDが追える時間スケールは100ピコ秒程度であり、損傷の長期的な変化を解析することはできないため、MDで得られたカスケード損傷データを入力として、キネティックモンテカルロ法によるアニーリングシミュレーションが重要となる。このような背景がある中、最近、鉄中の格子間原子クラスターの運動に関する理論に進展があったため、新たなアニーリングシミュレーションが可能となり、シミュレーションを実際に行ってみた。その結果、従来よりも照射損傷効果が少なくなることがわかった。この事実は、従来の研究において、照射損傷を過大評価していたことを意味しており、今後のさらなる検討が必要である。以上のように本成果は原子力分野の材料研究開発に資する成果である。

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