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寺田 敦彦; Thwe Thwe, A.; 日野 竜太郎*
JAEA-Review 2024-049, 400 Pages, 2025/03
福島第一原子力発電所(1F)事故における水素爆発を鑑みて、原子力技術者が理解しておくべき水素安全技術の先端を示しつつ、原子力技術者に協力すべき燃焼、爆発専門家向けに原子力における水素安全の要点を示し、事故後廃棄物管理までを視野に入れて放射線分解水素に関する情報を加えた「原子力における水素安全対策高度化ハンドブック(第1版)」を2017年に刊行した。その後、水素安全対策の合理的な高度化や水素安全評価のさらなる信頼性の向上に向けて、原子力事故の解析に一般的に用いられている集中定数系(LP)コードを補完するうえで、原子炉格納容器(CV)内での局所的な水素濃度上昇の影響、着火後の火炎伝播加速による安全機器の健全性、水素処理対策の妥当性等をより精緻、かつ定量的に評価できる数値流体力学(CFD)解析への期待が高まっている。これは、さらなる水素挙動や爆発燃焼に対する安全性の向上を図ることが必要とされていることにもよる。そこで、加圧水型原子炉(PWR)を対象に、シビアアクシデント(SA)時の水素拡散から爆発燃焼、それによるCV及びCV内の安全機器への影響評価までを解析するCFDによる水素挙動統合解析システムを構築・整備してきた。ここで得られたSA安全対策、それによる水素安全向上、安全対策を踏まえた水素発生事故に対する安全性評価などについて、LP及びCFD解析の役割や活用例を本「原子力における水素安全対策高度化ハンドブック(第2版)」にまとめた。ハンドブックに記載した実機サイズの解析結果は解析モデル等を既存の代表的な小型、中型、大型試験による照合解析で確認した。
Thwe Thwe, A.; 門脇 敏; 永石 隆二
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(6), p.731 - 742, 2023/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)本研究では、詳細な化学反応を考慮した非定常反応流れの数値計算を遂行し、固有不安定性による水素-空気希薄予混合火炎の不安定挙動を調べ、未燃ガス温度と圧力の影響を明らかにした。広い空間における火炎の不安定挙動をシミュレートし、セル状火炎の燃焼速度を求めた。そして、火炎不安定挙動に及ぼす熱損失および火炎スケールの効果を精査した。平面火炎の燃焼速度は、未燃ガスの温度が上昇すると増加し、未燃ガスの圧力と熱損失が上昇すると減少する。平面火炎の燃焼速度で標準化したセル状火炎の燃焼速度は、圧力(温度)の上昇と共に増大(減少)する。熱損失が存在する場合、標準化したセル状火炎の燃焼速度は、断熱の場合より大きくなる。これは、未燃ガスの高圧力と熱損失は、火炎の不安定挙動と不安定性をプロモートするからである。
勝身 俊之; Thwe Thwe, A.; 門脇 敏
Journal of Visualization, 25(5), p.1075 - 1083, 2022/10
被引用回数:2 パーセンタイル:18.12(Computer Science, Interdisciplinary Applications)希薄燃焼と不活性ガス添加は、水素予混合火炎の燃焼速度を制御するのに有用であり、固有不安定により希薄水素火炎の前面にセル状構造が形成されることはよく知られている。しかし、希薄水素予混合火炎の不安定現象に対する不活性ガス添加の影響は十分に理解されていないため、火炎の不安定性を実験的に調査する必要がある。実験では、不安定現象の特性を解明するために、フラットバーナー上の水素/酸素/不活性ガス(Ar, N, CO
)予混合火炎のセル状構造と変動を、直接観察,レーザー診断および発光強度を使用して取得した。その結果、不活性ガス添加量,当量比,総流量とセル状火炎の特性との相関関係が明らかになり、これらのパラメータが火炎の不安定性に及ぼす影響が議論された。
Thwe Thwe, A.; 寺田 敦彦; 日野 竜太郎; 永石 隆二; 門脇 敏
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(5), p.573 - 579, 2022/05
被引用回数:1 パーセンタイル:9.64(Nuclear Science & Technology)高レベル放射性合水廃棄物容器内発生している水素の燃焼及び爆発の危険性について注意する必要がある。本研究では、密閉容器内での水素燃焼の特性を調査するためにオープンソースコードOpenFOAMを使用してシミュレーションを行い、初期火炎速度の影響による火炎面の挙動を調べた。初期の層流火炎速度が増加すると、火炎の半径,圧力,温度が増加し、流体力学的効果によりセル状火炎形状は堅牢になったことが分かった。コードの検証分析のために既存の水素-空気爆発実験から導出した火炎速度モデルをコードに実装し、火炎面に格子解像度の影響を明らかにした。格子サイズが小さくなると、火炎面のセル分離がより明確に形成され、火炎半径が大きくなった。シミュレーションによって得られた火炎半径とセル状火炎面は実験結果と合理的に一致した。
古山 大誠*; Thwe Thwe, A.; 勝身 俊之; 小林 秀昭*; 門脇 敏
日本機械学会論文集(インターネット), 87(898), p.21-00107_1 - 21-00107_12, 2021/06
断熱および非断熱条件下での水素-空気希薄予混合火炎の不安定挙動に及ぼす蒸気添加の影響を数値計算的に調査した。8つの活性種と希釈剤の17の可逆反応でモデル化された水素-酸素燃焼の詳細な化学反応メカニズムを採用し、圧縮性ナビエ・ストークス方程式に基づいて、2次元の非定常反応流が処理された。蒸気の追加と熱損失が増加すると共に平面火炎の伝播速度は減少した。水蒸気濃度の増加と共に、標準化したセル状火炎の燃焼速度は増大し、熱損失が存在する場合、標準化したセル状火炎の燃焼速度は、断熱の場合より大きくなった。水蒸気添加により、水素-空気希薄予混合火炎の不安定挙動はプロモートされる。これは、ガスの熱拡散率が減少し、拡散-熱的不安定性が強くなるからである。水素予混合火炎の不安定性に及ぼす水蒸気添加の効果は新たな知見であり、原子力発電所などにおける水素防爆対策に繋がることが期待される。
勝身 俊之; 吉田 康人*; 中川 燎*; 矢澤 慎也*; 熊田 正志*; 佐藤 大輔*; Thwe Thwe, A.; Chaumeix, N.*; 門脇 敏
Journal of Thermal Science and Technology (Internet), 16(2), p.21-00044_1 - 21-00044_13, 2021/00
被引用回数:9 パーセンタイル:37.40(Thermodynamics)水素/空気予混合火炎の動的挙動の特性に及ぼす二酸化炭素と水蒸気の添加の影響を実験的に解明した。シュリーレン画像により、火炎面の凹凸が低い当量比で明瞭に観察された。火炎半径が大きくなると共に伝播速度は単調に増加し、火炎面の凹凸の形成に起因する火炎加速が生じた。不活性ガスの添加量を増やすと、特にCO添加の場合、伝播速度が低下した。さらに、マークスタインの長さと凹凸係数が減少した。これは、CO
またはH
Oの添加が水素火炎の不安定な動きを促進したことを示してあり、拡散熱効果の強化が原因であると考えられる。水素火炎の動的挙動の特性に基づいて、火炎加速を含む伝播速度の数学モデルで使用されるパラメータが得られ、その後、さまざまな条件下での火炎伝播速度が予測された。
門脇 敏; Thwe Thwe, A.; 古山 大誠*; 河田 一正*; 勝身 俊之; 小林 秀昭*
Journal of Thermal Science and Technology (Internet), 16(2), p.20-00491_1 - 20-00491_12, 2021/00
被引用回数:10 パーセンタイル:41.03(Thermodynamics)水素-空気予混合火炎の固有不安定により生じるセル状火炎面の不安定運動に及ぼす圧力と熱損失の影響を数値的に調査するために、水素-酸素燃焼の反応機構を採用し、8つの活性種と希釈剤の17の可逆反応をモデル化した。二次元非定常反応流れの基礎方程式が処理され、圧縮率,粘度,熱伝導,分子拡散、および熱損失が考慮された。圧力が高くなると、最大成長率が増加し、不安定な範囲が広がった。これらは主に火炎の厚さの減少によるものだった。圧力が高く、熱損失が大きくなると共に平面火炎の燃焼速度で標準化したセル状火炎の燃焼速度は増加した。これは、圧力と熱損失が細胞炎面の不安定な動きに強く影響したことを示している。また、フラクタル次元が大きくなり、炎の形状が複雑になったことを示している。
門脇 敏; 野上 雅人*; Thwe Thwe, A.; 勝身 俊之*; 山崎 渉*; 小林 秀昭*
日本機械学会論文集(インターネット), 85(879), p.19-00274_1 - 19-00274_13, 2019/11
本研究では、流体力学的不安定性と拡散・熱的不安定性に起因する三次元セル状予混合火炎に及ぼす未燃ガス温度と熱損失の効果を調べるため、三次元圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式を採用して三次元の反応流れの数値計算を実行した。未燃ガス温度が下降し熱損失が増大するとともに、火炎の増幅率は小さくなり、不安定領域は狭くなる。これは、主として平面火炎の燃焼速度の低下によるものである。その増幅率と波数を平面火炎の燃焼速度と質量流束密度で標準化すると、未燃ガス温度の下降とともに、標準化した増幅率は大きくなり、不安定領域は広くなる。これは、主に、既燃ガスと未燃ガスの温度比の増加によって熱膨張の効果が強くなること、並びに、ゼルドヴィッチ数の増大に伴う凹凸の火炎面における局所的燃焼速度の変化が顕著になることによるものである。最大増幅率に対応する特性波長をもつ擾乱を平面火炎に加えると、それは固有不安定性により発達し、セル状の火炎面が形成される。標準化したセル状火炎の燃焼速度は、未燃ガス温度の下降とともに増加する。また、熱損失が増大するとセル状火炎の燃焼速度は増加する。これは、熱損失が拡散・熱的不安定性において重要であることを示している。
Thwe Thwe, A.; 寺田 敦彦; 日野 竜太郎
JAEA-Technology 2018-012, 45 Pages, 2019/01
原子力発電所に関連するシビアインシデントや製造工程のリスク以外に、原子力廃棄物のリスクも社会を脅かす可能性がある。低レベル及び高レベルの放射性廃棄物を含む核廃棄物の長期保管下では、金属廃棄物の腐食や容器壁自体の腐食及び廃棄物中の水の放射線分解により水素が自発的に発生する。そこで、水素安全及び環境汚染のリスク低減のために、放射性廃棄物容器における水素燃焼爆発の挙動と特性を調べることとした。本報告書では、OpenFOAMを適用し、簡易コンテナー内におけるメタン燃焼の温度, 速度と二酸化炭素分布を調べる数値解析シミュレーションを行った。燃焼シ解析では、LESフレームを備えているFireFoamソルバーを使用した。結果として、容器の高さ及び流入口のサイズが大きくなるとともに平均温度が上昇することが分かった。一方、FireFoamソルバーで行ったメタン、水素及びヘリウムの拡散挙動シミュレーションから、メタンや水素よりもヘリウムのほうが速く拡散することが明らかにした。XiFoamソルバーを利用することにより、化学量論的条件下で立方体燃焼容器における水素空気予混合火炎の火炎伝播半径が得られた。
Thwe Thwe, A.; 門脇 敏; 日野 竜太郎
Journal of Thermal Science and Technology (Internet), 13(2), p.18-00457_1 - 18-00457_12, 2018/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Thermodynamics)拡散・熱的(D-T)モデル及び圧縮性ナビエーストークス(N-S)方程式を用いて広域における低ルイス数セル状予混合火炎の不安定挙動について、反応流れ場の二次元非定常数値解析を行った。圧縮性N-S方程式によって得られた火炎の成長増幅率は、D-Tモデルによって得られたものより大きく、不安定領域は広いことが分かった。計算領域を広くした結果、大きなセル状火炎から分離された小さなセルの数は劇的に増加した。このとき、圧縮性N-S方程式に基づく数値結果では、より強い不安定挙動及びより大きな平均燃焼速度が観察された。併せて、圧縮性N-S方程式によって得られたフラクタル次元は、D-Tモデルによって得られたものよりも大きかった。加えて、放射熱損失が低ルイス数予混合火炎の不安定性を促進することを確認した。
Thwe Thwe, A.; 寺田 敦彦; 日野 竜太郎
no journal, ,
高レベル放射性含水廃棄物容器中に水素が継続的に発生しているので、水素の燃焼と爆発の危険性について注意する必要がある。水素安全管理においては、実験的な研究に加え、火炎伝播現象の予測におけるCFDアプローチは重要な役割を果たしている。そこで、放射性廃棄物容器中の水素燃焼へのアプローチとして、オープンソースソフトウェア、OpenFOAMを用いて、水素-空気予混合火炎伝播シミュレーションを行った。勝身ら[長岡技術科学大学]による水素-空気爆発実験から導き出された新しい層流火炎速度モデルをXiFoamソルバーに実装したシミュレーションでは、実験と同じく火炎が外側に広がったときにしわ状火炎が形成され、シミュレーションから得られた球状火炎半径は実験結果と0.005秒以内の差でよく一致した。
寺田 敦彦; Thwe Thwe, A.; 永石 隆二
no journal, ,
含水放射性廃棄物の長期保管にあたっては、水の放射線分解で発生する水素による爆発・燃焼の危険性を低減することが重要である。保管容器の中は、主に水素-空気-水蒸気系の雰囲気であり、水蒸気は壁面等において凝縮する。したがって、容器内の水素リスクを把握するには、水蒸気の凝縮過程を正確に理解する必要がある。本研究では、水蒸気雰囲気中にヘリウム(He)が漏洩した際の水蒸気の凝縮量の算出手法についてCFDシミュレーションによる感度解析を行い、実験結果との比較評価を行った。その結果、単純な液膜挙動を考慮した凝縮モデルを用いることで、実験結果の再現性が向上することがわかった。
永石 隆二; 寺田 敦彦; Thwe Thwe, A.; 伊藤 辰也
no journal, ,
燃料デブリの収納・移送・保管技術の開発では、これまで塊状デブリに対する水素(H)発生量評価手法の開発が進められてきたが、現在、粉状デブリに対する開発を進めている。その粉状デブリは、取り出し時のデブリの切削加工時等で発生して、一部は細砂サイズ(0.1mm)未満で、液相系で回収される。このような高LET放射線(
)の透過距離に近い小さな粒径と、高い比表面積を有する粉状デブリの場合、塊状デブリの場合と異なるH
の挙動が予測される。本報告では、粉状デブリでの水の放射線分解で発生するH
の挙動の評価・考察について紹介する。
寺田 敦彦; 永石 隆二; Thwe Thwe, A.; 伊藤 辰也
no journal, ,
燃料デブリの収納・移送・保管技術の開発では、これまで塊状デブリに対する水素(H2)発生量評価手法の開発が進められてきたが、現在、粉状デブリに対する開発を進めている。ここで、新たな試みとして、粉状デブリと水の混合物中の「動き」や「変化」といった粉状デブリの経時的な状態を視覚的に捉える数値流体力学(CFD)解析に着手した。この「動き」や「変化」として現在、水の放射線分解に伴い発生して混合物中に保持されると予測されているH気泡(H
だまり)に関連して、粘弾性流体中のH
気泡(バブル)の成長・挙動(液相と気相)、並びに混合物内部の経時的な構造変化(不均一化)(液相と固相)に注目して2相系の数値解析を進めている。本報告では、デブリの模擬としてセリアやジルコニアの酸化物を用いた、酸化物粉末の懸濁水内部の経時的な不均一化の解析の結果とともに、今後の課題や展開を紹介する。
Thwe Thwe, A.; 永石 隆二; 伊藤 辰也; 寺田 敦彦
no journal, ,
燃料デブリの収納・移送・保管技術の開発では、これまで塊状デブリに対する水素(H)発生量評価手法の開発が進められてきたが、現在、粉状デブリに対する開発を進めている。ここで、粉状デブリに水が吸着した場合、これが低LET放射線のガンマ線に照射されると、デブリ上の水には、ガンマ線のエネルギーが直接付与されるだけでなく、デブリに付与されたエネルギーが間接的に与えられるとの示唆が、二酸化ウラン等の酸化物粉末の研究で報告されている。したがって、この場合、水の放射線分解によるH
発生量の顕著な増加が危惧される。しかし、この場合の水に与えられるトータルのエネルギーは評価されておらず、H
発生量の増加の明確な評価・予測には至っていない。そこで、本研究では、報告にある酸化物粉末上に吸着した水の(吸収)線量の評価をJAEA等で開発した放射線輸送解析(PHITS)によって試みた。
伊藤 辰也; 永石 隆二; Thwe Thwe, A.; 寺田 敦彦
no journal, ,
燃料デブリの収納・移送・保管技術の開発では、これまで塊状デブリに対する水素(H)発生量評価手法の開発が進められてきたが、現在、粉状デブリに対する開発を進めている。ここで、粉状デブリが水中に懸濁した場合、デブリ中の放射線物質からの放射線によって水が分解してH
を生成するが、このH
が粉状デブリの懸濁水から放出して観測されたH
発生量は、懸濁水にH
気泡が保持されること(H
だまり)に伴い、その懸濁水試料の高さに依存することが予想される。この依存性を明らかにすることは、粉状デブリの収納や保管におけるH
発生やH
だまりといったH
安全管理を実現する上で重要である。そこで、本研究では、デブリの模擬としてセリアやジルコニアの酸化物を用いて、酸化物粉末の懸濁水からの水素発生の試料高さ依存性を
線照射実験で測定して、これを水の放射線分解の液深効果と比較した。
永石 隆二; 寺田 敦彦; 伊藤 辰也; Thwe Thwe, A.
no journal, ,
燃料デブリの収納・移送・保管技術の開発では、これまで塊状デブリに対する水素(H)発生量評価手法の開発が進められてきたが、現在、粉状デブリに対する開発を進めている。ここで、デブリの模擬としてセリアやジルコニアの酸化物を用いて、その粉末の懸濁水中の水の放射線分解に伴うH
発生に関する実験を行っている。この懸濁水の粘性は酸化物粉末の粒子サイズや水中の濃度に依存するが、それだけでは決まらない。この粘性発現のメカニズムを把握することは、懸濁水中に保持されたH
気泡(H
だまり)を評価・予測する上で重要である。そこで、本研究では、物性分析や照射実験のデータから、懸濁水の粘度特性に及ぼす水中の酸化物表面上の帯電(pH依存)や水分子吸着の影響について議論した。
Thwe Thwe, A.; 寺田 敦彦; 日野 竜太郎; 永石 隆二; 門脇 敏
no journal, ,
燃料デブリ等の長期保管での水素安全管理の観点から、保管容器内の水素混合ガスの漏洩拡散、燃焼現象等の特性を理解することは重要であり、シミュレーションはそれを明らかにする有用な手法の一つである。本研究では、汎用オープンソースコードOpenFOAMを使用して、水素空気予混合火炎の伝播シミュレーションを行った。計算では、長岡技術科学大学の実験から導出された新しい層流火炎伝播速度モデルを適用し、2つの異なるサイズ(長さ0.21m及び0.13m)の立方体形状の容器内の空間をそれぞれ0.625mm及び0.5mmのメッシュサイズでモデル化した。容器内は、当量比1.0、初期温度298K、圧力101,325Paの水素-空気予混合気で満たされている。両ケースとも計算結果は、容器中心位置での着火後に予混合火炎が球状に伝播することを示し、その伝播現象は0.005秒以内の範囲で実験結果と良く一致した。また、火炎面のしわ形状は、メッシュサイズを細かくすることで、実験で観察された形状よりも微細化されているように見られた。これは、メッシュサイズがシミュレーションのしわ形状の形成に影響するからと考えられる。
寺田 敦彦; Thwe Thwe, A.; 日野 竜太郎; 永石 隆二
no journal, ,
福島第一原子力発電所廃炉時に発生する燃料デブリ等の放射性廃棄物の長期保管時の水素安全管理技術に資するため、水素の拡散・燃焼挙動を解析する数値流体力学(CFD)コードの整備を、保管容器中で想定される水蒸気等の不活性ガス雰囲気を考慮しながら進めている。本報では、水蒸気が及ぼす水素拡散や燃焼特性への影響を考慮した水素拡散及び燃焼の試解析結果を報告する。水素の拡散では、OECD/NEA ISP47のTOSQAN試験条件に沿って装置をモデル化して計算を試みたが、モデルによって計算結果が実験値と異なることを見いだした。また、水素の燃焼では、OECD/NEA ISP49のHD22試験条件に沿って計算を試みた結果、概ね実験結果を再現した。
Thwe Thwe, A.; 永石 隆二; 古川原 崚; 伊藤 辰也
no journal, ,
福島第一原子力発電所(1)F等の原子力発電所の廃炉プロセスで水分を含んだ放射性物質の保管における水素の安全性を図るためには、水の放射線分解による水素発生に関する実験的な研究だけでなく数値解析的な研究も重要である。これまでに、海水塩、液深、液温等の影響に関する実験、液体の流動の影響に関する計算等、1Fの廃止措置に密接に関係する研究を行ってきた。本研究では、オープンソースソフトウェアCANTERAに基づく鉛直方向の一次元の反応モデルを用いて、水素発生に対する液深効果に関する反応計算を行った。その液深効果を解析的に再現するには、鉛直方向の反応セルの分割が重要であることが分かった。ここで、その分割数を増やすと、吸収線量に対する水素発生量の増加の傾き(水素発生G値を表す)が小さくなり、実験結果に近づいた。ただし、その数が100を超えると、現在の実験条件および計算条件では計算結果が過小評価されてしまった。