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稲葉 優介*; 津曲 貴幸*; 喜田 達也*; 渡部 渉*; 中島 靖隆*; 福岡 佐千緒*; 森 敦紀*; 松村 達郎; 中野 義夫*; 竹下 健二*
Polymer Journal, 43(7), p.630 - 634, 2011/07
被引用回数:11 パーセンタイル:35.53(Polymer Science)重合可能な二重結合を持つ官能基をピリジン環に結合させた-(tetrakis-2-pyridylmethyl)ethylenediamine (TPEN)の誘導体を合成し、重合開始剤としてazobisisobutyronitrile (AIBN)を使用して-isopropylacrylamide (NIPA)との共重合を試みた。得られたTPEN-NIPA重合ゲルは、膨潤/収縮挙動に温度応答性が認められ、さらに抽出剤であるTPENの性能が発揮され水溶液中のカドミウム(II)イオンを抽出可能であった。重合ゲルは、側鎖にpropyl基, butyl基, decyl基及びisopropyl基を持つTPEN誘導体を用意して重合した。これらについて、カドミウムイオン抽出の温度依存性を比較した。これらのゲルによる水溶液中のカドミウム(II)イオン抽出は、膨潤状態である5Cにおいて効率が高く、収縮状態である45Cでは、ほとんど抽出されなかった。また、側鎖にisopropyl基を持つTPEN誘導体による重合ゲルが、抽出性能の高い温度応答性を有することを見いだした。
福岡 幸男*; 喜田 達也*; 中島 康孝*; 津曲 孝之*; 渡部 渉*; 稲葉 優介*; 森 敦紀*; 松村 達郎; 中野 義夫*; 竹下 健二*
Tetrahedron, 66(9), p.1721 - 1727, 2010/02
被引用回数:18 パーセンタイル:48.53(Chemistry, Organic)ピリジン環に結合させた重合性二重結合を持つアルコキシ基の数を1-4に変化させたTPEN誘導体を合成し、それぞれN-イソプロピルアクリルアミド(NIPA)とAIBN存在下において共重合させた。得られたポリTPEN-NIPAゲルについて、膨潤/収縮特性の温度応答性と、水相中からのカドミウム(II)の抽出に温度変化を観察した。特に重合性二重結合を3個以上持つTPEN誘導体から構成されるポリマーゲルは、水中において温度に依存して明確な膨潤収縮性を示した。これらのゲルは、Cd(II)イオンを5Cにおける膨潤状態で効率的に水相中から抽出したが、収縮状態である45Cでは抽出はわずかに観察されたのみであった。
竹下 健二*; 中野 義夫*; 松村 達郎; 森 敦紀*
Proceedings of 3rd International ATALANTE Conference (ATALANTE 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/05
Am(III)とEu(III)の分離を目指し、NIPA(N-isopropylacrylamide)とTPENの誘導体の一つであるTPPEN(N,N,N',N'-tetrakis(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamine)を共重合した感温性ゲルを用いた温度スイングクロマトプロセスの開発を進めている。まず、TPPEN-NIPAゲルの耐放射線性の確認のため、線照射試験及び核種長期吸着試験を実施し、これらによる吸着特性への影響が問題ないことを確認した。次に、多孔質シリカ粒子にTPPEN-NIPAゲルを固定し、分離性能を確認した。Am(III)は低温(5C)において抽出され、Euとの分離係数は3.7であった。また5Cから40Cに温度変化させることによって、Am(III)の分配係数は1/20に減少した。これらの結果は、TPPEN-NIPAゲルによる温度スイングクロマトプロセスのMA分離への適用性を示している。
竹下 健二*; 松村 達郎; 中野 義夫*
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(12), p.1481 - 1483, 2007/12
被引用回数:9 パーセンタイル:54.87(Nuclear Science & Technology)ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(NIPA)を六座の窒素ドナー配位子であるN,N,N',N'-tetrakis(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamineによって架橋した感温性ゲルを合成した。このポリマーネットワークは膨潤収縮特性に温度依存性を持ち、低温のpH5.3の水相中における膨潤状態でAm(III)の分配係数2000とAm/Euの分離係数18を確認した。また、Am(III)は温度上昇によるゲルの収縮によって放出されることを確認した。この特性は、このゲルを用いて温度スイングオペレーションを行うシンプルなMA/Ln分離プロセスの構築の可能性を示唆している。
竹下 健二*; Fugate, G.*; 松村 達郎; 中野 義夫*; 森 敦紀*; 福岡 幸雄*
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.120 - 125, 2007/09
TPENの誘導体である-tetrakis(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamine(TPPEN)をpoly--isopropylacrylamide(NIPA)に共重合して合成した感温性ゲルを利用し、温度スイング抽出法によるAm(III)とEu(III)の抽出分離を試みた。Am(III)とEu(III)の分離はゲルが膨潤状態である5Cにおいて観察され、pH5.2において分離係数18であった。ゲルに抽出されたAm(III)の90%以上が、膨潤状態(5C)から収縮状態(40C)へのゲルの体積相転移に伴って、ゲルから放出された。また、Am(III)の模擬としてソフト金属であるCd(II)を使用した温度スイング抽出繰り返し試験を行った結果、5C-40C間での温度スイング操作によってCd(II)は安定して抽出・放出を繰り返した。さらに、放射線照射のAmとEuの抽出に対する効果を、線照射(10kGy)と核種(Cm)長期吸着試験によって評価し、TPPEN-NIPAゲルは、これらの照射試験によって損傷を受けることはないことを確認した。これらの結果は、温度スイング抽出法が、分離変換技術に不可欠なMA/Ln分離プロセスに適用可能であることを示唆している。
竹下 健二*; 石田 圭吾; 中野 義夫*; 松村 達郎
Chemistry Letters, 36(8), p.1032 - 1033, 2007/08
被引用回数:22 パーセンタイル:57.38(Chemistry, Multidisciplinary)ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(NIPA)を六座の窒素ドナー配位子であるN,N,N',N'-tetrakis(4-propenyl-oxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamine(TPPEN)によって架橋された感温性ゲルによる、Cd(II)の温度スイング抽出について調べた。Cd(II)は5Cにおいて選択的に抽出され、40Cにおいてゲルが収縮すると放出された。高温時と低温時における分配比の違いは約30倍であった。
渡邉 雅之; Mirvaliev, R.*; 館盛 勝一; 竹下 健二*; 中野 義夫*; 森川 公私*; 近沢 孝弘*; 森 良平*
Solvent Extraction and Ion Exchange, 22(3), p.377 - 390, 2004/06
被引用回数:32 パーセンタイル:65.75(Chemistry, Multidisciplinary)TPEN(N,N,N',N'-tetrakis(2-methylpyridyl)-ethylenediamine)とD2EHPA(di(2-ethylhexyl)phosphoric acid)を用い、オクタノールを有機相とすることでマクロ量の3価ランタノイドから3価アクチノイドを選択的に協同抽出できることを示した。見かけ上の分離係数(Am(III)の分配比のEu(III)の分配比に対する比)は、80程度を示し、先にJensenらにより報告された錯生成度定数の差からの予測値とよく一致した。この選択的分離には、抽出剤のモル比が重要で、D2EHPA:TPEN=2:1のとき最も選択性が良いことを明らかにした。この協同抽出機構を明らかにするため、オクタノール中でTPEN単独系、及びTPENとD2EHPA共存系について吸光光度滴定を行い、Ln(III)と抽出剤との錯生成平衡を解析した。その結果、TPENはEu(III)に1分子配位した錯体[Eu(TPEN)]を生成し、さらにD2EHPAは[Eu(TPEN)]に2分子配位すること,オクタノール中でTPEN-D2EHPA及びEu(III)の混合配位子錯体はかなり安定に存在することなどを明らかにした。また、D2EHPAとTPENはオクタノール中で2:1のモル比で会合しており、このことも協同抽出において重要な要因であることを見いだした。
渡邉 雅之; Mirvaliev, R.*; 館盛 勝一; 竹下 健二*; 中野 義夫*; 森川 公私*; 森 良平*
Chemistry Letters, 31(12), p.1230 - 1231, 2002/12
被引用回数:40 パーセンタイル:73.3(Chemistry, Multidisciplinary)カプセル化可能なセミポダンドタイプの6座配位子TPENを用いて、Am(III)を希土類元素から分離することに成功した。本報告で紹介する抽出系は、他の錯化剤,改質剤などを使用する必要のない初めての例である。
竹下 健二*; 中野 義夫*; 松村 達郎
原子力バックエンド研究, 7(1), p.11 - 16, 2001/03
温度によって高分子ネットワーク構造が変化する感温性高分子ゲルを用いた新規なゲル/液抽出法を提案した。N-isopropylacrylamide(NIPA)に2-methacryloyloxy-ethylacidphosphate(MR)を共重合した感温性ゲルを合成し硝酸塩水溶液中のAm(III)抽出を行った。Am(III)の分配比は高温で大きく、温度低下によってゲルが体積相転移し膨潤すると低下した。3~40の間の繰り返し実験では、Am(III)の抽出と放出を安定して行うことができた。抽出機構は、Am+3R-OH(R-O)Am+3Hであり、40の抽出定数は3の約3倍であった。拡散係数は40,3いずれも10m/s程度であり、抽出クロマト樹脂と同等であった。また、8/minの速い温度変化に対しても良好な追従性を示した。これらの結果は、感温性ゲルを用いたゲル/液抽出法がAm(III)抽出・回収に利用可能であることを示している。
竹下 健二*; 中野 義夫*; 松村 達郎
化学工学シンポジウムシリーズ74; 金属のリサイクルおよび環境問題, p.89 - 95, 2000/05
温度変化によって高分子ネットワークの配置が変化する感温性高分子ゲルを用いたゲル/液抽出法を提案した。N-methacryloyloxyethylacidphosphate(MR)を共重合したN-isopropyl-acrylamide(NIPA)ゲルを合成して、硝酸イオンを含む水溶液中の希土類元素(La(III),Sm(III),Eu(III))とアクチノイド元素(Am(III))の抽出実験を行った。ゲル/液間の各金属イオンの分配比は、温度の増加に伴って増加した。すなわち、金属イオンはゲルの収縮状態(37以上)でゲルに抽出され、温度低下に伴う膨潤状態への体積相転移によって放出された。この時の収縮状態における抽出定数は膨潤状態の3倍以上の値を示した。また温度スイング操作を繰り返した結果、安定にこれら金属イオンの抽出・放出を行うことができた。これらの結果は、感温性ゲルの相転移現象が希土類元素やアクチノイド元素の抽出・回収に利用できることを示唆している。
竹下 健二*; 中野 義夫*; 松村 達郎
Proc. of Int. Conf. on Future Nuclear Systems (GLOBAL'99)(CD-ROM), 7 Pages, 1999/00
溶媒抽出法では通常金属イオンと抽出剤の錯形成反応により有機相に金属イオンを抽出し、溶離剤を用いて水相に回収する。溶離剤には異なる液相の水溶液あるいは錯形成剤を含む水溶液が用いられる。本研究では、リン酸エステルを感温性高分子ゲルに組み込むことにより、温度変化によるゲルの体積相転移現象に伴う高分子ネットワークの構造変化を利用した新規な抽出プロセスを提案する。本報では、リン酸エステルを導入したn-isopropylacrylamide(NIAP)ゲルを合成し、アクチノイド元素(Am(III))及びランタノイド元素の抽出溶離繰り返し試験を行って、相転移現象がアクチノイド元素の抽出・溶離操作に有効に利用できることを明らかにした。これにより、高度な分離機能を持つ新抽出剤を溶離剤と言う廃棄物発生源のないプロセスで利用できる可能性を示すことができた。
松村 達郎; 竹下 健二*; 中野 義夫*
no journal, ,
溶媒抽出の優れた分離機能を活かし、溶離剤使用量を極限的に削減できる合理的な分離技術である「感温性ゲルを用いた温度スイングクロマト分離法」を提案し、核種分離への適用を目指した研究を進めている。既に、TPEN誘導体を導入したAm(III)とEu(III)の分離性能を持つ感温性ゲルの合成に成功した。今回、MA/Ln分離の前段である高レベル廃液(HLW)からの3価のマイナーアクチノイド(MA)の回収を目的として、温度変化により体積相転移現象を示す感温性ゲルにDGAを導入したゲルを合成した。DGA構造の両端にAllyl基を有するDiallyldiglycolamide (DADGA)をN-isopropylacrylamide(NIPA)と共重合させ、DGA構造を導入し良好な感温性を有する新規機能性高分子ゲルを得た。さらに、トレーサー量のAm(III)とEu(III)を含む3N HNOによる吸着実験を行い、これらのイオンを有効に吸着可能であることを明らかにした。
竹下 健二*; 石田 圭吾; 中野 義夫*; 松村 達郎
no journal, ,
ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(NIPA)を六座の窒素ドナー配位子であるN,N,N',N'-tetrakis(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamine(tppen)によって架橋した感温性ゲルを合成した。このポリマーネットワークは膨潤収縮特性に温度依存性を持ち、低温のpH5.3の水相中において膨潤状態でAm(III)の分配係数2000とAm/Euの分離係数20を確認した。また、Am(III)は温度上昇によるゲルの収縮によって放出されることを確認した。この特性は、このゲルを用いて温度スイングオペレーションを行うシンプルなMA/Ln分離プロセスの構築の可能性を示唆している。
松村 達郎; 竹下 健二*; 中野 義夫*
no journal, ,
本研究では、感温性ゲルの体積相転移現象に伴う高分子ネットワークの構造変化によって抽出・逆抽出を行う新しい分離系の提案を行う。実験では、まずNIPAに架橋剤としてTPEN誘導体であるTPPENを導入することによって新規な感温性ポリマーゲルであるTPPEN-NIPAゲルを合成した。Am(III), Eu(III)の抽出実験の結果、Am(III)はゲルが膨潤状態である5Cにおいて選択的に抽出され、収縮状態となる40Cにおいて放出された。この時の分離係数は5Cにおいて約18であり、膨潤状態から収縮状態への体積相転移に伴ってAm(III)の分配比は1/50に減少した。また、Am(III)の模擬としてCd(II)を用いた温度スイング抽出繰り返し試験の結果、抽出と放出は、温度スイング操作に伴って安定に繰り返されることが明らかとなった。これらの結果は、TPPEN-NIPAゲルを用いた温度スイング抽出によって、Am(III)をランタノイドから効果的に分離することができることを示唆しており、抽出,逆抽出に試薬を加える必要のない、新規な分離系の構築の可能性を示している。
竹下 健二*; 尾形 剛志*; 中野 義夫*; 松村 達郎
no journal, ,
溶媒抽出法やイオン交換法などの分離プロセスでは、目的物質の分離・回収工程において大量の化学物質を必要とすることから大量の二次廃棄物発生は避けられない。そこで、溶媒抽出法に代わる新規抽出技術として感温性高分子ゲルを用いた「温度スイングクロマト分離法」を提案している。この抽出法では、感温性高分子ゲルの温度変化によって起こる体積相転移現象を利用し、ゲルに導入した高機能性配位子(包接化合物)の構造変化によって錯体形成能を制御して、目的金属イオンを高選択抽出する。原理的に目的金属の抽出・回収に化学物質を必要とせず、2次廃棄物をほとんど発生しない。本研究では包接型配位子N,N,N',N'-tetrakis(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)-ethylenediamine (TPPEN)を導入したN-isopropylacrylamide(NIPA)共重合ゲルを用いて、3価アクチノイド(Am(III))とランタノイド(Eu(III))の高選択分離及び3価アクチニドの温度スイング回収について検討した。その結果、ゲルの膨潤状態においてAm(III)がゲルに選択的に抽出され、分離係数は18であった。また、そのゲルを収縮状態にすることによって抽出されたAmの90%を回収することができた。
竹下 健二*; 尾形 剛志*; 中野 義夫*; 松村 達郎; 森 敦紀*
no journal, ,
TPEN誘導体であるTPPEN(N,N,N',N'-tetrakis(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamine)をNIPA(poly-N-isopropylacrylamide)と共重合した感温性ゲルを用いた温度スイング抽出法によって、Am(III)とEu(III)の抽出分離を試みた。ゲル膨潤状態(5C)においてEu(III)からのAm(III)の分離が観察され、その分離係数はpH5.2において18であった。この抽出されたAm(III)の90%以上が、膨潤状態(5C)から収縮状態(40C)へのゲルの体積相転移に伴って放出された。このゲルによるAm及びEuの抽出に対する放射線の影響について、線照射(10kGy)と核種(Cm)の長期吸着試験によって評価した。その結果、このTPPEN-NIPAゲルは、これらの試験において損傷は観察されなかった。これらの結果は、この温度スイング抽出法が分離変換技術の確立に不可欠なMA分離プロセスに適用可能であることを示唆している。
竹下 健二*; 中野 義夫*; 松村 達郎; 森 敦紀*
no journal, ,
二次廃棄物を原理的に発生させない新規分離技術として感温性高分子ゲルを用いた「温度スイングクロマト分離プロセス」を提案している。感温性を有するPoly-NIPAにMA分離性能を有するTPEN誘導体を共重合した感温性ゲル(TPPEN-NIPAゲル)を合成し、さらにこれを多孔質シリカに塗布したクロマト分離剤を実現した。このクロマト分離剤の分離特性を実験により明らかにし、さらにそのデータを用いて解析した結果、温度スイングクロマト分離プロセスによって実用的なAm/Eu分離が可能であるとの見通しを得た。
福岡 佐千緒*; 稲葉 優介*; 中島 靖隆*; 森 敦紀*; 竹下 健二*; 松村 達郎; 中野 義夫*
no journal, ,
TPEN [-tetrakis(pyridin-2-ylmethyl)-1,2-ethanediamine]は、6つの窒素ドナーによってさまざまな金属と錯体を形成することが知られている。また、ピリジン環に重合性官能基を持つTPEN誘導体は、NIPA(N-isopropylacrylamide)とラジカル重合する際に架橋剤として作用し、得られた高分子ゲルは金属を特異的に吸着することが報告されている。そこで今回われわれは、ピリジン環への重合性官能基の導入数の異なる新規TPEN架橋剤の合成を行った。さらに合成したTPEN誘導体とNIPAとをラジカル重合しゲル化を試みることにより、架橋剤としての機能性の検討を行った。その結果、分子内に存在する4個のピリジル基に重合性官能基を導入した誘導体は架橋剤として有効に機能したが、導入数が3個以下の誘導体は架橋剤として機能せず重合が進行しなかった。発表では、主として新規物質の重合に関する知見を報告する。
尾形 毅*; 竹下 健二*; 緒明 博*; 稲葉 優介*; 森 敦紀*; 松村 達郎; 中野 義夫*
no journal, ,
N,N,N',N'-tetrakis(2-pyridylmethyl)ethylenediamine(TPEN)は、包接型の六座窒素ドナー配位子として知られており、Am(III)とEu(III)のわずかなソフト性の違いを認識することが確認されている。われわれは、TPENのこの特徴を活かした新規な抽出クロマト剤の合成を試みた。配位子の分子の自由度を維持しつつ、流出を防止する保持材として、高分子ゲルの使用が期待される。TPENのピリジル基に重合可能な官能基を結合させた誘導体であるN,N,N',N'-tetrakis-(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamine(TPPEN)をN-isopropylacrylamide(NIPA)の架橋剤として使用して重合し、高分子ゲルを合成した。さらに、多孔質シリカをTPPEN-NIPAゲルの機械的強度を向上させるために使用した。この抽出クロマト剤に関するAm(III)とEu(III)の分離性能試験を実施中である。発表では、この抽出クロマト剤の特性と抽出能力について述べる。
川合 康太*; 中野 義夫*; 竹下 健二*; 永井 崇之; 小林 秀和; 天本 一平; 菖蒲 康夫
no journal, ,
ガラス固化溶融炉内の現象解明を目的として、高レベル廃液の熱分解挙動を検討している。ここでは、模擬高レベル廃液(sHLLW)中のルテニウムの存在がsHLLW中に含まれる他の主要金属硝酸塩の熱分解に与える影響を熱重量分析計を用いて検討を行った。その結果、ランタノイド硝酸塩およびアルカリ金属硝酸塩の熱分解反応に、ルテニウムが触媒として作用している傾向があることが判明した。これによりsHLLWの熱分解挙動が、より正確に再現できるようになった。